itomasa7の観てきた!クチコミ一覧

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ブラック・サバンナ

ブラック・サバンナ

世田谷シルク

アトリエ春風舎(東京都)

2013/04/03 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★

観る側にもなんらかの前提知識/知的レベルを求める作品?
なんとなく予定が空いてたのでたまには知らない劇団も観てみるか、
となんとなくCoRichで見かけ、地元近くの劇団とは珍しい、
説明がおもしろそう、という事で観劇。

パンフで見た食物連鎖とその枠から外れた人間に対しての話からも
その辺がメインテーマになるんだろうなあ、とは思ってましたが・・・
序盤のパタパタ切り替わっていく場面なんかでも
同様に何らかの意図を持たせていたんだろうと思いますが
ちょっとペース早すぎてその辺はよく分かりませんでした。

その上、メインテーマ部分についても色々伏線的な内容が出て来ましたが
お話としてうまくハマっていない感があり、正直お話に入り込む事もできず、
ラストまで本当に「客観的に」観劇する事になってしまいました。
結果、演者さんの真面目な演技、ダンスやその他の演出についても、
必至で頑張ってるのになあ、とか劇場を有効的に使った演出も
何度も出るとちょっとウザったい、などマイナスの心象を持ってしまいました。

評判はかなり良いようなので、多分自分に合わなかった、という事なのかなあ( ´ー`)

ネタバレBOX

冒頭、都心の喧騒を交差点の人波や携帯をいじる若者とその足並み、
しゃべりの早さなどで表現したと思ったら、
それから急転し川を隔てた所にいる3組の人々、
それぞれ、エレベータに乗って気づいたらここにいた。。。
そして、1組は2人で「自治体」活動を始めたり、と
「これからどう展開するんだろう?」というワクワク感が
最初はあったのですが・・・


・ 椅子を組み合わせて色々なものに見立てる表現方法
・ 劇場が板の間なのを有効活用し、足自体で「ダンッ!」と踏みつけたり、
  椅子を叩き置いたりと「音」を活用
  (アフリカ、サバンナ、象の足音的なものをイメージしたのかな?と)
・ 1舞台上にそれぞれのシーンを演じる人が全員いながら、
  スポットライトその他でシーンを切り替えるなど小スペースの平舞台を有効活用
・ 川下りを台車(のちにテーブル)で表現する
などのおもしろい演出も多々あり、
また演技する人たちについてもかなりの練習量をうかがわせる迫真の演技、
そこにちょいちょいと込められる笑いのネタなど、
いい面は沢山あったのですが・・・


食物連鎖している動物達とその枠からはずれ
・ 生きていく為には食べ物として平気で動物を殺す
・ ペットその他については「かわいそう」という
そんな人間達の身勝手さ、
それがある日
・ 隕石が落下するという情報が世界中を駆け巡る
・ 運で助ける人を選別する為のエレベーター(型ロケット)
・ それにより選ばれ助かりサバンナへ放置された、たった数名の人たち
・ 隕石落下後、宇宙人(来訪者)が来る事が分かっている
という設定まではよかったのですが、
そこから結局どこに話を持って行きたかったのかがよく分かりません。


人の傲慢さ、理不尽さを語りたかったのでしょうか?
人間達が自然の最上位から降ろされた事などを利用して
何かのテーマを語りたかったのでしょうか?
いろいろと伏線は増えていく中、話がどの方向に向かっているのかが
最後までよく分かりませんでした。


以下、設定・伏線として回収された、と思えない部分
・ 隕石が落ちてみんな死んだはずなのに野生の動物はなんで生きていた?
・ いつの間にかフェンスで囲われている、という事になっていたけど、
  それはいつ分かった?
・ 宇宙飛行士(姉)の元になんで保険屋(来訪者)が来た?
・ 保険屋(来訪者)から依頼された元コックの無職の存在の意味は?
  (何か意味ありげな発言を繰り返したあげく、特になんの意味もない存在?)
⇒まあ、こういう所は強引に押し切っても済む部分ではありますが・・・


・ 鳥を食べる為に撃った、撃った後でそれが絶滅危惧種のトキだと分かった、
  それについて「(絶滅危惧種に対して)間違った事をした」
  「(絶滅危惧種だろうとなんだろうと)食べる為なのだから正しい」
  と演者の間で判断が分かれ、
  更に会長が動物に食べられてしまったのと自分達が撃ったトキをかけて
  肉が「食べられない」といった受験生(弟)、
  結局その心情はどう収束した?

  その後いきなり他の仲間まで殺されたのに、受験生(弟)が
  「もう慣れました」と言っていたり(どこでどう慣れた(??)
  これって俗にいうゲーム脳か?)

・ 会長が実は「副会長に殺されたのだ!」と言い出した部分は結局どうなったの?

・ 宇宙飛行士(姉)と受験生(弟)の関係について、
  メインストーリーの半分使って弟を助けようとする話を描いておきながら
  最後の最後で 姉「弟が嫌いなんです」
  といった理由は?

・ 受験生(弟)がいきなり、
  「昔、姉ばかり持てはやされ、自分が生徒会長になった、
  と報告しようとした時も両親と姉がかってきた猫にばかり
  愛情を向けるので、頭にきて猫をペンチで殺してベランダから投げ捨てた」
  これに対するオチは?
  (特にその先で姉が昔受験生(弟)に
  「捨て猫を助けてやれないかわりに、いつか猫を飼おうね」
  という過去ネタにつなげた事の意図は?)

  確かにこういう中高生などの残忍なニュースが最近よく流れてますが、
  この舞台上でこのままじゃ単なる猟奇思考者ですよ、受験生(弟)。

  ※ この辺から完全に自分はドン引きで
    「受験生(弟)の心情なんてどうてもいいから
    とにかくどんなオチがつくのかだけを観よう」、
    とこの舞台自体に気持ちを込めるのを諦めました。

・ 神様を名乗る女の子と、棺の中の宇宙飛行士(姉)、神様に届く手紙に対する説明は?

・ 訪問者に対する担当者(?なんでしたっけ、名前忘れた)を買ってでた
  女が実は英語もよくわかっていなかった事、
  また担当者を買ってでた理由に対して含みを持たせた発言を
  受験生(弟)に対してした、その真意は?
  (申し訳ない話、女性演者のおなかが序盤より膨らんで見えたので、
  「例えば自分の子供を守る為?」とか勘ぐってみましたが結局不明のままでした)

・ 結局、この弟はここまでの話の流れから何を得て来訪者に対して
  「I'm happy」って言ったんでしょう?
⇒と、盛り沢山の設定・伏線、メインストーリーまでに対して、
全然オチがついていないと思います。

「オチに対して考える為のネタはちゃんと出しました、
あとはこの劇を見たみなさんで考えて下さい」
とかって落とし方もありますが、
この劇はちょっと投げっぱなしすぎると思います・・・

1つ1つの細かい所からメインストーリーまで
「筋がまったく通ってない感がある」と思いました。

そういった粗があまりに目立ったせいもあり
・ がんばって演じれば演じるほど、よく分からない話を必至で演じる
  演者の方々に対しての滑稽さ
・ 板の間表現についても、最初の惹きつけとしては十分だったのですが、
  その後もよく分からないタイミングで何度も出てくると
  だんだん「うるさい」という印象が・・・


うわー、いい演出、演技、ダンス、と頑張っている劇団だと思うんですけどね・・・
遠慮がちな殺人鬼

遠慮がちな殺人鬼

企画演劇集団ボクラ団義

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/04/03 (水) ~ 2013/04/08 (月)公演終了

満足度★★★

メインキャストの急な降板(病欠)が痛いか・・・
twitterにて知りましたがボクラ団義メインキャストの沖野さんが公演日2日前にまさかのドクターストップ(入院?)との事。すぐに代役は立てられたものの
「いくらなんでもこのタイミングで代役はムリがあるのでは?」と公演自体を心配しましたが・・・
当日、途中休憩を挟む3時間オーバーの大作。
【脚本の濃密さ、伏線張りと回収の上手さ、オチの付け方★5つ】
【笑いネタ、取りどころ★5つ】
【お話の良いタイミングで入るダンス★5つ】
【劇場演出★5つ(小劇場で出来るかぎりの事をしていたという意味で)】
として・・・代役の方については仕方ない(客がこういう事言うのもなんですが)として、他の演者さんについて(練習不足とは思いたくありませんが)一部何かの理由
「舞台が客席に近い事?」
「演技のほとんどを客席(にある事になっている葬儀壇)に向かって演じる事による緊張?」
「(代役の方が立つにあたって)お話を少し直された?」
など理由はともかく、セリフの噛みや演技に集中できていないかと思われるような棒読み口調など、いつもなら脚本/演出と役者のダンス/殺陣/演技の両輪で素晴らしい構成になるはずの舞台が、うまく回っていない感がありました(自分はそういう部分が気になってしまい、前半集中できず)。
しかし、後半パートではシナリオの佳境に向けて見事いつものボクラ団義の良さを見せてくれました。残り数日で代役の方や他演者の方の慣れその他で更に良くなる事を期待したいです。
(願わくば番外公演とはいえ、再演して欲しいですね、お話ほんとよくできてたので)

ネタバレBOX

・脚本は本当によく出来ていたと思います。
・演出もシアターKASSAIという小空間の中で、いつもと同様の出来るかぎりを観せてくれたかと。
・ストーリーのちょうど節目、切り替わりに入るダンスも秀逸。
・笑いネタとそのタイミングも絶妙。
だったのですが、やはりメインキャストの急な降板が重い影を落としていたかと・・・


舞台好きの先輩からは「劇団の多くはメインキャストなどのそういった
トラブルに対応する為、サポートの要員も台本読みや練習をしている事が多い」
とのお話だったのですが、2日前という時期もありほとんど
準備出来ていなかったのでしょう。

刑事役の方が警察手帳に見立てた台本を読みながらの演技(と思われる)。
序盤はまだ形になっていたかと思いますが、
後半はほとんど(種明かしなど難しい説明セリフが続く為か)
台本を演じるというより「読んでいる」感がありありでした。
※ 説明部分は仕方ないとしても簡単なツッコミや会話セリフなどは、
  ムリに台本どおり演じるよりも、自分のアドリブで、
  という訳にはいかなかったのかな?
  (あっ、間違った、とムリにセリフの言い直しが繰り返し出るよりは、
  そのまま演じきられた方が良かったのでは?)
  と素人目にも思いました。

また、前半は内容の方にも書きましたが、代役の方以外も数名
どうにも演技に集中できていない、セリフの噛みが目立つ
(いつもならたかが噛みの数回ぐらい気にならないですが、
今回はちょっと目立ったかと)と、笑いは取れる、
設定も理解できる、ダンスも雰囲気は出ている、
しかし演技自体に集中できない、というちょっと自分は残念な状況でした。

しかし、後半種明かしとなるシリアスパートでは、
皆さん集中できたのか、あるいはそういう演技の方が
やりやすい部分があるのかは分かりませんが、
見事いつものボクラ団義の良さ、を観せてくれた、と思います。

タイトル名「遠慮がちな殺人鬼」について、
最初(あまり違和感も持たず)
自ら「私が殺しました」「私も」と言い合う各人を
指しているのかと思ったら実は、といううまいオチの付け方も見事
(またオチネタを直接セリフで説明するのではなく、
それまでのキャストの芝居の中で説明されていた「アレか!」
と客に気付かせる形を取るのも見事)、
そして「殺人鬼」による恐怖の幕引き、かと思いきや、
ある父と子の、ちょっと泣かせる落とし方、
という締め方も見事でした。


しかし、今回番外公演で
「わざと小劇場を使い、今までと違うボクラ団義を見せる」
という説明と、シアターKASSAIの舞台スペースの狭さから
「数人しか入れないようなあの平舞台で、何を、どう演じるのか?」
といつもと違うものを楽しみにしていた自分にとっては、
結局小スペース内にいつもと同様の
シーンの演じ分けをするエリアをセットとして用意し、
いつものボクラ団義の舞台を縮小版で観せられた、
という形だったので、ちょっと肩透かしをくらった感はあります。

しかし、お話自体非常に良いものだと思いましたので、
ぜひトライアゲインの再演プロジェクトで
今度こそ「完全版」を観せてほしいなあ、と思います。

※ ただ、今回のトラブルもあくまでも客観的に見た場合を考えると
  いつもなら★5つで初見の方にも「お薦め」を選択するのですが、
  それはちょっとできませんでした・・・
  (この苦境を乗り切って頑張ってほしいものです。)
声優口演 ヴォイス・オブ・チャップリン VOICE of CHAPLIN

声優口演 ヴォイス・オブ・チャップリン VOICE of CHAPLIN

チャップリン・ザ・ワールド製作委員会

赤坂ACTシアター(東京都)

2013/03/29 (金) ~ 2013/03/30 (土)公演終了

満足度★★★★

無声映画の名作「チャップリン」のこれからのあり方なのかな
無声映画のチャップリン、その初期作品のいくつかに生で声を当て、生で音楽を当てて楽しむ、というイベントでした。
※ チャップリン中期以降はチャップリン自身が作曲した音楽がついている、との事。

「チャップリンといえば無声映画のパントマイマー、あのキレの良い演技と展開の早さに声なんて合わせられるのかな?それも生で」と疑心暗鬼でしたが、いざ始まってみると羽佐間道夫さん(ロッキーの吹き替えでお馴染み)、野沢雅子さん(オッス、おら悟空)、など超大御所声優の皆さんの大変すばらしい演技に驚かされました。

昔チャップリンは数本観た事があり、「声なしで身振り手振りだけでこんなに楽しませたり、物語を観せてくれたりとすごいなあ」とは思いつつも、作風の古臭さなどから結局数本観たきりでその世界にハマっていくまでにはいたりませんでした(確かウッチャンナンチャンのウッチャンがチャップリンにかなりハマった、という話から昔は観たような気がします)。

しかし、今回観せてもらったような形で再編されるのなら、、新しい作品として再び「チャップリン」を楽しめるのではないか、と思います。
※ ブルーレイボックスだかが発売された、との事。

最大限楽しませていただきました。
ただ、自分は当日まで演劇舞台と勘違いしてたので、★4つとさせていただきます。

ネタバレBOX

ヴォイスオブチャップリン、いざイベント間近になってそのタイトルについて考えた時、「無声映画のチャップリンになぜ”ヴォイスオブ”ってつくんだろう?
(誰が出るか忘れてましたが)確か声優さん目当てでチケット取ったと思うけど、チャップリンの自伝の舞台化とかかな?そうじゃなきゃいいなあ(自伝映画は昔観てかなりツマらなかった想い出あり)」と思っていました。

いざ劇場で席につくと劇場に大きくスクリーンが出ており、パンフ内容を見るとどうやらチャップリンの映画を上映しそれに声を当てる模様。

「無声映画のチャップリンのあのテンポの早い演技と展開に声なんて合わせられるのかな?(ペース的に)」、また、知ったかですが「チャップリンは無声映画だからこそ面白い(そのパントマイマーぶりが引き立つし、その演技の中から何を訴えかけているかを読み解くのが面白い)」などという意見もあるけど、実際声つけちゃったらどうなるんだろう?
と結構不安がありました。


しかし、キャストを観ると声優界の大物揃い(特にロッキーの羽佐間道夫さん(自分はロッキーより「俺がハマーだ!」が好きですが)や野沢雅子さんなど)。


で以下2本の作品上映とその間に、日本随一といわれるチャップリン研究の大家の方が持っていたチャップリンが映画を録る際に、NGテイクとして捨てられたはずの未公開映像の公開がありました(チャップリン自身が「焼いとけ」と言ったのをカメラマンが取っておいたらしいです)。


【チャップリンの移民】
チャップリン(平田広明さん)
ヒロイン(朴璐美さん)
で演じられましたが、平田さんがかなりおもしろおかしくチャップリンの演技にセリフをつけており会場中爆笑で映画を楽しむ事ができました。


しかし本当にすごいのは、
【チャップリンの勇敢】
チャップリン(羽佐間道夫さん)
ヒロイン(野沢雅子さん)
※ そもそも数年前、この2人の発案でチャップリンの
  無声映画に声をつけよう、という活動が始まった、との事。

2つの映画の間に行われたNGテイクの公開にて、早くもあまりのチャップリン好きから、出てくる映像出てくる映像に即興で声を当てるのをやめられなくなる羽佐間さん、基本映像に合わせて適当なセリフを当て込んでいるのだと
思いますが、それが見事にチャップリンの演技に合う、「本当にチャップリンが好きで好きでたまらないんだなあ」と驚きでした。
それどころか、チャップリンの1枚ものの写真にまでセリフを当てちゃう。

で2本目の映画もこれまたすごい!
平田さんのチャップリンは脚本に合わせて声を当てている感じがありましたが、こちらはもう「脚本なんてないんじゃないか?」と思えるぐらい、「全部アドリブなんじゃないか?」ってぐらいにハイペースでどんどんセリフを合わせていきます。


チャップリン自身は「トーキー」(実際声の入った映画)について
否定的だった、という有名な話もトーク内で出て来ましたが、今の時代の若者がどれだけ無声映画のチャップリンに共感できるか、それは本当に感受性豊かな一握りではないか?と考えた時、このような形で声を当てていく、っていうのは正直アリだと思いました。

自分は知らなかったですが、もう何年もこの活動を続けていて、チャップリンのDVD/BDも声なし+声あり版が出てるんですね、BD-BOX買って帰りたいぐらいでしたが、今はお金がないので次回(来年チャップリン生誕100週年との事なので、きっとまたイベントがあるかと)なんとかしたいなあ、と思います。
テレビのなみだ~仕事に悩めるあなたへの77話~

テレビのなみだ~仕事に悩めるあなたへの77話~

TBS

東京グローブ座(東京都)

2013/03/26 (火) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

テレビ側の人間が作るテレビマン悲喜劇に涙
劇団ひとりさんの演技と鈴木おさむさんの脚本/演出を観てみたくて観賞しました。テレビ番組制作に関わる人間とその家族の悲喜劇(実話を元にした)に
思わず泣いてしまいました。わずか6名という少なめの役者数、いつも観にいっている舞台役者とはまた違った「熱さ」というよりは少し淡々と演じられている感じ、それでいて情熱と悲しさといろいろなものが伝わってくる演技と物語に感動です。笑いの為なら全裸にもなるし、演技も本気な劇団ひとりさんに「劇団ひとりかっけー!」とエールを贈りたいです。

ネタバレBOX

そもそもチケットぴあかe+のメルマガで「劇団ひとり出演、鈴木おさむ演出」というのを見て2人とも著書その他がなかなか感動させると有名だったのでなんとなくその舞台を観てみたかったというだけの理由で予約したんですが、取ってみたらまさかの平日昼間で「うわー、会社休まにゃならんやん」とそこでちょっとショックでした。

その上、当日チケットを見てみたら出演者の欄にジュンテさん(?韓流アイドル?)の名前があったり、更に現地にて「舞台後、ジュンテさんのトークショーあり」など「うわー、自分の嫌いな韓流押し、それも韓流舞台とかじゃないよな、そしたらマジ途中退席するわ」ぐらい意気消沈ぶりでした(日韓の関係悪化も含めあちらの人たちにいい感情は全く抱いていないので)。

で、更に劇場内舞台開演前盛んにかかっているボリューム高めの山下達郎の曲も「ちょっと音楽ガンガンかけすぎ、しかも選曲が山下達郎ばかりって・・・」(別に山下達郎さんが嫌いな訳ではないんですが、今までの舞台で開演前に邦楽かけるとこ自体少ないし、それもかなりボリューム抑えめが普通だったので)と、舞台演出含め悪いイメージがどんどん膨らんでいきました。

しかし、いざ舞台が始まってみると・・・


【あらすじ】
舞台左側がテレビ制作現場、右側がテレビプロデューサー「太陽さん」の自宅(上手、下手ってどっちでしたっけ?)

まず、真っ暗な劇場上部に表示される「465」(値は間違ってたかも)の数字。

そして、
深夜のバラエティ番組(コント主体)で成功をおさめ、いよいよゴールデン枠へ進出、さてじゃあどんな番組にしよう、という制作者陣の会議場面からスタート。
今まで一緒に頑張ってきた芸人達と「コント」でやっていきたい、という太陽さん、に対して「コントでゴールデンは弱い、若手芸人にもっと無茶をやらせていこう」と押すディレクター達、という打ち合わせと太陽さん宅での奥さんとの会話の繰り返しで劇が進められていきます。

客席を見ると韓流?目当てか老齢の方が結構いらっしゃったんですが、
その方々にも分かりやすい笑いの取り方など、若い人には逆に「それほどおもしろいか、今のネタ(??)」などの空気もあったかも知れません。

ただこの場面の中で太陽さんの番組にかける想い、テレビマンとしての熱血ぶりと家庭では奥さんを大切にする、という両面がうまく表れていたと思います。

そこに、いい番組を作って人を喜ばせたいという情熱を持って、大手出版社を辞めてまでADになった若者としてジョンテさんが現れます(名前だけで毛嫌いしてしまっていましたが、演技はとても真面目で若さと情熱にあふれる好青年ぶりが前面に押し出されていました)。

途中、太陽さんの武勇伝としてビートたけしのモノマネやダチョウ倶楽部、江頭2:50ネタなど、(実際に業界でありそうな)ネタをおりまぜてきて多分テレビ大好きな老年者層などには大受けだったのかな、と思います(自分もネタはわかりましたが、最近テレビ局などをよく思ってないのでその辺は受け流して観てた感はありますが・・・)。

舞台途中何度も劇場上部に表示される数字、その値が減っている事から「何かのカウントダウンを意味している?」と思ったのですが、

ある時その値が最初の「465」に戻り、また最初の場面が再現されるのですが、そこにかかってきた奥さんからの1本の電話、その裏で実は・・・

と、表面部分に当たるテレビマンの熱血パートと家庭での奥さんとの仲睦まじさの中に、実は裏側ではこんな事が着々と進行していたのか、と(タイトルからちょっと想像がついていた人も多いかとは思いますが)いよいよ物語が本当の姿を見せ始めます。

過剰なネタバレは避けるとして、
太陽さんの思惑どおり「コント主体」で挑んだ番組は大成功し、それは奥さんにも笑顔を与え、しかし無情にもカウントは進んでいく・・・

結構飛び飛びに進むカウントに、「いつ0になってしまうんだろう?」と終始ハラハラさせられた上、一旦進んだカウントが戻っては「実はこの場面の裏では」という伏線ばらし、など、物語中の明と暗を6人の演者さん(特に劇団ひとりさんと奥さん)が見事に演じ分けていました。

そしてカウント0を迎えてしまい・・・

というお話なのですが、重すぎない、ネタに凝りすぎない伏線がまたきれいにはまっていて、見ていて脚本/演出の良さをまず感じました。

その上で、明→暗、そしてまた明、と繰り返し変わっていくパートを見事に演じ分けていく役者さん達(観客の中では途中からすすり泣く声も聞こえてましたし、後でジョンテさんも言ってましたが、下手をすると「悲しみの演技を引きずってしまう」ような部分も見事に演じ分けていました)。

多少淡々というかあっさりした感じで展開していく舞台なのですが、本当にいい舞台でいいお話でした(いい涙をもらえたと思います)。

その後でこれが実話を元にしている、と聞いて驚きました。


舞台が非常に良かったので、そのまま「ジョンテさんのトークショー」も観ていく事にしたのですが、こっちは本当の意味で「韓流ファンへのサービス」だったと思います。嫌韓および韓流ファンでない人はさっさと席を立って帰ってしまいました。結構その人数が多かったので、「ああ、みんな韓流ファンだから観に来た」という訳ではなかったのか、老年層=韓流ファン、みたいに思っていた自分には驚きでした。本当に舞台が観たかったんだなあ、と。
(まあ、本来なら主演の劇団ひとりさんや鈴木おさむさんのトークショーになるのが普通ですからね、この流れなら)


で、ジョンテさんのトークショーなんですが、TBSキャスターのアンディーこと安藤アナの仕切りで行われ、その中で
・ ジョンテさんはバリバリの関西弁である。
  今回苦労したのは「日本語」じゃなくて「標準語」。
・ ラジオ放送局でADの仕事をしていた事がある。
など、ちょっと親しみの持てるようなお話が出て来ました。

テレビでの韓国ゴリ押しやネットなどでの韓国の方々の日本に対しての「横暴とも思われるような発言その他」から、自分の中では韓国人=敵、みたいなイメージを持ってしまっていましたが、少なくとも日本で活動されているジョンテさんのような方は、(表面上かも知れませんが)本当に日本のファンに対して、かなり紳士的に振舞われていたかと思います。

ビラの中の他の舞台公演の出演者にもジョンテさんの名前が出てましたが、
自分は「少なくともジョンテさんが出ているから」という理由でその舞台を選ばない、という事はしないようにしよう、と思いました。
(まだ演技がうまい、とまではいっていないと思いますが、単なる韓流ウケを狙ってるタレント、ではなく、ちゃんと舞台で演技したい、と考えている方かと思いましたので。)


で余談ですが、その帰り劇場ホールを出たら、普通に廊下で舞台スタッフと釣瓶師匠が談話してたのでちょっと驚きました。
TOKUGAWA15

TOKUGAWA15

タンバリンステージ

ザ・ポケット(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

良い意味でのアイドル舞台
ボクラさん達が客演されるとツイッターで知りチケット購入。前知識なし、タイトルについても当初「徳川幕府の歴史とか徳川15代目将軍とかの話?」ぐらいの想像のみ。当日劇場前に行ってアイドルのブロマイド売ってたり、パンフレット表紙がアイドルっぽい3人組(誰かは知らない)などで「やばい!先週に続いて今週もアイドル舞台(ファンが観に来る事を前提にファンだけを喜ばせる為にアイドル達が悪ふざけのようなコント、アドリブなどしまくって、はっきりいって舞台と言っていいのか迷うもの。ファン以外は完全置いてかれる)か!また地獄の2時間を過ごすのか!」とちょっとドキドキ。ビラを読むと現代劇である事などが判明。

で、実際舞台を観劇した結論として「とても面白かった」「(有名な歴女タレントさんが原作に関わっているらしく歴史を知ってると更に楽しめる設定がいろいろ隠されていると思うが)知らない僕でも十分笑える歴史ネタが沢山仕込まれていた」「舞台上の十数人がそれぞれ個性、キャラが立っていた」「本筋を演じながら、時にその横でサイドストーリー的な話を演じ、という個々人、グループそれぞれの芝居が単なる平舞台にしてはうまく展開していて混乱せずに観れた」。で、そこにプラスでアイドルの歌(これも脚本の流れにうまく入れていた)、当日のゲストトーク(これだけ劇をぶった切っていた感はあるが・・・)と、色々盛りだくさん。

自分の中で最初(失敗したかと思い込んで)かなりハードルが下がっていた事を入れて考えると、終わってみたらホントに得したなあ、という気分になれる舞台だった。

あと原作?を読んでる人とかにはもうバレバレなんだろうけど、これらの「メンバーのつながり」について、総理がふと漏らした一言や最後に秘書にかけるセリフなど、観客に対していくつかのヒントは与えつつ、それを単に説明してしまわない(今までのヒントでみんな分かるよね?という)締め方が、「うまくいった」良い例だと思う。?もしかしたらパンフ読んだら全部ネタバレされてるのかな?(原作本にはされてるらしいけど)

ネタバレBOX

今日チケットを見たら小川麻琴さん(元モー娘。?)の名前が。「まあこの人はラジオで小西克幸さん(劇団ヘロヘロQカムパニー)と舞台トークしてるぐらいだから大丈夫か」と思いつつ劇場へ行ったらブロマイド販売、パンフ表紙のアイドル風3人組、風男塾その他自分は知らないアイドル(らしき人達)の名前が沢山。

はっきりいって自分にとっての地雷である「アイドル舞台、アイドル芝居を踏んでしまったか!?」と始まる前にかなりのショックを受けていました。

席も舞台最前列ともう舞台セットが目と鼻の先にあるような状態で、これから自分だけ置いてけぼりでアイドル達のキャッキャウフフとそれに応じるファン大喜びの空間が2時間も展開するとなると「これはもう地獄だな」「寝るしかないか」など色々考えてしまいました。




いざ舞台が開演して、女総理と秘書、そして部屋を貸す家主の3人の登場から、「開かれた政治」という名目で集めれた一般市民10数人(実は別の理由で集められた)の登場まで、ここまでの流れについて「みんな(アイドルらしき方々含め)ちゃんと芝居してる、っていうかかなり本気の芝居してる」といい方で驚きました。


集められたメンバーは仕事から何からが様々の本当に個性的な人ばかり。メンバーそれぞれから女総理に話が振られて、「開かれた政治」の為に女総理がそれに真面目に答えていく、という形でお話が進みます。

それぞれのメンバーが持っている背景や想いが時にぶつかりあい、中にはみんなを無視して絵を描き続けたり(これが最終的にちゃんと本舞台と関わるのですが)、存在感がなくみんなから空気のように扱われる人まで(これは本当にそういうネタで終わった模様?)、といった話がコメディ調に展開していくですが(その会話の中でいろいろな史実をもじったジョークネタが投入されて
笑いをとっていく事多数)、ここでいきなり劇団の脚本家(脚本のラストが書けず悩んでいる)を名乗る男が「総理、あなたの旦那さんの死について聞かせてください!」と。


ここまで説明のなかった女総理の過去(占い師であった事)、旦那が自分の(車に轢かれて死ぬという)予言の話がマスコミで取り上げられた後に本当に轢かれて死んだ事(これによって再び有名になった事)、占い師である事を悪用して悪徳商法を行ったと訴えられた事(後でこれは誤解であると説明されます)、などの背景設定が一気に追加されてきます(このタイミングではちょっと無理のある部分も感じましたが、結局この設定がこの舞台のタイトルであり締め方に関わった、という意味ではどうしても必要な設定だったのでしょう)。


※ここで思ったのですが、徳川家康から始まる江戸時代の歴史を知っていると、序盤から終盤までの色々な「少し無理があるかも?」や「??」など疑問に思った部分について、実は何かの史実ネタとかけていた、のかも知れません。自分は不勉強なので分かりませんでしたが・・・


その後、大家に「これはアイドルのオーディションである」と騙して部屋を借りていた事から大家が「ぜひこの娘らをアイドルに!」と連れてきた田舎娘3人に対して、「本物のアイドルっていうのは本当にすごいんだ、そんな簡単なものじゃないんだ」と諦めさせる為に、(自分は知らないけど)モー娘。3人組の歌が入ったり(この辺は序盤の伏線とうまくつなげていたので、アイドルが歌う=舞台の流れを切ってしまう、という事にならず、うまくつなげたものだなあ、と感心しました)。


女総理が本当に「未来を見通す力がある」と証明しようと集めたメンバー各人を「見て」いく中で浮気ネタや過去の火災ネタ、劇団仲間ネタなど色々なネタが入ってきます。


物語もそろそろ終盤なのかな?という所でいきなり女子高生が劇中何度も出てきた史実をもじったジョークネタを単独で連発するようになり、「終盤になってなんでまくしたててるようにネタを連投するんだ?折角の流れが壊れちゃう」とちょっとその行為は心配になりましたが、その後もちゃんと話が続いていました(とにかくネタ全部出してしまえ、という意味だったのならかなり幻滅した所ですが・・・)。


そして、それまで家の壁にまで絵を描き続けていた女子の描いた絵がいつのまにか(舞台進行中に)立派な江戸時代の風景画になっていたり(上手下手はともかくよく描けていたと思います、こういう形で舞台に参加する流れだったのか、初めての演出方法だったので感心しました)。


で、終盤バイク便(ゲストアイドル)が来て、アイドル仲間とゲストトーク(ここは完全に舞台が切れた感じがしたので自分はちょっと・・・でしたが)した後、バイク便で届けられた内容を見ると女総理の健康診断結果で「胃ガン」が発見され、長期政権を睨むどころか退陣を余儀なくされる事が発覚するという・・・


と、ちょっと無理やりな感もありますが、話が泣きに入ってきます。


ここで劇団の脚本家の為に「舞台のラストをみんなで演じて決めさせてあげよう」と全員で徳川家康の最後についての演技を始めます(多分徳川家康の最後と女総理の長期政権の終わりをかけたのかな?すいません、自分はそこがよく分かりませんでした)。


で、最後に女総理がメンバを全員見送って終わるのですが、劇中総理が「皆さんに”また”会えて良かった」と言っていた事について(それについては劇中(見落としがなければ)その他の場面では触れていなかったはず)、最後の最後で秘書(天海(あまみ))に「もう少し早くお前に出会えていれば、天海(てんかい)」と言って終わる所がいわゆる徳川家康の最後と天海僧正の無念を表していたのかなあ、そして、それまでの会話劇や名前?も含めて、
集められたメンバーは全員徳川15代までの将軍の生まれ変わり+天海僧正である、(女総理はその不思議な力ゆえそれが分かって全員を集めた)という意味だったのでしょうね。

この辺の裏設定について(パンフなどに書いてあるのかも知れませんが)舞台中では多くを語らず、「ヒントは全部与えたからもう答えは分かるよね?」と観客に投げかける形でうまく終わらせたのかな、と感じました(違ったらごめんなさい)。


・アイドル芝居だからアイドルは歌うのが当然、というやり方
・設定にちょっと無理が感じられる所も
・ゲストトークは必要だったのか?(ファン以外にとっては不要)
など、気になる点もあったのですが、芝居自体の回し方や終わり方の妙、劇中で風景画を仕上げる、など脚本から個々の役者の上手さ、挑戦を感じる部分なども多く自分としては「かなりいいお話だったなあ(もう少し歴史勉強しとけば良かったかな)」と思いました。

なので、マイナス所もあるにはあるのですが「全体を通して非常に楽しめた」
という意味で☆5つ。
脚本家の方もうまいですが、この原作者の方(舞台にも登場されている
歴女にして歴女タレントさん?)もダジャレから設定からよく仕込むものだ、
と感心してしまいます。

出演者(アイドルの方)自体のファンだったら☆6つ、7つ超えてしまう出来なのでは?
ヒーローアゴーゴー!

ヒーローアゴーゴー!

劇団東京都鈴木区

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/03/13 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★

ヒーローショーの舞台裏ってこうなんだなあ( ´ー`)
前知識ゼロで行ったけど、2編やってるのですね、1話「デパート屋上編」(再演)、2話「遊園地編」(新作)。初見の今回がちょうど1作目に当たる「デパート屋上編」で良かったわ。ビラをチェックすると有名声優さん達が声の出演になってて「そうか、ヒーローショーってTVで実際やってる人を更に演じるもんだもんなあ」と思ってたら開始10分前から(有名声優さんによる)実際の特撮番組風オーディオドラマが流れて「おおお、ホンモノだ!」と声オタな自分はちょっとドキドキ。あとビラの説明で特撮の世界で良く聞く「スーツアクター」って言うものがなんなのかやっと理解できた気が。

で、開始。劇場セット自体がヒーローショーの舞台裏、楽屋的な場所でここでヒーローショーを前にしたスーツアクター(ヒーロー衣装を着て実際舞台上でヒーローアクションをこなす人たち)の練習風景やデパート店長達とのやりとりがコントをおりまぜながら展開するけど、会話劇としておもしろい、集中できるし、トラブルなどを織り交ぜた細かな笑いも(自分には)押し付けすぎない感じがして素直に笑う事が出来ました。

と、そこまでの流れはよかったので、普通にそういうスーツアクター舞台裏みたいな話で十分じゃないかなと思った所へ、途中からの展開がちょっと・・・スーツアクター達を出演者Aグループとして、Bグループ、Cが話に絡んできた時、狭い世界(実際の舞台の広さもそうだし、その設定世界観的にも)の中では話広げすぎでは?とすこし残念に思いました。

まあ、最後には「ヒーローショー」まで見れたので自分的には瞬間風速★4つ(時により3つ)結果として★3.5で評価3つ、という所でしょうか。

ぜひ続きの2話が観たかったけど、そちらは売り切れとの事。残念だなー、舞台的にも続き観たかったし、2話は間島淳司さん(有名声優)も出るらしい。評判聞いてすぐ手を出すべきでした(´・ω・`)

要チェック劇団にします。

ネタバレBOX

ツイッターで役者さんの「面白かった!」のツイートを沢山見かけたので気になっていたのだけど、「(水)休日あたりに見れないかなー」とチェックし(水)が埋まってたので急いで(木)のチケットを取り観劇。

以下、ネタバレは出来るだけ簡潔に。

・ヒーローショー舞台裏での日常や練習、そしてトラブル、それぞれのスーツアクターの考え方の違い(想い)などヒーローショー舞台裏という場面を切り取ってみると最大限のおもしろさでした(この設定自体ドラマとして「いいなあ( ´ー`)」と思いました、ぜひ連作で観たい)。

・デパート店長夫妻や市長との絡みも(おっぱいドリルというネタは評価分かれるかも知れませんが)僕は単純に笑えました。その他ピンクが遅れる件をデパート店長達にうまく伝えられなかったり、逆に店長達が出演したがったり、というかけあいもまた一興、とても楽しい日常的コメディでした。

・UMA?だか言う集団が出てきた所であまりの電波演技にちょっと空気的におかしくなってきたような・・・(それまでのリアル感を壊していく感じがしました。)まあ、演技ですがとにかく3人電波でした。笑いを取りに来てる場面含め「電波」が前面に出過ぎてだんだん笑えなくなってきてしまいました・・・

・更に冒頭から度々出てきていた宇宙人少年が絡んできて、更に「うーん」な展開に(ヒーローショーでの正義と悪の世界設定と本当の地球侵略をかけたかったのでしょうが、その絡ませ方がうまくないというかちぐはぐというか、うーん)

・あとイエローが妊娠してて最後の舞台、っていう設定をうまく泣きに使うのかと思ったら、呼んだ女友達と口喧嘩始めて女友達の発言が「妊娠してるのにアクションなんてとんでもないでしょ!」としごくまともな発言だったのにものすごい逆キレをしたあげく「すっきりした」と仲直り(観てるこっちは(??)、何がすっきりしたんだろう?)というか仮に設定とはいえ妊娠判明してるんなら、アクションとかやっちゃまずいんじゃあ・・・と、この辺の設定が最後まで胸の中でもやもやしました。(最後に妊娠してる奴に全員の荷物もたせたりとかも)

・結局妊娠設定が話の軸的に使われるようで正体を表した宇宙人が「イエローの腹をなぐる」と言ったりイエローが「殴れよ!」とキレて言ったり(どうも妊娠初期を演じているのか、イエローさん終始キレ気味でした)、無理に妊娠ネタを使おうとしてよく分からない展開になっていた気がします。
もっとうまく泣きでもいいし笑いでもいいし、どちらかの方向へもっていけなかったのでしょうか・・・

・宇宙人の子に「地球のヒーロー(ショー)を観せてやろう」という流れはよかったと思います。(欲を言うとヒーローショー場面でセリフは声優さんの録音内容流してる時は、実際仮面かぶってもらうともっとリアリティが出て「ヒーローショー」という奴を観たことのなかった自分は楽しめたかなあ、と。まあ、演技する方は顔でないと表現が難しくなるんでしょうが)。

と、良い場面は多々あれど、設定/脚本の気になる小さな部分が魚の骨のようにのどというか胸にひっかかってしまい、「もっとシンプルにするか、あまり話を広げすぎない方がよかったのでは?」と思ってしまいました。

なのでヒーローショー悲哀劇、のようなドラマとしては
★4つの場面もあったのですが、その後の展開は★3かそれ以下の
部分もあるので、良い方に考えても★3がいい所なのかと。

ただ舞台終了後に「電波で謎の連中UMA?」だかについての短編劇をやってくれて、その中で本編のシーンもうまく組み込んでいたり、謎の連中の背景設定みたいな所を見せてくれた所はよかったと思います(組み込み方がうまかった事からも「本当に練習されてるんだなあ」「その上で2舞台を日ごとに演じ分けているんだなあ」、など尊敬できる部分も多々あり好感が持てると思いました)。

今回の評価はともかく、今後をぜひ追って行きたい良い劇団だと思います。
舞台 死神姫の再婚〜旦那様、お買い上げありがとうございます!

舞台 死神姫の再婚〜旦那様、お買い上げありがとうございます!

株式会社Decca

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2013/03/13 (水) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

アウェイの洗礼
基本的に毎公演追っているヘロヘロQカムパニーの座長関智一さん(声優としてまず有名ですが、演劇関係もかなり長い事やられてます)がゲスト出演されるという事を知り急遽チケット購入し、今までどおり前知識なしで観に行きました。

「関さんはロバートデニーロやショーンコネリーのように出演作品選ばないからなー(ちょっと名優と比較しすぎ?彼らはB級作品などであっても芸の肥やしになる、と好んで出演されますので逆に名前で観に行くと思わぬハズレが多い)」と不安はあったのですがとりあえず舞台として見れるものならいいか、ぐらいの気持ちだったのですが

・・・

お客様の8割方は出演者の皆様(主にタレント)をTVなどで拝見している「ファン」の方々なのでしょうか、大いに笑い、泣き、喜び、大変満足されていたようです(空気的にも愛想で笑っている、という感じでなく本気で喜んでいるようでした)。




( ゚д゚)←自分だけ


すいません、演者の皆様は非常に「真面目」にファンを喜ばせようとしたのだと思いますが、自分は完全アウェイでその空気にすら何かを感じる事ができませんでした(「ファン」の皆様は大満足されていました)。

よって評価なしとさせていただきます。

ネタバレBOX

劇場に着いて、原作がライトノベル作品らしい事を知り、また新撰組リアン(島田紳助さんプロデュースの歌劇タレント?)などが出るというのを思い出して、
「昨日は新撰組朗読劇、今日は新撰組リアン舞台かー」と小さなつながりに
喜びを感じていました。また、舞台開始直前にサイリウムを前の方で配っているスタッフを見て、「演劇の中で演出的に使う(=観客も巻き込んだ舞台にする)のか?」など自分の都合の良い方にとらえていたのもまた大きな勘違いでした。


舞台セットも立派、BGMも良い選曲、演出効果もよし、役者の声もよく通る(タレントだからか全労済ホールスペースゼロの中~大規模ホール自体の施設の良さゆえか普段から演劇などをやっている関さん以上に皆よく通る声でした)、観客比率も女性6、7割、残り男性という事で、「単なる男性アイドル舞台ではないよな?」と思っていたのですが・・・


見事にアイドル劇場でした。


序盤こそ真面目にお話が進んでいましたが、いきなり「これでもか!」というぐらいに吉本新喜劇並みのコテコテな笑い取りが始まりました。メイド役(この人とシェフ役がなにかする度に舞台が壊れていく感じがしました)がイケメンタレントに本気で掴みかかり押し倒しまくり(天丼を超えるほどの繰り返し)それに大爆笑する観客、ロン毛のヅラがずれてしまいそれをネタにし始めるイケメンタレントとそれにまた大爆笑する観客、演技というにはしつこすぎるぐらいに髪を引っ張ったりとジャレあうイケメンタレント達、もう自分はお話に集中する事は不可能でした。(逆にファンの方は自分の好きなタレントさん達がどんどん身体を張って笑いをとりにくる姿勢に引き込まれていったのだと思いますが・・・)そうやって笑い取りに走ったあげく「次何するんだっけ?」と確認しあう場面もちらほらと。

自分はその空気に入っていく事ができず(タレントさんが全く分からなかった、というのもありますが)、笑うべき所で笑う事すらできません。。。

そして関さんはといえば、まあ短期ゲストという事で役というほどの役でもなく、単に見えなくなってきた話を説明する、という場面のみ(その上、笑い取りの為にスネ夫などの声をやらされてるのを見て、「うーん、この舞台では客寄せパンダ的な扱いなのか」とまたガッカリ)。

開始10分ぐらいでのこの展開に、「しまった、完全に当てがハズれた、2時間これに耐えろというのか・・・」と舞台と自分の間の距離(舞台上真面目に笑いをとりに行く演者と、それにまったく集中/共感できない自分)、周りのお客さんと自分の間との空気の違い(多分タレントさん達を知っている、「ファンであるかないか」の違いなのでしょうが)、それらに大きすぎるショックを受けてしまい、ポカーンとしてただ繰り広げられる吉本新喜劇(類)を眺めるばかりでした。


途中本舞台公演に合わせて組織されたというアイドルの歌場面なども(演劇の流れと全く関係なく)入ってそこでサイリウムが振られ(ああ、単なる歌にのる為の道具だったのか、とガッカリ)、物語の本筋を真剣に追おうとすればするほど、繰り広げられる小ネタにひかされる、そんな空気のまま後半へ。


ここまで唯一本編の主役キャラ(ヒロインではなく男優の方)が、(キャラ設定上の都合もあり?)真面目な芝居(という言い方も変ですが)をしていたのでそこだけなんとか集中して見られるかなあ、と思っていたのですが、他のタレントと絡む場面で「ファン大喜び」のおちゃらけ芝居開始・・・


後半はしばらく真面目に話が進んでいったのですが、もうこれを舞台として集中して観る、という事はできませんでした。(多分本来であれば泣きが入るような場面でも自分は( ゚д゚)、前のおばさんは号泣という温度差)


しかし、舞台を演じられていた演者の皆様はあくまでも真面目に、ファンを喜ばせようと、色々なネタを仕込んでいたのだと思います。演劇と考えてしまわず、TVのバラエティやコント番組(昔でいえばドリフやひょうきん族など)として観にきたならば、きっと楽しめていたのだと思います。


悪いのは、下調べも何もせず、これがどういうイベントかを知らずにやってきた自分なんだろうな、と思いました(少し調べればこの舞台公演がどういった性質のものかはすぐに分かるものでした(それぐらい大々的に公演していた模様))。


自分は元々前知識なしに観に来て「その内容に衝撃を受けるのが好きで(泣かせるのか笑わせるのか恐怖させるのか楽しませるのか騙すのか)前情報を入れないようにしていましたが、今後はやっぱり実際舞台公演を観てきた人などの情報を参考にして観に行くか、お気に入り劇団の舞台以外は(知っている方が客演していても)少しは情報を仕入れた上でチケット購入すべきかなー、と反省しました。


※本舞台を楽しまれた、という方すいません。あくまでも、演者の皆さんを全く知らないで観に行った自分の感想ですのであしからず
The ONE

The ONE

SOUND THEATRE

東京グローブ座(東京都)

2013/03/16 (土) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

安定の沢城みゆき
沢城みゆきは可愛いなあ( ´ー`)

というのは単なる自分の趣味なので置いておいて「声優界、演劇界でもあれほど真面目で練習熱心な娘はいない」と太鼓判の沢城さんが選んだ朗読劇、という事である程度の確信は持っていたものの
・主役の藤岡さん知らなーい(沢城さん、平田さんは自分の中ではめっちゃ有名人)
・ひさびさの生伴奏付き朗読劇
という事もあり、、、

演奏が始まりそれにのせて藤岡さん、平田さん、沢城さんの3人朗読が始まったけど、序盤演奏が声を食ってしまっていた(音が大きくて声が聞き取りきれない)部分があり、「これがまさか最後まで続くのか!?(集中どころか舞台として成立しないΣ(゚Д゚」と不安がよぎったんですが、結局このような事態は冒頭と中盤のほんの数分の演奏盛り上がり部分だけで他はちゃんと演技に集中できるぐらいのほどよい演奏でした。

で、作品として
・朗読劇という事で声のプロフェッショナルの2人はもちろん主役の藤岡さんもかなりの演じよう、序盤でこの物語は泣き話ではないのだろうと思ってましたけど、終盤かなり泣き入りました(落とし方が非常に良い)
・東京グローブ座は立地はともかく施設としてかなり立派で音響・ライトなどの効果も良好、バンドが並んだりとスペースがない中簡単なセットに対してうまい照明効果などの使い方をしていて感心
・脚本的にもかなり良し(自分、不勉強の為日本史まったく詳しくないんですが、幕末から明治初期、新撰組の時代から倒幕、明治政府樹立後斎藤一が警察隊に入るあたりまで(るろうに剣心でもそうなってるけどこれって史実でしょうか?)を時代背景としたオリジナルストーリー)
・日本の話だからと日本の曲にこだわらず、場面に合わせていろいろな演奏がこれまたよし (カルメンとかでかかる曲ってなんだっけ?)
・1人剣術士の演舞よし(※最初はとまどったけど、後で「真意」とでもいうものが理解できた(というか自分が思い込んだだけかも知れませんが))
・好きな人にはたまらない演者さん達のアフタートークショー付き
という事で単なるBGM付き朗読劇ではなく、エンターテイメント朗読劇、といって良いレベルの出来かと思いました。

最初から終幕までめっちゃ演技、お話、演奏、演舞、すべてに集中できて
充実した時間を過ごせました。

「サウンドヒストリー」シリーズ、もう何作かやってるらしいけど、次回も絶対行きたいです。

ネタバレBOX

(ちょっと物語全部は書き切らないのとオチを言ってしまうとアレなので箇所箇所を)
明治政府樹立後、元新撰組三番隊隊長斎藤一(藤岡さん)はその名を隠し、
明治政府が設立した警察隊に入る。そこへ沖田総司の姉沖田みつ(沢城さん、創作?)と、それを呼び出したかつての坂本龍馬の腹心陸奥宗光(平田さん、実際の人物?)が現れる。

陸奥「北海道五稜郭に新撰組の亡霊が現れ明治政府の人間を斬りまくったあげく五稜郭を占拠してしまった。このままでは争いが広がりやっと終わったはずの血で血を洗う幕末へ逆戻りしてしまう。そもそも本物の新撰組かどうか素性を確かめる為に土方歳三などの顔を知る2人のどちらかに北海道五稜郭へ来て欲しい」との事。

沖田総司の最後を見とった姉みつは「死んだ沖田総司に再び会えるような気がする」とすぐにこれを了承、一方斎藤は・・・

という流れなんですが、演奏部分は序盤の声を食っちゃった部分を除いて「良好」という事で置いておくとして、まず舞台上部に刀を持った武士が現れ、演舞(1人だから殺陣ではない?)を披露、「こういう形でたびたび現れて明治時代以前の武士の時代の空気を出すのかな?」と思ったら以降いっこうに現れない(この時点でこの人の空気(というか演出意図)が読めない)。

で、斎藤はというと、妻と子をもうけて生活するも、新撰組で唯一生き残り(他は消息不明が何人か)、かつての敵であった明治政府側の犬として働く屈辱の暮らしの中酒浸りになり、思い出すのはかつての新撰組沖田総司(沢城さん2役)、土方歳三(平田さんニ役)、その他の仲間たち。
そしてそれらがイメージさせる「桜の亡霊」という言葉。

明治初期と新撰組時代を場面転換しながら物語が進むんですが、平田さん、沢城さんがそれぞれ2役をうまく演じ分けているのに対して、斎藤一の藤岡さんが明治初期と新撰組で同じキャラの為か、何か朴訥というかいまひとつ感情を出せていない感じが・・・

そうこうしながら陸奥、沖田みつ、斎藤の三者が船で北海道へ渡ろうという所で暗転し、拍手喝さい。「あれ?まさかこの中途半端な場面で終わり?」と一瞬先日観た舞台の恐怖が蘇りかけたけれど単なる途中休憩でした。

ここまでの場面で採点するなら、演技(この時点では2声優のみ評価)、演奏、舞台セット、武士の演舞は不明で「70点がいいとこかな?」、「今後実際どう展開していく?沖田総司、土方歳三などの亡霊が現れるオカルト的展開かな?」と想像しながら待ちます。




で、後半開幕直後、まず驚かされたのが、再び舞台上部に現れる武士、両横に竹が伸びてたので「・・・まさか?」と思ったら演舞の中でいきなり竹をどんどん斬っちゃいます!まさか真剣だとは思わなかったので、今まで単に演舞として観ていたものがいっきに「この武士ホンモノの刀振ってたのか!(((( ;゚д゚))))」という恐怖とともにいろいろ想像を引き立たせる舞台装置的存在になってしまいました。(血は出ずとも触れれば指が飛ぶ刃物をあんなにうまく扱っていた、うわー、まさに武士だー、と(実際剣術家などの人かと思ったら役者さんだった模様、すごいなあ))
後半になって五稜郭の新撰組?に近づくにつれ、この武士の場面も増えていきます(武士の日常の佇まいからなにから。もしかして近藤勇局長の立ち位置を演じてたのかな?)



ここでまず自分のこの舞台を見る目が変わって来ました。新撰組といえば人斬り集団、と言われつつ、舞台上では隊士達の平和な日常を多く演じていた為、喜劇的なイメージもあったのですが、この辺りからいっきに幕末の血で血を洗う日常の空気が演技にも現れ始めます。そして、沖田総司の結核がひどくなっていく様も・・・

このタイミングになって斎藤さん(藤岡さん)がだんだん当時の感情(沖田総司が調子を崩していく、それを心配する土方歳三、の2人に対しての気持ちの荒ぶりよう)を思い出したかのように演技に熱を込めてきます。
「あ、この人演技が下手(朴訥?)なんじゃなくて、政府の犬として自分の気持ちを殺した所、また新撰組入隊当初のクールで通っていた所から始まってだんだんと新撰組末期の悲しい場面の感情へ移っていく部分をずっと表現しようとしていたのか」と、いやはや演者さんをちゃんと観れていないなあ、と深く反省。


その後、北海道へ到着してすぐに猛吹雪に遭う場面と新撰組時代の桜舞い散る場面をイメージとして重ねてきたり、五稜郭を占拠していた新撰組の正体について配役の妙をうまく使ってきたり、また「桜の亡霊」といったフレーズもここでうまく繋げてきたり、「あ、こことこことこことこことここがみんなつながるんだ」とミステリほどではないにしても、うまく話を作ったものだなあ、と感心してしまいました。


その上で中盤ポロッと出した伏線をうまく回収する形で沖田総司(またそれを演じた沢城さん)ならそうするんだろうなあ、とこれまた涙をさそったりとほんとうまい形で話をまとめました。

※後半かなり端折りましたがほんとよく出来た脚本とそれを演じる役者さん、そしてそれに良く合う音楽と演舞、舞台セット・効果など、今まで朗読劇はそれなりに観てきましたが、ここまで突っ込む所なしのよい物語になっているのは驚きです(単に自分が歴史を知らないだけで周りの歴女さん達はツッコンでたのかも知れませんが・・・)


で、アフタートークの中で沢城さんが「今まで演劇では沢山練習してその中で色々な人とお食事したりする機会などがあったんですが、今回朗読劇という事で~」みたいな話をしていた所で、(演劇中テンションの高い役という事もあり、平田さんが4、5回噛んだ箇所以外かなり演技にも熱入ってたし十分練習されてたのかと思ってんですが、実は(個人練習はともかく)本人的には十分というほどの練習ができていなかった、と思っている?それにしてはよく演じてたなあ」とこれまた感心。(まあ本当は十分な練習をされている方がありがたいんですが)



そういう意味で声優さん+役者さんの演技の妙と音楽、そして演出の妙、脚本の妙を楽しませてもらえたいい朗読劇だったと思います。


これこそ「声優だからって舞台をバカにしていない!ちゃんとプロとして仕事してるんだ!」って言えるものだと思います。
あー、明日で千秋楽というのが早すぎる、ぜひもっと色々な人に見てもらえたらなあ、と思いました。
フェアリーテイルアレゴリー

フェアリーテイルアレゴリー

なば缶

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2013/03/05 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

書きたくなかったのだけど
もう当人達に見られたとしてもしょうがないものとして書きます。
他の劇団の公演についても批評してるのだから、そうじゃないとアンフェアですよね。


「話はちゃんと終わらせろ!」
ファンにしろ客にしろ、舞台を見に来た人にこんな絶望をあたえるな!
客をなめるな!
それにつきます。

ネタバレBOX

なば缶1缶目はまともな舞台でした。
たしか10何年ぶりに観た舞台だったのかも知れません、それなりにおもしろく、それなりに涙もあり、というものでした。
自分はそれからいろいろ舞台を観に行くようになったので、その期待すべき舞台の2公演目、という事で過剰ではないにしろ、期待していました。


そして結局がっかりさせられた流れを順を追って書きます。
1.学芸会のような始まり(え!まさか今回は十分準備する時間がなかったのか?と心配になりました。)
2.場面転換してまともな舞台風景(1.は演出の一種だったのか、と少し安心と「そういう部分でかなり狙ってきてるのか」と上手さすら感じました。勘違いだったみたいですが・・・)
3.小ネタを盛んに織り交ぜて笑いを取り続ける(こういった形で笑いを取りながらメインストーリーを流すのかな?と思ってました)。また、声優さん(女性声優)のキャッキャウフフな会話に周りのファン層はかなり喜んでいました。自分もファンではありましたが、「まず舞台としてのストーリーを追いたい」と思っていたので冷静に観てましたが・・・
4.メインのストーリーにいくつかの伏線的要素が入ってきて、だんだんと舞台らしくなってきました。(よし、ここから先どう持って行ってどう終わるのか、と空想をふくらませながら観ていました。)


で、
5.いよいよ伏線の回収に入って、「物語はエンディングへ向かうのか?」と思った所でいきなり全員出てきて踊り始める、しかもドタバタしてる。この時はまだ「”練習中”などの演出なのかな?」と思ってました、がそのまま終了、演者「ありがとうございましたー」で閉幕


伏線も何も回収されず、物語すらまともに終わってません。
(多分ですが、時間配分を間違って劇場借りてる時間内に終幕できないと気づいてあわてて閉めたのだと思います。)


舞台始まり前に配られたアンケートに「今後も必ず観に行く!」と◎をしていた自分ですが、もう唖然として何もいう気も起きず、そのまま劇場を後にしました。チケット計3枚も買いました。明日も観に行く予定でした。明日はもしかしたらちゃんと舞台を終幕まで持って行ってくれるのかも知れません。でも、いくら初日とはいえ、「これを楽しみに観に来た人」達に対して、一番やっちゃいけない事をやったと思います。


こんなの舞台じゃありません、単に声優好きなファンを集めたいだけならもっと簡単な話にして、声の部分で十分楽しませればそれでよかったと思います。それをわざわざこういうお話で舞台にしようと思ったのなら、ちゃんと終わらせてください。

ほんとの所、脚本家が逃げたとか何かあるのかも知れませんが、2度と観に行く気は起きませんし、今まで応援してた各声優の皆様についても、しばらく声も聞きたくないと思います。

「これをやっちゃ、おしまいだろ」という事を見事にしてしまった、と思います。
残念すぎます。

今まで観てきた声優さんの舞台は、ちゃんと「役者」「舞台」としても成り立っていたものだったので、声優さん=役者さんとしてもやれる、と考えていましたが今回の舞台でその認識も改める気になりました。演技がどうこうではないのでしょうが、こんな形で終わらせる(また、それをよしとしてしまう)というのはちょっと・・・
ブルーアップル【終演しました!】

ブルーアップル【終演しました!】

X-QUEST

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★

戦隊ヒーローのアクションショーのような
別劇団の方の客演という事で前知識なしで観に行きました。

小箱と呼ぶくらいの小さいステージの中であれほど激しい殺陣(あえてアクションシーンと呼ぶ?)とダンス、それに歌まで加わって「非常に迫力あるパフォーマンス」だったと思います。子供無料ステージを設けるなど、ヒーローショー的な観せ方だと感じ「子供にも興味を持ってもらおう」という気持ちを持った劇団、舞台なのかな?それはとてもいい事だな、と思いました。

しかし、最初「この劇団、舞台はヒーローショー的に難しく考えずに見たままを単純に楽しむものなのかな?」と思っていましたが、

・思ったより難しい設定に対して、それを丁寧に説明しきれていない(大人の自分でも(??)となる部分があったので子供はもっとついていけないのでは?)

・アクションパート、ドラマパート(現代)は良いとして、背景設定を描くパートについて(設定が原因なのかも知れませんが)、その場面に切り替わった時いきなり話が見えなくなってしまいます(伏線だとしてももうちょっと分かりやすく見せたほうがよいかと)

・笑いをさそう小ネタの部分で、漫画程度の一般共通ネタならともかく、他劇団の内輪ネタなど「ほとんどの人は分からない、一部の固定ファンだけを笑わせるネタ」の利用はほどほどにした方がよいかと(知らない人は「周りは何を笑ってるんだ?」と思ったと思います)
※(自分は知ってるネタが多く笑わせていただいたので)最初から舞台マニアその他をターゲット層にしてる、と考えれば別に気になる点ではなかったのですが・・・子供を置いてっちゃうのがちょっと悲しかったかな・・・

など、場面場面では(特にアクション部分は)非常に良いパフォーマンスを観せていましたが、ちょっと1本話を通して考えると「どうだろう?大人から子供まで、というより一部の人以外は置いていってしまってないか?」と疑問を持ちました。

ただ、まるでマイケル・ジャクソンの「スリラー」を見ているかのような、キレのあるダンス&殺陣がやはり特徴だと感じ、この技量を活かした別の舞台が見てみたい、と帰りに前回舞台公演のDVDを買いました。

次回の公演は期待したいと思います。

ネタバレBOX

「ブルーアップル 紅水母の棺」というタイトルについて、最初「べにくらげ」と読めず「なんとか母?」だと思っていたので、宣伝写真と合わせてシリアスアクション的なものをイメージしていました。しかし舞台開始から笑わせる展開だったので、すぐに勘違いだと気づきました。

「べにくらげまん」だったりその敵キャラや博士だったりと、戦隊ヒーロー的なキャラ設定は激しいアクション&ダンスに非常にあっていて「これなら子供も興味を持ってくれるのではないか?」と思ったのですが、
・ この世界は地球の複製
・ 母がくらげを操って海を荒れさせて大地に住めなくしてしまった
・ 母は実は自分自身
など、巨大だったり難解だったりな背景設定がうまく使いこなせてなかったのでは?(アクションをメインに置くなら説明の難しすぎる設定は思い切ってはずしてしまった方がよかったのでは?)と思いまいした。
舞台後半になるほど、その設定部分が表に出てきて「どういう結末に向かって演技しているのか」の部分が、お話をだいたい理解して見ているはずの自分でもイメージしずらく、お話に集中できない状態になってしまいました。

あと、非常におおきなおっぱいの方を使ってましたが、おっぱいをアピールするのなら、それにあったキャラ設定なりをつけて使うべきだったかと・・・
(無駄な露出ははっきりいって演技内容への集中の妨げに感じました
)おもしろおっぱい、エロおっぱい、ではなく単なる無駄おっぱいになってしまっていたような

また、戦闘パート、ドラマパート、背景説明パート、の繰り返しで構成していたかと思いますが、TVの特撮番組でも半分アクション半分ドラマのような比率だと思います。実際この舞台ではアクション&ダンスが7割方wo
占めていたかと思いますが、「ヒーロー物的な位置づけ」でやるのなら、同じ相手と同じ殺陣を繰り返すのではなく、もう少し工夫が欲しかったかと思います。(相手自体を変えていくなど。博士がラスボス化して他演者と合体したような演出などは良かったとおもいますが)
DUST SHOOTERS~ダストシューターズ~【金曜マチネ完売しました】

DUST SHOOTERS~ダストシューターズ~【金曜マチネ完売しました】

カプセル兵団

笹塚ファクトリー(東京都)

2013/02/28 (木) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

こんな舞台初めてヽ(´ー`)ノ
ヘロヘロQカムパニーの長沢美樹さんが客演されるとツイッターで言ってたのでつい予約。
劇団や公演内容については前提知識なしで当日現地着、パンフを見たら「難しい話ではなく、みんなが単純に楽しめるような話」という事となんとか星人とかだれだれを倒すとかあったので「SF系ファンタジーものかな?」しかしセット類ほとんど前準備なし(かつ笹塚ファクトリーさんは小屋狭めなのでセット入れ替えもできなそう)でどう宇宙船とかいろいろな場面を演じるんだ?と半信半疑的な状態で開幕を待ちました。

しかし、始まってみて驚かされました、SFについてこんな表現方法があったのか!


10年前の公演内容の再演との事なのですが、この劇団さんを見たことない人はぜひ観に行った方がいいと思います。
コメディ系という意味で笑劇ですが、初めての体験に衝撃を受ける事間違いなしです。

劇団ごとに表現方法/脚本構成/殺陣/演技その他どこかに特徴があるものですが、カプセル兵団さんのこの舞台での表現方法はまさに驚きの一言です。
この話以外で同じ方法が使えるのかが気になります(舞台からくりサーカスのDVD流してたけどアレもカプセル兵団さんだったのかな?)

とにかく自分はこの劇団の今後を「要チェックや!」と思いました。
初体験って意味では100点あげたい

ネタバレBOX

セット類、小道具がほとんどありません。

いざ舞台開演し、宇宙船内の場面を演じていたと思ったらいきなり役者さんが集まってきて「宇宙船」を組体操のように体現したり、広い宇宙でのドッグファイトを手のひらで表現しだしたり、宇宙船の扉が開いたりする場面を人が演じていたり、踊りでその場の空気を表現したり、とにかくセット、小道具その他モロモロすべてを人と集団が表現する、というとても斬新な試みだと思いました(お笑いのコントが短時間で演じてるものをそのまま長編大作化したような)。

漫画系の小ネタとかも挟んでてこの辺はあざとさ(一部層へのウケ狙い)も感じましたが、とにかく集団が入れ替わり立ち代わりして場面場面を表現していく、しかも会場の笹塚ファクトリーは舞台の左後ろ右、あとは客席真ん中に出入り口があるのですが、その集団の入れ替わりに客席真ん中の出入り口まで使うので、真正面で見てた自分からすると「うわっ!こっちに来るぞ!」とか「うわっ、ここから現れたぞ!」とかシーンごとにドキドキさせられてしまいました(多分笹塚ファクトリーを一番うまく使った演出ではないでしょうか?)。

お話の方も単純に始まり単純に終わるのか、と思っていたら大どんでん返しが待っていたりと最後まで集中を途切らすことなく楽しめました。

先日ミュージカルを観て、歌による表現方法にも驚かされましたが、多分驚きという意味ではカプセル兵団の本劇の表現の方が更に驚きです。
ZANNA ザナ ~a musical fairy tale~

ZANNA ザナ ~a musical fairy tale~

東宝

シアタークリエ(東京都)

2013/02/18 (月) ~ 2013/02/23 (土)公演終了

満足度★★★★★

これこそミュージカルだ!
スフィアの高垣彩陽さんの舞台(ミュージカル)という事だけで取ったチケットでした。
事前確認しないで現地へ行ったので、当日座席上のチラシに「「同性愛」その他の単語を知っているとZANNAがもっと楽しめる」とあるのを見て、「奇想天外系のイミフ(理解不能)ミュージカルじゃないよなあ…」と開演前はすごく不安になりました。
チラシに書いてあるネタなのでネタバレではないとして言っちゃいますが、
本作品は男が男を愛し、女が女を愛するのが普通、男女の恋愛(ストレート)は異常、と認識されている国のお話です。

(ネタバレは避けるとして)

感想として、最初は「主役キモッ!」とか思っちゃうような出だしですが役者さん達の演技と踊りとそして歌がすごい!そして真剣!(これだけの事をするってことはかなり練習をしたと認められる。)

1度「ミュージカル」を名乗る舞台は観たことがあったのですが、ZANNAはそんなレベルじゃない、ほんとに始まりから終わりまでずっと歌と踊りが続いて、そして脚本に芯がある、これこそ「ミュージカル!」(なのかな?)と思わせる出来でした。高垣さんも良かったけど、その他の役者さんも本当に演技から歌から何からが素敵でした。

そして始まりでは「キモいゲイキャラ魔法使い」と思われたZANNAがこんなに感動を与えてくれるなんて、と驚きました。笑いから泣かせまで全部包括した本当にいい舞台(ミュージカル)でした。

ぜひまた観たいです!

ネタバレBOX

(ネタバレ)
特にネタバレパートはないのですが、当初男が男を愛する(恋したり告白したり)な場面にちょっと男としてむず痒いような気分を味わいましたが、だんだん世界観に慣れてきます(何より演者さんの真剣な演技と歌がそういうひやかしな雰囲気をふっとばしました)。

男が男を愛し、女が女を愛し、のはずが「じゃあ、男女が愛しあう(ストレート)の舞台をミュージカルにしてみよう!」というミュージカルの中でミュージカルを演じる、という場面から一変、ある男子と女子がお互いを意識し始めてしまう所から、街のバランスが崩れ始めます。

街中から差別され、居場所を失う男女、そんな中主人公の魔法使い(ゲイ系)が2人の為に使う大魔法・・・

(多分元ネタはアメリカなどの海外で演じられたのだと思いますが)これって実は異性愛前提の各国の中で発生した同性愛についての差別を、逆の形で語っているのでは?

と結構シリアスなテーマなのかも知れないな、と思ってしまいました。

あくまでもミュージカルであるこの話はどういうエンディングを迎えるのだろう?もうそこが気になって仕方ありませんでした。
(しかも2時間オーバーしていつ終了するか分からない空気だったので)

しかし、終わり良ければすべてよしで、主役のZANNAがただのキモ魔法使いから「愛のキューピット」のような役割に印象が変わっての幕じまい。

最初こそ「同性愛」という、ちょっと空気的に難しい(笑っていいのか、真面目に見るべきなのか)分からないテーマでしたが、最後にはちゃんと考えさせる部分含めて笑いと感動をとっていたのでこれは素晴らしい舞台(ミュージカル)だと思いました。

採点するなら85点、ぜひこの人達の次の舞台も観たいと思いました。
ミュージカル気に入りました。
嘘ツキタチノ唄

嘘ツキタチノ唄

企画演劇集団ボクラ団義

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2013/01/18 (金) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

凝りまくっていてそれでいて楽しい脚本、演出、演技に殺陣、更にはギター、フォークソングまで
昭和の大事件(ノンフィクション)、嘘だけが書かれたという過去の日記、その中の殺人告白と容疑者。
これだけが提示された序盤から、どうストーリーが展開していくのか(既に本劇団の舞台に触れた事のある方なら期待に胸踊らせ、初めての人なら面白くなるのかつまらなくなるのかのかすかな不安とともに)、現代と過去を演じる役者さん達を眺めていく事になります。
そして、当たり前のように演劇内容(ストーリー)が頭に入ってきた所でいきなりの急展開!
ここまでは書いていいのかな、
とにかく最後まで夢中になれて、オマケまでついてくるといういい舞台です、特にこれだけ夢中にさせる脚本がPlay Again(過去作品、再演)だという事に驚いてしまいます。

ネタバレBOX

日記内容の再現となる舞台内容を当たり前のように観劇していてだんだんとその人間関係相関図、ストーリーが頭に入ってきた所でいきなりの
刑事「嘘だ!」

そこから始まる真実のストーリーとのギャップに一時的に頭がショック症状のようになってしまい、今まで記憶理解した人間関係、ストーリーがごっちゃになってしまい混乱してしまいました。しかし、それを順次やさしく紐解いていき、そしてオープニングで提示された情報がすべて紐ついた時、物語は悲しいラストに向かいます。

しかし、ボクラの脚本家さんはほんとに遊び心がたっぷりなので、単に悲劇では物語を終わらせません。

ある意味単なる舞台ではなく「脳のトレーニングなんじゃないか?」なんて思ったりもする頭を使って観劇する舞台(アフターパンフで改めて真実を確認するとこれだけの複雑な話をよく演じきったな、と再び驚いてしまいます。役者さんの演技にも、そしてそれを観劇し理解できた自分にも)

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