恋の丸ノ内線
ポリタン煉瓦亭
劇場MOMO(東京都)
2008/02/20 (水) ~ 2008/02/24 (日)公演終了
満足度★★
切り口は面白いのに・・・
設定は面白い、最初の8分位は「何が起こるんだろう」と、
期待した。
蜷川幸雄の持論からすれば「オープニングの5分で、芝居の半分は
決まる」である。リア王で例えれば最初の5分で残り3時間30分以上の作品の半分が決まったのであろう、ならば70分のこの作品の8分ってのは、
大したものである。
(?????
ん・・・よくわからない事を言ってしまった。)
駅ナカビジネスが盛んな昨今、確かに、この作品のような
舞台設定があっても、悪くはない。
登場人物の設定も、パっと見て、スッゲー膨らみそうな予感はする。
しかし、しかし・・・・
他の方が口をそろえてコメントしているように、全く話にテンポがなければ
役柄に感情移入出来ない、構成が悪く話にメリハリがない。
全然面白くならない、面白くないのだ。
題材として、これだけネタが揃っていながら、たかだか1時間ちょっとの
上演時間にもかかわらず、ここまで退屈な作品にするなんて、これも
一種の才能なのかなぁ。
高校生の文化祭だって、これよりはもう少しマシな作品を
見せてくれるぜ!って思うほど、ダラダラ退屈な作品になってしまい、
「誰か芝居の作り方を教えてやれよ」って思うほど、つまらない。
例え作家の人が演出の人が経験不足で、詰まってしまっていても、
照明の人とか、美術の人とか、宣伝の人とか、
役者さんだっていい、もっといえば劇場MONOの人だっていいじゃないか、
誰か注意してあげれば、1万倍くらい面白い作品になったような気がする。
(1万倍で中の上程度だけど)
本当に地味な、本当にパっとしない役者さんたちが
覇気もなく、淡々と台詞を連ねていく。
この人たち、何のために芝居しているんでしょうか?
劇団のホームページも見あたらなければ、作家のコメントもなく、
どうも、この作品を作った人達の「顔」が見えてこない。
金持ち学生?の道楽かなぁ。
ちょうど卒業記念公演とか、上演されている時期だし。
「MONOで学生時代、俺、芝居うったんだぜ」って
ハクでも付けたいのかなぁ。
ユリコレクション
企画集団007
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2008/02/21 (木) ~ 2008/02/26 (火)公演終了
満足度★★★
方程式に沿った丁寧な味わい
いわゆる奇を狙った作品ではない。非常に「ありがち」な作品だけど、
「当たり前」のことを「当たり前」に、ちゃんと仕上げている。
「基本」や「出来なければいけない事」を軽んじて、
「個性」という名のもと、メッチャメチャな作品を出している公演が
目立つ中、「そうそう、いいよいいよ」と、
安心して、おおらかな気分で作品を楽しめました。
王道の「方程式」に沿った丁寧な味わいで、非常に好感が持てました。
話の展開や、雰囲気が、とても女性的な印象を受けましたが、
たぶん男性の方の作品でしょうか?
主役の女性の人の作・演出かと思ったけど名前が違うし・・・?
この作品の作家の人は、今後、映像の世界や商業演劇の世界でも
活躍できるじゃないかな。
これから注目していきたい人物です。
殆どの役者の人が、素人芝居でクッサい演技なんだけど、
2000円程度の上演だし、多分主催者が友人の学生さんにでも
エキストラ感覚で御願いしたんでしょうから、まぁそれは仕方ないでしょう。
台詞をトチらずに、動きを間違えずに出来ただけで、
上出来と思ってみてれば、満足感が高まります。
この作品、やりようによっては、
もっと大きな劇場で、ちゃんとした装置使って、
ちゃんとした役者を使って上演すれば、
それなりに見ごたえのある作品になるんじゃないかな。
こういう女性的な作品は、僕の好みじゃないけど、
後味悪くなく、約2時間、楽しめました。
難を言えば、開演時間が10分程度遅れたこと。
全ての劇団に言えますが、
時間厳守(タイムマネージメント)は忙しい中、劇場へ足を運んだ人への
最低限な礼儀です。。
開演時間には、すでに客席落ち着いていたのなら、尚のこと。
あと、お見送りもありません。
トラブルショー
ミュージカル座
THEATRE1010(東京都)
2008/02/21 (木) ~ 2008/02/25 (月)公演終了
満足度★★
ミュージカル界の「雑魚の会」
騙されたと思って見に行ったら、本当に騙されました。
歌舞伎界が時々国立劇場で、名前のない大部屋歌舞伎俳優だけで
戯曲を上演する「雑魚の会」ってのが上演されますが、
まさに、それのミュージカル?版といえましょう。
いろんな大作ミュージカルのアンサンブルをしている実力派を
集めたキャスト、との触れ込みですが、
その通りで、非常に非常に地味なキャスト、劇団四季より地味です。
大作ミュージカルのアンサンブルの中にはキラりと光る人、時々いますが、
それはアンサンブルの中にいるから光る(可愛い、カッコいい)のであって、
やっぱり前面に出てくると、何の魅力もない、存在感のない人ばかり。
その寄せ集めで3時間もの上演時間、
個人的に関係でもない限り、しんどいです。
やっぱり、大舞台の真ん中に立つって、選ばれしことなんですね。
オーラというか資質というか。
少々歌が上手くても、少々演技が上手くても、少々踊りが上手でも、
少々見た目が可愛い(カッコいい)、それだけじゃダメなんですよねぇ。
話は、いわゆるバックステージものなんですが
20年近く前の三谷作品「ショウマストゴーオン」どころか
平凡だった「~音二郎一座」の足元にも及ばない程度の
ミュージカルコメディ???
「恋はコメディ」を始めとする大衆演劇ほど、ベタ一色にもなれず、
大人計画、三谷作品を始めとする話題作のようなシュールさは勿論なく、
舞台の上の人だけが、この作品を制作した人達だけが、
面白がっているようなレベルのコメディ。
なんで下手な喜劇って「抱腹絶倒」とか「クレイジーな面白さ」とか、
「場内、爆笑の渦」って、大げさに銘打つんでしょうか?
初日に足を運んだこともあって、出演者、関係者の知人友人が
多かったのでしょうか・・・?わけわからないところで、(大して面白くもない
場面で)客席で笑いが起きている。
なーにが面白いのか、らっきょが転がっても笑う女子高生だって
笑いはしないであろうレベルのシーンの連続。
時代錯誤なドタバタ劇、中途半端なツっこみじゃぁ、
老若男女、どの世代にも、そっぽ向かれるだけ。
こないだの「ダッシュ」じゃないですが、客席に「サクラ」としか思えない
異様に大きな動作で笑ったり、大声で引き笑いしたりする人って
いますよねぇ。多少の「仕込み」は呼び水代わりで必要かもしれませんが
基本のレベルが低いのに、大げさに笑って、寂しい話です。
僕自身、そんなに笑いに厳しい訳じゃないけどなぁ。
結構、何でも面白がるけど、仕事帰りに北千住まで行って
疲れているから、笑いの神経が鈍感になっているのかなぁ??
確かに3時間のうち、3箇所くらい、のべ2分位、笑えるシーンは
あります。2幕田中利花のシーンで、結構笑えました。
(田中利花も、自虐的に見た目ネタで笑いを取ろうとしている。
いい役者さんなのに、安っぽく扱われて残念です。)
それ以外は、想定の範囲内、使い古された、
作品の内容同様、どこかで見たことのあるネタばかり。
カビ臭いネタです。
何より、シラけるのが、
地味なアンサンブル役者が、舞台の真ん中に立って
台詞を言えて、相当嬉しいのでしょう、
絶唱、絶叫演技が続くこと。
くさい、くさい。
「研究生の発表会」ごとく、¥3000程度で売った公演なら
公演回数も2-3回なら、
いやに多い出演者達の親族、ご友人達で楽しめばいいでしょう。
文句もいわない、期待もしない。
でも、マスコミも巻き込んで宣伝しているのですから、
わかりやすい簡単な芝居ではあるけども(それは、とても
大事なこと)
やっぱり、もうちょっとレベルの高い芝居を上演してほしい。
夜の10時を過ぎた終演時間、長時間も芝居に付き合って
疲れた体を引きずって千代田線で都心に帰るケダるさ。
劇場から外へ出るエレベーターを団体で降りると、店内を監視する
警備員が数人。
「有難うございました」って御客に言うんじゃなくって
「お疲れ様でした」「ご苦労様でした」って。
状況見れば従業員じゃないこと位わかるのに、真顔で挨拶。
これが一番面白かった。
The Wedding Singer
東宝
日生劇場(東京都)
2008/02/06 (水) ~ 2008/02/28 (木)公演終了
満足度★★★
タカちゃんのミュージカル
「タカちゃんを見たい!」という沖縄から上京した友人を連れて
(タカちゃんといっても和央ようかじゃありません)
2回目のウェディングシンガーへ。
彼はカーテンコールに、「たっかちゃーん!!!」と、
非常に基本に忠実なエールを送り、その声に反応した上原タカ子の笑顔に、
彼は飛び跳ねて大喜び。
泣いたり笑ったりスネたり困ったりしているタカちゃんの芝居に、
彼は大満足。
ミュージカルなんて見たことない、劇場なんか行ったことない、
ましてや「ウェディングシンガー」なんて聞いたことがないって、
芝居に縁遠い人を隣に観劇をし、色々と新鮮な発見がありました。
上原タカ子の作品と見た場合、この作品は非常に良く出来た作品
なのであるようだ。
彼女の良さが出ている衣装、彼女の良さが出ている髪形、
彼女の良さが出ている歌。
好みはサテ起き、主役の子がキラキラ輝いてファンを喜ばせるのが
「商業演劇」の基本。
そんな面では大合格のよう。
最後まで、主役「上原タカコ」共演(相手役)「元ルミ子のダンナ」
・・・その他、以上。
そんなもんですよ。全くミュージカル役者なんか知らない。
そう、とてもニッチな有名人ばかりなんですなぁ。
井上芳雄の作品と思うと、いろいろ「ひずみ」が出てきますが
上原タカちゃん!!の作品と思えば、これは良く出来た作品なのである。
確かにアンタが主役だけど、
必要以上にハシャぐ井上芳雄や、
知名度もないのに悪ふざけする鈴木綜馬には食傷気味。
少し切り口を変えた演出で、見てみたい。
終演後、トークショーがあり、上原タカちゃん、樹里咲穂、井上芳雄で、
開催されましたが、これが見ているほうがドキドキするほど盛り上がらない。
話がカミあわない、タドタドしく、シラけた内容でした。
どうも井上芳雄の傲慢さに、女優陣が引いているよう。
確かに井上芳雄はミュージカル界のトップの一人になったのだろうけど、
ミュージカル界は女性が支えているから、女性に人気があれば、
それでいいのだろうけど、
そういう空気を人前に出してしまうようでは、お先真っ暗・・・・オヨヨ。
そうそう、初日に続いて2回目の観劇ですが、
この作品、あまり成長してませんなぁ。
初日の完成度が高いのか、その後の見直しがされていないのか、
テンポがよくなったわけでもなく、
芝居が上達した訳でもなく、
歌が上手くなったわけでもなく。
まぁ本当に初日はボロボロで
初日と千秋楽で、落差が目に付く芝居もあり、
「だったら入場料にも差をつけろよ」と憤慨したりする場合も多々ありますが、
こんなに変わらない芝居も珍しい。
動きが派手になっているのは、指揮者の塩田氏。
かなりウザいです。
鼻につく程度を通り越しています。
あぁいう出しゃばりは、そろそろ世評に吊るし上げくらえばいい。
ウラノス
こどもの城 青山円形劇場/ネルケプランニング
青山円形劇場(東京都)
2008/02/06 (水) ~ 2008/02/17 (日)公演終了
満足度★★★
凝縮された100分、シュール!
余計なことが、殆ど削ぎ落とされている。
最低限な設定だけが伏線として張り巡らされているが、
あくまでも話の展開に必要な量で、詳細はわからない。
だけど、決して観客に負担を掛けるほどの想像力の要求もされない。
非常に凝縮されており、力強い、シュールな作品。
ジャニーズ「IZO」で、注目した青木氏が絡んだ作品なので、
見に行ったが、期待を裏切らない、良い出来栄え。
とにかく「自分の話を聞いて欲しい!」人が多い中、
「どうして自分が、こういう行動に出たのか」「どうして自分が、
こういう発言をしたのか」「どうして自分が、こういう風に思ったのか」
相手に理解を求めようとする人が多い世の中、
芝居の台詞でも、「独白」という名のもと、
とにかくダラダラした説明じみた台詞が多い。
「そんなの関係ねぇ」とばかり、「ウラノス」にまつわる話だけに
会話の主軸を絞って展開をした内容は見事。
ここまで潔く整理すると、とても切れ味鋭く、心に返って残る。
難を言えば、酒井美紀。
何で彼女が出ているのかわからないけど、ポーズをつけた
芝居が目に付き、どうも作品のバランスを崩す。
あと、コマーシャルって恐ろしく、
今井氏が硬い役柄なんだけど、どうしても防臭剤のキャラに
見え、今にも歌いだしそうな印象が残る。
こういう雑念が、芝居の世界にどっぷりつかれない理由なんだよなぁ。
恋はコメディー
コマ・プロダクション
ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)
2008/02/05 (火) ~ 2008/02/24 (日)公演終了
満足度★★★
ルリ子とえりと久美子のホスト遊び
芝居なんて、どうでもいいのであろう。
有閑マダムの浅丘ルリ子と渡辺えりと秋吉久美子が、
可愛いジャニーズの男の子と、昔可愛かったであろう、
なんだかクッシャクシャでシワだらけになっちゃった石井さんを、
そばにおいて、かまってもらう。
男性陣が必要以上に衣装替えして、女性陣の目を潤す。
プライベートやセクハラだけど、芝居なら堂々と出来るとばかりに
素敵な男性が、みな自分達に気持ちを持ち、
ベタベタ・イチャイチャしながら、優しい甘い言葉を、かけてくれる。
なんともゴージャスなホスト遊びである。
内容は、ベッタベッタな、ドリフも真っ青な位のコメディである。
ルリ子は、大地真央のようなダじゃれを連発し、空回りをし続けるし、
えりは、明らかに自虐的なアクションでの笑いに走る。
秋吉久美子は、おどおどしながら目が泳ぎながら芝居をしており
見ているほうがハラハラするし、
石井さんは、劇場スペック関係なく帝劇や地方会館などの大劇場を
相手にしたような大げさな芝居で、一人熱演している。
どいつもこいつも、
台詞はしょっちゅう詰まっているし、時々芝居はちぐはぐになるし、
稽古不足が目に余るほどの、まとまりがない。
それでも、2時間、舞台を見続けてしまうのが、さすがは大女優のオーラ
でしょう。浅丘ルリ子、魅力の桁が違うのである。
やっぱり、お金を取れる役者って選ばれた人なんだなぁ。
ジャニーズの子は、風間俊介、彼は一昨年、蒲田行進曲の
「ヤス」で見ていたのだが、今回は打って変わって、
絵に描いたような可愛い子犬のような男の子にハマっていた。
東京公演より地方公演が長いようである。
前回の「おかしな二人」で地方公演バス旅行の様子を楽しげに話していた
浅丘ルリ子をTVで以前見たことがある。
実力のある大女優が、バスで地方会館周りも、
いやはや、せつない話ではありますが、
(そういば、ここ5年くらいで、めっきり看板役者の
座長芝居ってなくなっちゃいましたねぇ)
可愛いジャニを従えながら、ドサ周りをするのも、
女優冥利というか、余生にはいいのかもしれませんねぇ。
(ルリ子の次回作はAAAと競演とか)。
MISSION IN POSITIVE 11th Attack「ダッシュ!!」
エンターテインメント風集団 秘密兵器
「劇」小劇場(東京都)
2008/02/14 (木) ~ 2008/02/24 (日)公演終了
満足度★
健康上に悪影響を与えるほど酷い集団
あんまり若くもなさそうな出演者達なのに、
どこにも思想やポリシー、カラー、ひいては世界観もないくせに、
「俺達の芝居がわからないなんて、見る目がない」
「この芝居のセンスがわからないような観客相手に芝居をしている
わけじゃない」的な態度で、くだらない芝居を繰り広げている。
前半のコント、後半の寸劇、ともに使い古された新鮮味のない内容。
にもかかわらず、下手っくそな一本調子な芝居をしているくせに
逆ギレか開き直っているのか、態度だけは大きく、
「なんだ、こいつら」と、イライラしながら過ごした2時間15分。
初日、仕事にプライベートに多忙な中、劇場へ足を運んでいるにも
かかわらず、
意味もなく10分も15分も開演を遅らせ、
気分が悪くなるほど下手な(音痴なふりをしている?)カラオケテープを
何十分も聞かされ、
開演挨拶も「あ、ども」と、感謝の姿勢が全く感じられないダラダラ口調で、
ケジメのない話し方、言い方。
本当に失礼極まりない集団である。
僕は確かに若くはないけど、職場やTVを通じ
イマドキの人の感覚を理解する努力はしている。
「ユルい」「肩の力を抜いた」という感性が流行なのも
知っている。
それでも、小劇場であるけど、10日以上、20回近く公演を打つからには
(なんで、こんなに公演を打つのか不思議でたまらないが)
芝居の内容は別としても、挨拶や礼儀の部分については
(役者だけじゃなく、受付やスタッフも含め)
一般社会の上で、誰もが不快にならないような態度、言葉使いをするのは、
最低限の基本であろう。
カーテンコールも「どうもどうも、いやぁねぇ」と、
有料公演という意識が、まるでない。
大人として(社会人じゃないにしても)としてしなければいけない、
礼儀や姿勢が芝居の中は
勿論のこと、公演の全体の中にも皆無ない。
こういう、あまりにも傍若無人な態度の奴らを見ていると、
ただただ苦痛、ムカムカしてストレスが溜まりまくる、
健康上にも悪影響を与えるほど酷い。
観客席も、知人友人達で集めたのであろうか、サクラだどうか、
何の脈絡もないシーンで、どこにも面白みを見つけられないシーンで、
劇団員以上の大きな声で、引き笑いをしたり、オーバーリアクションで
笑い耳障り極まりない。
小劇場は、一旦、席に着くとトイレにも出れないような客席構造の
劇場が多く、初めて入った、この劇場もまさにそれ。
それでも、さすがにカーテンコールでの、くだらない態度に頭にきて、
ダラダラ話している間に、帰りました。
内容はカラっぽでも、気分転換になるようなバラエティショーが好きで、
こつこつチラシで見つけて、足を運んでいますが、
この集団は、僕の生涯でも5本の指に入るほど、酷い集団。
「気分転換をして元気をもらおう」と思って劇場へ行って、
返って具合が悪くなる作品。
でも、10回以上公演を打っているようで、今回も公演数は多い。
(初日の客数は30人程度だった)
制作がいいのか、出演者に友人が多いのか???
それとも、昔いた劇団員は良かったのか???
どこかに、いつかは、いいところもある(あった)ので演劇祭と名のつく、
今回の公演を打っているのだろうから、
ちゃんとしたマネージャーのような人が、「プロ意識」というものを、
「責任感」というものを、教えたり、コントロールをしてあげれば、
まともになるんじゃないでしょうか?
The Wedding Singer
東宝
日生劇場(東京都)
2008/02/06 (水) ~ 2008/02/28 (木)公演終了
満足度★★★
無理があるけど、楽しめる。
この作品の元となっている「映画」を見ているか、見ていないかで、
かなり印象が違うと思う。
僕は、映画を見てから観劇するほうを、いいと思う。
舞台装置や演出は、なかなか工夫があって楽しめる内容になっているけど、
タイトルになっている、ウェディングシンガーという仕事というか位置付けが、
日本では、それほどメジャーではないので、
ピンとくるまで、時間がかかる。
ただ、中身の割りに、ダラダラと3時間弱も上演時間があるので、
だんだん、どうでもよくはなってくるのですが。
すっきりすれば、2時間ちょっとでまとまると思うんだけどなぁ。
全体は、ロック・ポップスな音楽で満たされている。
WeWillRockYouのような感じ。
井上芳雄は、正統派なミュージカルスターであるので、
ギターを抱えて、歌い上げる設定に、かなり無理がある。
しかも、彼は顔立ちに育ちのよさというか、
教育を受けている、インテリ風な雰囲気があるので、
彼の座長芝居とは言え、最後まで違和感が残る。
役柄的に、ジャニーズ(誰でもいい)とか、ぐっさんとか雨上がりと言った、
お笑いタレントのほうが、しっくりくるような気がする。
優等生が、大げさに3枚目を演じている姿って、
どうもねぇ。
上原タカコは、可愛い。
歌も芝居もメチャメチャだけど、お人形さんのような、
彼女の立ち姿は、典型的なヒロイン。群集の中でも彼女は光る。
しかし劇場に殆ど男性の姿はなく。
モーツァルト!のヒロの時も思ったけど、
あのスピートの時のファンは、どこへ行ってしまったのだろう????
「スイートチャリティ」でも若い子の友人役を演じていた
樹里咲穂、一生懸命頑張っているけど、なんだか痛痛しい・・・。
彼女のマンマミーア・ドナを見てみたい。
こないだまで親子役だった鈴木綜馬が井上芳雄の友人役。
ミュージカル界は売り手市場か、人手不足なのか、
なんでもありかよって。
大澄賢也、彼はいい役者になりましたね。
そして、指揮者の塩田氏、かなりやりすぎです。
鼻についてきました。
と、いろいろ無理はあるけども、楽しい作品でした。
ハッピーなミュージカルコメディは好きです。
心震わすスケールの大きなナンバーはないけど、、
耳馴染みのする、軽いナンバーが多く、口づさみやすく、
劇場の外に出た後も、思わず鼻歌を歌ってしまうような、
そんな楽しい作品です。
しかしキャストからしても、S席8000円程度でしょう。
この作品こそ、バンドがあるんだからオケはいらない。
オケなくしていいから、もう少しチケット代を安くして欲しい。
そうすれば、気軽に、仕事が早く終わった日とか、リピートできるのに。
ミュージカル・コメディ「妊娠させて!」
東京芸術劇場
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2008/02/01 (金) ~ 2008/02/07 (木)公演終了
満足度★★
う、うざい・・・うっとうしい
シリアスで、現実的な問題定義のされた
社会派な内容をミュージカルの力を借りて、わかりやすく、
角を取って、訴えかける・・・という作品の意図はわかる。
なので、これは僕の個人的な趣味、見解を率直に申しますと、
ぐちゃぐちゃ回りくどい理屈をこねた
イライラする作品で、非常にうざい、うっとうしい。
これは、自分が○×、白黒をパッパっと決める性格なので
言い訳、理屈を繰り返す3時間弱は、非常に苦痛であった。
非常に繊細な問題ではあるものの、
芝居の台詞の中にあるように「自己満足」を求める人の話であり
共に生きる、共に生活する人のことなど、そっちのけで
考えている人達の話で、全くもって退屈。
実生活でも、自己益、自己満足な行動なのに、相手に、その結果を
認めてもらおう、評価してもらおうとする人はいますが
あまりウマは合いませんねぇ。
これだけ台詞の多い役のマルシアを見るのは初めてですが
四季にうじゃうじゃいる外人役者(アジア系)よりは、まともだけど、
やっぱり巻き舌のような感じがし違和感がある。
一人、朗々と歌い上げる今井氏は、いかにも好色風で、
なんで結婚相談所を利用しているのか、良くわからない。
鈴木ほのかが、あんなに所帯じみた感じというか、
老けた感じがして艶がない。
キラっと光るのは、ANZA。
彼女はりりしく、舞台に潤いを与えていた。
しかし、この作品は、小さい作品。
博品館や青山円形、せいぜいパルコ劇場で上演される程度の大きさの
内容。キャストも雰囲気も、芸術劇場を埋めるには
程遠いほどの間延び。
この空虚さが、よけいに作品をすっかすかにしているのかもしれない。
肝っ玉おっ母とその子供たち
THEATRE1010
THEATRE1010(東京都)
2008/01/18 (金) ~ 2008/01/30 (水)公演終了
爆睡してしまいました
初シアター1010、都内西部に住んでいると、なんとなく遠い気がして
足を運ぶには抵抗があったのですが、
誘われて北千住まで行って来ました。
今更かもしれませんが、新国立中劇場をコンパクトにしたような作りで
まずまず観易い劇場でした。
なんとなーく、受付に子供が座っていたり、劇場の雰囲気が
公民館風に感じたのは、まぁ御愛嬌。
その新国立で見た大竹しのぶ版と、嫌がおうにも比較してしまうのですが
肝ッ玉というには、草笛光子は、ややご高齢・・・。
品格もあり、立ち姿も御立派な名優とは思いますが
剛毅さというか、したたかさというか、
いわゆる脂が乗り切った、エネルギシュな女性像には
ベテランすぎるといいますか、年齢が上過ぎ。
大きな声を出せばいいってもんでもないですが
やはり、力強さが声にも仕草にもなく、
その違和感に3時間もの長時間は耐えられず、
一部も二部も、爆睡しちゃいました。
とにかく静かでボソボソした劇なんで、良く寝れました。
椅子もゆっくり出来たしって、すいません(汗)。
てなわけで、★★程度の作品かもしれませんが
今回、星つけは遠慮します。
でも、この芝居も8000円もするんですよねぇ。
僕は招待してもらったから、文句も言えないけど
わざわざ都心から離れた劇場に足を運んで
(北千住は都心かもしれない・・・?)
見るには、もっと特徴ある芝居を上演するか
チケットが安いか、
何か個性がなければ、この劇場へは、もう行かないだろうなぁ。
そうそう1010席って、1010円の席が、この作品には
設定がありました。新国立のZ席みたいなものでしょうか。
あと区民割引とか。
まぁ安くなっても、良い作品でなければ(自分好みな作品でなければ)
わざわざ千住まで行くなら他の作品を近場で見に行きます。
IZO
劇団☆新感線
青山劇場(東京都)
2008/01/08 (火) ~ 2008/02/03 (日)公演終了
満足度★★★
アイドル芝居の概念を覆す、良作
チラシやポスターの雰囲気と、実際の舞台の雰囲気に、
格差を感じる作品って、時々感見かけます。
特にアート系なチラシだったりすると、そのイメージを期待していき
作品の内容とは関係ない?別の部分で評価してしまったり。
その切り口では、この作品は、水墨画のような
チラシのイメージを、そのまま再現している。
スライドを多様しているのだけど、和紙に写しているような雰囲気と
影絵のように見せる手法で、舞台と一体化し
とてもバランスよく溶け込んでいた。
「エリザベート」や「モーツァルト」で利用されているスライドは
「いかにも」的で、単に舞台装置を安上がりさせているだけのような
イメージがありましたが
「テイクフライト」しかり、技術の向上は目を張るものがあり、
(その究極が、オリジナル版「ウーマンインホワイト」)
舞台世界を構築する見せ方として活用してほしい。
まぁそれはそうと
この作品、新感線なのですが、おふざけがなく
とても真剣一本調子で、好感が持てます。
新感線のカタルシスあふれるダイナミックさは割りと好きなんですが
数人揃って「アッハッハ」とか、くだらない小ネタは
鼻について不愉快だったのですが、この作品は硬派一直線、
どこにも「ユルい」部分がありません。
そして、立ち回りのシーンが、従来の新感線が
マンガチック、チャンバラごっこのような、ある種ダンスの振り付け的で
単なる「見せ場」であり、何らリアルさはないのですが
この作品は、「エグさ」と「イタさ」が伝わる、
思わずのけぞってしまうような、スプラッター的な表現さえあります。
森田剛って、良く知らないど、ジャニーズの現役アイドルですよね。
客席も、御馴染みの「うちわ」を持っていそうな女性ばかりなのですが
(僕も「大好きな剛君の芝居に空席を作りたくない!」という方から
二束三文で譲っていただきました。)
内容は、こんなにも男臭い、どちらかといえば
男が「しびれる」ようなクールさと、残忍さが溢れ
王子様的、ふわっとした甘さは一切ありません。
終始、汚い風情で(役作りなのかなぁ)格好良さもありません。
それでも、さすがはスター、3時間30分、グッと観客を惹き付けるのは
彼の魅力が強いのでしょうか。
アイドル芝居じゃ、見たことのないほどの力強さ。
しかし、ジャニーズって、本当に偉いなぁ。
青山を1ヶ月公演するって、大きなプロジェクトのはずなんだけど
安全パイに収まることなく、そのタレントの可能性を探るような
作品を出してくる。
(「ハイスクールミュージカル」のような王道ではあっても
手抜きな駄作もあるけど)
アイドル芝居の概念を覆す、制作陣の心意気を感じる
良作です。
いやいやジャニーズファンだけに見せておくのは、もったいない。
難点は、テンポの良い芝居だけど、そのシーンから溢れるほど
台詞が多いのでしょう、
何を言っているのか、早口なのか言葉が難しいのか、聞き取れない、
よく意味がわからないシーンが多々ありました。
舌が回ってないというか・・・四季・浅利慶太が見たら
怒り狂うであろう、聞き取れません。
僕はIZOの話を知っていたので、ついていけましたが
予備知識なかったら、わかんないだろうなぁ。
SOHJI・そうぢ!
劇団たいしゅう小説家
本多劇場(東京都)
2008/01/19 (土) ~ 2008/01/27 (日)公演終了
満足度★★
大林素子は、デカかった・・・
毎回、かなりの割高感に苛まされる「劇団たいしゅう小説家」。
このキャストで、この内容で、この舞台装置で、このチケット代は
ないんじゃないか?と毎回思うんだけど、ご縁があり足を運んでいる。
キティフィルムがプロデユースしている劇団なんですよね。
刺激は少なく腹を抱えて笑うこともないけど、そこそこ無難で
安定した作品は送り出している。
ただ平凡で、斬新さや格調高さはないので
「これ、6000円じゃなくて4000円くらいなら他の人にも
薦められるのに・・・」と感じている。
作家の偏った思想や、独りよがりの芸術性、
思い込み激しい役者の熱演など、うざったいものが薄いので
娯楽作として楽しみやすいのだ。
しかし、この作品は、なんの勘違いをしているのか
上記のうざさが充満した、劇団たいしゅう小説家らしからぬ
駄作である。
見るべきものは、大林素子のデカさだけ。
いやぁ本当にでかく、ごっつく、出演者の誰よりも強そうだった。
極端に背が低い石井正則との対比を見せようとした
超安価な設定も不愉快。
お笑い芸人のはずの石井は、何故か一人、思い込み演技。
周りのテンポにあわさず、一人、自分の間を大切にし、
決してビジュアル的に良い訳でもないのに、決めポーズを連発する。
一人で、じっくり熱く演技らしきものをしているので
話全体のテンポが悪く、1時間45分しかない作品なのに
とても長く感じ、見ていて疲れるのだ。
声は悪くないど、彼自身、大御所気取りでいるのかなぁ。
そして、この作品も、毎度毎度のイケメンを勢ぞろいさせた
ホストクラブ系、お遊戯合戦。
最近の若い男の子達(特にイケメン達)って、カラオケ世代なだけあって
みんな器用に、そこそこ演技もするし踊れるし、立ち姿もりりしいのだけど
この作品に出ていた男の子達は、びっくりするほど下手。
特に、土方と近藤勇を演じていた2人は、
「わざと、こういう風に下手な芝居をしているのか?」と思うほど下手。
内容も、シリアスなのか笑わせたいのか、
どっちつかずな退屈さで
イライラしっぱなしな1時間45分。
この作品で6000円払うなら、
同じ下北沢の近くの劇場で、他の作品を2本見たほうが
たぶん、まし。
ブルーシーツ
ネルケプランニング
紀伊國屋ホール(東京都)
2008/01/09 (水) ~ 2008/01/20 (日)公演終了
満足度★★★
最近、多いなぁ・・・こういうの
演劇界は確かに女性観客の人が土台をささえているとは思うけど
最近、こういう若い爽やかな男の子達の群集劇って多いなぁ。
可愛い女の子た達って、こういう男の子達の刺身のツマ程度の
役割で出演する程度で、ジャニーズ筆頭に、こういう作品が目を
引きますね。
それにしても、最近の子は器用だなぁ。
踊って、笑って、泣いて。
チラシの内容に書いてある程度で触れるけど
ネットカフェ難民をモチーフにした作品です。
本当のネットカフェ難民は、劇場へ足を運ばないから
問題ないとは思うけど
リアル・ネットカフェ難民が見たら、怒り狂うほどの
あまっちょろーい話。
綺麗に整えた髪、清潔感ある顔、姿、おしゃれな服装、
まぁお芝居だから、話の中身はともかく
男の子達が、いろんな表情していれば問題ないんだと思います。
でも、この出演者達って誰???
紀伊国屋をで2週間も公演を打ってるってことは人気者???
(ガラガラだけど)
お見送りでも、主役の子が握手をしてます。
外から見えないように、囲って、スタッフも、もったいぶったように
引率してましたが
誰も握手をしてません。
どこかでは、人気者なんでしょう。
主役のハグ君は、存在感もあってキラっと光ってました。
彼もテニスの王子様か何かかな、彼は伸びそう。
まぁ話につっこみを求めず、
男の子達を楽しむ、ホストクラブ遊びのような?芝居。
役者の名前もホストみたいな名前だったな。
まぁまぁ普通。
モーツァルト!
東宝
帝国劇場(東京都)
2007/11/19 (月) ~ 2007/12/25 (火)公演終了
満足度★★★★
井上ウォルフガング 千秋楽
今回の公演も、何度も足を運び、改めて
「僕は、この作品が好きだなぁ」と感じました。
登場人物の色々もあるけど、なんといっても
現代社会に通じる組織に属する人間のせつなさ、人間の業や欲、
きれいごとで済まされない、夢物語ではない、生々しさが
含まれているので、非常に奥が深い。
結局、モーツァルトは、フロントに立つ人間として消耗され、
寂しい生涯を終える。
きらめく宝石に気付いた周りの人間は、よってたかって、
彼に近づき奪い取る。よくよく見れば、誰一人、彼自身を愛し、
彼を思いやっていない。
きらびやかなミュージカルの世界で、こんなに男社会を描いた
作品は、ほとんどないだろう。だから共感するのだ。
さてされ、本日の千秋楽も、
これだけ「モーツァルト!が大好き」と長年言い続けていたおかげで、
偶然チケットを譲って頂き、観劇する事が出来ました。
井上君は、努力をいっぱいして、勉強もいっぱいしたんでしょう。
良くなりました。
でも彼には、この地点が限界かなぁ。
天才・中川には、届かない、中川ウォルフは声が出なくても腐ってもタイ、
井上ウォルフよりは正直うまい。
働き者の市村パパも、声が出なくなってしまってました。
表情から、お疲れが手に取るように見えます。
でも、そこは熟年の技、声が出ないと、今度は
本泣きして、胸がいっぱいで声が出ないように演じ、切り抜けます。
ヒロも上手くなった、というより、凄く良かった。
彼女は、歴代のコンスタンティンの中で、一番のハマリ役じゃやないかな?
もともと、小憎たらしい顔しているし品もなければ学もない顔をしているので、
役柄にピったり合うのだ。
しかし、帝劇の御客様には、あまり人気がないようで
極端にカーテンコールの時に拍手が少ないのは何故?
僕は、一生懸命手を叩きましたよ。
涼風は、酷かった。歌も芝居も全くダメ。
役柄を理解していないとしか思えない、ナメてます。
まぁ本人も、カーテンコールの挨拶のときに泣いて詫びてましたが
香寿たつきの足元にも及ばないほどの下手くそ。
稽古不足を理由にしてましたが、そんなの関係ありません。
一路真輝と変わらないほど、下手。一路は更に態度が大きいから
たちが悪かったけど。
本人がいくら反省していても、芝居は一期一会、
演出家がきっちりと指導してもらわないと。
他の役者陣は、皆様立派。これは職人技。
こうアンサンブルとか脇の厚みが四季とは全く違うんだよなぁ。
周りがしっかりと芝居を支えているから主役が光ると思う。
いやいや、11月から12月は、目白押しで大変だった。
でも充実した年の瀬でした。
モーツァルト!
東宝
帝国劇場(東京都)
2007/11/19 (月) ~ 2007/12/25 (火)公演終了
満足度★★★
中川ウォルフガング 千秋楽
もう公演も終わっているので、単刀直入に。
「高音を出せない、中川に、価値はない」
彼の持ち味は、神の声とも言われているほどの天才的な
綺麗で伸びやかな高音である。
それが全く出ていない。幻滅である。
作品は非常に魅力的で演出も素晴らしいのだけど
彼の声が出ていないのだ。
これじゃ、13500円の価値はない。
リピーターゆえの不満なんだけど、彼の歌を期待して、苦労してチケットを取り、
劇場へ足を運んでいるのだ。
今回は公演回数も少ないはずなのに、プロとして、いかがなもんだろう。
それを隠すかのように乱発するシャウト。
芝居が良くても、ミュージカルですから、歌えないとねぇ。
かなり苦労して観劇した分、
期待度が高く、愚痴が増えてしまった。
十二月大歌舞伎
松竹
歌舞伎座(東京都)
2007/12/02 (日) ~ 2007/12/26 (水)公演終了
満足度★★★
夜の部 観劇
「寺子屋」本当に、この演目って頻繁に上演されますね~。
たいして興味もないけど、もう5-6回見たような気がする。
猿之助に幸四郎の松王丸・・・今回は勘三郎。
ぶっちゃけ3階A席からは、細かな芝居の良し悪しはわからない上、
そんなに歌舞伎を見慣れていないので、上手い下手を言う資格もないけど
歌舞伎座って、どんな作品でも、ちゃんと歌舞伎座の舞台の
寸法に舞台装置を合わせて構成しているところが
職人技、プロの仕事と感心します。
それにしても、海老蔵は声がいいね、団十郎同様、よく通る。
聞いていて、とても耳なじみがいい。
それに比べると勘三郎の声は損ですね。
「ふるあめりかに袖は・・・」
昔、日生か銀座セゾンで見た玉三郎バージョンは、
もっと落ち着きというか、格調さがあった気がする。
昔の話なんで、自信はないけど。
今回は、以前、新橋演舞場で玉三郎が演出した藤山直美バージョンと
そっくりな気がする。
そう、非常に大衆的。
歌舞伎座は、万人受けする作風を上演する義務はあれど、
こういう玉三郎の姿を観客は期待しているのだろうか??
僕は、これなら藤山直美のほうが、絶対的に間の取り方や、
細かな仕草は上手いし、面白いので、彼女のほうが面白かった。
玉三郎は、艶やかで、優雅な姿を堪能するのが醍醐味。
ちょっと期待はずれ。
でも歌舞伎座公演って贅沢ですよねぇ。
ちょい役で、海老蔵や右近が浪人?役で出演したり
ピエロのような役を福助が演じたり、
腰元ダンサーズ程度、いやそれ以下の役を春猿に回したり。
この作品で、もうけ者は、獅童。
少し前に見た、音二郎のニーロと役柄かぶってるけど
獅童だけは、現代風情で、いやがおうにも目立っていた。
いろいろスキャンダルがあっても、
映画で和央ようかの相手役をしたり、赤坂アクトシアターの
こけら落としを飾ったり、
華々しい活躍で。全てエイベックスの力かな。
キル
NODA・MAP
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2007/12/07 (金) ~ 2008/01/31 (木)公演終了
満足度★★★★
ブッキーは良かった
あちこちから賛否が聞こえる作品ですが、
僕が見たクリスマスの夜の公演は、
オープニングの独白から、しっかりと台詞も劇場奥まで響き通り
堂々とした姿で登場した妻夫木ブッキー。
いやいや彼は凄い、線の細い体型ながら、スケールの大きさを感じさせる
芝居をし、甘さと弱さ、軽さと強さをしっかりと体言している、
俺には伝わりました。
確かに、前2作を見ているので、最初から話がわかっている、という
メリットがあるので、役者の演技具合に集中できる。
舞台装置も変わっていないから、芝居だけ見てればいい。
それを差っぴいても、彼は上出来です。
初舞台とは思えない。
僕が見た回だけかもしれませんが・・・。
なんていうか、舞台に現れるだけでキラキラっとした
オーラが光り、目をひくのです。
だからアンサンブルに紛れるようなことは、ない。
これぞ平凡そうに見える中でのスターの資質、舞台の真ん中に立つ
資格の有る者が持つ力です。
先月、同じコクーンの舞台で主演を張っていた、小栗旬には、これが薄い。
ブッキーとの器の違い、格の違いでしょう。
ブッキー位の人気者なら、大手ホリプロの看板役者でもあるし、
彼の為のアテ書き作品で舞台デビューすることも
簡単でしょう。
それをあえて堤テムジンのイメージがついている作品に挑戦する姿勢には
脱帽。
ヒロスエもいいねぇ、彼女の個性がしっかり生きている。
声も言い回しもヒロスエ節だけど、それが彼女の味だから
いいスパイス。
何より終盤の強さを兼ね備えた女性像を演じるあたりは
大女優の貫禄さえある。
やたらうるさいのが、勝村と野田。
キャンキャンどうでもいいことをワーワー喚く、この2人はいらない。
あとは普通。
いやいやブッキーには、これからもどんどん舞台に立ってほしい。
ウィキッド
劇団四季
電通四季劇場[海](東京都)
2007/06/17 (日) ~ 2008/08/31 (日)公演終了
満足度★★★
樋口エルファバでも・・・
「もう絶対見ない!」と心に誓ったのに、
1階の良席で誘ってもらい、キャストも未見の樋口エルファバだったので
師走だけど観劇納めで劇場へ。
近くで見れば見るほど、この作品に、この劇場は小さすぎる。
本当に窮屈である。圧迫感がある、せせこましい。
これじゃシアタークリエ。
一つ一つの小道具は丁寧に作ってあるし、工夫もしてある。
やっぱり帝劇で上演して欲しいなぁ、きっと1幕のラストシーンも
もっと迫力があるに違いない。
そして樋口エルファバだが、いやに明るい、元気ではじけている。
無理に元気ぶっているのか、脳天気なキャラ作りなのかはわからないが
影が見えない。
これがラストまで、そのまんまだからメリハリがなく一本調子になってしまっている。
沼尾グリンダは、見るたびにPTAのおばちゃんになっていくし
李タオは、まんまサラリーマンNEO.
あぁダメだ、俺には合わない、素直な見方が出来ない・・・
東宝で、笹本・新妻コンビでも構わない、
ボーイフレンドは城田優でも構わない、せめて学生が学生らしく見られる
キャストで、この作品を上演してくれ~~~。
アイーダ
劇団四季
新名古屋ミュージカル劇場(愛知県)
2007/05/12 (土) ~ 2008/01/05 (土)公演終了
満足度★★
これじゃ、2軍戦・・・
今週で千秋楽を迎えるアイーダ名古屋公演、
こういった注目が集まるような週には比較的ベテランキャストを
揃えて非難を回避している四季。
今回も、濱田・井上の両アイーダ、阿久津ラダメス、佐渡アムネリスが
他の作品から外れていることから
「オリジナルキャストで見れるかな」と期待して行ったら
良く判らない名前の女優陣とサムカーマイケル渡辺正。
「何だこりゃ」と思ってみていたら、
女優陣は、こないだまでアイーダのアンサンブルをしていた人ら。
若手の登板は必要と思います。
新陳代謝は企業の活性化に不可欠です。
しかし、歌が上手い下手とか、芝居がどうのこうのというより
舞台の真ん中に立てる資質があるかどうかが、根本じゃないでしょうか?
宝塚が面接の項目に「容姿端麗」と謳っている様
見ていて魅かれる、というのが第一条件のはず。
サムカーマイケルと全く同じ歌い方、話し方の渡辺正は、
それでも、まだ清潔感ある風情なので
良くなって行くかもしれません。
でも、今は良くありません。まだ30点程度です。
良くないうちに正規料金で観客の前に出すのは、いかがでしょうか?
メインの女優2人に至っては、問題外。採点以前の問題。
田舎娘の学芸会です。
語尾をわーわー伸ばして歌って、すぐにポーズをつける。
全く持って不愉快極まりない。
五体満足なら、誰でもいいのでしょうか?
お客が入らないから、キャストを安くあげて固定費を減らして・・・って
どっかの企業じゃないけど、ほんと悪循環。
前のほうを陣とっている熱狂的四季ファンの方でしょうか?
カーテンコール後、観客は帰る流れになっているのに
客席に向って
「素晴らしい芝居を見せてくれたキャストの皆様に、
もう一度、熱い拍手をしましょう!!!」って呼びかけてました。
帰りかけだから、みんな立っているので、おのずと
スタンディングオベレーション。
再度登場し、その様子に涙くむキャスト、あぁ情けない。
これだけ日本もミュージカルが増えてきているのだから
「ダメ」な作品には「ダメ」な態度で接するのが、
本当のファンではないでしょうか?途中で立つとかカーテンコールは
拒否するとか。
新年早々、ホント不愉快にさせられました。
恐れを知らぬ川上音二郎一座
東宝
シアタークリエ(東京都)
2007/11/07 (水) ~ 2007/12/30 (日)公演終了
満足度★★
芸術座跡じゃなくて、旧・日比谷みゆき座(映画館)跡
芸術座の後継劇場として宣伝されているシアタークリエ。
これは声高にいいたい、決して芸術座の跡じゃぁありません。
日比谷映画の入り口を流用しl、地下にあった日比谷みゆき座(映画館)を
改装しただけの、非常に、安っぽい簡易トイレのような劇場になってました。
12000円という商業演劇価格でありながら、劇場としての
「品格」が全くありません。
狭いロビーにはソファどころかベンチされもありません。
オシャレなスナックを壁にもたれて立って食べます。
男性トイレは5基しかなく、女性用の状況はわかりませんが
男性トイレは長蛇の列でした。
劇場の中も、ダクトむき出しコンクリートが張り巡った天井、低い天井。
重みのない床、ベニアのようなカーペット、そして狭い小さな椅子。
喫煙者は、外に出て、シャンテのゴジラ像の場所まで
行かされます。
とにかく圧迫感があり閉塞感がある劇場、
パルコやルテ銀、コクーンやシアターアプル、三越劇場にスペースゼロ、
どれよりも陳腐な劇場です。
劇団四季の劇場よりも、更に陳腐です。
20代の女性が考えた?支配人の劇場ですが、
きっと芝居を見たことないんじゃないか?と思うほど
おそまつな劇場。
「なんか、かわいいかも」
「なんか、おしゃれ、かも」
「なんか、かっこいいかも」
と、自己満足に浸った、おそまつな劇場。
女性らしさ、女性ならではの気配り、というイメージだけを
前面に出すことに熱心で、
本来の目的である利用者の立場を考えていない。
ファッション性だけを重視、「カフェ」気分を追いかけた、
若い女性だけが喜ぶ劇場、ゆえに
5000円程度の劇場にすべきでしょう。
「行きたくない劇場」の一つになりました。
現実から、別の世界にとても入れる雰囲気ではありません。
この劇場じゃ、内容はともかく、チケットは最大でも8000円が
限界でしょう。
そうそう、作品ですが
これは主役に全く力がない作品、その上、品がありません。
ユースケサンタマリアについては、台詞は噛むし、忘れるし
その度に客席を向いて、頭をかきかき、愛想笑い。
12000円の芝居ってことを、全く理解していない
勘違いも甚だしい出来。
常盤貴子は全く華がありません。
そもそも、みなが「ハ!」とするほどオーラのある女性の役なのに
最もオーラというか個性がありません。
もう何十回も公演を繰り返し千秋楽も近いのに
この出来栄えじゃ、ダメでしょう。
この二人以外は素晴らしいです。
何より堺正章は、さすが芸達者、彼のおかげで
ギリギリ芝居がもったといってもいいでしょう。
他の脇役の人も皆味わいがあり、見応えがありますが
その個性も全て主役の二人が邪魔をして、台無しにしています。
話の内容は、昔の三谷幸喜作品の焼き直し。
しかも3時間20分もある分、とても大味。
オリジナリティやカタルシスは全くなく、
まぁ商業演劇ですからパルコやルテ銀とは違う客層ってのが
前提かもしれませんが、
昔10年以上前に紀伊国屋で見た「ショウマストゴーオン」2時間の
作品を3時間20分にしただけの手抜き作品と言えましょう。
まぁ初めて劇場で見る人には
テレビで見たことある御馴染みの役者さんが、沢山出演するし、
話はわかりやすいので、そこそこいいかもしれません。
劇場にも行く機会の少ない人なら
「こんなもんだ」と思うからいいんでしょう。
でも僕には凡庸。
あぁスカっと満足する作品を見たい・・・。