幸福レコード
Bobjack Theater
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2014/02/06 (木) ~ 2014/02/17 (月)公演終了
コメントがまとめられない…
Bチームを観劇。休憩なし、約2時間15分。
自分の文章構成能力の低さに嫌気がするほど、コメントがまとめられない。
コメントがまとめられない、これは誉め言葉です。もうお腹いっぱいで。
とりあえず言えるのは、観劇して良かったということ。
笑った。泣いた。ボロ泣きした。
客席はすすり泣く声に包まれた。
2時間15分、全然長くなかった。
その中に、これでもかというほどの内容が詰め込まれ、しかし全く駆け足ではなく丁寧に描かれている。
展開はポンポンと速いのだが、忙しくなく、すこぶるテンポが良い。
起承転結がハッキリしていて分かりやすい。
一冊の本(宮坂が作中で出版したもの)を軸に、とても練られた脚本。
モノローグが多かったのだが、良い意味で印象的、そして効果的。
舞台美術は、舞台上の空間をすごく有効に使っている。
Bobjack theaterのホームページによれば、主役は今回が初主演らしいのだが、そんな空気は一切ない。
最初はやはり少し固かったけれども。
前半の謎めいた部分と、後半のせつなに出会って変わっていく部分と、とても良かった。
涙のストックがないと話していた彼が大号泣しながら懇願したシーン、失ったものの大きさに気づいて号泣するシーン、今まで泣けずに貯まっていた涙を一気に出し尽くすようだった。
またラストにせつなのボイスレコーダーで、せつなと同じように幸せを集めるラストも泣ける。
印象に残るのは主役池内、編集者真野、作家宮坂、その妻すみれ。
宮坂夫妻の気持ちや関係性の変化は、見ていて本当に切ない。
幸せとは何か、何をもって幸せというのか、考えさせられる作品。
水と油でバシャバシャ!
〒機巧ぽすと〒 (からくりぽすと)
ART THEATER かもめ座(東京都)
2014/02/05 (水) ~ 2014/02/09 (日)公演終了
言葉は発さずとも自分も参加している感覚
team水を観劇。暗転なし約1時間15分。
とある商社の新人研修の一環である討論会。
討論をそのまま脚本としている。
そしてそれがきちんと会話として成立している。
役者各々の実力も勿論だが、更にやり込んだ感じがする。
経過時間の割に、中身の濃い時間を過ごさせて頂いた。
議論が白熱してくると感情も高ぶるのだろうが、叫ぶ(一部「喚く」)のがちょっと多い印象。
皆よく声枯らさずに初日迎えましたね、レベル。
キャラはそれぞれ作り込まれていて、被らずに確立している。
それぞれ愛すべきキャラクター。
終演後、役者が無言で一礼した後、少しだけ話の続き(討論後または後日談)があるというのは初めて観た。
終演後にアンケートのお願いや役者との面会について、舞台上で語る団体が多い中、こちらは音声だけの案内で押し付けがましくなく、この案内方法も私は好感が持てた。
- かさない -
COoMOoNO
キッドアイラックアートホール5階(東京都)
2014/01/31 (金) ~ 2014/02/11 (火)公演終了
これは「公演」じゃない
チケットプレゼントで観劇。ギャラリーの一室。観客は自分含めて10人程度。
会場に入ってまず拒否反応。
昨今「香害」なんて言葉もあるくらいなのに、アロマだか何なのか、自分の嫌いな香りを充満させている。
会場を出ても髪や服に染み付いて気持ち悪い。
舞台美術は素晴らしい。可愛らしいお部屋がギャラリーの中に再現されている。
せっかくの高い天井なのに、どうして布で隠してしまうのかと思っていたが、朝日を表現するためだったのですね。カーテンから漏れる明かりも良い感じ。
演劇自体はまるでなってない。
料金を払って観ているとしたら、お金の無駄。今回はチケットプレゼントだけど、それでも時間の無駄だと思うほどに。いつ終わるのか時計ばかり気にしてしまった。
まず脚本。
現代に生きる一般人は普通「~だわ」「~のよ」「~かしら」「何故かというと」なんて言いませんから。
役者が台詞を自分のモノに出来ていないといえばそれまでだが。
作中に何度か過去の出来事を挟むが、過去なのか、今なのか、よく分からない。
役者。
棒読み過ぎ。会話になっていない。台詞を垂れ流しているだけ。台詞が自分のモノになっていない。いくら小さなハコだからって、ボソボソ喋りすぎて聞こえない。感情の起伏もない。あんな静かな誕生日鍋パーティーがあるか。
前髪長すぎ、顔見えない。
『美しい言葉と会話で人の心を(ちょっとでもいいから)動かすことを目指す団体。
※言葉を相手に届ける 言葉を受け取る =会話をすること
(シンプルな目標だが案外難しいため 仲間が少ない)』
と当日パンフレットに書いてありましたが、冷ややかな視線を送るしかない。仲間が少ないって、本当に理由それ?美しい言葉か…私には伝わらなかったな。
アンケート用紙に、「いま、どんなお気持ちですか」とありましたが、こんな気持ちです。
終演後、私以外の誰も席を立たなかったのをみると、観客はみんな役者の関係者なのだろうか?
観客に足を運んでもらうこと、お金を払ってもらうこと、アンケートを書いてもらうこと。これらがどういうことなのか、今一度よく考えてほしい。
公演を打つなら、それに見合ったモノを提供していただきたい。もし見合っていなかったとしても、そこに至る努力のあとが
窺えるなら救いはあるものである。
壁あまた、砂男
劇団わらく
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2014/01/31 (金) ~ 2014/02/04 (火)公演終了
考えさせられる
受付で、「ほこりが立つので」とマスクを渡される。
その気遣いは嬉しい。が、冒頭スモーク焚き過ぎですから!
現代、現在の状況と否が応でも重ねて見てしまう。
盲信は怖い。考えることの放棄。それが招く社会の歪み。
集団的自衛権とか、秘密保護法案とか、隣国との関係とか、今の、そして今後の日本が、隣国が、砂の国のようにならないことを祈る。
手袋と靴カバーを使った、砂男支持派・反対派・どちらにも属さない者の表現が、視覚的にも分かり易い。
役者がフードを被っていない→その場にいる
フードを被る→その場にはいない
というのも分かり易い。これで役者が常に袖に下がらず且つ黒子の役割も同時に果たしている。
考えさせられる脚本の中に、所々笑いも入っている。
火星に生物がいる確率の話は興味深い。
役者は好演。
それぞれが、きちんと役の役割を演じた印象。
だから誰が一番良かったとか、あまりない。(誉め言葉です)
ろりえの鬼
ろりえ
シアター風姿花伝(東京都)
2014/01/28 (火) ~ 2014/02/03 (月)公演終了
イメージと違った
今回初めて観劇する劇団さん。
開場後、会場の中に入ると、舞台上には不気味な形の「モノ」や大きな目玉がギョロリ。
客入れBGMとして液体が沸騰するような音が続き、時折子供の声でかくれんぼなどの歌声が入る。
舞台の造りは工夫している。舞台上手側の奈落、奥の扉をエレベーターやアパートの扉に見立てるなど。その時々の照明の使い方も良い。
Day By Day
劇団かさぶた
OFF OFFシアター(東京都)
2014/01/23 (木) ~ 2014/01/26 (日)公演終了
後半盛り返した
豚チーム観劇。
前半は登場人物の設定やその場にいる理由が普通じゃなくて、テンポ・展開も悪い。
前半で面白かったのは隣人の美鈴が登場したシーンくらい。
後半に盛り返し、劇場を後にして「あれ!?まだ1時間半しか経ってない!」と思う程楽しめた。
当日パンフレットからは、劇団の「お客様をおもてなししたい!」という心意気が伝わった。
一枚一枚、生写真が可愛らしいテープでとめてある。
こんな当日パンフレットは初めて見た。
No Regret No Life
文月堂
RAFT(東京都)
2014/01/21 (火) ~ 2014/01/26 (日)公演終了
芝居は楽しめました
「いつもの文月堂とはちょっと違った短編集」
とのことでしたが、私は今回が初見なので違いは分かりません。
三者三様の三人三組が織りなす短編集三本立て。
芝居は楽しめたのだが、あまりのお尻の痛さに、後半は芝居どころではない。
芝居は良かっただけに、残念。
櫻ふぶき日本の心中
椿組
ザ・スズナリ(東京都)
2014/01/15 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了
ラスト30秒の心意気、しかと受け取りました。
終演後挨拶での、「ラスト30秒に命賭けてますから!」
はい、その通りです。
舞台装置は本当に素晴らしいです。
三方を囲む黒、日本の“日”とも読めそうな月、赤い舞台。
そして白の世界。
すっかり心奪われてしまいました。
時代はめぐる。「ゆう」と共に。
椿組は昨年夏の花園神社野外劇以来、二回目の観劇。
理解力の乏しい私には、「何でこうなったの?」「どうしてこうなるの?」って所が多々あるのは今回も同じ。
一つ例を挙げると、終盤の座頭三人が斬り合う理由とか。
しかし、全体のストーリーとしては楽しめた。
色々な時代の、様々な男女模様の、心中。
その時代でなかったら、そこに生まれていなければ、知らなければ、幸せになれたはずの男と女。
泣きたかったなぁ。何故泣けなかったのか…
表面的になってしまったからなぁ…?
各パートとも、相手を殺すほどの狂気はなかったのは確か。
江戸から始まり、時代をめぐり、また江戸に戻る。
時代劇の中に、「(当初の時代からの)未来の回想」という劇中劇が入る、何とも複雑な構成。
劇中劇の中に、今がいつといった正確な説明はないものの、大体の時代やその背景は理解できる。
そしてそんな複雑な構成でも、こちらは混乱せずに観られる。
ギターの生演奏が舞台を盛り上げてくれた。
時代劇にギター?と思って観始めたが、これが合う!
道遠からん
劇団だるま座
アトリエだるま座(東京都)
2014/01/06 (月) ~ 2014/01/16 (木)公演終了
食わず嫌いはよくないな、と。
実は、私は古い(?)戯曲があまり好きではない。苦手だ。
この「道遠からん」は1950年文学座初演だそうだ。
約60年前の作品が古いのか、そうでないのかといった分類はよく分からないが、出だしの言葉遣いで「あ、これ苦手かも」と直感した。
ところが、だ。大いに楽しめた。
食わず嫌いはよくないな、と実感した。
Aキャストを観劇。
ナレーション(スピーカー)「幕。」→暗転の流れはツボにハマった。
Touch~孤独から愛へ
東京演劇集団風
レパートリーシアターKAZE(東京都)
2013/12/23 (月) ~ 2013/12/25 (水)公演終了
中高生対象…?
この劇団さんの、代表作らしい。1999年初演、上演回数は拠点劇場および全国巡回公演で900を越えるとか。
このたびは、九州地区の中高生対象の巡回公演後の、凱旋公演なのだそうだ。
そんな歴史ある公演…なのだが…うーん(-_- )。。。
これは、現代日本に生きる中高生に理解できるのか?という所からして疑問。
孤児とか、暮らしていくために窃盗やかっぱらい(まず中高生にこの言葉が分かるのか?)で小銭を稼ぐ生活とか、文字を読めない教養レベルとか、度数の高いアルコールを一気飲みしたらどうなるのか、とか。
まず舞台の設定から理解できない(ピンと来ない)のではないだろうか。
調べてみたら、アメリカでの初演は1983年だった。ちょうど30年前だ。私が生まれる前。
私はピンと来なかった。だからあまり入り込めなかった。
素直に受け入れることができないという点では、私はトリートに似ているのかも…
役者達は熱演。文字通り、熱演。演技は本当に素晴らしい。
しかし、所々、テンポが悪い(特に第一部)…のかな?
ハロルドと知り合う前、小さな小さな世界しか知らなかった兄弟の生活と、ハロルドと出会うまでが第一部。
ハロルドと生活を始めた第二部。
第一部の汚い部屋と、きれいに整えられた第二部の部屋、これだけで二人の生活の変化が全て分かるのが面白い。
知らないということは、こんなにも生き方を狭めるのか、と感じた。
逆に知る・学ぶということはこんなにも無限で自由なのだということも。
ラストの、亡くしたものの大きさに気づくシーン、もっと欲しかった。
泣きたかったけど、泣く前に終演してしまった印象(>_<)
黄泉路の果て(再演)
劇団ICHIGEKI☆必殺
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2013/12/19 (木) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
少し悲しい、ハッピーエンド。
ある村の、違う時代の三つの話。
「少し悲しい、ハッピーエンド」あおり文は本当だった。
私はACT.3が一番好きかな。
役者がちゃんと「会話」してる。
気になったのは、暗転の多さ。
暗転は多すぎると、そこで気持ちがぶちぶち切れてしまうから、入り込めない。
時計の鐘の音の意味がよくわからなかった。
他の方も書いているが、私ももう少し深みが欲しいと思う。もう少し掘り下げて説明してほしいと思う(何でだろう?ということがチラホラある)。
犯行予告
劇団肋骨蜜柑同好会
サブテレニアン(東京都)
2013/12/20 (金) ~ 2013/12/23 (月)公演終了
現実と妄想が入り混じる
何故、この劇団名にしたのだろう?
このサイトで、初めてこの劇団を目にした時の印象。
クールビューティー(テンション低い&突然吹き出す)山田と、ちょいお馬鹿&いい人御手洗の会話は面白い。
山田曰わく「御手洗さんって、ほんと御手洗さんですよね。」
この二人、仲良い。(山田は「嫌です」と即答しそう)
ツンツンしつつも、ちゃんと御手洗の会話レベルまで降りて会話するところとか、何か良いね。
一つ注文つけるとしたら、御手洗の起こし方かなぁ。
何故お茶っぱの缶?
所々に笑える場面(爆笑でなく、ふふっと笑わせる)も散りばめられている。
そしてラストの展開には驚かされました。
「そう来たか!」と。
ちょっと、でかけていますので→
劇団青い鳥
小劇場 楽園(東京都)
2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
宝石箱のような話
チラシやCoRichの公演情報(特にあらすじ)が全く意味をなさない公演をする団体もある中、今回は公演チラシにあった通り「宝石箱のような話」でした。
公演前の舞台上には、炊飯器が一つ。
公演が始まる暗転の中でも、炊飯器のパネルの明かりがぼぅっと灯る。面白い。
その炊飯器を「電気釜」と呼んだり、他にも沢山、“お年寄り”特有の呼び方、台詞などが散りばめられている。
中には分からないものもあったが、この“お年寄り”特有の台詞・間・動きで笑わせて頂きました。
おりえ・いくこ共に、立ち居振る舞い・話し方、研究し尽くしている。
劇中では85才と80才の設定なのだが、実際の役者はそこまでの年齢ではない。しかし、「あーそう、お年寄りってこう!」と思う。
私は役者達の年齢になっても、こんなにエネルギッシュにいられるだろうか。
主人公二人が老人なのでそんな大きな声や大きな音響はほぼないのだが、それでもエネルギーに満ちた舞台だった。
ただ、よく分からないところもある。あのスーツジャケットの意味、カツラをとった意味(月日が経ったということ?)、発車ベルの意味…わかませんでした。
治天ノ君
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
震えた。
素晴らしい舞台だった。素晴らしい、としか言えない語彙力のなさが情けない。そんなに簡単な言葉で表せるものではないのに。
大正天皇の生涯を軸に、明治の終わりから昭和の幕開けまでを、皇室を中心に描く。
大正天皇の妻である皇后節子がストーリーテラーとなって話は進む。
物語の構成、台詞の一つ一つ、どれをとっても秀逸。登場人物一人一人、それぞれに、それぞれの確固たる生き方(信念、誇り、考え…とかそういうの全部!!)があり、またそれらの全てに無理がなく、どの生き方も理解できる。
作家が紙面に込めた思いを、役者は見事に舞台上に表現した。増幅させた。お辞儀一つとっても、洗練されている。特に大正天皇と侍従四竈の熱演、皇后節子の高貴さ、明治天皇の威厳が印象に残る。
私、公演中何回泣いた?というくらい泣いた。
ラストシーン、あの君が代に身体が震えた。
君が代とか皇室とか書きましたが、軍国主義的な内容ではありません(^^)
インプロスペーストラベラー
即興劇集団 インプロモーティブ
北とぴあ ドームホール(東京都)
2013/12/14 (土) ~ 2013/12/14 (土)公演終了
初インプロ
インプロの公演は、初めて観ました。
笑わせて頂きました。
……が。
何というか、ワークショップをのぞき見ているような感覚。
即興だから仕方がないのですが、悪い言い方をすれば磨かれていない。
演じる側ではなく、外から見ていると、つじつまが合わない所とか分かってしまう。
「あの設定どうした?」「今○○にいるはずだろ!」とか。
でも二時間、趣向を凝らしていると思います。
観客を巻き込んで進む物語、観客の誕生日祝い、某人気アニメや洋画のパロディなどなど。
観客が書いた言葉を使って物語が動くので、どんな風になっていくのか想像が尽きません。(JAXAが開発した………(紙を読む)「だんご三兄弟!」)
そのワクワク感もですが、役者の設定にツッコミを入れたりするのも面白かったです。
状況に応じて布を使ったり、よく分からない説明に「とりあえず危機は脱したんだな?」と確認したり、観客の想像力を助けてくれました。
プラネタリウムの利点を生かした、星座にまつわる話は、インプロの中でも珍しい試みだったのではないでしょうか。
※ただし、かわいい子に限る。
劇団テアトルジュンヌ
立教大学 池袋キャンパス・ウィリアムズホール(東京都)
2013/12/10 (火) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
正直甘く見ていました、すみません。
いや、本当に。これほどのクオリティのものが観られると思っていませんでした。
女子校の、この年頃の「女」の、すごーくドロドロした感情・表と裏を使い分ける状況を見事に描ききってくれました。
顧問の先生による女子高生の分析も、的確。
大阪さんのモノローグも大変面白かったです。脚本&演出は女性のようですが、何故ここまで男子の気持ちが分かるのだ!?
自分の主張をガーッと言い合って、スッキリして、でも問題が解決される訳じゃない。本当にその通り。結局本編でもそれを貫きました。
だから、後半は終わりのないグダグダになってしまったけれど、実際そうだから、下手に纏めようとしなくて正解。
登場人物の名前が、プロ球団をもじったものというのも面白い(本編ではあだ名で呼び合うから注目度は低いですが。)
『どこか遠くへ行く日』 たくさんの御来場ありがとうございました!!! 次回は4月中旬★
シアターノーチラス
RAFT(東京都)
2013/12/07 (土) ~ 2013/12/09 (月)公演終了
同じテーマなのに、いろんな話。
「引っ越し」を題材とした、短篇集三本立て。
引っ越しがテーマなので、舞台の後側半分近くは段ボール箱で埋まっている。
ただそれだけのことなのに、何だか面白い、わくわくする。
引っ越し前の高揚感を疑似体験しているのかしら。
狭い会場ながら、超満員。すごい。
第一話「東京タワーと傷口」
確かに、男も女も見ていてイラつく。別れて正解。
一緒にいても互いに益はない。
実は、当日パンフレットをよく読まないままの観劇開始だった。
赤い服の女性が何者なのか?後からパンフレットを見ての答え合わせとなったが、題名見て「あの台詞たちはこういうことか」と納得。
日常を演ずる芝居でも、「舞台の髪型」ってあると思う。前髪邪魔なら一緒に纏めれば良いのに。あの触角を頻繁に触るの、無意識なのかな?私はすごく気になる。
第二話「標本箱と嘘」
冒頭のやりとりからは、こんな方向に話が転がっていくとは思わなかった。
ある人にとっては、貴重な資料。また別のある人にとっては虫の死骸。(私は後者)
妹が何でいきなり踊り出したのか分からず、そのまま終わってしまった。だが、怖い話だからこそ、分からないことでより怖さが増したように感じる。
第三話「ジャムと筆跡」
三女が母の死に関わっているのはすぐに予想できたが、実際は自分の予想とは違った。
でもあの関わりなら、「赤信号で飛び出した」というエピソードはいらないのでは。
三話とも、まだ話が続くかな?というところで終幕する。
だが、それが良い終わり方だった。
幕間で、前の話の登場人物と、次の話の登場人物が同じ舞台上に立つというのも面白い。
あだちンち
東京ジャンクZ
早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)
2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
今後が楽しみな団体ではある(今日最終日なのでネタbox使いません)
まず。観客全てが早稲田大学構内を知っている訳ではない。
初めて足を踏み入れる私には、迷路のようだった。
実際、早稲田大学には着いているのに、構内及び周辺をさまよい、一時間弱会場にたどり着けなかった(地図の読めない女でご迷惑おかけします)。もうこの時点で帰りたくなった。
正門と会場前にしか看板がないのは、外部の人間に不親切。矢印の一つも欲しい。
スモークを客席の後ろに設置するのは初めてのケース。気持ちの良いものではない。吹き出し口直前に座ってしまったので、喘息患者としては、本当に席変わりたかった。観客に向かってスモーク射出するって、ありなの?
さて、本題。「あだちンち」というタイトルであるが、そこに行き着くまでの珍道中という感じ。
まず舞台。いやー気合い入ってます。
舞台の上に更に円形舞台(中心部以外が人力で回せる)が乗っており、その他の舞台上も使用する。
この残ったスペースと照明を使った場転は良かった!
次に脚本。
多少話の展開が強引ではあるが、良いタイミングで笑いを入れていた。笑わせて頂きました。
横浜~東京の地理を知っておくと、すみれがどういう経路でどこまで進んでいるか分かって更に楽しめるかも。
ただ、点在するすみれや西宮が騒ぐシーンは一つ一つがちょっと長いかな。
そしてキャラが生きていない(共感できない部分がちらほらある)
一つ例を挙げると、しばけん。軽い気持ちとはいえ、あだちの不幸を願ってしまい、本当にそうなってしまったら、普通自分を責めないか?すみれでさえフリーズして呆然としているのに、結構スルーだったのでびっくり。そのすみれを心配する気持ちが勝ったとしても、人としてどうなの? というような。
そして役者陣。
言葉を「話そう」。「会話」しよう。言葉を「垂れ流す」のと、「会話する」のは大きく違う。
すみれ、発声練習しよう。これは脚本のせいもあるかもしれないけど、息切らしてる場合じゃないよ。早口の部分は上記のことも含めて。
そして最後に。
アンケートを書いてもらうなら、上演後だけでも、もっと客席を明るくしないといけないと思う。
何か上から目線の内容になってしまったような気がする。
読まれた方、お気を悪くなさらずに。
朝劇「丸の内の二人」【9月10月全話やります!】
朝劇
CAFE SALVADOR(千代田区丸の内 3 - 2 - 3 富士ビル1F)(東京都)
2013/05/13 (月) ~ 2014/10/26 (日)公演終了
演劇の可能性を見た
素晴らしい、の一言に尽きる。
「観客も共演者」という言葉がこれほど体現された作品は初めて。
(会場はカフェ、観客のいるカフェの席がそのまま舞台。)
いや、作品とか、舞台とか、違う。
ぴったり来る言葉が見つからない。まさに「朝劇」としか言えない。
ライトなんてなくても、音響なんてなくても、これほど人を楽しませることができる。演劇って素晴らしい。
カフェの雰囲気もとても素敵。
ここで、おいしい朝食をとりながら、客として、共演者として、観る。笑う。
そして、ほくほくした気分で店を後にする。
これほど満足感に満ちた気分になるのは久しぶりだ。
開演時間、上演時間、ミニカイロ、上演後の声かけ、どれをとっても観客への気遣いに溢れている。
毎週火曜日、金曜日の朝劇(7:30~8:10)は仕事の都合上観に行けないが、本当に、観たい。是非見たい。
トリコロールバッドエンド
劇団MAHOROBA+α
ギャラリーLE DECO(東京都)
2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
その終末に、光はあるかー。
Aキャストを観劇。
開演直前の前説で、開演を遅らせることを理由説明とともに謝罪なさったのは大変好印象。
ただ、スタッフさんがダメです。役者が舞台上で前説してる最中に「お手洗いご案内お願いします!」とか大声で言ってたらいけません。スタッフは役者の邪魔しちゃダメ。支えないと。
予約席なら、入口から入って見える方向に「予約席」と張っておかないと。どれだけの人が座ろうとしたことか。
さて、本編。
ほとんどが暗闇の中で進む、三本立て短編集。
「-白-見知らぬ、花」は明るい場面が多いが、その他の作品は灯りがほとんどない。あったとしても、ぼんやり見える程度。
暗所恐怖症の方は観劇できません。
脚本や試みは大変興味深い。
しかし、役者陣も脚本も演出も、改善の余地あり、といった印象。
ほとんど見えないので、観客は想像力をもって見ることになる。そしてそれを促すかのように、劇中、様々なことが断定されることはない。
三編それぞれが、バッドエンドであり、ハッピーエンド。
それは作品をどのキャラクター視点で見るかによって変わる。観客がどう捉えるか、それも観客に委ねられる。
私は全体的にバッドエンドと捉えた。
こういった分野の観劇は初めてだ。
見終わった後も、不思議な感覚に包まれたままだ。
喜怒哀楽とか、そんな単純な感情ではない。
好きな人は、すごく好きな作風なのではないだろうか。
私の結論としては、
赤→光なし
白→光あり
青→光あり かな。