満足度★★★★
鑑賞日2017/02/06 (月)
価格3,300円
何らかの微妙な「癖(へき)」を持つ3人の女性が少しだけ前進する3編の連作オムニバス。
基本はコミカルな中、ちょっとホロリとさせる部分でアクセントをつけ、3編目にそれまで2編の主要人物を登場させて大団円とするのが巧み。
また、前々回公演「か・ら・だ♡」のように全員ではないにしても半数以上の出演者が二役を演じ、その演じ分けによる変化も見もの。
【藤吉作品に関する考察】
本作に限らず藤吉作品は良くも悪くもベタな題材/キャラ/物語をテンションの高さとテンポの良さで戯画化して「見せてしまう」のが特色。が、観る側に気恥ずかしさなどを感じさせないのは作家・演者とも照れや迷いがなく吹っ切れているからと思われ、つまり「確信犯的犯行」…もとい「確信犯的作風」と言えるのではないか?
そのベタさ(換言すれば王道)加減は「ドラえもん」などに通じ、「悪いヤツが出てこない」という面ではある時期までの演劇集団キャラメルボックスをも想起させる。
本作においても意外な展開/結末はなくむしろ予想通りに展開し案の定な結末を迎えるがそれでも「見せられて(←魅せられて、ではない)しまう」のはそれが王道であり、たとえば落語の人情噺に近いのではないか?