満足度★★★★
いつもとはかなり違った味わい
「世にも珍しい物語をこっそりお披露目」という「標本シリーズ」の第1弾、フンコロガシの世界を擬人化した物語。(約70分)
冒頭を除いて人間から隠れ住むための「シェルター」の中でストーリーが進行し、照明も暗めだし、あまりタッパのないこのスペースに床より高い舞台を作っているし、ということで圧迫感あり。
で、着ぐるみやそれっぽい衣裳ではなく普通の姿で演じられるフンコロガシたちはちゃんとそれらしく感じられるし、ストーリーにも起伏があってドラマチック。
さらに、ちゃんと食べられるものを仕込んである(!)フン玉(ベースはバランスボール?)やラストで光るウエディングボールなんて小道具も面白く、それまで別個に登場していたフンコロガシと人間(成島主宰だ)が同時に登場するラストで、照明を使って人間の手の大きさを表現したのもナイスアイデア。なるほどいつもとはかなり違った味わい。
あと、人間に捕らえられた妻が遺した乾いたフン玉から仏像を彫りだす夫、なんてアイデアには脱帽!