満足度★★
役者のみ楽しんだ舞台
コメディなのか、シリアスなのか、ハードなのか、ふざけてるのか、よく解らない舞台。
以下はネタばれBOXにて。
ネタバレBOX
たぶん、前投稿の方と同じ回を観たのだと思う。役者同士のアドリブが乱発。
その乱発が観客にうけるなら、お見事なのだけれど、会場、シーーーン。
身内ネタのアドリブなのだと思う。きっとこの人達は楽屋で仲良しなんだと思う。そのまま、ノンプロとして舞台にまで引きずってきちゃったものだから、シリアスな場面で軽いジョークのつもりなのか、ふざけたアドリブを言っちゃうという役者としてあるまじき行為。
をい!をい!役者を辞めちまえよ。
芝居の設定が設定なだけにこんな場面でジョークを飛ばしてる場合か!
KY役者と言われて久しいが、観客席の淀んだ空気、どーしてくれんのよ?
ここまでアドリブを外しまくったら、脚本家に申し訳ないんじゃあないか?はたまた、制作、音響、照明、その他のスタッフに申し訳がたたないんじゃあないのか?
舞台と言う魔物はちょっとしたミスで取り返しがつかなくなるのです。なにしろ、生ものだから。
満足度★★★★★
実に楽しい!
再演とは言っても半分以上書き直したらしいから新作!と言う脚本家。
以下はねたばれBOXにて。
ネタバレBOX
古びたアパートには同じ夢を見る漫画家が住んでいた。とある漫画家の部屋に宇宙人がやってきて・・・宇宙人といっても、なんら地球人と変わらない格好をしている。いあ、むしろ、普通の地球人より地球人らしいいでたちだった。(^^;)
その宇宙人は上から目線で物事を解釈するもんだから、その会話劇が妙にリアルで説得力があるんだよね。その説得の仕方が、ってか、比喩の仕方がとにかく笑える。
ブタと人間が同義のような、ものいいとか、淡々とした言い方がまたまた絶妙で、これは、あなた、そこのあなた、笑うほかないっしょ。
で、この宇宙人が地球に持参した「アカシックレコード」をアパートの住人たちが見てしまう。これは、過去と未来が繋がっているレコードだったものだから、半年後の住人たちの未来が暴露されてて、これがまた、笑える!(^0^)
今まで観たとくお組の中では、これが一番面白かった!
漫画を通して同じ夢を見るために集まった人達が今を精一杯生きて、未来を迎えようじゃないか!的な物語。
満足度★★★
えっ?!・・??
他の方の評価が良かったので期待して観た割には・・ふつう。
以下はねたばれBOXにて。。
ネタバレBOX
第90次越冬隊が駐屯している南極に、生物学者のオットーとアンヌたちがやってくるが、アンヌが可愛がっていた奇形の動物がウイルスを持っていた為に、そのウイルスが越冬隊全体に広がり、全員が死んでしまう、というストーリー。
しかし、理不尽にもその感染元を育てていたアンヌとオットーには免疫があった為に二人は生き残る。というお話。
有島女医(こまつみちる)と中上(小林至)の絡みや、有島と菊池(森田祐吏)の絡みは絶妙だったが、全体的のうねりは平坦で、だから何? のレベルだった。だから、観終わった後に物足りなさが残る。
最終的に日本人が誰も居なくなってしまう未来図が予想される。
いつか日本語を復元する時の為にオットーとアンヌの家庭教師は今から日本語を教える。という終わり方。
言葉の壁があったために感染が広がり死者が出てしまう。という物語。
満足度★★★★★
家族の風景
吉田小夏の作る世界の核はやはり家族なのだと思う。
今回はちょっとだけ欠落した家族の風景を見事に演出。
以下はねたばれBOXにて。
ネタバレBOX
水野風太郎、60才、独身。一人暮らし。
彼の小さい頃の家族の描写を織り交ぜながら、風太郎と母との関係。母とは結婚していない父との関係。
風太郎が大人になってからの妻との関係、子供達との関係を自然に見事に演出していました。
舞台上は60歳の風太郎と、子供達が小さい頃の風太郎、そして幼少の頃の風太郎の時代を交差させ、それぞれの風太郎の誕生日を軸に家族の会話が繰り広げられる。その合間に入る猫のつぶやきが絶妙なのだ。
その風景はどれも幸せだけれど、60歳の風太郎の誕生日は今までと違う哀愁が漂う。歳を重ねるということ。人はいつか自分を振り返り過ごした時間に時代と言う言葉を冠するときがくる・・。
めくるめく時代も、やがて、そのすべてをついえてゆくのだ。
風太郎の母は、母なりに父を愛し、風太郎は懸命に家族を愛し、風太郎の長男は世間に怯えながらも一人の男を愛す。
風太郎の穏やかな話し方がいい。そこだけ陽だまりが注いでいる感覚。
こういう舞台を観ていると、ワタクシも髪をなでられているような心地いい感触になる。まるで、小さな熱が撫でられている場所に広がっていくようだ。
そんな優しい舞台を観てワタクシの胸は温かい甘水に満たされて帰路についたのでした。
吉田小夏、素晴らしいです。
満足度★★★★★
古典ではない現代劇
ごとごとごとごと、その小さなきれいな汽車は、そらのすすきの風にひるがえる中を、天の川の水や、三角点の青じろい微光の中を、どこまでもどこまでもと、走って行くのでした。
貧しいジョバンニと友人を助けるために死んだカムパネルラ、二人の少年が銀河鉄道に乗って幻想的な宇宙を旅する物語。
以下はねたばれBOXにて。
ネタバレBOX
銀河系の仕組みについての午后の授業やジョバンニが活版所で活字拾いをするシーンの茜色の照明がなんとも美しく幻想的でした。
授業の教室の枠と列車の枠、工場の枠が見事に演出され、照明と重なってそこは、童話の世界そのものでした。
病気の母と、漁に出たきり帰ってこない父のことやカムパネルラのことなどを話すジョバンニは自然に、ごくごく普通の日常の会話のようで、違和感がなくワタクシは直ぐに物語りに溶け込む事ができて、最後まで「銀河鉄道の夜」の中の住人になれました。
ケンタウル祭の夜、ジョバンニは同級生のザネリたちに会い、からかわれて、銀河祭りに行くザネリたちと反対に、一人町外れの丘へ向かいます。
そしてジョバンニは一人寂しく孤独を噛み締め、
「どうしてこんなに悲しいのだろう、心持を大きく綺麗に持たなくてはならない。心持を沈めて幸いを探す旅に行くんだ。」
そう思って星空へ思いを馳せてジョバンニは眠りこんでしまうと、突然、耳に「銀河ステーション」というアナウンスが響き、気がつくと銀河鉄道に乗っていました。見るとカムパネルラも乗っていました。
親友カムパネルラと銀河めぐりの旅をしばし楽しみ、ジョバンニは「ここではりんごを剥いたり笑ったり、いろいろな風にしているんだろうなー。」と、つぶやきながら、列車の中で北十字とプリオシン海岸の話や鷺を捕る人の話を聞いたり、ジョバンニの持っている特別な切符の事も教えてもらいます。
旅の終わりにジョバンニはカムパネルラに、どこまでも一緒だと誓うが、カムパネルラは消えてしまいます。
「どうして僕はもっと愉快になれないのだろう。どうしてこんなに一人寂しいのだろう。」
悲しみのうちに目覚めたジョバンニは、まもなくカムパネルラが命を犠牲にして友達を救った事実を知り、この瞬間、ジョバンニは銀河鉄道の旅が何を意味していたのか気づき、悟るきっかけになります。
日蓮宗を信仰していた宮沢賢治の代表作を忠実に構成し幻想的に演出していた作品でした。「銀河鉄道の夜」は童話だけれど、ワタクシにとって大人の童話と言えるバイブルです。他の4作品も観たかった。ほんとうに素晴らしい劇団でした。
劇場は籐の白い椅子が26個ゆったりと置いてあり、ひじょうに贅沢な空間です。何処に座っても前列で観ている感覚。
初見の劇団でしたがとてもレベルの高い劇団でした。
満足度★★
特に一青窈のファンじゃあないけれど
歌は好きだったから、特に歌詞が。
だけれど・・芝居はど素人ですねん。。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
まあ、芝居は下手でも一青窈の声が聞ければいいかなー。ってなノリで行ったけれど、やっぱ、ノリだけじゃあダメなのが解った!
演出の関係なのか、歌が聞きづらく、歌が聞きづらかったら他はいいとこないじゃん!(・・!)みたいな不満がでちゃうわけ。
しかも芝居のセリフも棒読みでどこをどーしたら、あんな棒読みできんだろ?と首を傾げたくなりそなセリフ。
ストーリーと歌がでんでん繋がってないし、一青窈が舞台に居ないで他の役者が舞台に居た時の方が安心して観られる。というのも痛い。
要は一青窈が登場する度に、舞台の雰囲気が壊れると言う最低の舞台。
主役が居ない方がいい舞台って、なんだろねー。。
観客の様子も不満の色がありありで、ファンだという後ろの席の男性までもが不満たらたらでした。
観ている時間がもったいなかった舞台。
満足度★★★
好みではなかった。
殆どが暴力シーン。
物語重視というより、アクション重視。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
プログラムは3部構成。
1、月下氷人
森山の説明では伊勢物語「あづさ弓」を読んでから、ずっと温めてきた作品。と書いてあるが、「梓弓」は想いあう男女がついに結ばれない話で、伊勢物語自体が人生のバイブル的な要素があるから、暴力的なシーンには引用して欲しくなかった。ってのが本音。
2、無声劇「クリスマスキャロル」
この作品が一番しっくりした。
コミカルで生温かい作品。
3、Dish
孤独の皿を意味するようで、映画「ダニー・ザ・ドッグ」を題材にしたらしいが殆どがバトルシーン。
丹羽のアクションはみものだったが、役者というのは物語があってこその役者だから、逆説にいうと、丹羽ほどの役者を使うならそれなりの本を書きなさいよ。という事だけれど、役者を生かすも殺すも本次第。
丹羽は相当練習したようで腕が痣だらけでした。あの槍は間違って刺したりしたら、やっぱ、痛いんでしょうね・・。
今回も丹羽は猿並みのアクション。髪型のモデルはスカンクでしょ?(・・)
満足度★★
なんだろ?
フライヤーもタイトルも豪華絢爛なのに・・?
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
結婚式場で、本日、花嫁は結婚式を挙げるというのに、夫となるべき新郎の顔がよく解らない。そんなだから、誤解が誤解を生み話は変な方向に流れて行ってしまう。
コメディなんだろうけれど、コメディとしては笑いの部分が少ない。
不条理劇というほど、不条理ではない。
物語自体が弱い。弱いという言い方は、きっと弱い。
つまりはつまんない。
卒業公演らしいけれど、学芸会レベルだった。
小劇団を観る観客って、ある意味、観劇のプロだと思う。
一般の観客は大舞台を見てから、小劇団に流れるケースが多いと思う。
一般でない観客は芝居仲間とか、現在、劇団に所属してる役者だったりするから、やっぱりプロだ。
プロの集団が小劇団を観る!
この事を肝に銘じて作品を作らないとほされる。
満足度★★★★
凄いわ!(・・!)
これだけ役者を苛め抜いたら、「もう、いいよ。君たちは良くやった!」って同情してしまう程の舞台!
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
実は坂上忍を生で観たのは初めて。
最後の舞台のブランデーをあおるバトルで登場したけれど、そのナリ、ヤクザかと思ったくらいの風貌。革靴に生足で登場し、お前も「浮気は文化だ!」とか吐くのか?(・・!)とドキドキしちゃった!
で、物語はショートコントの連発。
男女9人の役者が体の線が丸見えの白い全身タイツに雷様が穿くようなブカブカのおパンツを穿いて登場する。
いあ、これ、反則でしょう?目のやり場に困るというか・・・それでも観たい!というか・・・嬉しいような楽しいようなエロなんです。
大島ちあきのオレンジのおパンツが腰より下に下がっちゃってて、しかも・・・本人は一生懸命、演じてるものだから、気付かないっつーか、気付かないで欲しいっつーか・・・とにかくエロい!
山本ゆか嬢などは、思いっきり容赦なくハリセンを顔面にくらって、痛々しくも、鼻血をたら~~っと出して、「うっわーー!!」と客の方がばばりまくって、「もういいよ~、そこまでせんといて~。」と私たちはそれぞれ哀願して、それでも、ゆか嬢は「役者は女を捨てなきゃなんない時もある!」なんつーって、やけにカックイイことを言いながら、今度は丸坊主を賭けたじゃんけん大会を始めて、いあ・・いや・・あう・・ドキドキハラハラ・・・。
こんなにドキドキした芝居を観たのは初めての事でした。
笑いのネタとしては古い。古いけれど、あんなに笑ってワクワクしたのはジェットコースターが一回転半して「えっ!このまま逆さに進むの?もしかして・・・イッチャウ?あの世にイッチャウ?」みたいな・・そんなブラックコメディ。
そんなこんなで最終章、ブランデーのバトル、一気飲みが始まるのだけれど、当の役者陣の本音では、この公演が始まってからはまともに飲まずに帰宅したことはないそうで、毎回ヘロヘロ状態で、死ぬ思い。との事。
一人の役者が大きな冷や汗をダラダラ流して、ホントやヴぁそうでした。
オニオンスライスという劇団、役者をいびり倒す劇団なのでした。
次回も観に行こう。まったくもって楽しい。
個人的にはハリセンと飲みバトルはいらないなー。。
満足度★★★★
「ふたつ、みっつ、ひとつ」「ムセイオン」を観た!
正直言って「ふたつ、みっつ、ひとつ」の作品は解らなかった。「ムセイオン」は好みの作品。
ちなみに隣の方に聞いたら、ワタクシと真逆。むしろ、「ムセイオン」はわからなかった。と言う。なんで解んないんだよ!っつーて突っ込みたかったが、他人と劇評で激論してもしょもないから。それだけ感性が違う、ということでしょね。。
以下はネタバレBOXにえ。。
ネタバレBOX
そんな訳で、「ふたつ、みっつ、ひとつ」はスルー。
「ムセイオン」の感想。
2030年、東京の片隅にある薄暗い半地下にある飲み屋に集まる作家たちの物語。
鳴子は生まれつきの遺伝型睡眠障害「ユメウリ」を患っているが、夢の中の出来事を物語にして発表している作家だった。その鳴子が睡眠に陥ると彼女の下の世話から全てを介護しながら、鳴子に尽くす事が全ての男。
鳴子は段々と夢なのか現実なのか解らなくなるほど、夢と現実が密接にリンクし始める。つまり、一度眠りにつくと、三日も昏々の眠るようになってしまう。寝ている間も鳴子の物語は続いているのだ。夢が現実に、現実が夢に。
新作「ムセイオン」の執筆しながら、鳴子は夢に逃げながらも、鳴子に尽くす男・駒の存在が鳴子の全てになり駒を離したくない、離れたくない。と思うようになる。そのことが鳴子を苦しめ不安にさせる。
この男を失いたくない。この男はなぜ私の傍に居るのか?好きになればなるほど自分を不安にさせる感情が重い。
駒は鳴子がとても好きで、だからこそ鳴子の傍で鳴子の世話をし続けるのだが、鳴子はそれでも不安なのだ。
やがて、彼女は不老不死の薬を駒と一緒に飲もうと計画する。そうする事で駒とずっと一緒に居られるからだ。しかし、駒はその薬を飲まない。
屈折した愛の不条理劇。
素晴らしいです。とにかく好みの作品でした。深層心理に迫る作品は観ていて気持ちいい。
月をイメージしたセットも簡素だけれど、美しい。
白い月の向こうは穴が開いてる。ような感覚の本は以前、読んだことがある。確か、ハイジャック犯がある目的の為に仲間と一緒にハイジャックして月の扉が開いたときにそこに入る。という「月の扉」という小説だった。。
鳴子を演じた星野菜穂子がまた素晴らしのよ。
気負いのない自然な演技で淡々と演じてました。その演じ方がまた、素晴らしい!
いあいあ、良いものを観ました!お勧め!
満足度★★★
新宿を舞台にした群像劇
吹き溜まりのような新宿で、息づく人間模様。
以下はねたばれBOXにて。。
ネタバレBOX
シンガーソングライターになる夢を捨てきれない男。その夢を捨てて現実を見つめる相方。スナックを経営するママと、ソープに勤める女に恋をするママの息子。新宿を仕切る暴力団と警察。ダンボール族の夫婦。歌手ラブリー吉沢の背景など新宿を舞台に、頑張っていればいつか光る時が来る、という希望を胸に生きる人達の物語。
役者もそうだろうけれど、歌手などの芸能活動って、夢だけじゃあ生きていけない現実があるから、ある年齢に達すると、先の人生の選択を余儀なくされるって事は十分にあるよね。
今回の本は、新宿は汚れた街だけれど、どれだけ汚くてもどれだけ醜くても頑張っていればいつか夢は叶えられるよ。といった、自分たちへの応援歌だと思う。
夢を追いかけながら、目の前の幸せに感謝しながら、そして若者たちはそれぞれの汚れた街へと帰っていく。
劇中、『純蓮歌』を歌うシーンがあったが、なにげに上手い。
アップダウンは流石に絶妙だったけれど、カリカの演技は最低でした。
それにしても・・ママの息子役の青柳祐弥、彼の演技は最高でした。なんだろ?あれ。あの不思議な空気感。ああいう役をやらせたら彼の右に出るものはいないんじゃあないの!っつーくらいのハマリ役。
すんごい役者です。
いあ、彼を観るだけでも得した気分になれます。
最後は泣かせどころもあって、泣きました。ソープ嬢役の女性が最後の場面では観客を泣かせる芝居があり、泣く。演じてるご本人も泣く。泣く。うるうる・・。
最後のダンスは良かった!
荒削りだけれど全体的には良かったと思う。そんな舞台。
満足度★★
小松がへた!
この物語ってガネーシャが主役でしょう?
なのに小松の演技が観てられないほどへた。
久しぶりに観ました。大根役者!
以下はねたばれBOXに。。
ネタバレBOX
脚本と演出は奈良橋陽子、舞台美術・映像デザインは、宝塚のNEVER SAY GOODBYEや東宝エリザ、モーツァルトなどの映像も手がけた奥秀太郎。振付は慎吾ママのおはロックなど多数の振付を手がける香瑠鼓。と、豪華メンバーなのに、その良さがはじけちゃったのか、芝居というよりショーと化してた。
たまにあるんだよねー、小説から映画や舞台を作るとき、本の全てを表現する事なんて出来ないから、部分的に抽出する。そこから批判を繰り返して出来上がったものが、原本と違ったものになってるということが。
ガネーシャがゲンの心の奥底にある願望や本音を語るときの語り口調も小松は棒読み。
オーディションのシーンもしらける。
むしろ、伊沢(兼崎健太郎)や堀(倉沢学)、バーのマスターの3人のコネタが笑える!(^0^)
これで8000円はぼったくりですわ!(・・)
満足度★★
ちょっと漠然としすぎ
たぶん・・キキの憂鬱感や自分という個の主張を表現したかったのだろうか・・?
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
どうやら、養護施設で育ったらしいキキは、いろんなものに怯え、いろんなことに懸命に、そして健気にキキなりにキキらしく生きてきた、という事なのだろう。
やがて22歳になったキキは他の子たちよりも口下手で傷つく事が恐くて、主張が出来ない。でも、心の中では「私は私なんだ!」と思っているのに、それも言葉に出来ない。
好きだから全部言う。
好きだから全部言わない。
要は、キキの心理を描いた作品。ってことで良いのだろうか?
毎度の事ながら、旗揚げ劇団って、物語の設定があやふやな事が多い。観客に解らせようと、努力するのではなく、「私はこんな表現をしたいの、だから、解って!」という押し付けだったりする。
そりゃあ、脚本家は自分で本を書いて練りに練って舞台を作り上げるのだから、自分自身で芝居が解らないということはないだろう。
しかしながら、私たちはたったの70分で舞台の全てを理解しなくてはならない。
そんな時、脚本家は何をするか。
それは、理解できるように作るほかないんじゃあないの?
そんなことを思った舞台でした。
満足度★★★★
泣いた!泣いた!
小説「クリスマス・キャロル」ではスクルージという初老の商人が、冷酷無慈悲、エゴイスト、守銭奴で、人間の心の暖かみや愛情などとは、まったく無縁の日々を送っている人物であった。という設定が日本版に登場人物が変わり+アルファーとして日本情緒を取り入れた作品に仕上げるたもの。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
勝呂商会の社長・勝呂は勝呂商会の番頭・倉木が仕事中に酒を飲んだことを理由に解雇してしまう。血も涙もない、強欲で、金儲け一筋の商売を続け、隣人からも、取引相手の商人たちからも蛇蝎のごとく嫌われていた。
明日はクリスマスという夜、自宅に戻った勝呂は、女の亡霊の訪問を受ける。女の亡霊は、金銭欲や物欲に取り付かれた人間がいかに悲惨な運命となるかを勝呂にさとし、勝呂が悲惨な結末を回避し、新しい人生へと生き方を変えるため、三人の精霊がこれから彼の前に出現すると伝える。
この三人の精霊がコミカルでおもろい!(苦笑!)
勝呂を訪ねる三人の精霊は、「過去の霊」、「現在の霊」、そして「未来の霊」である。
過去の精霊は、勝呂が忘れきっていた少年時代に彼を引き戻し、かつての勝呂の雇い主の慈悲を見せ付ける。勝呂が金銭欲と物欲の塊となる以前のまだ素朴な心を持っていた、過去の姿を示す。
次に出現した現在の精霊は、勝呂を倉木家に導き、貧しいなか、しかし明るい家庭を築いて、ささやかな愛で結ばれた倉木の家族の情景を示す。倉木の末子鉄也が、脚が悪く病がちで、長くは生きられないことを示す。
次に現れたのが真っ黒な布に身を包み、一本の手だけを前に差し出した、不気味な第三の精霊・未来の精霊だった。勝呂は、評判の非常に悪い男の葬式の場面をみるが、ソコには参列者は誰もいず、寂しい孤独な葬式だった。勝呂の葬式の場面。
また、倉木の末子鉄也少年が、両親の希望も空しく世を去ったことを知る。
勝呂は激しい衝撃に襲われる。しかし、夜明けと共に、彼が経験した悪夢のような未来が、まだ変えることができる可能性があることを知る。
やがて勝呂は残された自分の人生を今度は誰かの為に捧げようと努力する。
再び現れた女の亡霊は勝呂の無くなった妻だった事が判明する。妻の亡霊は自分が死んでしまった後に勝呂の人柄が変わってしまった事を悲しみ、残りの彼の人生を笑顔で生きられるようにしたかったのだった。
とにかく泣けた!泣いた!
人生は何が大切なのか、ひと時の笑顔の為に生きてる、という理解もしているけれど、改めて胸に響いた作品。
照明も素敵でした。
満足度★★★★★
絶妙じゃね?(^0^)
とにかくおもろい!何がおもろいって良くわかんないところがおもろい。
なんだろ、この劇団!
ふざけてる。ふざけてるからこそ、笑いのネタが満載!
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
小汚い字でかぐや姫が書いた『よげんの書』(まるまるパクリ!)のらくがき通りに物語が進んでいく。
どうやら、かぐやという少女がたった16日間で大人に成長しやがて死んでしまう。という本だが、そのかぐやが育つ場所が竹下病院(精神病院)だ。ここで、患者や先生達と関わりながら、かぐやは成長する。ここのドクター達がまたまた薄気味悪い。(^0^)だけれど、その気持ち悪さというか、ダメ大人の代表格みたいなドクター達のキャラがあってこそ、この物語のスパイスとなる。
毎回、この劇団を観る度に思うことは女優陣は綺麗どころが多いのに、男優陣はおおよそ、カッコいいとか、イケテルとか、イケメンとかの言葉に無縁の役者陣だ。むしろ、そんなイケテない俳優達が繰り広げるコメディだからこそ、嫌味なく安心して見られるのかも知れない。
今回も、大場は良く解らない誤解に誤解を重ねる役だったけれど、ワタクシはあの大場のキャラが好きだ!
でもって、今回初登場のキャラ、なもなき博士、あの勢いはどうよ?ココ、大爆笑!
小難しい因数分解や数式を並べ立てちょっとイッチャッテル博士。
最後の挨拶で自分のキャラは居てよかったのか?居なくて良かったのか?なんつーて疑問符だったみたいだけれど・・いあいあ、君のキャラが一番サイコーだってばさ!(^0^)
相変わらず絶妙なコネタの数々。またまた笑わせて頂きました!
好きだわーこの劇団!サンクス!
満足度★★★★★
ミステリー映画を観てるような
とにかく、素晴らしい!の一言!大絶賛!
何が素晴らしいかって、ドキドキワクワクの展開とそれをカバーする役者陣の演技力。
物語は最初、断片的でパズルのピースにすぎなかったが、その一つ一つのバラバラだったピースが見事に繋がる。そのネタはそこここに散りばめられて、最後は一つの風景画になる。
その風景画と青い海を見渡せる崖の上の白い一軒家だったりする。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
この物語はネジ工場の社長である澄川が婚約した事から始まる。
舞台の主役は澄川紅緒、つまりネジ工場の社長ダイの妹だ。
タイトルは「今日もふつう」だが、この物語の登場人物は全て普通じゃない。
またこの人達は普通じゃない日常を望んでいる。だから、この人達にとってのふつうはふつうじゃないことだったりする。
兄が結婚をすると知った紅緒は一通の手紙を仕掛ける。その手紙によって友人たちはこの事件の真相を突き止める。
場面は変わって海を見渡せる崖の上の一軒家。
8歳の紅緒は思っているよりずっと大人で、ずっと幼く、ずっと優しく、ずっと残酷で、ぞっとするほど暗い屈折を覗かせる。
8歳の紅緒は、ダイとSEXをしていたのを両親に見つかり、「両親を殺して。」と巧みにダイを操る。
その紅緒の意思通りに両親を惨殺したダイは小さな紅緒を連れて帰り自分の妹として、ネジ工場の社長に納まり暮らしていた。
この物語は紅緒が高校になった今でもダイを愛していたという事実と、過去を忘れてふつうに結婚をしてふつうの幸せを手に入れたいと願った男の物語だ。
ダイを殺すも生かすも紅緒の手中にあるという少女の屈折しているけれど一途な愛情の行方。いざという時にダサくてダメなダイは絶対に自分を裏切らない。それどころか一緒に死んでくれる、誰にも私を渡したくなくて一緒に死んでくれる、という自信を覗かせる紅尾。
過去を背負ったふつうに生きられない二人の物語。
練りに練った脚本はとにかく素晴らしい!の一言です。
小説でも売れそうな予感!
最後の最後まで8歳の少女が紅緒だったというネタをばらさず、少女の両親を惨殺した犯人もばらさず、ある意味、刑事コロンボの真逆の設定。
だからこそ、最後の最後まで、いったい犯人は誰なんだ?というミステリアスな展開にドキドキするし、ふつうの人達がふつうじゃなくなる瞬間の空気にも納得する。
これはお勧めでしょう。本も演技も完璧です。素晴らしい劇団です。
満足度★★★★
テーマは愛!
冒頭からハイテンション!ブタ、サル、キジ、イヌ・・。
ちが~~うっ!
ブタ、サル、カッパ、三蔵、金角、銀角のチャンバラ劇!
このテンションが最後まで続くってんだから、作家は役者殺しもいいとこ。
役者は汗かいてやってました!
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
永久の闇の中に居たゴクウは玄奘に出会う。玄奘は世の中を平和に導くという三蔵経典を天竺まで取りに行く途中だった。
三蔵経典を手にしたものは大いなる力を手に入れる事ができる。何でも願いが叶う事が出来るということから、その経典を手に入れるために、争いが起きていた。
ゴクウは玄奘を守るために猪八戒と沙悟浄と共に旅を続けるのだが・・。
途中、笑いのネタが満載!特にじぶりネタは爆笑!
ラピュタのトムじいさんはマジそっくりです。
やがて沙悟浄の首に下げてあるシャレコウベが前世の因縁、因果だという事が明るみに出る。その呪縛には逆らえず、彼は前世でも天竺に向かう玄奘を殺していたのだった。
沙悟浄は玄奘を殺せという釈迦如来の指令のもと、前世と同じように玄奘を殺してしまう。釈迦如来の考えは、泰平の世の中になってしまうと、釈迦を必要としなくなり、釈迦の前に祈りを捧げる人が居なくなってしまうから。だから、世の中を幸せにしようとする玄奘の考えは釈迦の考えと反するものだったのだ。
玄奘を殺した沙悟浄とゴクウは対決し、沙悟浄は死ぬ。
一方、ゴクウは永久の命を授かっているから死なない。
愛する玄奘を失ったゴクウは「おっかしいな、朝だぜ。なんでこんなに暗いんだよー。」と失望してうずくまり、本当の暗闇になる。
そこに3本の白い流砂が糸のように天から落ちてくる。サラサラザー・・サラサラザー・・と。その音が耳に優しく絡まって心地良い。
舞台の奥の方から「どうしました?」と玄奘の声が・・。
悠久の時を刻んで蘇った玄奘がゴクウに話しかける瞬間。三本の筋の流砂と玄奘のバックから照らした幻想的な演出が美しいです。
鳥肌が立った。よくぞ、ここまで・・・。
本も良く練られてあって、転生や因果の表現や、歴史は繰り返す構想など、ひじょうに素晴らしいです。
失望したゴクウが永久の闇の中に閉じこもった後、玄奘が蘇って同じようにゴクウに声をかけるシーン。ロマンです。。
そいいう出会いから物語は始まり、そして、ここで終わり、また同じように始まる。
設定がニクイです。
そして素晴らしい!(^0^)
満足度★★★★★
キーはペイゲロという名のワイン
南洋に浮かぶ孤島ナンマドールでの出来事。
まず、照明が素晴らしいです。灯かりというのは使い方によっては幻想的でかつ、埃っぽさも出せるんですね。
今回の照明は赤を基調とした、ぼんやりと漂う照明の下、南の孤島の熱気、錆びた赤茶けた鉄の臭い、灼熱の太陽の温度までもが感じられると言う照明の凄さもさることながら、素晴らしかったのはキャスト全員が優秀な実力派だったことでした。
この芝居、観たのが日曜日だったこともあってUPが遅くなってしまいましたが、この作品は他の劇団の方たちに観て貰いたい作品です。
本も、良く練りこまれ、人生の縮図を観ているようでした。
第7回公演という事でしたが、若い劇団には稀にこんな秀作に出会う事もあります。
長くなりそうなので、以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
1932年、マレーシアにて犯罪結社『死の腕』によって殺された田島の妹。その亡骸を抱えて田島ハルは復習を誓う。以後、田島はマレーの虎(ハリマオ)との異名で呼ばれる。彼は報復組織『マレーの赤い虎』を結成し、打倒『死の腕』を掲げる。
孤島ナンマドールに『死の腕』の党首が潜伏している事を突き止めたハリマオはこの孤島でバーの店主になりすましていた『死の腕』の党首ダロを殺害する。復習の物語はここで終わるはずだった。
だが、ダロの妹は「兄はずっと貴方が来るのを待っていた。友人としてこのワインを一緒に飲むことを楽しみにしていた。」と言ってペイゲロワインをグラスに注ぐ。「飲んで!」と。
ここでの島民の掟はダロを殺した人物が次のダロになることだった。
ダロとは一人の呼称で本名ではない。だからハリマオは14代目のダロを殺して15代目のダロに就任したという訳だ。
島民達は主張しない、他人の過去に干渉しない、他言しない、島も出ないときてるから、悪党達が生きるのに丁度いいような環境だった事から、この孤島は悪人達の歴史を刻む吹き溜まりのような場所だった。
舞台は家族を殺された復習の為に、ターゲットを殺し、そのターゲットにも家族がいて、更に復習が復習を呼ぶ。という恨みの連鎖から開放されるまでの男の人生を描いたロマン劇。
かつて大虐殺を行った人達が見えない苦しみを抱えてこの島に死にに来ているという設定もさる事ながら、島の人達の他人を許す。という温もりや、最後にこの恨みの連鎖を断ち切る為にハリマオ自身が自害して終わりにするという心意気にも感動させられた。
人を殺めてしまった行為に対して悔やみ、そして償いたいという心の膿を上手く表現してたと思う。
そうして最後はハリマオの部下だった男パレンケが父親を殺されたナスカから、ペイゲロワインを差し出されるシーン。物語は冒頭のシーンと繋がり、ここでの隠された伏線がすっきり噛むように納得する。
色んな場面に秘密のネタは隠されており、ひじょうにレベルの高い作品です。
ハリマオが登場し全員が銃口を向けて撃とうとするシーンは壮絶なクライマックスで、ワタクシ、完全に磁場が狂ってしまい一人ワクワクドキドキ微笑んでしまったというおまけ付き!まさに樹海レベルでした。
「太陽を飲み込んで生きよ。」
そうだ!何でも飲み込んで生きよう。そう思わせてくれる作品。
・・・おまけ・・・
今回の出演者の日本軍兵桜田を演じた棟熊琢巳、素晴らしい演技です。彼ほどアロハと雪駄の似合う男は観た事ないです。一升瓶も持たせてやりたかったくらいだ。
くしゃみをする時は「へ~っくしょんチクショウ!」っつーてました。
オッサンですわね?オッサンくしゃみ!いいものをみせて貰いました。
棟熊、次回も頑張ってオッサンして欲しいです。
オッサンという呼称、君の為にあるのかも・・かも・・(^0^)ガンバレー棟熊!
満足度★★★★
ちょっとちょっと
その太刀さばき、どーにかなんないの?っつーくらいのレベル。
習ったんだろうか・・、人様に見せる前に。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
現代の時間管理局から、過去の想いに囚われていた雪と桔梗、三日月が1614年の時代に時空を超えて戻る。そこには大坂城城主・豊臣秀頼と、桜の木下で永久の誓いをした雪の想いがあった。
一方で同じく秀頼を愛し慕っていた桔梗(千姫の生まれ変わり)も時間管理局の管理者という立場を省みず、秀頼に逢いに行ったのだった。
人の心の思いは100年経っても1000年経っても変わらず、未来永劫、大好きだった人の為に生きた証の物語。
主役は千姫と天馬と思いたい。そのくらい、泣かされた場面があった。
時間管理局の三日月は歴史を改ざんしないように雪を支えながら正しい道に導く役で、人間の形をしたタイムマシンの雪は秀頼を慕いながらも守らなければならないものの為に秀頼を殺すという運命を背負う。
秀頼を切ってもお互いの愛は変わらず、過去と同じように永久の誓いを結ぶ。「春には桜を、秋には紅葉を共に愛でよう・・。」と。
千姫が秀頼を慕う心情を吐くセリフで泣けて(;;)だーーっ!、
天馬が千姫を支えるセリフでもっと泣ける!(号泣)という展開。
芝居の冒頭、コメディだったのね?と思わせるようなはちゃめちゃぶりぶり!から、終盤、観客を泣かせる展開は、観客がどの場面で泣くか。を良く熟知していて、中々上手い!
そうして、時間の改ざんを食い止めて、現代に戻ってきた雪のメンテナンスにやって来たドクターオキナが過去の秀頼だった。
ここで、永久の誓いが今、叶えられる。という終わり方。
良かった。と思う。
ただ、強いて言わせて貰えれば、もうちょっと太刀さばき、ちゃんとして下さい。
チャンバラが始まると一気に引いてしまって乗れなかった。
今回、光ってた役者は天馬役の石川毅。
いあいあ、素晴らしい演技です。ってか、美味しい役どころでした。
このような展開の芝居って年に数本観るけれど、やっぱ泣ける。
満足度★★★★★
センスの良い舞台
衣装、セット、舞台の使い方、とにかく上手い!
入場した途端、舞台が広く感じた。それは黒幕のサイドの仕切りがない。
ああ、こいゆう舞台の使い方もあるんだなー。と物凄く感心した。
以下はネタばれBOXにて。
ネタバレBOX
大きな黒枠、つまりキャンパスに見立てたセット、未来予想図の枠のセット、シーツを白い波に見立てた演出、電話、椅子、机、それらの小物の演出の仕方がひじょうに斬新で美しいです。
舞台は芸術性とテンポのあるセリフの言い回しで一般的な芝居とはちと違う。その違いがまたまたニクイ。
コミカルな情景と未来予想図を売り込むセールストークが加味して芝居は私たち観客をグイグイ引っ張って離さない。
セールスマン達のそれぞれの思惑や足の引っ張り合いやジンを利用しようとするさまは、一種の現代の構図とも思えるが、物語の芯はそれぞれのセールスマン達が帰れる場所と心なのだ。
それは家族であり、両親であり良心なのだけれど、その集約があの自転車のシーンなのだと思う。田沼がジンに語るセリフには両親を思う心の温度があるのだ。ワタクシがこの舞台で美しいと感じたのは実はこの自転車のシーンと白い波のシーンだった。
最後はジンが描いた未来予想図によって全員が助かるという設定も素敵だ。
やがてジンはポシアと結ばれて家に帰る場面でのセリフ、「遠足は家に帰るまでが遠足よ。」
斬新な舞台セットとテンポの良いセリフ、合間合間に郷愁に満ちた演出と言葉で酔わせられた素晴らしい舞台でした。導入音楽も素敵です。
満足です。はい。感謝!