満足度★★★
無理があるけど、楽しめる。
この作品の元となっている「映画」を見ているか、見ていないかで、
かなり印象が違うと思う。
僕は、映画を見てから観劇するほうを、いいと思う。
舞台装置や演出は、なかなか工夫があって楽しめる内容になっているけど、
タイトルになっている、ウェディングシンガーという仕事というか位置付けが、
日本では、それほどメジャーではないので、
ピンとくるまで、時間がかかる。
ただ、中身の割りに、ダラダラと3時間弱も上演時間があるので、
だんだん、どうでもよくはなってくるのですが。
すっきりすれば、2時間ちょっとでまとまると思うんだけどなぁ。
全体は、ロック・ポップスな音楽で満たされている。
WeWillRockYouのような感じ。
井上芳雄は、正統派なミュージカルスターであるので、
ギターを抱えて、歌い上げる設定に、かなり無理がある。
しかも、彼は顔立ちに育ちのよさというか、
教育を受けている、インテリ風な雰囲気があるので、
彼の座長芝居とは言え、最後まで違和感が残る。
役柄的に、ジャニーズ(誰でもいい)とか、ぐっさんとか雨上がりと言った、
お笑いタレントのほうが、しっくりくるような気がする。
優等生が、大げさに3枚目を演じている姿って、
どうもねぇ。
上原タカコは、可愛い。
歌も芝居もメチャメチャだけど、お人形さんのような、
彼女の立ち姿は、典型的なヒロイン。群集の中でも彼女は光る。
しかし劇場に殆ど男性の姿はなく。
モーツァルト!のヒロの時も思ったけど、
あのスピートの時のファンは、どこへ行ってしまったのだろう????
「スイートチャリティ」でも若い子の友人役を演じていた
樹里咲穂、一生懸命頑張っているけど、なんだか痛痛しい・・・。
彼女のマンマミーア・ドナを見てみたい。
こないだまで親子役だった鈴木綜馬が井上芳雄の友人役。
ミュージカル界は売り手市場か、人手不足なのか、
なんでもありかよって。
大澄賢也、彼はいい役者になりましたね。
そして、指揮者の塩田氏、かなりやりすぎです。
鼻についてきました。
と、いろいろ無理はあるけども、楽しい作品でした。
ハッピーなミュージカルコメディは好きです。
心震わすスケールの大きなナンバーはないけど、、
耳馴染みのする、軽いナンバーが多く、口づさみやすく、
劇場の外に出た後も、思わず鼻歌を歌ってしまうような、
そんな楽しい作品です。
しかしキャストからしても、S席8000円程度でしょう。
この作品こそ、バンドがあるんだからオケはいらない。
オケなくしていいから、もう少しチケット代を安くして欲しい。
そうすれば、気軽に、仕事が早く終わった日とか、リピートできるのに。