満足度★★★★★
家に帰ろう!
当初、機械的で冷たい物語と思ったけれど、観ていくうちに若者特有の感性溢れる作品だと感じた。いささか抽象性が高いけれど、そのぶん普遍性も高いような気がする。
ミネストローネは場所ではない。音楽を聴いてる輩たちが自分自身をシャッフルするというイベント全体を指す。主役はトウゴウ。トウゴウは皆が集まる道を作り秩序を作り、ルールを作り、王となる。要はゲームのような感覚。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
ひじょうに面白いと感じた。
ここでのルールは道での秩序を守ること。という漠然とした掟があったが、それぞれの若者は騙される方が悪い、なんて勝手に暗黙のルールに変えていってしまう。当然のことながら、詐欺、盗みを実行する輩が出てくる。それでも彼らの日常は悪びれることなくポップで躍動的なダンスを踊る。
ある日、ミネストローネというシャッフルするイベントが始まる。シャッフルとは別の空間に行く事だ。自分のイメージの場所に行けるかもしれないし、行けないかもしれない。キャラクター達は意識は自分だけれど、別の固体(他の身体)に移動する事が出来る。意識と身体の離脱だ。「人は自分の身体を離れても存在する事が出来るか?」トウゴウはそんな考えを繰り返しながら、固体の入れ替えで今は継ぎはぎだらけの身体になっている。
しかし、キャラクターによっては意識をも忘却してしまうキャラが出てくる。意識は完璧ではないのだ。だから昔の恋人を忘れてしまっていたりする。すると恋人のほうは身体が変わって記憶を失った意識のキャラクターを自分の昔の恋人なのだと気付かない。
そんな雑多なキャラクターが行きかう道(若者が集まる広場)にも「この道を作ったのは僕たちだ。」と秩序を正そうとする者が現れる。「忘却と再生のインプラントがこの道の土台になっているのだからファッション感覚で犯罪に手を染めないように。」と注意をする。それがこの道の管理人であり、ガクシャらだ。
やがて道の管理人の命と引き換えに命を助けてもらったヒカリは管理人の希望を受け入れ、改心していく。
希望と絶望のインプラント、記憶と忘却のインプラント、問いかけと記憶のインプラント。それらは表裏になって刻み込まれているのだから何度でもやり直そう。何度でも絶望して何度でもやり直そう。という希望に満ちた作品。
トウゴウとアイス、ボルボ、飛脚のゴルフショットのシーンが楽しいです。笑える(^0^)
やがてトウゴウは継ぎはぎだらけの身体から脱却する為に新しいキャラクターを必要とする。その標的がアイスとボルボの身体だった、というオチ。この意外性にびっくりするがこれがゲームの世界ならどうだろう?きっと抵抗がないのだろうと思う。
トウゴウはギクシャクしながら歩く。自分の意識でキャラクターが上手く操れないのだ。個体と意識が離脱したようにギクシャク・・カクカク・・ギクシャク・・カクカク・・どっちの足を先に出してどっちの手を振ったらいいのか意識が混沌とするなか、トウゴウは美しい海のシーンに意識が飛ぶ。たぶん、この時のトウゴウは絶望の淵にいる。かつての道の王だったものが自ら秩序を乱して蠅に成り下がり、背中を壁に付いて絶望の淵に居る。
そんななか、キュー(トウゴウの娘)が「帰ろう、家に。帰ろう!」と傘を差し出すんだよね。見守るケイ(道の管理人)とカサ(以前のトウゴウの身体)。
無限大の青い海が広がるなか、トウゴウは帰るのです、家に。
この時にやっと人間らしい心に戻ったトウゴウ。
トウゴウ役のキャスト、チョウソンハの演技が実に光ってます。素晴らしい!
物語はひじょうに優れた本だと感じた。
傘をさしてあげて「家に帰ろう。」というセリフ、これほど優しい言葉はないのです。
満足度★★★★
外伝~それぞれの事情
を観た!
これは観た方がいいです。裏の取引までも露出して「こんなやりとりがあったのか?!」などと、新たな発見があります。
ただ、1時間の公演なので、あっという間に終わったのはいうまでもない。(^^;)
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
「明けない夜」の登場人物が断片的に順番に一人芝居を打つ。相手が居るかのような目線での一人芝居なのだが、一人ひとりがやがて絶妙に繋がっていく。記憶の連鎖のように。
刑事たちが犯人のアリバイ工作を崩していくさまや、純子が里美を殺害したと知った秀人は泣きながらも、世間体の為に、死体を隠して誘拐にみせかけるように策略する。そして秀人の指示通りに動いた純子と佐藤の情景を映し出す。
一方で和田家の借金や従業員との確執などが暴かれ、ひじょうにワクワクする展開でした。
「明けない夜」での終演のシーン。秀人が赤いランドセルを持った場面が蘇ります。こういうことだったのね。と。
改めて役者の演技力に感動!(^0^)
満足度★★★★★
レベル高っ!(@@!)
ひじょうに素晴らしい!としか言いようの無い迫真に迫った舞台でした。
近年のJACROW の芝居は革新的にレベルUPしてる。そう観客に納得させる舞台。
本もさることながら、キャストの演技力に感服し、まるで映画かドラマを観ているような濃厚な芝居に、ただただ、その世界を堪能しました。前列がお勧め。、
帰りは本当に至福な気持ちになって家路に着きました。
これを作った全ての人たちに「有難う」と言いたい。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
1963年、工場を営む裕福な家庭・和田家の一室に一本の脅迫電話がかかってくる。経営者の一人娘・里美が誘拐されたのだった。
これをきっかけに、急遽、誘拐事件捜査陣が組まれる。刑事達の確執や体面、保身を上手く絡ませながら刑事の感と綿密な捜査、事情聴取によって段々と核心に迫っていく。
一方で3ヶ月前の家族と社員の風景、2ヶ月前の風景、事件当日の風景を紗のカーテンの向こうで回想シーンとして描写する。
あの頃の幸せだった風景が蘇って、と同時に現在の緊迫したシーンと重なり、複雑な心境になる。
事件は和田秀人(社長)が女性社員に手をつける癖が原因となって里美が殺されてしまうのだが、不思議と何のとりえもなさそうな中年オヤジを地で行くような秀人に女性社員が次々と落ちていくんだよね。(七不思議!)
そうして、妻とは「離婚するから!」なんつって既婚者男の定番のような言葉にコロッと騙されて、挙句、捨てられる。
どっちもどっちなんだけれど、秀人の真意を知った純子(社長の愛人)は、里美さえいなければ・・、という浅はかな考えから犯行に及ぶ。
こうやってちっさな里美は大人たちのカルマによって犠牲になってしまう。
泣き崩れる妻・峰子(奥さん)に従業員の三好が宗教を薦める。頷く峰子。
失望のあまり藁をも掴む心理状態の隙間に宗教がそつなく入り込む。
そうして悲劇は繰り返される。
とにかく、里美の可愛らしいこと、この上ない。
舞台に子供を出演させると評価が上がる。というジンクス通り、観客の子役に対する優しさがそうさせるのだと思うが今回の子役も素晴らしかった。あのあどけなさにヤラレル。
そして出演した役者のレベルの高いこと!脇がいないと感じたほど、どのキャストも濃厚な演技でひじょうに満足しました。
満足度★★★
精子コメディ!(^0^)
DNAと書かれたランドセルを背負った生徒(精子)たちの授業風景から始まる精子物語。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
フライヤーから想像できるようなエロ満載の筋ではないです。だた、この物語は弱虫なトリソミーを主人公にしたことで物語が活きてくる。
精子の秘密を知ってしまった彼は仲良かった仲間のうち、一人しか子宮にたどり着くことができない、他は死んでしまう。という事実に失望してしまう。その真実を他の仲間に言えないまま、家に閉じこもってもやもや、うじうじしているトリソミーを出雲(仲間の女の子)が励ましながら支える。「折角生まれてきたのだから、先に進んでみる。嫌な事があっても何か一つ好きなもの(人)を見つける。そうすれば他を犠牲にしても頑張れる!」と。
精子にもいじめや権力になびく輩が出てきて現実の人間模様を見せ付ける。ブラックジョークも織り込み、コメディ感にも溢れ中々、楽しめて、白血球とリンパの絡みが絶妙で笑える。特にリンパの動きがちょこまかと面白い。彼の場面が一番笑ったんじゃないかなー。。(^0^)
そうして出雲に助けられながらも弱虫なトリソミーは前に進む事を決意する。
トリソミーは、大好きな出雲ちゃんが受精できる事が自分の夢となり、出雲の為に頑張ることを決めたのだ。
この物語は太古の昔から受け継がれてきたたった一つの遺伝子の代表が、子宮にたどり着いて受精し、一つの命が生まれるまでの真摯な物語です。
コメディ満載で物語自体がふざけてるようだけれど、きちんと絵やセットや映像で説明するあたり、保健体育の劇場版と考えたほうが良さそうです。
こうやってワタクシ達は生まれたのですね。部数の中の奇跡として。この命を大切にしなければいけません。そう思わせる舞台でした。
満足度★★★
今回が完結編
このシリーズは第1弾と今回の第3弾を観劇。
第一弾は放送局『大江戸川FM』とリスナーの絡みがメインで、今回は局内の人間関係のみに留まる。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
局では大江戸川市のイキイキ夏祭りに向け企画を立てていたが、本社の指示で取りやめになってしまった。しかし、退社する山本のために皆は「スタンド・バイ・ミー」を歌いたい。
本社から派遣された野田や局内での人間関係と、局内での身近な恋愛を軸に描いた作品。
今回は笑える箇所が少ない。だからか、第一弾と比較すると、本の練りが甘いように感じた。山本が嘘をつくシーンではこじつけっぽいし、全体的に散漫な感じがした。コメディで笑い満載なら、多少の脚本の甘さは気にならないが、ここまで笑えないと、本の甘さだけが露出してしまう。
相変わらず有沢リカコ(五十嵐智美)のしゃべりは上手かったのが、救い。
満足度★★★
ひとりぼっちのアリス
確かにダークファンタジーでした。
「不思議な国のアリス」を題材に、アリスは安らかなる時の穏やかな場所Heavens。この世のどこかにある幻の美しき国Heavens。安心して眠れる場所Heavens。を求めて不思議な旅をします。しかし、もう一方の現実世界でのアリスはとんでもないことに・・。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
14歳のアリスはエンゼルシンドロームという眠れない病の中にいた。それは現実世界で、「父親殺し」の汚名をきせられ今、まさに判決がくだされるところだ。しかし、弁護人はアリスの体中に付いたアザを見て父親からの虐待を突き止める。その虐待の理由とは、父親のおもちゃ工場の経営不振と母親が家出してしまった事で、精神的に圧迫された父が飲酒した末にアリスに虐待をしてしまった、ということだった。
かつて、アリスは父と母との3人で移動サーカスを観に行った。そこで空中ブランコを観たアリスは、「あんな風に空が飛べたらいいなぁ~。」と呟く。父は笑いながら頷き、母は「飛べるわけないじゃないの、人間なんだから。」と言う。幸せだった家族の風景。
その後、父はアリスに「飛行機を作ろう!」と提案し、工場の仕事をやらずに飛行機を作り始める。結果、工場は経営不振になり、母は家出をしてしまうが、それでもアリスと父は飛行機の開発を止めなかった。そうして、父は行き詰って行き詰って、真夜中に自殺してしまう。「ごめんね」とメモを残して・・。
だから、アリスは死刑になりたいと考えた。「僕はもう一人ぼっちだ。もういいんだ、死にたいんだ。あの頃のようにふわふわして安心して眠れる夜なんて来ないんだ」と。
しかし、不思議の国のうさぎがそんなアリスを励まし、穴に落ちたアリスを救い出すという物語。
不思議の国と現実世界が同時進行で綴られていくが、中盤まで「不思議の国のアリス」をもじった感じ?なんて物語の筋が見えにくい。そのうち初盤に仕掛けた伏線が終盤になって繋がるが、なんせ、キャストの衣装がどれもこれも似たような衣装なんだよね。だから物語に入り辛い。一人のキャストが複役をするのであんなふうになってしまうのだろうか・・。
本はひじょうに良かったけれど、少々詰め込み過ぎだったようにも感じた。終盤から物語に引き込む構成は流石!
満足度★★★★★
二人のキャストの力量でひっぱる!
ひじょうに深い、本当に素晴らしい演技でした。
かつての夫は妻を省みぬ放蕩生活に明け暮れ妻に母を求め、一方で夫の体が不自由になったことでやっと夫を独占できたというねじれた愛の物語。
どちらの愛も偏屈のようだがそこには究極の愛が潜んでいるという秀作でした。
☆終演後、ビールと焼酎、つまみのサービスがあります。飲める方はサイコーです。暑い夏にビールはいかがぁ?飲み放題!(^0^)
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
妻の視点で物語を追っていくとひじょうに解りやすい。妻はだめっぽい男が案外好きなのかもしれない。なぜなら、たぶん彼女も弱いのだ。
放蕩三昧を繰り返した夫が5年前に倒れ動けなくなる。相談員や介護師が心配して援助しようとしたが妻はその全てを断る。自分一人で夫の介護をしたかったのだ。二人っきりで静かに穏やかに暮らし続けたいと願う。この部分で妻の夫に対する愛情がひしひしと感じられる。
そう思った。そう思い続けて3~4年経った頃、彼女はふと気が付いた。「此処より先には何があるの?行き止まりだわ、かずちゃん(夫)と一緒に此処より先に行きたい。」と心中をする。
やがて妻だけ助かり、夫は死んでしまう。妻は夫の後を追い死のうとするがそこで妻は夢の中で夫の姿をみる。ここから妻の幻想の世界と現実の世界を彷徨う物語。
夫は介護する妻の前で浮気相手の「さちこはどうしてる?」と訊ねる。
「かなえは?ゆきちゃんは?」と。
ここでの夫の心理は妻にしっかり甘え、夫の中での妻の存在は消え、妻を母としてみているのが解る。
妻はそんな夫の言葉を聞いて悲しくなり、「私の気持ちを考えた事があるの?」と責める。しかし夫は「お前の気持ちなんて考えたことはない。」とあくまでも強気で傲慢ささえも覗かせる。夫は弱い人なのだ。
現実世界の妻は「こうやって私が居るからこの人は生きながらえることが出来る。」と動けなくなった夫を独占したことで満足する。そうして、「夫を介護する事が楽しくて楽しくて仕方がない。」と言い放つ。介護を通じて少しずつ夫に復讐をしているのだ。
夫の口に食べ物を運ぶ時、「そうそう、じょうず上手!」と夫の瞳を覗き込む。その瞳には無念とか、後悔とか、失意とかが見えて、この時点で妻は夫のプライドをも崩す。しかし、夫の瞳の奥の行き止まりに醜い私が映っていることも承知する。夫を憎みながらもその裏返しには夫への愛が潜み、だからこそ夫が死んだ今、後を追おうとする。
しかし、幻想の中の夫は妻を死なせないとする。それは三途の川を渡るとき、阿波踊りを上手に踊れないと渡れない、という刷り込みを妻にする。そして妻に何年かかっても完璧に踊れるようになるまで渡るな!と言い渡す。
阿波踊りのシーン、妻が夫を絞め殺すシーン、それはなんともグロテスクなフォルムだ。妻の夫も見えない何かに繋がれて、どちらも相手から逃げられない。絡まって痩せこけて疲れきり、それでも強欲に求め合う。二人の輪郭がどんどん緩んで正体のわからない重みだけがゆっくり増してゆく。
こうして夫は阿波踊りを踊りながら去っていき、妻は「かずちゃーーーーん!!!」と叫ぶ。
ひじょうに壮絶な物語です。妻役の成行ミチ子は相変わらずの熱演でした。夫役の加藤一也は勉強したのでしょうね、車椅子に乗った表情、口の結び方など細かい部分まで表現し秀技です。この物語は観る方によっては評価は割れるかもしれない。それほどドロドロと深層心理に迫った本です。
しかし、ワタクシはひじょうに秀作と思っています。二人芝居でこれだけのものを魅せられるのは「13号地」以外、考えられないからです。
満足度★★★
中だるみはあったものの
初盤と終盤は力でどうにか漕ぎきる、といった感。
もうちょっと笑いどころがあるとサイコーなんだけどな~。。
きっと楽日までには随分変わってるかも。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
自動車会社に就職した岸利透は不景気のあおりを受けて、解雇され28歳でマクドのバイトをしていた。そんな状況の現在、高校時から付き合っていた現妻の明日香に対して申し訳ないと思い込む。透は10年前の学生に戻って明日香と別れ、未来を変えようと過去の生徒会室に戻ってくる。
当時の生徒会室では校舎改築のために部室の引越しの現場から舞台は始まる。
ここでの生徒会室での出来事がちょっとダルイ。クスっ!と笑うシーンはあっても、ドカーン!がない。そんな微妙な笑いを引きずりながら物語の展開はユルユルダルダル。そのうち、生徒会室に集まった中の一人、矢沢が「開かずの扉」の存在を見つけ、ぽちっとな!と押してしまう。な、なんとそれは過去と未来を繋ぐタイムマシンだった。
タイムパラドックスネタやアシモやアニメキャラも飛び出し、それなりに笑わせる。
師岡先生のセリフ、「岸利、30年後のお前は6つ子と幸せに暮らしているぞ。未来は変えられないんだ。」との言葉に納得し、帰っていく岸利。
伏線は繋がり舞台としてはまあまあだと思う。
もっと笑わせてくれたら喜びました~~(^0^)
満足度★★★
一部は公演、二部は武劇
この順番が良かった!
やっぱ、先に公演を観てからの~んびりと武劇観賞。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
道場主の邦さんが助けた若い女性は25年前にアメリカで行方不明になったはずの、邦さんの妻・ゆきえに、そっくりな女だった。彼女の名をあかねという。
あかねの仕草、凛とした目の輝き、正義感、それらはもしかしたら、邦さんの娘なのではないか?と邦さんと道場の同輩は考える。邦さんの妻・雪絵は生きているのかそうではないのか・・。
邦さんの妻に対する愛情と妻を待ち続ける姿勢が美しい。
一方で破門した愛弟子・高木は黒沢組のヤクザとなって林道場を襲う。道場門下生だった頃の高木には病気の妹をろくに治療も出来ずに死なせてしまった経緯から金に対して貪欲になっていた。
しかし、道場の同輩やあかねの正義に対する心意気に胸を打たれ改心する。
林道場での修行や人情を時にはコミカルに時には人情厚く描き、邦さんの心の動きを解りやすく表現した作品。
脚本はベタで解りやすかった。あかね役のキャストは実際に武術を嗜んでいるようでその動きが凛として美しいんだよね~。。
一部のキャストの動きが固かったけれど、まあ、しょがないです。(^0^)
満足度★★★
ふざけ過ぎ
今回の芝居は多くの物語から抽出したような盛りだくさんな物語だったけれど、観ていて痛々しい場面が多く、乗れなかった。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
物語の軸はシェイクスピアが死んでしまった娘を主人公に物語を作っていくというもの。
彼の家には夜な夜なゴーストが集まってきて彼の物語の役を演じる。
裸の王様、東の国の魔法使い、キリストの誕生、ジーザス、醜いアヒルの子などを題材に、東の国と西の国の戦いを表現する。
とにかく頂けないのは馬小屋でマリアから生まれたブスコーを苛め抜く。苛めていびって、いじり倒す。ブスコーの頭に蝋燭を垂らしたり缶で殴ったりの、虐待が続いて、あまりにも腹が立った。
たぶん、脚本家は「ここで笑いを・・。」なんて思ったのだろうけれど、やり過ぎ。あの場面で観客は一人も笑っていなかった。
むしろ、笑っていない観客にホッとした。そしてそんな観客を好きになった訳だけれど、最終的にブスコーが幸せになるならこの物語に対するワタクシの評価も変わってきてた。
ところがどっこい、オムレット王子は最後の場面で保身の為にブスコーを裏切り、ブスコーを火あぶりの刑に処する。ブスコーは「この世界に愛を!」と叫びながら焼かれて、灰になる。
不条理劇といえば聞こえはいいが、その悲劇はあまりにも残酷で悲惨な最期だった。
確かに初版、笑いどころはあったけれど、これまでのコーヒー牛乳とは違った世界観で好きになれなかった。
ブスコーを苛め抜くシーンがなかったらまた違った評価だったが、ひじょうに残念です。。
満足度★★★
思い込みとは妄想なのです。
乞食とはこういうものだ。白雪姫とはこういうものだ。という思い込みからそんなはずはない!なんちゃって爆走する物語。
やっぱ、別役実って独特の毒があるよね。それゆえに評価が割れるのは当然のことで、それを解ってて演出したという松井の勇気は素晴らしい!(苦笑!)
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
ある紳士と給仕は乞食を探す。目の前にいる乞食に「乞食を見かけませんでしたか?」と尋ねる。割と小奇麗な乞食を乞食と思わなかった給仕の思い込みが、そうさせた。
乞食は「自分が乞食だ。」と訴える。何かお恵みを貰えるのではないかとの思い込みから必死だった。
しかし、紳士は乞食の前で椅子とテーブルを出して豪華な食事を食べ、乞食が物欲しそうに眺めてる様子を見るのを趣味にしていた。
そんな場所に魔法使いだと名乗る女とその魔法を見たい、という女が現れる。彼女たちも一種の思い込みを持っている。そのうちに市長と泥棒が現れ、更に巨大な卵を車輪に乗せた女が登場する。
彼らは一様にこの卵の中には白雪姫が入ってると思い込む。
一方で、市のイベントに白雪姫tがニシキヘビを首に巻いて口から火を吹き大きな刀を持って暴れてる、という。
それを聞いた彼らは、それは本当の白雪姫ではないという思い込みから、やはり、この卵の中から生まれてくるのは、きっと清楚で可愛らしいはずの白雪姫だと、思い込み、幻想と妄想の中、架空の白雪姫が生まれるまで待つ。
物語の筋としては面白い。
ただ、こういう種類の物語って人間の裏側をどのように表現するかで舞台の重みみたいなものが違ってきちゃうような気がする。
次回も観てみたい劇団の一つだ。
満足度★★★★★
再演だからこそ完成されてた!
ホント、素晴らしい舞台でした。初演と比較すると全体的な筋は変わらないものの、脚本を見直し批判を繰り返し更に練り上げた跡が見て取れるような完成された舞台でした。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
初演の時の評価は星3つでした。理由は笑いが少なかったこと。そうして練が甘かったこと。
しかし、今回の芝居は全然ちゃいます。微妙に演出を変えてます。
本筋からはそれない程度に脇役のコミカルさを充分に押し出し、以前よりもずっと笑える個所が増えて、しかも、テンポも良かった。
負けっぱなしのボクサーに「人生なんて・・、勝つことなんて滅多にない。負けてもいいじゃねえか!戦い続けよう。」と励ますセリフは、心打たれるものがあったし、スパークの父親に職場の仲間が「あんたの息子は俺たちのヒーローだ!」と言わせるシーンなどは、ホロリ・・。として泣ける。
自分の選んだ道を真面目に一生懸命に生きてきた証。
その誇りがあるなら、試合に負けても自分に負けない。
初演同様、最後の終わりのシーンの演出が上手い。
充分に楽しめる舞台です。お勧め!
満足度★★★
なんだかんだ言っても
誰でも誰かに好かれたいと思っている。しかし、好かれれば好かれるほどその気持ちが持続するのだろうか?という不安にもなる。その一方で今度は自分が誰かを好きになれば成る程、嫌われたらどうしよう、という不安に襲われる。
この物語はそんな繊細な気持ちを前提に、二人の女を軸に描いたもの。
以下はネタばれBOXにて。
ネタバレBOX
みんな箱を持っている。しかし、箱とはその人物の象徴にすぎない。箱はその人の心、思い、価値観だ。
秋野みさこは女優になりたかった。彼女は人に好かれたいと思いその努力をするが、仕事も人間関係も空回りしてしまう。見栄っ張りで傲慢さが見え隠れするなかで、「自分新聞」を作りそれをマメに知り合いに郵送するという自己主張の強いタイプに思われがちだが、実は人との係わり合いが下手でこのような手段しか取れない。
夏川あやは「嫌われ屋」の仕事をしながら、「好きになってもらうくらいなら嫌われるほうがいいよね。」などと心にも無い事を言いながら、現況の自分の仕事を納得させる。「嫌われ屋」をしながら常に自分を可愛そうなポジションに置いて満足したり、かと思うと「とことん嫌われればあとは好かれるだけ」と本音もちらつかせ、そんな姿勢に自分で酔う。しかし、それは自分を甘やかしているに過ぎない。勝手に陶酔しその立ち居地に満足しているだけだ。
この時点で二人はただの二つの人形だ。箱を持った人形を二つ置いただけのような空々しさがつきまとっている。
実はこの二人、正反対の性格のようだがそうではない。本質は同じなのだと思う。
二人とも上手く生きられないのだ。だから二人ともお互いにお互いをこだわる。気になる。二人はメビウスの帯の上にいて、裏側に廻っても結局、同じところにいる。
そうやって、彼女たちはお互いに歩み寄った時点で気づく。同じなのだと。こうして二つの人形に心が宿り、「自分」という誰も入ることが出来ない大きな城壁は崩れる。
「自分」の閉ざされた壁、つまり箱が崩れた瞬間に、彼女たちが持っていた箱も潰れる。つまり、彼女たちが持っていた箱は舞台の周りに積み上げられた壁なのだ。その壁(舞台いっぱいの巨大な一つの箱)の中でしか生きられなかった彼女たちは外へ飛び出す。
ひじょうに深い物語だと感じた。しかし、何かが足りない。その何かは何か?
解らないのだ。
満足度★★★★★
異妖奇怪!
青蛾館とは良く名づけたもので、青い誘蛾灯に張り付く毒蜘蛛のようなものだ(苦笑!)
諸君!チャイナ・ドールに行った事はあるか?
もしくは横浜ドール!(^0^)
娼婦宿「春桃婁」には今宵も夜な夜な殿方が忍び寄る。娼婦宿の壁や階段には「黒蜥蜴」の紋様がっ!!!
1925年、上海での物語り。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
異界も異界!妖しい奇怪な動きの、これまたこの世の者とは思えぬイデタチの男が後方から現れたかと思うとそこはもう「春桃婁」なのでした。
その後から「ワタクシまだ生娘ですの!」みたいな女が現れ、今から娼婦になるという。何故?という質問に、「試したいのです、私の恋を。100人の男に抱かれても、あの人の事をいつも思っていられるかどうか、試したいのです。」と、女。
遊女と客の交わりは、身体は自分のものではないように様々に動くのだが、心は天井にぴたりと張り付いてるかのよう・・なのだろうか・・?
そうして、続々と登場する煌びやか、豪華絢爛の娼婦たち。
いやはや・・・ワタクシ、顎が外れそうなほど愕然としました!仰け反った!
その中に黒蜥蜴以上の、既に1286年は生きてます!っつー程の、エリマキ蜥蜴のようなナリの閣下がいるではないですかっ!(@@!)
な、なんと、この閣下が宿の女主人だっ!ってから、またまたびっくり仰天!
そんな仰天ついでにチャイナ・ドールが繰り広げる妖しいSMの世界。
個々の娼婦の癖というか、客の癖というか、性癖というか、イッチャッテル世界。妖しいのは娼婦だけではなく、ドーベルマンのようなナリの犬人間が犬のカッコで這い蹲る奇怪な世界。世界広しと言えど、ここで繰る広げられる異界は桃源郷という言葉が好きな殿方の天国なのです。
個性の強い娼婦の紅い唇から流れるセリフも妖しく幽玄な言葉で魅せられる。・・・赤い鳥、星の欠片、川に沈んでいったグランドピアノ・・・。
そんなホーフツとした世界も、革命の流れ弾に当たって娼家の女主人が死んでしまう。
一方で後目を継ぐのが「ワタクシまだ生娘ですの!」だった娼婦。
そうして、物語は以前と同じように「ワタクシまだ生娘ですの!」みたいな女が現れ、今から娼婦になるという。
衣装、音楽、舞台セット。それらは観客の視覚を楽しませ、一方で感覚も楽しませるという、異妖奇怪な物語をたんと堪能したのでありました!
もう一回、観たいなぁ。時間が取れるか・・?
満足度★★
物足りなかった!
まず、この陰鬱さが好みではなかった。でもって、そんな昔の事を今更、相手に教えること事態、余計なおせっかいというか・・。
波立ててどーする?っつーか。。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
恩師の葬式で集まった4人の男女はかつて付き合っていた。二人の女子は16歳の時に相手の子供をおろして別れたが、男子は中絶した事情を知らなかった。
今になって、既に既婚してる男にその事情を教える女。もう一方で、既に既婚している女のそういった過去を現在独身の男に教える女。
つくづく、二人の女は馬鹿だな~、と感じ、その愚かさに開いた口が塞がらなかった。お互いの片割れが結婚してるのに今更、どーしようっていうんだろ?
美しい思い出は自分の胸だけに入れとけよ。
こういったうじうじした芝居は好みではないし、二人の女の行動が実にメンドクサイ。特に女二人のキャストの演技力はもう少しどーにかしてください。
満足度★★★
リーディングっぽいっぽい!
芝居というよりリーディング。
なんだか・・、岸田理生アバンギャルドフェスに登場する芝居はみんな、リーディングなんじゃ・・・?と疑ってしまうほど。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
理生の作品を忠実に再現していたがそれはリーディングだから出来る事。
一滴の血によって姉妹となった毒子と薬子とか、避雷針売りの男とか、蝋燭屋とか、女村長の孕みとか、その子供・ひることか、坂ノ下の一軒屋とか、100人の男たちの血は一人の女に吸われたとか、避雷針の末裔は吸血鬼になったとか・・・、理生の世界は、登場人物の名前や情景がどろどろしていて奇抜で何だか黄泉の世界の出来事のように感じてしまうから好きだ。
だけれど、殆どリーディング模様の今回の芝居は芝居というより創作ダンスとリーディングを融合させたものを観ているような感覚で、飽きた。
飽きた!という表現は作り手にとってはひじょうに失礼な言い方だが、それでもやっぱり、飽きた。
ワタクシの記憶は先週公演したリーディング「水妖忌」から始まる。
その後、またまた観た「大正四谷怪談」も芝居の半分はリーディングっぽいぽいだった。
そこへ持ってきて、「水妖忌」に出演してたキャストが今回の「RIOマテリアル」にも出演してるという、どんだけ身内感覚なんよ?(・・)と仰け反ってしまったのだ!
キャストがどーのこーのではない。ないが、「やっぱ、リーディングじゃん!」とがっかりしてしまったのだった。それを反映してか、目立つ空席。
満足度★★★★
探偵物語そのもの(^0^)
諸君!探偵物語をご存知か?
そう、あれはビルの屋上に住んでいる貧乏探偵が活躍する物語だった。
TVドラマ、オープニングでは探偵がソーセージをかじって林檎をガブリとやって、牛乳を喉をならしながら飲むシーンが忘れられない。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
サウスベイシティではけがれた街を徘徊する「ナイトウォーカー」が多くいた。
そんな街の片隅でダコダハウスに居住するしがない探偵がいた。彼の名を風吹という。彼は金田の教えの通り騎士道としての探偵を守り続けていた。
風吹は暇が無いほど仕事の依頼を抱え込みそれを順に消化するという質だった。腕は一流だが金が無い。そんな風吹のもとに来た新しい依頼は「弟の秀明を探して欲しい。」だった。早速、風吹はバイトの紅と調査をするが、調査が進むうちに秀明の周りには不穏な空気が漂っていることが解ってくる。それは、死体偽装グループと権力争いのためのギャングも絡んでいた。
探偵物語同様、依頼人を放っておけない風吹は自らその抗争に巻き込まれていく。
物語は余興としてニューハーフばりばりの動物ランド的な自称ニンゲンが登場したり、コミカルな場面も登場するが、それよりもシリアス色をもっと強調したほうが良かったと思うが、これはあくまでも趣味の問題だよね。
相変わらず鍛えた体の白川はカッコいいし、今回のキリコ役には大平美由紀が妙にマッチして不思議な魅力を醸し出してた。酒井の悪役ははまり役だし、横山の飄々とした空気も物語に深みを添えてた。そんでもって逸見のベティ役はキモイを通り越して妖怪のような妖しさがあったかとおもうと、剣持役ではこれまた「参りました!」と言わしめるバカアニキっぷりぷりが妖怪以上の魅力を見せつけ、いやはやベラの再来かと思ったほどでした。
楽しくて愉快でちょっぴり人情味溢れる探偵物語。
満足度★★★★
ファウストが至福と感じるまで
「天守物語」「夜叉ヶ池」の物語にファウストの哲学を織り交ぜた千年物語。
余談ですが、椿役の佐竹、ひじょうに美しいです。女神かと思った!
彼女こそ姫役に相応しい美しさ・・。
じーーっと穴の開くほどガン見してしまった・・・。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
ファウストはあらゆる学問を究め尽くし、人々から尊敬されるも、知識で人を救い幸せにすることは出来ないと絶望する。そんなファウストに妖怪「ミヨリ」が現れ、ファウストの魂と引き換えに「この世の至福」を見せてやると持ちかける。ファウストは人間が死んだらどこに行くのかわが身で確かめたい。と自害するつもりだったから、ミヨリの話に乗って人間の生きる意味を探る時空の旅に出る。
早速、彼は魂の無くなった人体に乗り移るのを繰り返しながら人生という迷路を生き続けることに。
「天守物語」では、妖怪・コトワリが人間の男に恋をしてしまうが、人間の争いに巻き込まれ愛する男を失ったコトワリは悪魔のように心化しまい、数々の悪行を繰り返す。
「夜叉ヶ池」では天災を理由に若い娘を生贄に差し出す儀式を行おうと、一人の娘が犠牲になる。その娘を愛していた、転生したファウストは絶望し、「死にたい。この苦しさから逃れたい。助けてくれ・・。」と叫ぶ。しかし、死ぬことが出来ない。それはミヨリとの約束どおり、至福を感じないと魂は生き続けるからだ。
どんな辛いときも未来永劫生き続けるっていうのは終わりの無い拷問のようだよね。(^^;)
しかし、村人達の意に反し川は氾濫し村は滅びてしまうが、そこに多くの人たちが村の救済のために集まってくる。その光景を見たファウストはこれこそが希望だ。神は希望と言う名の褒美をくださった!と喜び、至福を感じる。これこそが永遠の至福だ!・・・と。
このときファウストの魂はミヨリによって抜き取られ浄化する。
人間の愚かさ、くだらなさを描くも必ず最後には愛と希望がある!という哲学的な物語。
ちょっと長すぎる感があったが、意外にそれほど時間は感じなかった。
しかし、もっと短くまとめても良かったように思う。
大して笑えないコントがあったものの、全体的には良く出来た作品だと思う。
ミヨリ役の高城ようかがひじょうに素晴らしい演技をしていた。
セットの鎖が最後に落ちるシーンは成る程な~、と納得。
満足度★★★
殆どコメディ!
大半は説明に載ってるからストーリーの大まかな展開はネタばれBOXにて。。
それはそうと・・、感激キャンペーン!「本格マナーハウスに宿泊するチャンス!」に応募したけれど、「BRITISH HILLS」でのディナーは付いているのだろうか?当選してもディナーは自分でお支払いください。なんて言われたら一体いくらかかるんだろうか?ソッチが心配。(。。)
ネタバレBOX
とんでもなく窮屈で不自由な生活だけれど、全ては賞金の為と、てんやわんやしながらも どうにか経験した事のない階級の暮らしをこなしていく。
登場人物の殆どが庶民まるだしで、方言が飛び交い、マナーなんて見た事も聞いたこともないゾ!って感じの魚師が邸の主にされちゃったり、どいつもこいつも品性のカケラもない訳よね。まともなのは執事のみ(^0^)
そんな彼らはオバQのようなキャラのデビッド婦人を満足させない事にはお目当ての賞金が貰えないから、それ相応に頑張る。喧嘩しながらも。
ここでのデビッド婦人はポイント高い。(^0^)
このキャラが登場するだけで場の雰囲気が変わっちゃうのは、持って生まれたオーラなのか、はたまたオバQのような親しみなのかは、観劇者の感性による!(苦笑!)
一方でちっさな恋も生まれはじめて同時進行する。
それらの出来事を隠しカメラで撮影するディレクターとAD。
今回のこの企画を発案した彼らの思惑通りにことは運びそうになるも、結果的に賞金は宙に浮いてしまう。呪われた幽霊伝説は彼らの仕込みだった事も判明し、最後は皆で邸で階級の暮らしを満喫する。
AD・西園寺役の豊田高史(enji)は目立たないけれど演技力は流石。
そしてデビッド婦人役のBOSSY(プロダクション薫風)はインパクトのある演技に楽しませて貰った。
これを観ながら思ったことだけれど、豪富のデビット夫人から大金を騙し取る詐欺集団。という設定も面白かったかも。そうして詐欺ッた後は全員が元の暮らしに戻るんだよね。魚師とその妻、役者、庭師・・・と。
満足度★★
学芸会レベル以下!
岸田理生アバンギャルドフェス参加作品なんだから、もっとましなのかと思っていた。
これだから、客席に20人しか居ないのか?
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
伊右衛門役の山本将、15歳。このキャストがミスった!
まだまだがきんちょの子供なんだよね。童顔だし、舌足らずでしゃべる。
そんな中学生か高校生か・・・、まだまだくちばしの黄色い椋鳥が舌のまわない口から大層なセリフを吐く訳よね。設定は27歳なのに・・。
そんな椋鳥のお相手をするお岩役は37歳の設定なのに、これまたそれ以上の年配のキャストだから、親子みたいに見える。
その実年齢と設定年齢のギャップがあり過ぎる小芝居をこの親子みたいな二人が愛だ。恋だ。はたまた抱いて!なんつって囁くわけよ。
ホラーでしょ?てか、お化け屋敷でしょ?
そんでもって自害するお袖の演技は高校生でも今時せんでしょ、その芝居!っつーくらいの大根だから・・・いやはやとんでもない芝居を観ちゃった!レベル。
只一人、可愛そうに思ったのは直助役の磯谷誠。
彼だけはしっかり役者してたのに・・・磯谷君、今度出演するときは劇団選ぼうね。星一つは君にあげるよ。