TOKUGAWA15 公演情報 タンバリンステージ「TOKUGAWA15」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    良い意味でのアイドル舞台
    ボクラさん達が客演されるとツイッターで知りチケット購入。前知識なし、タイトルについても当初「徳川幕府の歴史とか徳川15代目将軍とかの話?」ぐらいの想像のみ。当日劇場前に行ってアイドルのブロマイド売ってたり、パンフレット表紙がアイドルっぽい3人組(誰かは知らない)などで「やばい!先週に続いて今週もアイドル舞台(ファンが観に来る事を前提にファンだけを喜ばせる為にアイドル達が悪ふざけのようなコント、アドリブなどしまくって、はっきりいって舞台と言っていいのか迷うもの。ファン以外は完全置いてかれる)か!また地獄の2時間を過ごすのか!」とちょっとドキドキ。ビラを読むと現代劇である事などが判明。

    で、実際舞台を観劇した結論として「とても面白かった」「(有名な歴女タレントさんが原作に関わっているらしく歴史を知ってると更に楽しめる設定がいろいろ隠されていると思うが)知らない僕でも十分笑える歴史ネタが沢山仕込まれていた」「舞台上の十数人がそれぞれ個性、キャラが立っていた」「本筋を演じながら、時にその横でサイドストーリー的な話を演じ、という個々人、グループそれぞれの芝居が単なる平舞台にしてはうまく展開していて混乱せずに観れた」。で、そこにプラスでアイドルの歌(これも脚本の流れにうまく入れていた)、当日のゲストトーク(これだけ劇をぶった切っていた感はあるが・・・)と、色々盛りだくさん。

    自分の中で最初(失敗したかと思い込んで)かなりハードルが下がっていた事を入れて考えると、終わってみたらホントに得したなあ、という気分になれる舞台だった。

    あと原作?を読んでる人とかにはもうバレバレなんだろうけど、これらの「メンバーのつながり」について、総理がふと漏らした一言や最後に秘書にかけるセリフなど、観客に対していくつかのヒントは与えつつ、それを単に説明してしまわない(今までのヒントでみんな分かるよね?という)締め方が、「うまくいった」良い例だと思う。?もしかしたらパンフ読んだら全部ネタバレされてるのかな?(原作本にはされてるらしいけど)

    ネタバレBOX

    今日チケットを見たら小川麻琴さん(元モー娘。?)の名前が。「まあこの人はラジオで小西克幸さん(劇団ヘロヘロQカムパニー)と舞台トークしてるぐらいだから大丈夫か」と思いつつ劇場へ行ったらブロマイド販売、パンフ表紙のアイドル風3人組、風男塾その他自分は知らないアイドル(らしき人達)の名前が沢山。

    はっきりいって自分にとっての地雷である「アイドル舞台、アイドル芝居を踏んでしまったか!?」と始まる前にかなりのショックを受けていました。

    席も舞台最前列ともう舞台セットが目と鼻の先にあるような状態で、これから自分だけ置いてけぼりでアイドル達のキャッキャウフフとそれに応じるファン大喜びの空間が2時間も展開するとなると「これはもう地獄だな」「寝るしかないか」など色々考えてしまいました。




    いざ舞台が開演して、女総理と秘書、そして部屋を貸す家主の3人の登場から、「開かれた政治」という名目で集めれた一般市民10数人(実は別の理由で集められた)の登場まで、ここまでの流れについて「みんな(アイドルらしき方々含め)ちゃんと芝居してる、っていうかかなり本気の芝居してる」といい方で驚きました。


    集められたメンバーは仕事から何からが様々の本当に個性的な人ばかり。メンバーそれぞれから女総理に話が振られて、「開かれた政治」の為に女総理がそれに真面目に答えていく、という形でお話が進みます。

    それぞれのメンバーが持っている背景や想いが時にぶつかりあい、中にはみんなを無視して絵を描き続けたり(これが最終的にちゃんと本舞台と関わるのですが)、存在感がなくみんなから空気のように扱われる人まで(これは本当にそういうネタで終わった模様?)、といった話がコメディ調に展開していくですが(その会話の中でいろいろな史実をもじったジョークネタが投入されて
    笑いをとっていく事多数)、ここでいきなり劇団の脚本家(脚本のラストが書けず悩んでいる)を名乗る男が「総理、あなたの旦那さんの死について聞かせてください!」と。


    ここまで説明のなかった女総理の過去(占い師であった事)、旦那が自分の(車に轢かれて死ぬという)予言の話がマスコミで取り上げられた後に本当に轢かれて死んだ事(これによって再び有名になった事)、占い師である事を悪用して悪徳商法を行ったと訴えられた事(後でこれは誤解であると説明されます)、などの背景設定が一気に追加されてきます(このタイミングではちょっと無理のある部分も感じましたが、結局この設定がこの舞台のタイトルであり締め方に関わった、という意味ではどうしても必要な設定だったのでしょう)。


    ※ここで思ったのですが、徳川家康から始まる江戸時代の歴史を知っていると、序盤から終盤までの色々な「少し無理があるかも?」や「??」など疑問に思った部分について、実は何かの史実ネタとかけていた、のかも知れません。自分は不勉強なので分かりませんでしたが・・・


    その後、大家に「これはアイドルのオーディションである」と騙して部屋を借りていた事から大家が「ぜひこの娘らをアイドルに!」と連れてきた田舎娘3人に対して、「本物のアイドルっていうのは本当にすごいんだ、そんな簡単なものじゃないんだ」と諦めさせる為に、(自分は知らないけど)モー娘。3人組の歌が入ったり(この辺は序盤の伏線とうまくつなげていたので、アイドルが歌う=舞台の流れを切ってしまう、という事にならず、うまくつなげたものだなあ、と感心しました)。


    女総理が本当に「未来を見通す力がある」と証明しようと集めたメンバー各人を「見て」いく中で浮気ネタや過去の火災ネタ、劇団仲間ネタなど色々なネタが入ってきます。


    物語もそろそろ終盤なのかな?という所でいきなり女子高生が劇中何度も出てきた史実をもじったジョークネタを単独で連発するようになり、「終盤になってなんでまくしたててるようにネタを連投するんだ?折角の流れが壊れちゃう」とちょっとその行為は心配になりましたが、その後もちゃんと話が続いていました(とにかくネタ全部出してしまえ、という意味だったのならかなり幻滅した所ですが・・・)。


    そして、それまで家の壁にまで絵を描き続けていた女子の描いた絵がいつのまにか(舞台進行中に)立派な江戸時代の風景画になっていたり(上手下手はともかくよく描けていたと思います、こういう形で舞台に参加する流れだったのか、初めての演出方法だったので感心しました)。


    で、終盤バイク便(ゲストアイドル)が来て、アイドル仲間とゲストトーク(ここは完全に舞台が切れた感じがしたので自分はちょっと・・・でしたが)した後、バイク便で届けられた内容を見ると女総理の健康診断結果で「胃ガン」が発見され、長期政権を睨むどころか退陣を余儀なくされる事が発覚するという・・・


    と、ちょっと無理やりな感もありますが、話が泣きに入ってきます。


    ここで劇団の脚本家の為に「舞台のラストをみんなで演じて決めさせてあげよう」と全員で徳川家康の最後についての演技を始めます(多分徳川家康の最後と女総理の長期政権の終わりをかけたのかな?すいません、自分はそこがよく分かりませんでした)。


    で、最後に女総理がメンバを全員見送って終わるのですが、劇中総理が「皆さんに”また”会えて良かった」と言っていた事について(それについては劇中(見落としがなければ)その他の場面では触れていなかったはず)、最後の最後で秘書(天海(あまみ))に「もう少し早くお前に出会えていれば、天海(てんかい)」と言って終わる所がいわゆる徳川家康の最後と天海僧正の無念を表していたのかなあ、そして、それまでの会話劇や名前?も含めて、
    集められたメンバーは全員徳川15代までの将軍の生まれ変わり+天海僧正である、(女総理はその不思議な力ゆえそれが分かって全員を集めた)という意味だったのでしょうね。

    この辺の裏設定について(パンフなどに書いてあるのかも知れませんが)舞台中では多くを語らず、「ヒントは全部与えたからもう答えは分かるよね?」と観客に投げかける形でうまく終わらせたのかな、と感じました(違ったらごめんなさい)。


    ・アイドル芝居だからアイドルは歌うのが当然、というやり方
    ・設定にちょっと無理が感じられる所も
    ・ゲストトークは必要だったのか?(ファン以外にとっては不要)
    など、気になる点もあったのですが、芝居自体の回し方や終わり方の妙、劇中で風景画を仕上げる、など脚本から個々の役者の上手さ、挑戦を感じる部分なども多く自分としては「かなりいいお話だったなあ(もう少し歴史勉強しとけば良かったかな)」と思いました。

    なので、マイナス所もあるにはあるのですが「全体を通して非常に楽しめた」
    という意味で☆5つ。
    脚本家の方もうまいですが、この原作者の方(舞台にも登場されている
    歴女にして歴女タレントさん?)もダジャレから設定からよく仕込むものだ、
    と感心してしまいます。

    出演者(アイドルの方)自体のファンだったら☆6つ、7つ超えてしまう出来なのでは?

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    2013/03/23 19:23

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