じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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朝焼けのパレード

朝焼けのパレード

ハチビットプラネット

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

第一級娯楽作
国家独立に尽力し初代大統領に就任した人物をクーデターによって倒した独裁者が支配する架空の国が洪水に見舞われ、その援助をするにあたり周辺諸国から出された条件によって実施されることとなった「民主的な大統領選挙」をめぐる物語。
といっても堅苦しいものではなく、候補者の1人が正体を隠した初代大統領の娘と知り、彼女を勝利させようと動く隣国からの報道記者たちを中心に描いており、娯楽性十分。
もちろん、報道が及ぼす影響やジャーナリストの使命と責任、クーデターによって独裁政権下に置かれた国民の気持ち、などシリアス気味なものもちりばめてあり、しかし全体的にはユーモラスで、緊張感(サスペンス?)の高め方と息の抜き方も絶妙、「娯楽性十分」どころか「第一級娯楽作」か?
そのシリアスさと娯楽性のブレンドの巧みさに『遠い夜明け』(リチャード・アッテンボロー監督、87年)を思い出す。
そんなストーリーに加えて人物設定と配置も完璧と言って過言ではないほどに上出来。
かつて記事をめぐって反目した(が、今回結果的に協力することになる)2人の記者がイキオイで行動するタイプと臆病なほどに「石橋を叩いて渡る」タイプであったり、彼らにTVレポーターも加えて「これが正しい」という答えのないジャーナリストの姿勢をそれぞれ表現させたり、終盤で何人かがそれまで隠していた顔を現したり(若干お約束的あるいはご都合主義的なニオイもするが「芝居のウソ」としての許容範囲内であるし、それよりも楽しく愉快・痛快なので全く問題ナシ)、しかも登場人物全員にそれぞれ見せ場があるし。
さらに、いくつかのどんでん返しを経ての終盤の思いがけない展開とそれを踏まえたエピローグもホントに巧い。
こりゃあもう「傑作」を優に通り越して「名作」ですぜ。

ネタバレBOX

安易に選挙戦に勝利するのではなく、結局初代大統領の娘も「事故死」させられてしまい、そこからの国民蜂起なんて「ちょー劇的」で「そう来ましたかっっ!!!」な鳥肌モノだし、「こうあって欲しかった」な姿を記者が想像するラストシーンは美しいし…
アルコホール2009

アルコホール2009

キャンペーンズ

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2009/10/01 (木) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

バックステージ系シチュエーションコメディ
突拍子もない、しかし非常によく出来た設定のオープニングでツカミはオッケー、もうここだけで「大当たり!」な予感。それにリードされての本編は大好きなバックステージ系の上出来シチュエーションコメディなので、もう個人的には大喜び。
装置の押入れに閉じこもった男を出て来させるという「天の岩戸」的な状況でのトシちゃん、マッチに南ちゃんまで登場する缶蹴りネタなんざ絶品?
ただ、終盤の劇中本番パートも面白いものの、そこ以前が圧倒的に可笑しいために、その落差からおとなしく守りに入ったように感じられてしまうのが珠に瑕。いやぁ、むずかしいモンですねぇ。
そうそう、この公演を知ったキッカケであるバッカスカッパのお二方もいつもながら絶好調と言おうか、ハマリ役的なキャラを好演。

脳の国のDr.シナプス

脳の国のDr.シナプス

オフィス★怪人社

サンモールスタジオ(東京都)

2009/09/30 (水) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★

体感時間は短め
頭をうって以来、判断を求められるような状況になるとどちらにすべきか問う声が脳内に響く(どころかDr.シナプスと名乗る男まで見えてしまう)ようになった主人公の物語。
脚本が仕上がってから10日ほどしか稽古期間がなかったとのことで、観ていてちょっとヒヤリとするような部分もありつつ、しかし露骨なミスなしに見せるのは、普段お笑いライブでの即興的な演技で鍛えられているメンバーが多いからか?
そのフォローの巧みさ、あるいはハプニングへの臨機応変な対応は、多少パターンは異なるが YANKEE STADIUM 20XX とも通ずるような。
また、お笑いライブと言えば、プロローグは状況のみ決まっていて役の名前から与えられる課題やその回答まで即興というコント風で、ここのライブ感によって「ツカミはオッケー」な感じ。
ただ、この後、主人公が頭をうって本筋に入るまでまだしばらくあるので全体のバランスとしてはアタマでっかち気味かも?
そうして結局主人公が沖縄での自転車レースに出場することになり、ここでやっと疑問氷解。タイトル等からこの春先に多かった脳内あるいはココロの内部系?と思いつつも、チラシのイラストは自転車レースっぽくて「???」状態だったのですよ。
で、ここでのライバルコンビを演ずるのが ATT メンバーで、お得意のユニークなアクションを見せる度に客席が「お~」みたいにどよめくのが愉快っちゅうか、ファンとして快感、みたいな。(もしかして優越感か?(爆))
そんなこんなもあって、前説での予告通りの約125分、楽しさによって「アッと言う間」まではいかないにしても体感時間はそんなにないのでありました。

『君がもしアンデルセンだったら…』

『君がもしアンデルセンだったら…』

CAPTAIN CHIMPANZEE

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2009/09/26 (土) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

「調理法」が鮮やか
いわゆる古典や名作と言われる作品をモチーフに、様々に料理してオリジナルストーリーに絡ませて見せるのが得意なここ、今回の題材はアンデルセン。
がしかし、単にアンデルセンの作品を絡ませるのではなく、アナザー・エンディングや後日譚なども劇中人物の創作として加えているのがさすが。こんな風に「調理法」が毎回違うのが見事。
見事と言えばネコたちの衣裳、耳と尻尾とベストが同じ柄の布で、それぞれ個性を出しているのもイイ。
また、
「この話では人は死なないって作者が言ってたよ」
「だってあの人、約束守らないじゃないか。締め切りだって守らないし」
なんてコトをその「作者」自身が書いているという楽屋落ち(それも三段構えだし)的なところも好きだなぁ。
あと、老いた先生のピンチをかつての教え子たちが救うというプロットなどから「某演劇集団」(特に名を秘す(笑))の全盛期(おっと失言!(爆))と通ずる雰囲気も感じる。

遠吠えが聞こえるか。

遠吠えが聞こえるか。

キテレツゥ

RAFT(東京都)

2009/09/25 (金) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★★

芝居ならではの手法とこの小屋ならではの距離感・雰囲気
ホステスである母とはぐれた少年、交番勤務の警察官、売れない漫画家とその友人のロックシンガー、バーのママなどが織り成すドラマ、粗削りな部分や時として長く感ずる暗転などもありつつ、シンプルな装置でいくつもの場を表現したり、5人のキャストが複数の役を演じ分けたり、芝居ならではの手法と、このサイズの小屋ならではの距離感・雰囲気が○。
手法と言えば、死者(あるいは瀕死の者?)の魂がその「記号」として(死因不問で)首からハンギングロープを下げていて、その先をたどると肉体につながっているという発想が楽しい。
また、太宰治の「人間失格」にインスパイアされた作品とのことで、wikipedia で予習して行ったら確かに心中未遂(相手は死亡)後にさらに自殺未遂などという人物もいて、「あ、なるほどぉ」なんてこともアリ。キチンと読んでいたらもっと共通点も見出せたのかしら?

夢幻燈 ヒトデナシノコイ

夢幻燈 ヒトデナシノコイ

箱庭コラァル

遊空間がざびぃ(東京都)

2009/09/26 (土) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

アイディアをこらして面白い
江戸川乱歩の「人でなしの恋」を芝居化したもの…とはいえ、主宰がクラシック系の弦楽カルテットを組んでいるだけに、ヴァイオリンとヴィオラが生演奏で音楽を付け出演者の一部もヴァイオリンやピアノでその演奏に加わったりするのが独特。
この7月に観た東京イボンヌの『喫茶シャコンヌ』にもヴァイオリンの生演奏があったけれど、それとはまた違ったカタチ。
他にも一人語りの原作をテキストはそのままに三人語りにすることで単調になることを避けたり、後方中央にある障子戸(左右が微妙にズレているのがまた妖しげ)に映像や字幕を投影したり(2人の人物の衣裳の色が映像と舞台上で逆になっているなんてのも○)、とアイディアをこらして面白く、終演後に時計を見て「あ、やっぱり65分ほどだったのね」と思うも、よく考えたらそうではなく95分あった(=体感時間が短かったので思い込みから開演時刻を勘違いした)ってくらいで。
また、ヲタは昔もいたんだなぁってか、2-Dヒロインやフィギュア偏愛のルーツはこれか、なんて思ったりも。(爆)
まぁ、「ご先祖が殿から賜った由緒ある人形」の方が重みというか説得力というか、そういったモノがあるワケですが…(笑)

はちみつ

はちみつ

こゆび侍

王子小劇場(東京都)

2009/09/23 (水) ~ 2009/09/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白うて やがて哀しき 恋愛譚
過去に観た2作が(大リーグボール級も含む)変化球だったのに対して今回はド真ん中の剛速球、吟ずれば(笑)「面白うて やがて哀しき 恋愛譚」、序盤は「え、まさかラブコメ!?」なほどに笑いも多く、がしかし、次第に恋愛特有の切な~い感覚が強くなり、身につまされてしまうという…。
裏切られてもまだ相手を信じる「まっすぐな」朔太郎には往年の自分自身を…すみません、ウソです(爆)「かくありたかった自分」を重ねて観ていたりもするから感情移入しすぎてまるで擬似体験、みたいな。
また、メイド喫茶のシーンなぞもともとユーモラスなのに、取材に行っている成島主宰の姿を想像したら、より頬が緩んでしまって…
(後で聞いた話では主宰のみならずキャストも一緒で、全員癒されたとのこと)
あと、映画音楽っぽい曲の使用(実際は映画音楽は1曲だけだそうで)や朔太郎が映研であるという設定もあり、全体的に「映画っぽいなぁ」と思っていたら、本作は映画のシナリオとして書かれていたものを舞台化したとのことで、あぁ、それが一番の原因か、なんてことも。
恋愛ドラマでありながら、劇団競泳水着とはまた趣を異にする1作、面白かったなぁ。

しあわせになりたい

しあわせになりたい

CORNFLAKES

SPACE107(東京都)

2009/09/22 (火) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★

前半は冗長な感なきにしも非ず
相方が「葉っぱ」で逮捕された(再演なのに何とタイムリーな!)上に妻とも離婚というお笑い芸人・響のファンでもある制作会社の女性ADが彼のドキュメント番組を撮ろうとして…という物語、彼以外にも大なり小なり「ふしあわせ」をかかえた人物がいて、重くはないものの、前半は冗長な感なきにしも非ず。
がしかし、終盤でそれまで複数の不幸に見舞われがらも飄々として受け流しているように見えた響がお守りを見てフト「これ持ってたら幸せになれるかな」ともらし「みんなで買いに行こうよ」と言う場面は白眉。
一見「コイツ、カワイくねぇな」だったのが実は虚勢であると判明し、ガラリと印象が変わるもんなぁ。しかもその後、さらに悲しい出来事も起こるし。
で、番組制作も頓挫し、響の家に同居していた後輩芸人や友人も去るエピローグは、そんなこんなもすべて柔らかく受け止め、「一つの終わりは新たな始まり」的に優しく包み込み、切ないけれどもふんわりと着地する、な感じ。
まぁ、最後の「花」はありがちな上に、少なくともσ(^-^) の席からは開花しているのが見えてしまったのが残念なのだけれども。
また、もう少し前半を整理できるのでは?という気持ちは払拭できず。(だって本編140分ですぜ)

怪説 三億円事件

怪説 三億円事件

554(ゴゴヨン)

d-倉庫(東京都)

2009/09/19 (土) ~ 2009/09/23 (水)公演終了

満足度★★★

大胆すぎてヤバい説(笑)
今から40年も前に起き、刑事はもちろん民事の時効もとっくに迎えているという昭和犯罪史上類を見ないアノ事件で、行方知れずになったままの現金の行方をめぐる謎解き系。
なるほど、あちこちに「この作品はフィクションであり…」と断りを入れているワケだ、大胆すぎてヤバい説だわさ。(笑)
府中刑務所で新たな試みをするために集められた囚人たちは全員が心当たりのない事由によって囚われているだけでなく3億円事件に関係のある人物の息子や娘であることが判明し、さらに他にもそんなつながりを持つ者がいて…という設定はいささか強引なれど、「芝居のウソ」としては全く問題がなく、むしろサスペンスとして面白い。
そのあたりを小出しにしながら物語を進め、当時の親たち(子供たちが二役で演ずるのだが、その早替えのアイデアも見事)が絡んでいた事件の真相を見せる終盤はワクワク。そして現金にたどり着いた子供たちが選ぶ処置もサワヤカ。
さらに一件落着かと思わせた後に本当の首謀者(これがヤバい!(笑))を示して終わるなんざなかなかのもの。
墓のフタ(?)が簡単に開きすぎるとか、若干のツッコミどころ・詰めの甘いところなどはあるものの、いつかこのあたりを改訂した完全版を観たいモンです。

FEVER~眺め続けた展望の行方

FEVER~眺め続けた展望の行方

傑作を遊ぼう。rorian55?

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/09/19 (土) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

ウマい作品を選んだモンだ
オリジナルであるTEAM NACSは今まで苦手意識、というかむしろ喰わず嫌い感(爆)があったので、こりゃあ「お試し」にはちょうどイイ、的な。
幼い頃からの友人たち5人から成るステージパフォーマー集団の幼稚園時代から今にいたるまでのスケッチ集と言うか、ショートコント風のエピソードをメンバーの一人語りやダンスでつなぐスタイル。
いわゆる「戯曲」を上演するのではなく、こういうSHOW的要素のあるものをカバーするというのは珍しい試みだし、しかし「コピー」ではなく「カバー」になっているのがまた見事。
おっと、つい音楽用語…。単なる模倣ではなく、自分なりの解釈で自分のものとして見せている、とでも申しましょうか。(後で訊いたらオリジナルに大きく手を加えたりはしていないんだそうで)
で、「自分たちはこんな道をたどって今ステージに立っており、これからもステージを続けてゆきます」な終わり方は劇団化しての第1回公演ということもあり、その決意表明のようにも感じられて。
また、一人語りをしている現在のメンバーのもとに、その次のシーンからフライングして幼稚園児姿のメンバーが登場したり、あるいは逆に過去のエピソード中で1人残ったメンバーに「いつまでやってるんだ?」なんて別のメンバーがツッコんだり、な構造は好み。
うん、ウマい作品を選んだモンだわさ。
今後も一般的な戯曲はもちろん、こんな風な他者があまりカバーしないものも取り上げていただきたいものです。
たとえば柿喰う客の『恋人としては無理』とか楽園王+の長堀博士作品群とか「他者が演出したら一体どうなるんだろう?」と想像し難いものね。

フェルマータ

フェルマータ

LETUBO(ルツボ)

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2009/09/17 (木) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★

「似て非なるもの」感が面白い
長堀博士の脚本を赤堤ビンケ(未見)の鈴木優之が演出するという企画、藤原主宰が当日パンフで語っていらっしゃる「非日常の原作をもとに日常芝居がやりたい」という今回の狙い、まさにその通り、な感じ。
それは長堀脚本作品にしてはかつてなく写実的な舞台装置からも予測できたように、確かに長堀ワールドではありながら、本人あるいはSPIRAL MOONの秋葉舞滝子による演出とはまた違った…どころか全く違ったと言っても過言ではない仕上がりになっていて、この「似て非なるもの」感が非常に面白い。
さらに長堀風恋愛論にもなっていて、恋愛のかけひきを語る女性がいたり、心変わり(とはちょっと違うか?)による別れの辛さ・切なさが語られていたり、そんなところも面白い。
後から聞いたところによれば、書き下ろしの脚本にかなり演出で手が入ったそうなので、オリジナルの脚本を本人あるいは秋葉演出で観てみたい気もして…。

twelve

twelve

劇団6番シード

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2009/09/12 (土) ~ 2009/09/21 (月)公演終了

満足度★★★★

ハードな『ワンダフル・ライフ』
気が付くと12のドアがある部屋に見ず知らずの面々と閉じ込められその日そこに来るまでの記憶がない12人の人々、一方、トラックの横転事故により負傷者が次々に運び込まれる救急救命センター…という状況から始まる物語、タイトルやチラシその他の事前情報から是枝裕和監督の『ワンダフル・ライフ』(99年)や劇団四季の『夢から醒めた夢』系統かと思いきや、一言で表現すれば「ハードな『ワンダフル・ライフ』」あるいは「裏『ワンダフル・ライフ』」といったところ?
そもそもが事故死だし、中には事故現場にいながらも実は絞殺されていたことが判明する者もいるし、それ以外でも違法行為がいくつか絡んでいて、サスペンスフル。(=コレはコレでアリ、どころか面白くて引き込まれる)
また、部屋の中の12人が順にドアをキーとして取り戻す記憶がジグソーパズルのピースのように組み合わさって、やがてそれぞれのつながりも見え始めるスタイル、最後の1ピースがピタリとハマって終わるのかと思ったら、確かにそうではあるけれど、むしろ根気強く並べてきたドミノの牌が様々な模様を描きながら次々と(というよりは一気に?)倒れて行くような感覚でワクワク。
そうして迎える結末は哀しみの中にちょとだけハートフルな部分があり、その配分が絶妙。
さらに「半円」以上「C」未満の上部照明(序盤の赤色灯も美しい)やフレームのみで表現した(それでも30kgあるそうな)ドアなど舞台美術もまた宣し。

極めて美しいお世辞

極めて美しいお世辞

箱庭円舞曲

OFF OFFシアター(東京都)

2009/09/11 (金) ~ 2009/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

奥行き・立体感も増して
美容院のスタッフルームで美容院スタッフ&関係者(客も含む)が織り成すドラマ、いつもながらの(内部を知らない者からすれば)実際にそんな会話がなされているのでは?と、盗み聞き・覗き見しているような感覚にとらわれるほどのリアリティ(それぞれ話し方に特徴があるのもまたリアル)に加えて、今回は何人かの特異な(笑)あるいはデフォルメされたキャラも配して奥行きと言おうか立体感と言おうか、そういったものも増した感じ。
また、欠点のない人間はいないと言おうか優れたところもダメなところも併せ持つキャラたち(アバウトに見える「総代表」が美容師たちの長所と短所をキチンと把握していたりとか、腕のいい美容師が客扱いは苦手で自分の価値観を押し付けるタイプだったりとか)によるドラマで、特定の「主人公」という存在がなくストーリーの中心となる人物が複数いるのも共感するところ。
いや、それだと微妙に違うな。
秀でた主人公が結局全部解決しちゃったりすると、スカッとするかもしれない一方でどうも置いて行かれたというか、かなわないなぁというか、ウソ臭いというか(←こうなるとヒガミだね(爆))、なところ、そうならないのがまたリアル、みたいな?

time

time

円盤ライダー

@quos(東京都)

2009/08/27 (木) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

お得意の「現地芝居」
学生時代からの友人2人が脱サラして始めたバーの開店から閉店までの2年間を実際のカフェバー内で演じるという、お得意(?)の「現地芝居」、ここでの前回は観逃したのでこの店は初。広さから言えば Gallery LE DECO くらいか? そこにビリヤード台やダーツの的(って呼称するのか?)、レーシングカーのサーキットなどがある「おサレなカヘバー」。
内容的にはプロローグとして閉店の「その日」を見せてから開店前に遡り、いくつかのポイントをたどりながら冒頭の時点に達してそのほんのちょっと先まで行って終わる構造だけに「2年間で閉店」というのはわかっており、ホロ苦~い感覚。
それを(一部誇張されたキャラもいるものの)基本的にはほぼ等身大の登場人物たちが演じているので共感するというよりはダメなところが妙に身につまされたりもして、時々胸の古傷がチクチク…(爆)
いや、サナトリウム症候群っぽいところは古傷どころか現状のわが身そのままか?(更爆)
また、一見すると正反対のような2人の主人公、実は根底にあるモノは共通なのでは?と思ったり。学生時代に一緒にサークルを立ち上げたということもあるが、なんだか観ていてよく似ているように思えて。
作・演出の四方田祐輔は今回初参加とのことながら、なかなかイイ感じ。

白と黒とその泡と

白と黒とその泡と

KENプロデュース

池袋GEKIBA(東京都)

2009/09/09 (水) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★

鈴班のみ観劇
父親が亡くなり、三男が同居していた実家に次男夫婦、長女、叔父、祖父などが集まった通夜の日の昼から翌日の昼前までを描いた「どこか懐かしいホームコメディ」で、「天城越え」に重ね録りした遺言テープとかロックな読経(名場面!)で笑わせておき、辞世の歌の謎解きを経て家族愛で締めくくる構成が手堅く、毛利元就の「三本の矢」など途中でヒントとして出して遺言の鍵である「父が一番喜ぶこと」の正解を観客に読ませる匙加減も巧み。

Contagion

Contagion

SORAism company

SPACE107(東京都)

2009/09/11 (金) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

単なるコメディではない独特の面白さ
「ヴァンパイアウィルス」によりヴァンパイア化した人々を隔離する一般人禁制の山寺で何やら不穏な動きがあるとの情報により、機関のエージェント2人が潜入捜査をすることになるが、奪われた金を探すヤクザ、観光客、占い師、学生なども現れ、成り行き上全員の宿泊を許さざるを得なくなり…という状況から始まる物語。
ヴァンパイア化といってもいわゆる「吸血鬼」のようなモンスターではなくほとんど一般人と変わらないのでホラーとは無縁で、むしろ全体はコミカル。
しかし「不穏な動き」をめぐるサスペンスから殺陣・アクションにダンス(題材が題材だけにMJトリビュートもあり)まで取り揃え、それらをバランス良く配合することによって、単なるコメディではない独特の面白さを出しているのがイイ。
また、穴吹一郎は登場シーンを筆頭としたコミカルな味やラストでの全体のまとめ方などさすが。

さよならノーチラス号

さよならノーチラス号

演劇集団キャラメルボックス

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2009/08/27 (木) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★

ジワジワと思い出す感覚
初演時にかなりひきこまれて思い入れが深い一方、11年も前なので記憶が風化しているという状態で観たら、観ながら「あぁ、そうだった」と次第に記憶が蘇ってくる、的な。
キャストについても事前にはサブリナ以外は全く覚えていなかったものの、観ながら何人かは衣装やメイクから「そういえば…」的に思い出す。このジワジワと思い出す感覚はちょっと快感。
他にキャスト関連ではクロムモリブデンのお二方もすっかり溶け込んでしっかりキャラメル系キャラになっており…(笑)

ネタバレBOX

で、主人公が少年時代を回想するというズルい(=σ(^-^) の好きな)パターン+ひと夏で少しオトナになる少年という定番あるいは鉄板の基本構造に加えて、ひき逃げの証拠隠滅をめぐるサスペンス風味も加えているのがまた巧いところで「やっぱりあの頃はアブラがのっていたんだなぁ」なんて気もして。(ありゃりゃ、またもやチョイ辛…(笑))
片想い撲滅倶楽部(公演終了・ありがとうございました・御感想お待ちしています)

片想い撲滅倶楽部(公演終了・ありがとうございました・御感想お待ちしています)

MU

新宿シアターモリエール(東京都)

2009/09/10 (木) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

なるほど、表裏一体
とある結婚相談所にワケありで入った新人は、以前「亀戸の母」と呼ばれカリスマ視されていた「縁結びの神」で…というところから始まる、恋愛下手で見えない「ナニカ」にすがってでも成就させたい人々(『神様…』のつい宗教にすがってしまう人々と一脈通ずる)を描いたコメディ。
そういえばここまでコメディタッチのものってσ(^-^) が観始めてから3度目にして初めてかも?
そのためか客席も妙におとなしく「ココ、笑うトコでしょ?」と戸惑うことも少なからずアリ。ま、σ(^-^) はそんなことはお構いなしに吹き出したり笑ったりしていたのだが…。
また、赤い糸を最後に見せるのも愉快。
なるほど、文字通り表裏一体、一見対照的なのに奥深いところで繋がっていて、交互上演だとそれがよくわかる感じ。個人的には観る順もこれでヨカッタかな、と。

真久部卓の生活

真久部卓の生活

モンキーworks

アトリエフォンテーヌ(東京都)

2009/09/10 (木) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

四大悲劇リミックス
タイトルおよびチラシ等の説明から概略はわかっていたので、当日パンフの人物相関図を見てニヤリ。沙翁の四大悲劇の主要人物をうまく組み合わせて1つにまとめているんだもの。
当然本編もそれら4作を再構築…というよりはリミックスしてつないでおり、しかも三女デリアは父である王から放逐されるし、オジェロの妻は不貞をはたらいているし、羽村は王である父を殺した男に復讐するし、予言通りに王となった真久部はまさかそんなことが起こることはない(「森が動く」ではないが)と思われた予言が当たって王座を追われるし、と各作品のポイントはシッカリ押さえているという。
そんなワケで四大悲劇を知っていればいるだけ楽しめるシカケ。
今まで観た塩塚晃平作品はどうも苦手だったけれど、これはむしろ好み。
ただ、登場人物の名前が日本人風の漢字のもの(真久部、羽村、伴など)と洋風の仮名書きのもの(オジェロ、デリア、リルなど)が混在だったのは惜しい。どちらかに(漢字の方が面白いだろうな)統一すれば良かったのに。
あと、チラシあった近松はいずこへ? せっかく主要4作品をwikipediaで予習して行ったのに…(笑)

にぎやかフラワー

にぎやかフラワー

春の日ボタン

「劇」小劇場(東京都)

2009/09/09 (水) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回はラブコメ
今回はラブコメで、一話完結のエピソードがそれぞれどこかでリンクしている構造は同様ながら、より緻密になり第五話に向けて各編で巧妙に伏線を張っているという…。
しかもそれがバレバレの伏線でなく、各編の中ではちゃんとネタ(笑)として機能している上に最終話でドミノ倒しの如く次々に開花して「あぁ、伏線でもあったんだ!」みたいな。
終盤でのなかなか肝心なことが言えず、お膳立てを整えられての「いざ」という時でも「ここまで言ったんだから後は察してくれよ」な男心(これも草食系の一派か?)なども非常によくわかり…どころか共感してしまい、古傷がうずくような気もして…(爆)
装置は蝶番でつながれた開閉できる板で作られており、エピソードが変わる度に本をめくるように転換するのだが、第二話での屋上の手すり、どうするんだ?と思っていたら飛び出す絵本的なシカケでたたまれて「あ、そうか!」と。(←手すりが出現する時に気付けよ!(笑))

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