雨と猫といくつかの嘘 公演情報 青☆組「雨と猫といくつかの嘘」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    家族の風景
    吉田小夏の作る世界の核はやはり家族なのだと思う。
    今回はちょっとだけ欠落した家族の風景を見事に演出。

    以下はねたばれBOXにて。

    ネタバレBOX


    水野風太郎、60才、独身。一人暮らし。
    彼の小さい頃の家族の描写を織り交ぜながら、風太郎と母との関係。母とは結婚していない父との関係。
    風太郎が大人になってからの妻との関係、子供達との関係を自然に見事に演出していました。

    舞台上は60歳の風太郎と、子供達が小さい頃の風太郎、そして幼少の頃の風太郎の時代を交差させ、それぞれの風太郎の誕生日を軸に家族の会話が繰り広げられる。その合間に入る猫のつぶやきが絶妙なのだ。

    その風景はどれも幸せだけれど、60歳の風太郎の誕生日は今までと違う哀愁が漂う。歳を重ねるということ。人はいつか自分を振り返り過ごした時間に時代と言う言葉を冠するときがくる・・。
    めくるめく時代も、やがて、そのすべてをついえてゆくのだ。

    風太郎の母は、母なりに父を愛し、風太郎は懸命に家族を愛し、風太郎の長男は世間に怯えながらも一人の男を愛す。

    風太郎の穏やかな話し方がいい。そこだけ陽だまりが注いでいる感覚。
    こういう舞台を観ていると、ワタクシも髪をなでられているような心地いい感触になる。まるで、小さな熱が撫でられている場所に広がっていくようだ。

    そんな優しい舞台を観てワタクシの胸は温かい甘水に満たされて帰路についたのでした。

    吉田小夏、素晴らしいです。

    4

    2008/12/26 22:46

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  • ワタクシは「おやすみ、枇杷の木」を観てるのよ。その時も優しい家族の風景の描写があって、家族が茜色に染まった夕焼けを眺めてるシーンがすんごく印象に残ってる。

    色の描写が劇中でのセリフで表現されると、何故かカラーのイメージが空想のキャンパスにしっかり染まって、ずっとずっと、その絵面だけが枇杷=夕焼けみたいに連結されてるのよね~。。

    きっと芝居を観ている観客に、物語の風景を想像させることに長けてるのかもしれないです。ここの劇団は。

    でもでもあの時の芝居よりは数段レベルUPしてました。素晴らしいです。

    いあいあ、おーじ、毎回そうやって褒めてくださるから、書き甲斐があって頑張れるのよ。

    たぶん、半年後。今度はどんな芝居を打つのか、本当に楽しみですわ!(^0^)



    2009/01/09 00:49

    おぉ、フルマーク、満足された作品だったようですね・・。

    青☆組さんの作品は前作だりあを自分も観たのですが、確かに優しげな、また、どことなく恬淡とした描写の印象が残っています。

    この作品でも風太郎、何か味があっていい感じです、名前を地で行くような・・。


    レビューの描写も素晴らしいですね・・。
       ・・・小さな熱が撫でられている場所に広がっていくようだ。
    思わず状況を想像してしまうような・・・。
    相変わらず素晴らしい表現力だと思います。

    素敵な作品にめぐりあえて良かったですね・・。

    2009/01/08 23:40

    おお~(^0^)小夏。
    貴女はなんて素敵な物語を作るんでしょうか?
    なんだか、とっても温かい心持ちになれました。次回も期待していますね。
    観てくださった全員にコメントを差し上げてるのね。そういう心遣いも素敵です。

    2008/12/30 01:22

    ご来場いただき、また温かいコメントをいただき、本当にありがとうございました。

    小夏

    2008/12/30 01:10

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