じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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僕たちの失敗~もう誰も信じない…~

僕たちの失敗~もう誰も信じない…~

ラブリーヨーヨー

駅前劇場(東京都)

2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★

あと一つ欠ける感が払拭できない
局員3名の小さな郵便局に2人組のマヌケな強盗が押し入り、しかし通報されて退散しようとしたところに銃を持った新たな強盗が押し入って5人を人質に立てこもる…という状況のコメディ。
既視感はありつつ面白い題材であり、いろいろ趣向を凝らしてよく出来てはいるのに、何かあと一つ(か二つ?)欠ける感が払拭できないのが惜しい。
野球に喩えれば長打を含む毎回安打で満塁にもなるのに決定打が出ず残塁の山、結局両チーム無得点のまま時間切れ引き分け(←「完封負け」ではない)みたいな?
個々の場面は面白いのに全体を通しての流れで見ると平板なまま終わってしまう感じなんだな。前夜に「緩急自在に進行し終盤で盛り上がった上にさらにそこから大噴火する」というお手本のような作品を観ているだけにその感ひとしお…。
が、終演後にメンバーであった多田岳雄(本作には出演せず)の引退セレモニーがあり、そのユルさ、ヌルさが初めて観る身にとっても愉快(しかしあの SPEED は見苦しいか(爆))だったので、それも含めてそれなりに満足。
ただ、開演が定刻よりも10分程度押すことはよくあることでそれ自体は問題ではないものの、開演前・終演後を通じて全くそのことに触れないのは頂けない。
器の小さい身ゆえ「10分以上遅れたのに詫びどころか申し開きの一言すらナシかい」という気分を引きずりつつ観たのも前述の「不発感」の一因かも。

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劇団やったるDAY!

ウッディシアター中目黒(東京都)

2010/03/10 (水) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

もう神ワザ?(というのは褒めすぎ…(笑))
友人・あずきと2人でシェアハウスのオーナーとなった主人公・ちえがあずきの死により生きる意味を見失い、ハウスからも去ろうとしているのを知ったハウスの7人の住人はちえに生きる意味を見つけてもらおうとし…な物語。
その意味では十八番のファンタジー寄りハートウォーミングストーリーだし、お得意の複数の人物によるユニゾンのリアクション(台詞・動作とも)なんて演出やノリツッコミも健在で、終盤の盛り上がりはいかにもここらしくて「真骨頂だね」と満足していたら、そのあとにさらなるサプライズがあって感服。
シェアリングハウスの住人が7人であることから、プロローグに出てくるあずきが子供の頃に描いてその後出版されるに至った絵物語「女の子と7人の妖精」(だったっけ?)に準じた展開になるのは予想通りだったものの、まさか7人の住人が妖精そのものだったとは…。
それも、序盤で見せたそれぞれの登場のしかたが絵物語の内容まんま(その部分はプロローグでは示されない)で、終盤でそこを音読しつつ登場シーンを回想として見せるのが巧くて、もう神ワザ?(というのは褒めすぎ…(笑))
いやぁ、ホントにヤられたわァ。

空間ゼリーEse「僕たちだけで大丈夫!」

空間ゼリーEse「僕たちだけで大丈夫!」

劇団たいしゅう小説家

MAKOTOシアター銀座(東京都)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★

演技のジャムセッション
今回は脚本がなく、各自にキャラクターを創造させ状況設定だけ与えるという「戯曲もない、インプロでもない」(←チラシより)即興芝居で、エチュードの積み重ね的な感じ?(…とか言って、「インプロ」「即興芝居」「エチュード」の区別・定義がよくワカっていないんだが…(爆))
んなワケで一言で表現すれば「アヤしいキャラ見本市」で見せる「演技のジャムセッション」。ほら、各自の楽器(キャラ)とコード進行(設定)だけ決まっているところが共通でしょ?
が、ジャムはジャムでもテーマの提示などなくいきなりインプロヴィゼーションが展開される感覚は70年代後半に来日した頃のマイルス的とか?
また、劇中の照明やS.E.は毎回変わる(この回のS.E.は銃声・雨音・サイレンなどだったが前日は幽霊が出るような音もあったとか)そうで(アフタートークで明かされる前、観ていて察した)、それも演出家の指示ではなく、照明さん・音響さんの判断によるとのこと(こちらはアフタートークより)。
キャラの可笑しさと何が起こるかわからない(あるいは何が起きても不思議はない)緊張から生み出される「グルーヴ感」(笑)が独特で、あんまり長く演っていてもまとまりがなくなりそうなところ、75分という上演時間も程良かったのではあるまいか。

W氏の帰れない夜

W氏の帰れない夜

円盤ライダー

@quos(東京都)

2010/02/26 (金) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

トンデモ系コメディ
残業で遅くなり、それを持ち帰って自宅でも仕事、の前に立ち寄ったバーでW氏は店員に見えたトロント星人から「地球侵略演習隊の隊長」と誤認され、想像を絶する体験をする…なトンデモ系コメディ。
もうこれが「なんておバカな!(笑)」なブッ跳んだ設定満載で、にもかかわらずモロモロについてことごとく理由をキチンと(?)説明しており、そのこじつけっぷりに脱帽。まさに「無理を通せば道理が引っ込む」状態で、もうそのオカしさ(=funny,strange のダブルミーニング)といったら「想像を絶する」。(笑)
で、そんなことから西田シャトナー(今回の作・演出)ってこんな引き出しも持っていたんだ、と思ったものの、惑星ピスタチオ時代にチョコチョコ挟まれていたムチャな笑いの部分を発展させたと言えるし、『Believe』での大阪城ロボや超ミクロ忍者など荒唐無稽な設定もあったので、そう考えればこれもモロにシャトナー風。終盤の宇宙空間の表現なんてまんまだったし。
が、円盤ライダー的には異色作だったかも。2時間をちょっと超えるという上演時間も含めて。

ラ・ムーの一族

ラ・ムーの一族

劇団阿佐ヶ谷南南京小僧

明石スタジオ(東京都)

2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

この心温まるファンタジーぶりは何?(笑)
桜の園に住む両親と一男二女の5人家族の父親が出奔してしまうが自称「桜の妖精」が末娘を優しく見守り…って、何なの、この心温まるファンタジーぶりは?(笑)
通常は基本的にブラックでシニカル(ただしユーモラスではある)なのに、今回は180°方向転換みたいな?
いわば「笑ゥせぇるすまん」に対する「喪黒福次郎の仕事」(喪黒の弟・福次郎が主人公でハッピーエンドのシリーズ=wikipedia情報:未読)的ポジションか?(笑)
いや、でもこれも好きですよ、と言うよりむしろイイ意味で期待を裏切られた快感アリ。
また、チラシにあった「色とりどりの「さくら」SONGを散りばめ」通りの選曲には大ウケ。まさか「檄!帝国華撃団」や「六本木心中」まで使うとは…。
しかし、そんな曲もイントロですぐにワカったばかりでなく、どこが「さくら」SONGなのかまで瞬時に察したσ(^-^) って…(笑)

シューマンに関すること

シューマンに関すること

劇団東京イボンヌ

サンモールスタジオ(東京都)

2010/03/09 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★

そう取り込みましたかぁ
シューマンの特集を組むことになった雑誌の新人女性記者・夏樹、シューマンをテーマにした小説のアイデアが出ずに筆が進まない女流作家(=記者と偶然知り合う)、かつてコンクールで優勝し「シューマンの第一人者」と呼ばれたピアニスト・芦屋(=記者の取材相手)の三者を中心に描きながら、そこからシューマンの人生(後半だけなので「半生」か?)が浮き上がってくるシカケ。
で、芦屋は事故で指が動かなくなりピアノを断念し精神を患っているとか、自分をシューマンの生まれ変わりと思い込むとか、そのあたりで予習が利いてくるワケさ、「そう取り込みましたかぁ」みたいに。
また、芦屋の様子が劇中事実なのか、それとも夏樹から聞いた話にヒントを得た作家(当日パンフの役名も「作家」のまま)が著している小説の中のフィクションなのか、と疑問を抱かせておいて終盤で「あることないこと書き連ねて…」と響子(芦屋の妻)に言わせて少なくとも全てが事実ではないことを明かすのが上手いし、「(芦屋の)クララになりたくてなれなかった」響子が芦屋から「クララ…」と呼びかけられるラストも切なく美しい。
暗めの照明の中で流れる台詞がエラく文学っぽくて(笑)「作風が変わった?」と思ったらシューマンからクララへの手紙だったというプロローグもその後の展開を示唆して巧みで、後から振り返ってモロモロ納得。
そんな中、編集部のシーンはコミカルでメイン部分のどちらかと言えば悲劇気味なトーンをうまく緩和していたな、と。
対象となる人物を直接描くのではなく、メインとなる別のストーリーを進行させる中にその生涯を練りこむ手法は今年1月のユニークポイントの『シンクロナイズド・ガロア』と通ずるものアリ。

将門

将門

劇団BOOGIE★WOOGIE

イマジンスタジオ(東京都)

2010/03/08 (月) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

BOOGIE★WOOGIE 史の新たな1ページ
平安京へ上り藤原忠平に仕えた十代後半から朝廷への謀反のかどで討伐されるまでの平将門の生涯を描いた力作にして秀作かつ快作。BOOGIE★WOOGIE 史の新たな1ページを拓いたと言っても過言ではあるまい。
会場に入ってまず度肝を抜かれるのがステージの形状。本来の位置とその反対側にそれぞれ舞台があり、両者をつなぐ形で細長い舞台が会場中央を縦に貫いているという…。
言い方を変えれば対面式客席の間に狭い舞台があり、客席両側にそれとつながった一般的なサイズの舞台がある、的な?
合戦の場面で両陣営が睨みあいの後についにぶつかるなんてシーンを筆頭に、この形状を非常に有効に使っているワケさ。(と言うよりそのためにこの形状にしたのか?)
そのステージに30人近い出演者全員(映像のみの2(3?)人を除く)が登場し、男女2人のナレーターに先導されてのシュプレヒコール風というか多人数によってエコーのような効果を表現するというか、先日の『The Heavy User』とは似て非なる言葉のパフォーマンスに続いてお得意(?)のダンスでオープニングクレジットという幕開けにもうゾクゾク。
以降、前半(65分)は青年将門の青春記的でサワヤカ、後半(105分)は運命あるいは時勢に弄ばれる武人将門を描いて重厚、という構成も巧みで、休憩(10分)込み3時間の大作ながらその長さは感じず、体感的には2時間程度。
また、その内容(諸説ある動機・背景はともかく、起こったことは史実通り←観終えてから wikipedia で確認)からさすがにいつものように劇中の飲み物がホンモノの酒や青汁だったり(笑)はしないものの、『REVOLVER』(04年3月)のように全く笑いがないこともなく、緊張をほぐすのに程よいタイミングで笑える部分があったり常連客への目くばせがあったりするのも巧い。
また、全編を通じてナレーターの2人が、芝居の登場人物を見守ったり舞台上の出来事にリアクションをとったりするのも面白い。
さらに、秦修のギターを中心に和太鼓とvln.を擁した生バンドの演奏も◎。

~粋にイ・江戸・ロ「虎」でしょ成る~

~粋にイ・江戸・ロ「虎」でしょ成る~

イエロー・ドロップス

らくごカフェ(東京都)

2010/03/07 (日) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★

ヴァージョンアップな感じ
前年6月の『知新笑新』、11月の『い・江戸・ロ・サリヴァン・ショウII』に続いてここの「立体落語」を観るのは3回目。
今回は『い・江戸・ロ…』の発展型で、一般的なステージ形態だった前回と異なり、本来の高座(カフェなのに高座が常設)だけでなく、その反対側にもサブステージがあり、その間も演技スペースになるというスタイル。
「死神」も死神役がおぼんろの末原主宰に変わってまた別の味が出たのみならず、歌は歌うわ本物のローソクは使うわでヴァージョンアップな感じ。
ところで本作はOi-SCALEの林灰ニの脚色とのことだけれど、前回はどうだったっけ?

昆虫大戦争

昆虫大戦争

こゆび侍

RAFT(東京都)

2010/03/05 (金) ~ 2010/03/08 (月)公演終了

満足度★★★★

いつもとはかなり違った味わい
「世にも珍しい物語をこっそりお披露目」という「標本シリーズ」の第1弾、フンコロガシの世界を擬人化した物語。(約70分)
冒頭を除いて人間から隠れ住むための「シェルター」の中でストーリーが進行し、照明も暗めだし、あまりタッパのないこのスペースに床より高い舞台を作っているし、ということで圧迫感あり。
で、着ぐるみやそれっぽい衣裳ではなく普通の姿で演じられるフンコロガシたちはちゃんとそれらしく感じられるし、ストーリーにも起伏があってドラマチック。
さらに、ちゃんと食べられるものを仕込んである(!)フン玉(ベースはバランスボール?)やラストで光るウエディングボールなんて小道具も面白く、それまで別個に登場していたフンコロガシと人間(成島主宰だ)が同時に登場するラストで、照明を使って人間の手の大きさを表現したのもナイスアイデア。なるほどいつもとはかなり違った味わい。
あと、人間に捕らえられた妻が遺した乾いたフン玉から仏像を彫りだす夫、なんてアイデアには脱帽!

TSUCHI-GUMO―黄昏の血族、暁の王―

TSUCHI-GUMO―黄昏の血族、暁の王―

演劇ユニット 金の蜥蜴

ブディストホール(東京都)

2010/03/04 (木) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★

時代劇版トレンディドラマ(笑)
能楽をベースに現代演劇に仕立てるスタイルが特色のここ、今回の題材はタイトル通り「土蜘蛛」。
病に伏す頼光のもとに土蜘蛛・胡蛾が現れ、糸で絡めとろうというアクションシーン(笑)からいきなり入る。ここでは仕舞も入り、能が色濃く漂うものの、そのすぐ後の傷を言霊で治すシーンではミュージカルタッチの歌が入り、オリジナルエピソードである頼光の息子・頼国と土蜘蛛の妹・胡蝶が互いに相手の素性を知らずに出逢う場面は時代劇版トレンディドラマ(笑)のようでもあり、このイイトコ取りのクロスオーバーぶりが楽しい。
以降、土蜘蛛とは国家に従わなかった一族の暗喩であるということを踏まえつつ、頼国と胡蝶のロミジュリ的なものも交えての「土蜘蛛秘話」、頼光と胡蛾がともに「復讐の連鎖」を断ち切ろうとする(このテーマも好き)ばかりでなく一連の流れをすべて自分の死によって清算しようとするカッコ良さを経て、ややコミカルな後日譚で締めくくる100分(この長さもイイ)を堪能。
あと、クライマックスで傷を治す言霊の歌がリプライズされ、しかもそこでは胡蛾と胡蝶の重唱になるところにもツボを突かれる。

PerformenⅤ~Purgatorio~

PerformenⅤ~Purgatorio~

電動夏子安置システム

ザ・ポケット(東京都)

2010/04/21 (水) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

満足度★★★★

両編の差的なもの
F編はニヤニヤクスクス系、M編はドッカンドッカン系の笑いな感じ。それにしても台詞の緻密さには舌を巻く。

サイゴ

サイゴ

Oi-SCALE

座・高円寺1(東京都)

2010/04/21 (水) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

「生きろ!」
「講釈師、見てきたような…」で反語的に、また正面からも語る「生きろ!」がイイ。
終盤の電話による会話にもホロリ。
「林文法」による時系列的なシャッフルも当日パンフに目を通しておけば多分大丈夫。

※ 4月21日からスタイルを変えて、ツイッている一口レビューをまずアップして、後日加筆することにしました

SLeeVe~スリーヴ

SLeeVe~スリーヴ

DMF

アトリエフォンテーヌ(東京都)

2010/04/22 (木) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

満足度★★★★

再演と言うよりはリニューアル
Dear My Friend時代の初演に思い入れがある身として「これ‘も’アリ」な感じ。 が、キャラクター設定が巧み。

※ 4月21日からスタイルを変えて、ツイッている一口レビューをまずアップして、後日加筆することにします

PerformenⅤ~Purgatorio~

PerformenⅤ~Purgatorio~

電動夏子安置システム

ザ・ポケット(東京都)

2010/04/21 (水) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

満足度★★★★

初めてでももちろん、IVを観ていればより楽しい
哲学的寓話をタテ軸に据えたコント(?)集。IVと基本は同じながら進化・発展させたコントが愉快。

※ 4月21日からスタイルを変えて、ツイッている一口レビューをまずアップして、後日加筆することにします

帝銀事件の頃

帝銀事件の頃

不消者(けされず)

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/04/21 (水) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

満足度★★★★

生きることに懸命だった時代の匂い漂う

第二次大戦終戦から3年後のパンパン宿を舞台にしたいわば「昭和の廓噺」、生きることに懸命だった人々を、時にユーモラス、時に切なく、時にはあたたかく描いて「時代の薫り」が濃厚に漂う感覚。
前回公演『冬の鼠』(08年5月)と同じ有本貴博の作によるもの(ともに初演は未見)で、骨太・硬派なタッチは変わらないものの、前作が記者たちによる「男のドラマ」だったのに対して本作はどちらかと言えば「女のドラマ」で、そんなところは対照的かも?
パンパンたちそれぞれの生き様を見せ、最終的には柔らかに着地するかと思わせておきながら突如悲劇に転じ、突き放すように終わるのは衝撃的で、そのハードさゆえにカーテンコールもなく、客席の大半はボー然、みたいな。
が、σ(^-^) にはいわゆる新劇系の団体が上演する翻訳もののラストと似たニオイがして懐かしい。
それにしてもスネークオルフェノク、ガオブルー、元・OPD なんてキャストとは…(ってソレがワカるσ(^-^) がヘン?(爆))
で、3年半ぶり(通算7回目?)に観たナマ武内由紀子、落ち着きというか円熟味というかが加わって、ベテランの風格まで付いてきたような…?
ま、アラフォーとして年齢相応なのかもしれないが…。

厠の兵隊

厠の兵隊

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2010/04/16 (金) ~ 2010/04/26 (月)公演終了

満足度★★★★

現代の民話
一言で表現すれば「見事な現代の民話」。母に対する少年の思慕が生み出した幻想あるいは妄想が切ない。


昭和中期(推定)、夫に先立たれた月子は息子の透を連れて夫の郷里にやって来るが、そこには「厠神」を敬う風習があり…な物語。
土着的・民間伝承的なものをベースにした、地に足がついているというか底力があるというか…な人間ドラマと、ギミックまで仕込んである手の込んだ装置がいつもながらステキ。
で、月子に言い寄る(ちょっと違うか)人物たちの相次ぐ失踪というミステリー、母に対する透の思慕によるものではありつつ、もちろん子供1人でできることではなく、6人の厠神が手を貸しているようでもあり、しかしどうなんだろう?なところが幻想的と言おうか民話的と言おうか、桟敷童子の真骨頂かも。
また、そんな透と厠神たちに “ダークな「ユタとふしぎな仲間たち」” を感じたりもして…(笑)
さらに終盤、舞台上のたいこ橋をはねあげて登場する戦車は圧巻。それまで時々出てきたおわい屋の車(車体に書いてあった「シワイ屋」(=吝嗇)は屋号か?)もよくできていたし…。
あと、ベートーヴェンの交響曲第7番が、恒例(?)の歌のみならず、劇伴としてもいくつかのアレンジで使われており、こんなにもマッチするとは意外。
いや、もちろん「のだめ」でお馴染みの第1楽章ではなく、ジャック・ルーシェが様々なヴァリエーションでアルバムを作ったこともある第2楽章ですがね…。
ちなみに客入れ・客出しのBGMは第5番の第1楽章。

ミツバチか、ワニ

ミツバチか、ワニ

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2010/03/04 (木) ~ 2010/03/08 (月)公演終了

満足度★★★★

微妙にズレて可笑しい会話
主人公が彼女との今後を占ってもらおうとしたら占い師が頼みもしないのに「ミツバチかワニ……アナタの前世」と告げるところから始まるユルさ満載のコメディ。
基本的には下手のテーブル(占いの館)と上手側のテーブル(主人公の部屋)を交互に使って演じられる(そういえば舞台の中央を使わないのが新鮮)ので非常にわかり易く、フクザツなことなど考えずにただひたすら微妙にズレて可笑しい会話に笑っていればイイという。
「芝居として演じていること」を一部の登場人物が知っていて、設定上はいないハズの観客に「その人は出てきませんから」と断ったり、劇中人物に「そこは壁があるんだからちゃんとこっちを通って」とツッコんだりするのも好み。

汝、知り初めし逢魔が刻に・・・

汝、知り初めし逢魔が刻に・・・

project☆&p2

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/03/03 (水) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

休憩なし160分余もさほど長く感じず
平安期、相手が鬼とは知る由も無く愛し合った姫が息子を産み落として十数年、領主(?)を恨む里の者たちや権力の座を狙う者の様々な思惑や欲が絡んだ物語、かつてしゅうくりー夢が上演した(未見)ものを当時出演していた田中精の演出(出演も)で、という企画、バカな男たちのカッコ良さ満載なのがいかにも松田脚本な感じ?
また、シンプルな勧善懲悪の物語ではなく、前述の如く複数の要素が絡み合っているのでドラマに厚みがあり観応えたっぷりなのも松田チックか。
だもんで初演時は誰がどの役だったか推測しながら観る楽しみもアリ。
さらに今まであっちやそっちでよく観て面識もある方々が出演されており、その顔合わせ(直接の絡みがないケースもあったが)も楽しんだし、松元環季の背がコハナ時代よりかなり伸びているのを見て「そういえばそういう年頃だよねぇ」などと親戚の子供へ向けるような目線になったり…(笑)
そんなこんなで休憩なし160分余もさほど長く感じず。

もう一回の、乾杯。

もう一回の、乾杯。

空晴

劇場HOPE(東京都)

2010/03/02 (火) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

まぁるくてやわらかくてあったかい
「式」の当日、親戚たちが集まっている家のベランダにイトコたちが出入りしているが、そのうちの1人は他の皆からは見えていない様子で…なシーンから始まるホーム(厳密には「レラティブ」?)コメディ、今までの作品中で一番笑える部分が多い感じ。
もちろん終盤ではホロリとさせられて「まぁるくてやわらかくてあったかい」その作風はいつも通り。
妻から代理出席を頼まれたが「式」が慶事なのか弔事なのかわからず、さらに「ごろう」が周囲の人々に見えているのかいないのか悩む「とりい」(←登場人物6人の中で唯一血の繋がりがない)はそのまま観客の疑問を体現しており、設定の勝利で上手い。
そのあたりで存分に笑わせつつも、終盤で「とりい」に白いネクタイを貸す「いつき」とか、終盤で明かされる(冒頭のシーンで)「しょうご」が紙を凝視している意味とか、心が「ほわん」とあたたまるのがまたイイ。
そんな内容を盛り込みつつも80分という手頃なサイズにまとめているのも巧く、σ(^-^) にとって好きな女性劇作家(兼女優)って、「東ササミネ、西オカベ」かも。いや、イキオイで書いているので「あ、あの人もいた!」なんてこともありそうだが…。(←たとえばふっこさんとか)

猫丸先輩の演劇

猫丸先輩の演劇

O-MATSURI企画merrymaker

ザ・ポケット(東京都)

2010/03/03 (水) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★

脚色としても見事
倉知淳の原作(未読)を元にした短篇連作、オープニングエピソード(五十円玉二十枚の謎)に導かれての3編の短篇(空中散歩者の最期・猫の日の事件・寄生虫館の殺人)とそれらの合間に演じられる連続もの的なもう1編(日曜の夜は出たくない)という構成や探偵役の猫丸先輩を演じるのが各編でそれぞれ別人というツクリが独特で面白い。
さらにプロローグ以外の部分を劇中で(それも中野にある劇場で)上演されている芝居と明かした上で、「プロローグでの猫丸(=劇中でのリアル猫丸)」がそれまでの疑問点を指摘するエピローグ…というより最終エピソードが秀逸。メタフィクション的なものって好きなんだよなぁ。
実は原作ではそこんところど~なの?と思って後から立読みでナナメ読み(爆)したら、原作もそうなのね。ただ、原作では芝居ではなく小説という設定なのだけれども。
ちなみに「寄生虫館…」の謎解きで、点検中で使うことができないエレベーターを使ったトリックでは?と思いながらも実はそうではないのがひっかかっていたので「あ、やっぱり!」的なヨロコビもあり。
そんな部分に加えて、倉知淳の小説家デビューのキッカケとなった「五十円玉…」をオープニングエピソードに持ってきたり、「猫の日…」では猫を半ば擬人化しつつ役者に演じさせたりなど、脚色としても見事。

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