土砂降りぶりっこ
ピヨピヨレボリューション
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2015/04/14 (火) ~ 2015/04/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
旗揚げでこのクオリティ!
昔々、人間と魔女たちが共存していた頃のおハナシ。
最初の“ちゃんとした”合唱曲に始まり、いかにもミュージカルな重唱や手拍子、足拍子とカホンだけのほぼアカペラコーラスなど多彩な楽曲と民間伝承風の物語(洋風HげD夫気味??(笑))がいかにも、みたいな。
出演者も個性が様々で、歌も声楽系やゴスペル系がいたり、もちろん踊れるメンバーもいるし、単なるミュージカル以上の布陣?
旗揚げ公演でこれだけのものを創りあげるとはおそるべしっっ!!!
なお、曲終わりでいきなり次の場に飛ぶのは「ジーザス・クライスト・スーパースター」的と感じたり、空を飛ぶシーンに劇団四季「ユタとふしぎな仲間たち」(こどもミュージカル版)を連想したりと、勝手にオマージュと受け取る。
龍宮の庭
劇団皇帝ケチャップ
萬劇場(東京都)
2015/08/18 (火) ~ 2015/08/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
初日にA班、楽日にB班を観劇
1990年代の月9ドラマ(音楽によるところが大きいかも?)か柴門ふみか…な王道胸キュン恋愛物語。
思い切りベタなラプストーリーをリアルな人間界を舞台に90分程度にまとめるのは、ましてや惚れ薬やら疫病やら出てくるのでは難しかろうところ、龍宮というファンタジー世界にしたのは妙案。
更に龍宮での出来事とすることで人間関係の説明を省くことも可能ならしめているし、新たな価値観さえ附加(←過言)して見事。
切ない終盤からラストにかけても良く、プロローグが実は…と終盤でワカるのや紙ヒコーキの使い方とか惚れ薬の使い方とかもまた巧い。(ラストの装置のシカケは劇団桟敷童子や劇団離風霊船を想起)
また、ある人物の「心の声」の「見せ方」(A班のみ)にはワロタ。
欲を言えばあの「憎まれ役(“悪役”ではないよね)」にはもっと暴れて…と言うか掻き乱して欲しかったが、全体のバランスを考えればやむなしか?
スタッフワークは他に“承認式”と“走る乙姫“の場面の明かりがイイ。
ただ、音楽も良いが1曲目のアレは知っている身として違和感あり。
あと、いつもながら会話/台詞のセンスが良くて心地好い。
物語のキーとなる大事な台詞とかいわゆる名台詞などではなく、単に物語を進めるだけの何気ない会話がウィットに富んでいると言うかウマいことを然り気無く言うと言うか、だから具体例を挙げられないんだが…
そんなこんなで、今まで観た中で(旗揚げの「フランスパン…」は見逃した)一番好き。
なお、定刻開演もお見事!(本来は当然のことをしているのについ誉めてしまう昨今の小劇場界…(毒))
ちなみにA班(18S観劇)はファンタジックなのに対してB班(23S観劇)はリアルタイプ(配役もそうだし、一部の演出もオーソドックス)と差別化を図ったのもイイ。
で、結末を知っているとプロローグでクるよなぁ…。
人間とカマキリ(『キンダガートン・コップ』改め)
ナカゴー
ART THEATER 上野小劇場(東京都)
2015/10/22 (木) ~ 2015/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
酷いなー、バカだなー、ナカゴーだなー
まずは友近&なだぎのビバリーヒルズ青春白書パロディにも通ずる「いかにも吹替え調」な台詞回しが笑いを誘う。
そう言えば今までもこのパターンはあったっけ。
また、中盤までは結構元ネタを忠実に再現しているようで、その「意外とマジメ」なツクリな割には当然の如く元ネタに遠く及ばないギャップが可笑しい。
ある意味、往年の大映テレビのドラマ(赤いシリーズなど)を観て笑っていた感覚に通ずるんじゃね?
それが終盤になると例え元ネタを知らなくても「これはオリジナルだな」と気付くレベルの逸脱を始めて、このナンセンスな味わいがまた「いかにもナカゴー」(笑)。
さらに序盤でも出ていた下ネタ炸裂で締めくくって、これまたナカゴー!(笑)
で、実はその逸脱のヒントが前説の「キンダガートン・コップ改め…」というフレーズに含まれているのも賢い。
そんなこんなで漏れていた評判通りに酷い(←褒め言葉)上におバカでナカゴーで、大いに満足。
ホント、酷いなー、バカだなー、ナカゴーだなー(爆)
soifo
ボクキエダモノ
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2015/11/10 (火) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
鮮やかな青春群像劇、いろいろ翻弄された
高校1年生のあるクラスの生徒たち(+α)の物語。
ウブな者から大人びて過激な者まで様々な人物がいる上にトリッキーな部分もあり、あたかも様々な球種の変化球主体のピッチングで進めて行き終盤は豪速球に転じ、それでいて最後のアウトは隠し球でとるが如き鮮やかな青春群像劇、いろいろ翻弄された。
また、舞台後方に垂れている帯状のもの、開演前はチラリと見て染物の布かと思ったが、開演して明かりがはいればそれは透明ビニールに白いビニールテープ(?)を様々なデザインに貼り付けたもの。(出演者それぞれが作ったとのこと)
その舞台美術もセンスが良くかつ効果的で感心。
なお、この夏頃以降、アラサー役者が演じる高校生・中学生をよく目にし、それぞれ説得力があったが、本作の「あの方」は(父親との二役の関係もあったが)さすがに苦しい(笑)。
がしかし、出オチと言おうか飛び道具と言おうか、十分にネタになっていたので、これもアリ。(爆)
「ウミダ短編演劇集『こりない』/『スモーキン・スモーキン・スモーキン』
劇団ウミダ
APOCシアター(東京都)
2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★
こりない
海田主宰による前説からそのまま始まる表題作は分割されて他の各編の合間に演じられるスタイルにして「またやりゃーがった!」(笑)
前回賛否両論だった「だいなし」を「スモーキン…」の「おまけ」で巧く昇華させたと感心したのは何だったのか?(笑)
がしかし、そう何度も使えるワザではないという観客の油断をつき、少しカタチを変えてまた演る確信犯的な手口、ヤるなぁ(笑)。いっそこのまま毎回演って、ある程度たまったら番外公演でシリーズ一挙上演を…(爆)
他の4編は海田作品と出演者を含む他者作品が半々、バラエティに富んでいたが、とっちらかった感もアリ。
個人的には「やらない」「ふれない」の2作が特に好きかな。
なお、うち1編を「こりない」の劇中劇のようにしたアイデアも〇。
「ウミダ短編演劇集『こりない』/『スモーキン・スモーキン・スモーキン』
劇団ウミダ
APOCシアター(東京都)
2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★
スモーキン・スモーキン・スモーキン
表題作である1編目は冒頭から大見得を切る感覚がカッコイイ…のだがその反動で後半に失速感が漂うのが惜しい。 が、「そうだよね、やっぱり」なオチは好み。
2編目「理不尽な財布」は二人芝居の前半と三人芝居の後半で分割された感、無きにしも非ずであるが引野早津希嬢の好演に免じて片目をつぶろう(爆)。
続く3編目「のんびりさん」、4編目「いつかばったり」はMCR櫻井さんのブラックな部分、アマヤドリ広田さんの詩的な部分、とそれぞれの個性丸出しでニヤリ。
ラストの「おまけ」も前回公演「だいなし」の発展形的で愉快。
親戚の話
コマイぬ
古民家シェアサロンasagoro(東京都)
2015/10/02 (金) ~ 2015/10/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
人物それぞれの「距離感」を実感
従弟の結婚式で久しぶりに石巻に帰省した新婚夫婦と披露宴にも出席しなかった従妹との会話劇。
比較的ライトに始まりながらやがて震災や“親族の暗部”について掘り下げてゆき、それを埋める方向に転じたかと思わせてまた掘る(笑)という構成と、登場人物3人はもちろん彼らの会話に名前が出てくる人物たちまでそれぞれの「距離感」がまるで自分の身内のそれのように実感できるのが見事。
NBL大作戦
ゲキバカ
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/11/07 (土) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★
「シッポまでぎっしりアンコの詰まったたい焼き」のような娯楽作品
型破りなGジャン先生が受け持つ3年B組は「バカのB」と言われるダメ生徒が集まったクラス。そこに二学期から可愛いコが転校してきて…と、ベタと言おうか王道と言おうか、な学園ものに姉を探している宇宙人のプリンセス一行が加わっての騒動記。
おバカを基調に、ベタさ、チープさを加え、SF要素、感動、サスペンスとアクションにちょっとした風刺まで盛り込んでオマージュで味付けし、それらが奇蹟のような絶妙のバランスで組み上がっているのは映画版クレヨンしんちゃんに通ずるのではないか?
(ネタバレBOXへ続く)
悪魔はいる
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★
およそSPIRAL MOONらしからぬ戯曲を自らの色に染めて
陰湿かつ過度な抗議行動から身を隠した小さな出版社の面々と作家をめぐる物語。
いつもは「やさしさ」「あたたかさ」が漂うSPIRAL MOONに底辺を「悪意」が大半を支配する戯曲は異色。
がしかし、台詞回しや間合いから生ずる舞台の雰囲気はまぎれもなくSPIRAL MOONそのものだし、微かに光明が見えるラストシーンは音響・照明も含めて真骨頂。
ところであの「現実にあったこと」は本作をオリジナルである820製作所が初演した昨年夏よりあとだって?…こわぁ。
なお本作は、それまで「本当に悪い人物」が出なかったのに対して初めて「悪い奴」が登場した演劇集団キャラメルボックスの「TRUTH」的な作品と言えるのではないか?
くそったれの世界
ソラトビヨリst.
ギャラリーLE DECO(東京都)
2015/10/28 (水) ~ 2015/11/01 (日)公演終了
センスの良さに舌を巻く
短編2本に中編1本の60分3本勝負。前菜二品・箸休めにメインディッシュという構成と言えるか?
その構成、各編の発想と落とし方などセンスの良さに舌を巻く。(詳細はネタバレBOXにて)
ありふれた話
猫の会
スタジオ空洞(東京都)
2015/07/22 (水) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
「明るい夢十夜」的な感覚?(笑)
タイトルとは裏腹に日常をちょっと踏み外した感覚の奇譚。
「相互胡蝶の夢」を経て主客逆転のラストが鮮やか。
「明るい夢十夜」的な感覚よりもっと近いものが…と話したら、「川上弘美?」と問われて「あ、それだ!」みたいな。(笑)
猫と洞窟と夏についての試論
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2015/07/23 (木) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
今後いろんな演出で観てみたいとも思う
いかにもな柳井脚本なので十七戦地ファンは必見?
クールでスタイリッシュな装置も一見の価値アリ。
さらに、この内容でそう座らせるの?な演出も面白い。
人数・上演時間とも程よいので今後いろんな演出で観てみたいとも思う。
なお、冒頭部分でDART'S作品を連想したが、脚本の柳井さんがDART'Sをお好きであると伺って大いに納得。
-奇譚-地獄たられば
グワィニャオン
上野ストアハウス(東京都)
2015/08/06 (木) ~ 2015/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★
あれこれ流石
内容的には人の業から世の不条理、さらには戦争にまで言及し、構造的には伏線の散らし方と回収が巧みで、序盤の場面の疑問も最後に解消するのが流石。
古典的な「地獄らしさ」ではなく、さらに抽象系で部分的にはモダンアートっぽくさえあるのにちゃんと地獄を感じさせる舞台美術や、21世紀である今っぽいのにそれらしく見える「地獄の職員(笑)」のいでたちも面白かった。
その「地獄の職員たち」、キャラクター設定がいかにもグワィニャオン的で、中でも すわいつ郎さん演ずる人情家の鬼が良かった。(ザ・ドリフターズの雷さまのコントを連想しないでもないが…(笑))
2番目でもいいの♡
劇団ズッキュン娘
南大塚ホール(東京都)
2015/08/14 (金) ~ 2015/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★
再演につき更に読みが深まったような
あることをきっかけに発覚した不倫の顛末。
初演時同様、主人公・マチコの身勝手さに呆れ相手の妻・ヒトミの聖人君子ぶりに菩薩を見る(爆)。
が、それは既知の事実だったため、今回は更に読みが深まったような…。
まずマチコ。あれはただ身勝手なのではなく、2番目でもいいけれどそれでも彼を愛する“健気な自分”に酔っているのではないかと。
そしてそんなマチコなのに憎めないのは男としての後ろめたさがあるからではないかと(爆)。
いや、身に覚えがあるというのではなく「同じ男であるシゲちゃんがあんな態度で済みません」的な…ね(笑)。
しかし男性客に居心地の悪い思いをさせるなんて、あざといよなぁ(笑)。そこんとこ、女性の方々はどうなんだろう?
次いでヒトミ。あの聖人君子ぶりは不倫をした時の(あるいは現在進行中の不倫の?(爆))相手の妻がそうであったら、という作者・藤吉みわ嬢の願望ではないか?(爆)
いや、男性客も自分の妻がそうであったらと思うのではなかろうか?(笑)
そんなこんなで、脚本がいろいろズルい(爆)。
初演との違いと言えば、舞台が広くなったためにOL側・主婦側それぞれの「陣地」がおよそ喫茶店らしからぬ横一列の席(初演ではボックス席的な感覚はあった)になったが、冒頭で舞台は喫茶店である旨説明するので問題なし。
その前説気味の状況説明をするのが「人ならざる役」の2匹で、浮世離れした(←褒めている)役者が演じているのも上手いよね。
パイドパイパー と、千年のセピラ
劇団ショウダウン
あうるすぽっと(東京都)
2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
千年のセピラ
まさしく「パイドパイパー」エピソード:0であり歴史は繰り返すであり「荒野の7人」を先に観てから「七人の侍」を観る感覚のようでもあり、「あのキーワード」にはキターーーっ!だった。
林遊眠嬢の基本アルト系の声と歯切れの良い台詞回しはとても心地好く、麻薬性があるんじゃなかろうか?
次の公演が待ち遠しくなるくらいならまだしも、東京公演がしばらくない時に大阪まで行くようになったらコトだな。(爆)
ヒミツボ -秘壺- 〜昭和歌謡短編集 其の二〜
はぶ談戯
劇場HOPE(東京都)
2015/11/03 (火) ~ 2015/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
穂科マジックに翻弄された
1編目のオチから2編目のオチを疑わせてケムに巻き、じゃあ3編目は…というと大ワザで締める穂科マジックに翻弄された。(詳細はネタバレBOXにて)
『銀飯モンスーン』
ひげ太夫
シアター風姿花伝(東京都)
2015/10/07 (水) ~ 2015/10/12 (月)公演終了
満足度★★★★
そのテがあったか!
毎度お馴染みの神話・民話的な世界と英雄譚的物語の融合。
今回はいつもより併行するエピソードが多目でそれらを経て最後のヤマを越えた時のカタルシスも大きい感じ。
また、長髪ザンバラの人物が登場(しかも二人)して「そのテがあったか!」(笑)。
東京学生演劇祭2015
東京学生演劇祭
王子小劇場(東京都)
2015/09/19 (土) ~ 2015/09/23 (水)公演終了
満足度★★★
創像工房 in front「僕僕僕僕僕僕僕」
ある女性が漂着した島の主、「僕」は彼女の過去の知り合いらしいが彼女には覚えがなく…から始まる物語。
衣装・メイクによって虚構性を高めることで寓話っぽくして逆にメッセージを強く伝える感じは好ましいが、個人的には各キャラクターが多少クドく感じ、往き来する自制の中で演じられる場がいつのことなのかすぐに察することができないこともあったのが残念。
遡上/傘を返しに
こねじ
magari 駒場店(東京都)
2015/09/12 (土) ~ 2015/09/14 (月)公演終了
満足度★★★★
会場との相乗効果
「傘を返しに」
この会場へのアテ書きでもある20分リアルタイムの会話劇。
説明台詞は1つもないのに、男女二人の会話からその関係や状況などが察せられるのが見事。
そして互いの想いはヒントを出して(極論すれば出しっぱ?(笑))おき、あとは観客の想像に委ねるのも巧い。
「遡上」
こちらは盛岡に実在する喫茶店をモデルにしての女優5人芝居。
やや特殊な事情に加えて「超自然的な」存在も登場するのにリアリティがあるのは各人物の造形に説得力があることと会場のサイズとの相乗効果か?
なお、ラストシーンでタイトル(の意味)を改めて思い出して納得。
ちなみにこちらが始まった途端に外を川が流れているように感じた暗示にかかり易いσ(^-^)であった(笑)。
平成舞姫
第27班
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2015/08/29 (土) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
グループD「しばらくは木の家」
女性限定シェアハウスの住人と周辺の人物が織り成す物語、個性的な住人とその友人(泣き過ぎ?(笑))を演じる4人の女優とやや誇張した演技が強烈な印象を残す男優2人ががっぷり四つな感じ。
そんな面々が時間をかけて調えた状況が一気に開花する終盤はドミノ倒しの如き快感。
冒頭をはじめとした時を表す場での手法も面白い。(唐突と言えば唐突だが)