遠慮がちな殺人鬼 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「遠慮がちな殺人鬼」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    メインキャストの急な降板(病欠)が痛いか・・・
    twitterにて知りましたがボクラ団義メインキャストの沖野さんが公演日2日前にまさかのドクターストップ(入院?)との事。すぐに代役は立てられたものの
    「いくらなんでもこのタイミングで代役はムリがあるのでは?」と公演自体を心配しましたが・・・
    当日、途中休憩を挟む3時間オーバーの大作。
    【脚本の濃密さ、伏線張りと回収の上手さ、オチの付け方★5つ】
    【笑いネタ、取りどころ★5つ】
    【お話の良いタイミングで入るダンス★5つ】
    【劇場演出★5つ(小劇場で出来るかぎりの事をしていたという意味で)】
    として・・・代役の方については仕方ない(客がこういう事言うのもなんですが)として、他の演者さんについて(練習不足とは思いたくありませんが)一部何かの理由
    「舞台が客席に近い事?」
    「演技のほとんどを客席(にある事になっている葬儀壇)に向かって演じる事による緊張?」
    「(代役の方が立つにあたって)お話を少し直された?」
    など理由はともかく、セリフの噛みや演技に集中できていないかと思われるような棒読み口調など、いつもなら脚本/演出と役者のダンス/殺陣/演技の両輪で素晴らしい構成になるはずの舞台が、うまく回っていない感がありました(自分はそういう部分が気になってしまい、前半集中できず)。
    しかし、後半パートではシナリオの佳境に向けて見事いつものボクラ団義の良さを見せてくれました。残り数日で代役の方や他演者の方の慣れその他で更に良くなる事を期待したいです。
    (願わくば番外公演とはいえ、再演して欲しいですね、お話ほんとよくできてたので)

    ネタバレBOX

    ・脚本は本当によく出来ていたと思います。
    ・演出もシアターKASSAIという小空間の中で、いつもと同様の出来るかぎりを観せてくれたかと。
    ・ストーリーのちょうど節目、切り替わりに入るダンスも秀逸。
    ・笑いネタとそのタイミングも絶妙。
    だったのですが、やはりメインキャストの急な降板が重い影を落としていたかと・・・


    舞台好きの先輩からは「劇団の多くはメインキャストなどのそういった
    トラブルに対応する為、サポートの要員も台本読みや練習をしている事が多い」
    とのお話だったのですが、2日前という時期もありほとんど
    準備出来ていなかったのでしょう。

    刑事役の方が警察手帳に見立てた台本を読みながらの演技(と思われる)。
    序盤はまだ形になっていたかと思いますが、
    後半はほとんど(種明かしなど難しい説明セリフが続く為か)
    台本を演じるというより「読んでいる」感がありありでした。
    ※ 説明部分は仕方ないとしても簡単なツッコミや会話セリフなどは、
      ムリに台本どおり演じるよりも、自分のアドリブで、
      という訳にはいかなかったのかな?
      (あっ、間違った、とムリにセリフの言い直しが繰り返し出るよりは、
      そのまま演じきられた方が良かったのでは?)
      と素人目にも思いました。

    また、前半は内容の方にも書きましたが、代役の方以外も数名
    どうにも演技に集中できていない、セリフの噛みが目立つ
    (いつもならたかが噛みの数回ぐらい気にならないですが、
    今回はちょっと目立ったかと)と、笑いは取れる、
    設定も理解できる、ダンスも雰囲気は出ている、
    しかし演技自体に集中できない、というちょっと自分は残念な状況でした。

    しかし、後半種明かしとなるシリアスパートでは、
    皆さん集中できたのか、あるいはそういう演技の方が
    やりやすい部分があるのかは分かりませんが、
    見事いつものボクラ団義の良さ、を観せてくれた、と思います。

    タイトル名「遠慮がちな殺人鬼」について、
    最初(あまり違和感も持たず)
    自ら「私が殺しました」「私も」と言い合う各人を
    指しているのかと思ったら実は、といううまいオチの付け方も見事
    (またオチネタを直接セリフで説明するのではなく、
    それまでのキャストの芝居の中で説明されていた「アレか!」
    と客に気付かせる形を取るのも見事)、
    そして「殺人鬼」による恐怖の幕引き、かと思いきや、
    ある父と子の、ちょっと泣かせる落とし方、
    という締め方も見事でした。


    しかし、今回番外公演で
    「わざと小劇場を使い、今までと違うボクラ団義を見せる」
    という説明と、シアターKASSAIの舞台スペースの狭さから
    「数人しか入れないようなあの平舞台で、何を、どう演じるのか?」
    といつもと違うものを楽しみにしていた自分にとっては、
    結局小スペース内にいつもと同様の
    シーンの演じ分けをするエリアをセットとして用意し、
    いつものボクラ団義の舞台を縮小版で観せられた、
    という形だったので、ちょっと肩透かしをくらった感はあります。

    しかし、お話自体非常に良いものだと思いましたので、
    ぜひトライアゲインの再演プロジェクトで
    今度こそ「完全版」を観せてほしいなあ、と思います。

    ※ ただ、今回のトラブルもあくまでも客観的に見た場合を考えると
      いつもなら★5つで初見の方にも「お薦め」を選択するのですが、
      それはちょっとできませんでした・・・
      (この苦境を乗り切って頑張ってほしいものです。)

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    2013/04/05 00:34

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