満足度★★★★
さすがに傑作
時間モノの傑作と言われていながら未見でかねがね観たいと思っていたアラン・エイクボーンの『ドアをあけると…』。(←チラシにあった原題で気付いた)
2月に観たエイクボーン作品は期待の大きさ故に見事なまでの肩透かしを喰らったが、本作はさすがに傑作。
思いもよらずに過去にスリップして状況が状況だけに最初はそのことに気付かないが、気付いてからはそれから起こる事態を防ごうとする、というタイムスリップ系では王道とも言うべき物語、ユーモアとサスペンス(主人公が大ピンチに陥って連続ドラマで言えば「to be continued...」なところで第1幕を終わらせるのなんざ絶妙)の配分も申し分なく、とても楽しい。
複数の時代(時期?)に登場する人物との関係などもお約束気味ではあれ、上手いスパイスになっているし。
なんたって物置に続いているハズのドアをあけるとそこは20年前の同じ部屋、という設定がユニーク。だもんで、「何?この機械?」などとイジっていて時を越えるのと違ってスリップしたことに気付きにくいのがミソ。
また、2段階で過去にスリップすることで『ノモレスワ。』(クロカミショウネン18、07年)も想起。あれはこの本作へのリスペクトあるいはオマージュだったのかしら?