じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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タオの月

タオの月

カプセル兵団

笹塚ファクトリー(東京都)

2008/07/23 (水) ~ 2008/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★

映画での場面が想像できる
1年前の『ゼイラム THE LIVE』と同じく雨宮慶太監督作品(未見)の舞台化ながら、今回は『ゼ』の反動かギャグも多く、その意味ではいつものノリに近いか?映画は未見なのにその見事な独自の表現により映画での場面が想像できてしまうのはさすが。
 
また、途中で出てくる「もたらされた平和によって気が抜けたようになってしまう」なんて台詞は原作にあるものなのだろうが含蓄アリ。
 
さらに、終盤でヒロインを救うのが祖父の形見の蜜刀だというのも上手い。
 
あと、時代劇だけに刀鍛治が愉快でオイシイ役なのは劇団☆新感線などと共通だね。

五右衛門ロック

五右衛門ロック

劇団☆新感線

新宿コマ劇場(東京都)

2008/07/06 (日) ~ 2008/07/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

いよッ待ってましたァっっ!!!
終盤のカルマとクガイの親子関係(「あなたが私を殺せなかったように、私もあなたを殺させるわけにはいかない」的な台詞とか)にホロリとし、最後の立ち回りの前に中心となる4人が白浪五人男よろしく名乗りをあげて見得を切る時はゾクゾク、島の水没という大スペクタクルを比較的簡単な装置でそれらしく見せるアイデアに感心。ムーヴィングライトを細かく揺らすことによる効果も見事。
なお、7月6日もプレビュー公演も30列67番で観劇。

あなたの探し物、無料(ただ)で探します(仮)

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u-you.company

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2008/07/24 (木) ~ 2008/07/30 (水)公演終了

満足度★★★

女子の会話を盗み聞きしているようでドキドキ
前半は後半への下地作りのためのエピソードの羅列的な感なきにしも非ずながら、それらを踏まえた終盤は圧巻。登場人物の大半がバーに集まって交わす会話は女子更衣室あるいは「修学旅行の夜」(劇中の台詞より)の会話を盗み聞きしているようでドキドキ。(笑)
 
まさに惹句にある「男子諸君!女のホンネをのぞき見しませんか!!」の通り。
しかもその場面が「颱風の夜」という設定なので、映画『台風クラブ』(95年、相米慎二監督)のように、颱風のために昂揚しているという雰囲気まで伝わってくるシカケ。
 
また、12人もいるだけいろんなキャラがたっていて面白い。
中では美少女クラブ31のメンバー演ずるところの女子高生の醒めた言い草が特に印象的。

大統領誕生

大統領誕生

劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2008/07/23 (水) ~ 2008/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★

構造が非常に巧み
基本的にはコメディながら、前半は政治情勢や日米関係などに対する毒や皮肉がたっぷり盛り込まれ、中盤にはミュージカル風シーンもあり、さらに途中でちょっとした謎をかけておいて、その謎をハッキリと解明せずに残して観客に判断を委ねたまま終わるという構造が非常に巧み。
 
また、ナマで観るのは初めての川﨑麻世がカッコいい。  
自らをパロディにしたような役どころを楽しそうに演じている上に歌もダンスも披露するし、キめるところはキめるし、やっぱり「スタア」。オーラを放っていると言っても過言ではあるまい。
 
以前からよくその舞台を観ていた中島大和、佐藤秀樹ご両人もホームゲームと同じくらい溶け込んでいたと言おうか、それぞれ持ち味を発揮してさすが。

パタリロ西遊記!

パタリロ西遊記!

Office《RELAX》

六行会ホール(東京都)

2008/07/22 (火) ~ 2008/07/23 (水)公演終了

満足度★★★

パタリロas孫悟空
西遊記の牛魔王関連のくだりを、原作通り羅刹女や玉面公主を登場させる一方、子供を紅孩児だけでなく青孩児、黄孩児との三兄弟にするなど膨らませて、そこに「パタリロ!」のナンセンスさを加味するという意欲作。(笑)
孫悟空(パタリロ)役が小柄で、しかもその行動の「しょーもなさ」がまんまなので「リアル・パタリロ」に見えてしまったりも。
…とか言いつつも、実は「パタリロ!」に関しては一般常識レベルしか知らないので、読み込んでいればもっと楽しめたかもなぁ、という悔いも少々アリ。
が、何故か西遊記に関する知識と仏像関連の知識はあるので、先述の三兄弟とかお釈迦様がちゃんと普賢菩薩、文殊菩薩(フッくん、モッくんだって…(笑))を引き連れているあたりにもウケる。
また、お釈迦様が衣装のみならず、2菩薩がちゃんと光背付きの台座を用意していることに感心。
衣装・メイクはそのお釈迦様のみならず、各キャラとも気合いが入っていて、それゆえオープニングで登場した牛魔王を怖がって小さな子が泣き出すなんて微笑ましいというか懐かしいというかそんな光景まであり。

イルミナ

イルミナ

演劇ユニットSel-fish

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2008/07/16 (水) ~ 2008/07/21 (月)公演終了

満足度★★★

剛速球一本槍
X-QUESTを思わせるSF未来アクションだが、剛速球一本槍の投球の如く終始緊張系なのでちょっと疲れる。程よくコミカルなパートをはさみ、2つの種族の衣装もハッキリと対比させればより面白く、よりわかりやすくなったのではあるまいか?

小指と殺し屋たち

小指と殺し屋たち

Last Brand

アイピット目白(東京都)

2008/07/18 (金) ~ 2008/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

力のある作品
一言で言えば「力のある作品」…「力作」でも「力のこもった作品」でも、ましてや「力んだ作品」でもなく、観る者をグイグイ引きつけるその力がスゴい。
傷害事件を起こした女性に接見する国選弁護人というオープニングから、黙秘を決め込む彼女の過去に移り、以降は昭和43年、東大の学生運動のセクトの1つが中心に描かれる、という構造。(その構造にちょっと『砂の器』を想起)
昭和43年にすでに物心ついており当時の世相も記憶にある身として「そうか、アレはあの頃のことだったんだ」と改めて認識するする一方、じっくりと描かれる学生運動の様子にも引き付けられ、さらにサスペンスフルで推理劇のような真相にはもうワクワク。
そんな過去が犯行に深く関わっていることが提示される終盤は、重さもありつつ、救いの余地をちゃんと見せて後味は決して悪くない、どころか、感動すら憶える。
この作品、これが三演目というのもよくわかるし、しかし「いつまでも過去の遺産に頼っていてはクリエーターとして失格」と今回で封印するという主宰の潔さもまた見事。封印前に観ることができて本当に良かった。

エブリリトルシング

エブリリトルシング

ネルケプランニング

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2008/07/11 (金) ~ 2008/07/20 (日)公演終了

満足度★★

もう一方を観ていないと意味が通じない
プロローグ、エピローグを伴う4編の連作短篇というスタイルの原作を2編ずつに分け、脚色で膨らませたプロローグとエピローグで挟んだ2つのバージョンとしての上演。どちらももう一方を観ていないと意味が通じない部分があるのは残念。

なお、Bは17列14番、Aは16列13番

ダブルブッキング

ダブルブッキング

K Dash Stage

紀伊國屋ホール(東京都)

2008/07/18 (金) ~ 2008/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

緻密に組み上げられた手工芸品を観るような感覚
オープニングのいかにもアングラ系な芝居のゲネ終盤部分に大笑いし、以降、トップス側での出来事を脳内で再生しつつそのリンクを楽しむ一方、こちら側独自で繰り広げられる新たな物語も加わり、緻密に組み上げられた手工芸品を観るような感覚。

ダブルブッキング

ダブルブッキング

K Dash Stage

新宿シアタートップス(東京都)

2008/07/18 (金) ~ 2008/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

さすが堤泰之作品
紀伊國屋ホールとトップスを役者が往き来して同時上演という「奇跡の作品」。主宰が紀伊國屋ホールの別劇団公演と掛け持ち出演することを知った劇団員が帰ってしまったという設定から始まるが、一方だけ観ても十分に楽しく、演劇讃歌的な内容も含めてさすが堤泰之作品という感じ。

戦国HEROES

戦国HEROES

YANKEE STADIUM 20XX

シアターサンモール(東京都)

2008/07/18 (金) ~ 2008/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★

娯楽伝奇アクションコメディ時代劇
現代劇だが、信長、秀吉、家康を中心として、そこに「鬼龍軍」という悪役チームが絡む内容は確かに「娯楽伝奇アクションコメディ時代劇」。

おバカネタやしょーもないショートコント、さらには邪道あるいは反則と言えなくもない(笑)客いじり、劇団員いじりまであるので、ウッカリするとそちらに気をとられて忘れてしまいそうだが、毎回新たな楽しませ方(中にはかなりの技術を要するものまで)を編み出しているのはスゴい。

今回は刀を持たずに動きと効果音だけで表現するのにちゃんと刀が見える「エアーチャンバラ」が白眉。

THE GHOST STORY

THE GHOST STORY

ネオゼネレイター・プロジェクト

ザ・スズナリ(東京都)

2008/07/17 (木) ~ 2008/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★

ユーモラスで切なさもある幽霊譚
デビュー作を除いてパッとしないミステリー作家が噂を承知で移り住んだ家に、やはり「出て」…という基本的にはユーモラスで、ちょっと切なさのある幽霊譚。ホラー要素は無きに等しく、しかし独特の面白さあり。
特に劇中で作家が書いている作品も舞台上で演じられ、それが劇中現実とクロスするばかりでなく、終盤では(劇中現実の)ストーリーをまとめる一端まで担ってしまうという構造がユニーク。
また、ラスト前には劇団離風霊船並みの(笑)装置のシカケもあり、最後は日本神話の「黄泉の国」を引用するなんて、もう好きな要素がてんこ盛り、みたいな?(笑)

VOICE ACTOR

VOICE ACTOR

劇団6番シード

萬劇場(東京都)

2008/07/16 (水) ~ 2008/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★

アフレコの特質が活かされている
よくあるバックステージものの声優版、あるいは『ラヂオの時間』の声優バージョンかと思いきや、単にシチュエーションを置き換えただけでなく、舞台やラジオ収録と一線を画すアフレコの特質が活かされているところが独自。
もちろん、バックステージ系ではお馴染みの(?)ギクシャクしたりもしながら1つのモノを創り上げるという軸は外さず、その意味で「一粒で二度オイシイ」と言えるか?
アニメの音録り風景は時々紹介されていて漠然と知っている気になっていたが、実際には生身で演じるのとはこんなに違うんだ、的なオドロキも多数。

アルケミスト

アルケミスト

少年社中

ザ・ポケット(東京都)

2008/07/16 (水) ~ 2008/07/21 (月)公演終了

満足度★★★

パウロ・コリーニョ原作
旗揚げ公演作品の改訂版でパウロ・コリーニョ原作の舞台化。夢を諦めない主人公よりも彼が旅の途中で出逢う夢を追う資金調達のために就いた仕事に本分を見出す者や、意図的に夢を追わなくなった者などに共感してしまうのは守りに入った証拠か?(爆)

ハギトル

ハギトル

劇団†勇壮淑女

ウッディシアター中目黒(東京都)

2008/07/15 (火) ~ 2008/07/21 (月)公演終了

満足度★★★

「世にも奇妙な物語」的不気味さ
小屋に住み込みのストリッパーたちといつも文句を言いに来るオバちゃん3人組、それとまだ見ぬ伝説のストリッパーに憧れる少女や隣町から引き抜きに来た女性などが織り成す人情系?…に見えながら、どこかアンバランスな「世にも奇妙な物語」的不気味さ・不安感が漂っていて、いつもと同じ日常から脱け出ることの難しさ(危なさ?)が次第にジワジワと湧き出てくるような感覚が独特。

恋人ができないが、もういい

恋人ができないが、もういい

箱庭円舞曲

OFF OFFシアター(東京都)

2008/07/12 (土) ~ 2008/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★

まるで自分もそこに居合わせているよう
初見であった前回公演『お前がダメな理由』同様、会話がとてもリアルで、広告業界の内側を覗いているような内容も「あぁ、そういうものなんだぁ」と妙に納得。
 
また、仕事と絡んだ人間関係も実生活でそうであるように「これが正解」というものがないので、それぞれの考え方に「その通り!」と共感したり「それは違うのでは?」と異論を持ったり、まるで自分もそこに居合わせているように錯覚させてしまうのは上手い。脚本と演じる役者陣のリアルさの相乗効果か。
 
雨降って地固まる、なハッピーエンドかと思わせておきながらも安易な結末にせず、まだまだ続いて行くんだよ、とする終わり方も上手い。(ってかこれまたリアル?)
 
そんな中、終盤で出てくるキャッチコピーに関する「作り手側だけ良いと思っていてもダメで、クライアントの評価が第一、そしてライターも楽しく思えるのがベスト」という内容の台詞が印象的。これってつまるところ劇作に関してのものでもあり、「劇中で宣言したな」的な?(笑)
 
さらに「でも、こうしている時が一番楽しい」というラストの台詞にはイタく共感。さりながら「稽古している時が一番楽しい」では観客としては困るのだが…(笑)

新宿番外地

新宿番外地

椿組

花園神社(東京都)

2008/07/12 (土) ~ 2008/07/22 (火)公演終了

満足度★★★

何ともオツ
オープニングで幕に投射される年号がどんどん進んで行き、2038年になるので「近未来ものか?」と意外に感ずるも、荒廃した30年後、歌舞伎町近辺が一種の隔離地域になっているという設定に納得。
 
途中に出てくる「かつてのゴールデン街」あたりは『新宿ブギウギ ~戦後闇市興亡史~』(05年)で舞台となった終戦直後のヤミ市にむしろ似ているほどで…
 
そんな近未来とはいえお得意の(?)一種ドロ臭い物語、90歳となった外波山文明が出てきたり、30年以上前の路上パフォーマンスの映像があったりしつつ、毛皮族の江本純子演出によるショウ場面もあり、夏のイベント的な独特のノリを堪能。やはり夏の風物詩、汗をかきかき、時々わたる風に涼を感じたりしつつ観るのが何ともオツ。

現代忍法 ぼんやり絵巻

現代忍法 ぼんやり絵巻

KUSARE芸道R

シアターブラッツ(東京都)

2008/07/10 (木) ~ 2008/07/15 (火)公演終了

満足度★★★★★

ほぼ絶賛状態
1億年(笑)にわたって山中に隠れていた忍者グループの一員が存在を世間に知らしめるべく禁を破って町に出、それを阻止するため長老一派が刺客を送るというナンセンスコメディ。
 
その設定によって何もかもアリで(爆)かなりベタなのに、要所要所では客席から「おーっっ!!!」と声があがるほどの立ち回りを見せる(←女性も含む)し、感動要素(ホントか?)もあるし、連作短篇風というか連続活劇の一挙放映のようにほど良く区切りがあってテンポ良く見せるし、これまたほぼ絶賛状態。
 
また、レギュラーメンバーはもちろん、今回初参加なメンバーも含めて台詞回しがとても自然で、内容的には思いっきりフィクションなのに妙にリアル(!)なのがフシギ。

“Kiss me, deadly”

“Kiss me, deadly”

smartball

王子小劇場(東京都)

2008/07/04 (金) ~ 2008/07/14 (月)公演終了

満足度★★★

ごく身近なイケナイ世界を垣間見る
日常と隣り合わせたごく身近なイケナイ世界を垣間見る感覚。以前はアメリカ映画などでごく普通な人物が犯罪に関わっていてヤバい連中とトラブるような設定があったが、その日本版、的な?
 
日本も進化(でイイのか?)したモンだ。…ってか、こういう設定がさほど絵空事っぽくなくなってしまったのはイイことなのか?。(戦後間もない頃にもありそう)
 
なお、『hg』で勝手に創り上げた宮嶋美子像がガラガラと音をたてて崩れ去る。(笑)

審判員は来なかった

審判員は来なかった

ペンギンプルペイルパイルズ

シアタートラム(東京都)

2008/07/10 (木) ~ 2008/07/20 (日)公演終了

満足度★★★

笑いの多いスタイル
04年秋の『246番地の雰囲気』以降観てきた不条理系・不思議系・不安系の作品群とは一線を画した笑いの多いスタイルで、それにちょっと戸惑いつつも「こういうのもアリなのね」と納得し、さらにケラリーノ・サンドロヴィッチとますます共通項が増えたようにも思う。(そもそも小林高鹿はナイロン100℃にいたワケだし)
また、7人の出演者だけで4箇所の出来事を演ずる(=1人で最大4役を演ずる)ので、その早替わりが見もの。装置もそれを可能ならしめるため、初の盆使用。これもまたデザインがイイ。
なお、この盆、かなり頻繁に回すので、出演者たちは稽古中に酔いそうになったり帰宅後もまだ床が動いているように感じたりしたこともあったそうで…(驚)
さらに倉持裕とPPPP古参(?)3人(小林、玉置、ぼくもと)、それに客演2人(片桐、安藤)によるアフタートーク(約35分)もあり、前述の稽古中のハナシや、古参3人が劇団員になった経緯とか、モロモロの裏話も聞くことができておトク感もアリ。

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