wowの熱 公演情報 wowの熱」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-10件 / 10件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    めちゃめちゃ面白かった!スーパーメタサイエンスフィクション(SMSF)!今年暫定ベスト!おいおい南極がすごいとこまで行っちゃうよ〜!南極にとっても、端栞里さんにとっても今後ターニングポイントになるであろう作品だと思う!舞台演劇をこれ以上好きにさせないでくれ〜!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    素晴らしい熱。これぞ演劇。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    楽日に観劇
    平熱に戻った。
    序盤の不思議な世界が線として中盤へ繋がり、虚なのか実なのか曖昧さを感じつつもグイグイ惹き込まれる展開、終盤の実?で熱い生を感じさせる起源の物語、脚本が良いね。
    自分で何言ってるか分からんが、泣いた。
    そして端さんの力強さ、存分に楽しんだ。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    メタフィクションを上演する俳優と戯曲の信頼関係とは

    ネタバレBOX

    演劇のメタフィクション性を扱った本作。軽妙な台詞回しと程よく力の抜けたギャグ、俳優の必死さと対をなすどこか手作り感ある美術が「これは難しいことをやろうとしているぞ」と観客が入れ子構造とその反転に気付く中盤からさらに効いてくる。決してチープではないのに、手の届くところにいてくれる頼りがいに寄せて、すっと劇世界に誘い込む手腕が見事。初めて演劇を観る人をも取り残さないだろう。ポジションが発表される登板シーンから、余力を一切残さない「全員演劇」の疾走感は清々しい。客席から笑い声が飛ぶ。それを追い風に一気に共犯関係に持ち込むだけの劇団の強い引力が感じられた。

    こんにち博士の浮遊感のある演技が気になる。最初からひとりだけ劇世界の外側にいるような存在感を放っており、今回のテーマであるメタフィクションの演出に大いに貢献していたように感じた。美術のセンスがとてもいい。ブラウン管の無機質さ、ふわふわのマストドン達、食事の匂い、プールやお湯の湿度、それらの質感の多様さが複雑に絡み合って情景を作り出しており「観客も呑気に客席には座らせない、あなたの想像力にもフルで働いてもらう」という気概を感じた。

    若く体力のある劇団ながら、勢いだけで押さず、きちんと丁寧に稽古を重ねて作られたことが客席にも伝わり好感が高い。一方、虚実が入り混じるというメタフィクションを扱うときに、演出脚本俳優が諸共「役に入れ込みすぎた」という理由で冷静さを欠くという筋書きなのが、エモーショナルさが過剰な気がして、形式と内容がちぐはぐな印象を拭い切れなかった。例えばもっと物理的に睡眠不足である、上演への不安が高じて、あるいは役の整合性が取れないなどのサブの動機があればすんなり納得できたのかもしれない。『マッチ売りの少女』が虚構の世界に行く際に、夢見るだけでは足りず極限まで空腹であることが必要なように、身体感覚に訴える何かしらの説得力がもう少しあれば観てみたかった。

    (以下、ゆるいつぶやき)
    上演における俳優の権力は客席が想定するより実は強大です。演出家はみな、俳優が上演中に突然「はい!これは全部嘘です!おもしろくないです!ここで演劇やめます!」と言い出す悪夢を見たことがあると思います。俳優にはその力があり、舞台上で台詞を喋ってくれているのは単に今時点での信頼関係と口約束の話であり、次の瞬間には霧散してしまう儚さと隣り合わせ。波のある人間が集って芸術をやる以上、毎日上演が想定通りに行われること自体が、ほんとうに綱渡りの軌跡です。ですから、今回のワオのように倒れて上演中止になり、虚実が入り混じり、表裏が曖昧になった世界に漂うような感覚は、演劇に携わる人がみな感じたことがあるのではないでしょうか。現実世界の中なのに「なにいまの発言、台詞っぽくて気持ち悪い」と咄嗟に思って口を噤むような、その覚束ない奇妙さと真実味に迫ろうとした今回の挑戦はとても眩しかったです。そんな今日、OpenAI「GPT-4.5」がチューリングテストに合格したというニュース。すぐ隣に「本物っぽい」と「嘘っぽい」が並ぶ今を我々はどう泳ぎ切るのかに思いを馳せました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    シアタートップスで行われる南極の公演に関する演劇。メタシアター。
    しっかりした作りで、好感度は高く、人気も頷けます。
    今後の一層の活躍に期待です。

    ネタバレBOX

    メタシアター。
    シェークスピアの時代からある古典的な形式。
    作り手の意図にはないかもだが、演劇の興行と劇団の深化について深く考えさせられた。
    かつて前衛と思われた形式に後続者が現れていつしかジャンルを形成し、
    正統といわれる存在も現出する。そういう意味では、この作品は正統
    の系譜だと思うし、作りはしっかりしていて飽きさせない。
    ゆるい世界線も岡崎体育のMVか、というくらい作り込んであって
    しっかりPOPである。
    話の構造も複雑に層を重ね、美味しい具材を全部盛り状態。
    評価される理由はわかるし、異論はない。が、何かが足りない。
    良く言えば伝統的だろうし、悪く言えばありふれている、という感じか。
    誰がやっても、どんなストーリーを持ってきても似たようなものに
    見えてしまうのがこの形式の宿命だと思うので、これは致し方ない。
    個々の、オマージュを多用した映画的とも言えるショット、モチーフはセンスがあるから
    形式自体はありふれたもので仕上げれば、もっと細部の個性が際立ったと思うと勿体無い。
    小さな小屋で自由にのびのびとやっていた時代から
    あれこれ考えて一段階成長した時に、何を得て、何を失うのか。
    劇団への問いでもあるし、我々観客一人一人に対する問いでもある。
    きっと、客層を入れ替えつつ、劇団は大きくなるものなのだろう。

    この作品を支持する人はたぶん、たくさんいる。
    客席は笑い声が絶えず、伸び盛りの劇団の熱気を感じた。
    (解釈するとは対象を貧困化させること,世界を萎縮させること)
    ソンタグはそんなことを言ったが、このレビューもまた然り。
    作品は常にあらゆる解釈から自由である。
    が同時に、
    個々の観客に委ねられているとも言える。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    「虚構に取り憑かれる実演家たち」

     作・演出のこんにち博士が腕によりを振るった戯曲を、劇団員たちが絶妙のチームワークで立体化した力作である。

    ネタバレBOX

     開幕すると冒頭から数本の寸劇が続く。ハンマーでブラウン管を壊そうとする俳優とダメ出しする演出家とのやりとりがあり、つぎにその二人がお笑いコンビとなり、ビジネスマンからいかがわしいカバンを売りつけられそうになる。この場面を描いた絵画を飾った先史時代のゾウの一家が食卓を囲む様子になったかと思えば、そのゾウをイメージした毛皮をまとったモデルにデザイナーが文句をつける。前の場面を連想させるような奇妙な寸劇の連続がまず面白い。

     ようやく本編では中学生の主人公ワオ(端栞里)と仲間たちとの青春模様が描かれる。彼らは教員の海パン(井上耕輔)に水泳の補修を受けさせられたとき誤ってプールに落ちてしまうのだが、そのときプールが急に沸騰してしまう。ワオが45℃と高い平熱を持っていたからである。プールの温度はしばらく高いままだったのでみんなで「ワオ熱湯」なる銭湯を開こうとするのだった。

     このあたりになると戯作者で演出家のこんにち博士による指示出しが始まり、やがて一旦芝居が止まる。すべては虚構のなかの話であり、現実同様に劇団南極が『WOWの熱』という芝居の稽古を進めている最中の模様だったことがここで分かる。ワオを演じる端栞里は役に入れ込み過ぎてしまい、役の設定よろしく自身の平熱がグングンと上がってしまい、ついにはその場に倒れ病院に運ばれてしまうのだった。病院を抜け出したワオは、呪術に詳しい共演者の九條えり花の助けで映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』よろしく、同じく共演者のユガミノマールとともに車に乗り込み、こんにち博士の虚構の世界へと旅立つ。そこで起きた空間のねじれにより、冒頭の寸劇にも出てきた温室でしか生きられないホットハウスマン(瀬安勇志)ら虚構のキャラクターたちを現実へ招き入れてしまう。公演を打とうとしていたが端の降板により中止を余儀なくされた南極の劇団員たちの悪戦苦闘ぶりを描きつつ、現実と虚構が次第に混在して摩訶不思議な世界が展開していく。

     戯作者による創作と劇団員たちの奮闘を並行に描く本作は、虚構が入れ子構造で何重にも層を成している。ただ新作の芝居を作ったというよりも、その新作に取り組もうとしている劇団を、そして創作の過程で生まれた副産物としての虚構を描くという、ナマモノとしての舞台芸術の魅力と危険な魅惑に満ちた作品である。手の込んだギャグや先行作品のパロディなど、作者が腕を振るった台詞は客席を沸かせており、それに応えた劇団のチームワークと鮮やかな展開は特筆に値する。先史時代のゾウや体を乗っ取られたボクサーなどの虚構の副産物が劇場すぐそばの新宿浄水場に立ちはだかるなか、ワオがホットハウスマンと対峙する場面のいかがわしい禍々しさ、バカバカしくもキラキラとした輝きは忘れがたい。

     ただし本作の設定が満場の客席の理解を得るものだったのかは疑問が残る。冒頭に置かれた一連の寸劇は、戯作者が劇団員たちに、見ず知らずの他人のフリをして新作を作るためのワークショップの成果だということが中盤で明かされる。こうした手の込んだ設定によって劇団員たちが混乱した結果虚構と現実が乱れだしたという企図なのかもしれないが、少なくとも私はその設定に馴染むことはできなかった。混乱の元凶たるこんにち博士の戯作者としての葛藤や錯乱を描く場面もあったが、端とワオに入れ込みすぎた場面の思わず胸のつかえるような絶叫以外は狂言回しの役割が強かったため、自然作中での存在が薄まってしまった。そのため端の芝居も熱演であるがどこか一本調子で振れ幅が小さいように見えた。終盤でワオがこれまでの来し方を振り返りながら他の登場人物たちの過去のやり取りを絡ませつつ、最後にこんにち博士と同時にクラップするところなど鮮やかな展開だっただけに悔やまれる。手数は多くアイデアは豊富なだけに、他の登場人物を含めた心の動きをもっと感じたいと思った。
  • 実演鑑賞

    鑑賞日2025/03/29 (土) 13:00

    これまで 4回拝見していての5回目、作/演出のこんにち博士のベスト、南極ゴジラから南極に至っての、5回目が劇団としてのベストでした。
    いやー、これぞ南極(ゴジラ)の演劇だ!3年4ヶ月前、都内の一軒家で観客数人で観た南極ゴジラが劇団名を南極に変え、新宿シアタートップスを満員にして公演を打っている。このブラウン管テレビ(2枚目の映像の奥の灰色の方のテレビ)がこの公演にも登場させ、演劇の作り方もあの時からの地続きの展開だ!南極はどんどん力を付け、観客を巻き込んでいる!
    素晴らしい「演劇」だった。
    以前注文と言うかこんなことを言っていたけど、もうお仕舞いだ!「演技も良いところがあるし、大きく拡がる可能性を感じた。ブンブン振り回してもっと遠くにボールを飛ばし続けて行って欲しい」今日は素晴らしい演技で観客を十ブンブン振り回して大きく拡げ、遠くにボールを飛ばしていたよ!
    速射砲の様に継ぎ目なくエネルギーを注ぎ込み、繋がる話を重ねながら、散逸させず、収束させる展開が見事。映像、着ぐるみ、衣装、照明、音、音楽、あと何だ、そう、俳優10人の演劇への熱量が見える、主演の端栞里さんのwowの熱(量)、ユガミノーマルさんのトゲトゲの髪、新宿シアタートップスの舞台の構造をしっかり使った物語の設定なのか、「wowの熱」という劇名が先なのか、奈落をプールとして使う展開が良い。場面転換は暗転なれど粗目の舞台美術の移動を観客に見せ、次の展開を意識下に置く仕組み。
    2時間10分、視線は舞台にくぎ付けでした。
    これからも10人のメンバーで南極がどんどん観客を魅了してくれ!
    ところで、公演のフライヤー、台詞にあったけど、何も物語の内容が判らない段階で描いたのですよね、wowの熱が放射されているんですね。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/03/29 (土) 13:00

    いやー、これぞ南極(ゴジラ)の演劇だ!
    3年4ヶ月前、都内の一軒家で観客数人で観た南極ゴジラが劇団名を南極に変え、新宿シアタートップスを満員にして公演を打っている。南極はどんどん力を付け、観客を巻き込んでいる!
    素晴らしい演劇だった。これからも10人の南極がどんどん観客を魅了してくれ!
    以前注文と言うかこんなことを言っていたけど、もうこれ以上言わないことに。
    「演技も良いところがあるし、大きく拡がる可能性を感じた。ブンブン振り回してもっと遠くにボールを飛ばし続けて行って欲しい」今日は素晴らしい演技で観客を巻き込んでブンブン振り回して大きく拡げ、遠くにボールを飛ばしていたよ!

    以下引用

    一回目が凄く面白くて、2回目は少し拡がりがないかなと思い、3回目に拡がりを期待して観たのが『南極ゴジラの地底探検』でした。以下、その時の感想です。今日と明日の福島での南極ゴジラの『南極ゴジラの地底探検』超お勧めです!

    以下引用
    南極ゴジラ『南極ゴジラの地底探検』↓↓いやー拡がってました!
    アフタートークで山崎彬さんが言っておられた、このまま続けて行け。この前のゴルフの日本オープンで優勝したアマチュアの選手、ドライバーはフルスイングを心掛けて、曲がっても良いので目一杯振り続け真っ直ぐに飛ぶ様になったって。
    まだまだ荒削り/足りないところも、でも勢い/想い/工夫/発想/映像/展開/小道具、光を放つかけら達があちこちに散りばめられていた。演技も良いところがあるし、大きく拡がる可能性を感じた。ブンブン振り回してもっと遠くにボールを飛ばし続けて行って欲しい。行けー、南極ゴジラ!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/03/28 (金) 19:00

    135分。休憩なし。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ーーゴジラを新宿に解き放った南極が繰り広げる、超沸騰メタメタメタフィクション!

    前回公演に引き続きの鑑賞でしたが、それも相まって楽しめました。ポッドキャスト聞くのもおすすめです。
    それぞれが多彩な魅力を放つプロフェッショナルであり、南極ゴジラであり、南極になった彼/彼女らにしか、だからこそできる演劇だと思います。なんだかんだとありますが、劇団っていいもんですね。結局は見せられたものが全てで、それがこんなに熱かったら、もう。生物からもはや大陸と化した(比喩じゃなく)南極の今後が楽しみです。見れてよかった!

    ネタバレBOX

    入れ子に次ぐ入れ子の連続で、現実と劇がないまぜになって一つの時間・空間が作られていく。その様は「現実は劇であり、劇は現実である」という言葉を体感するようだった。現実を楽しませるために、あるいは生きるために虚構を作り出すもの、虚構に身をやつすもの。虚構に生み落とされ、現実を羨むもの。皆が救いを求めつつ、生きている。結局全部現実じゃん、と焼石を嚥下しちゃう。
    公演中止、お金の話、主役の話と、現実に色濃く映る演劇・小劇場界隈の問題(実際は洒落にならないと思うけど)も含んでいて、メタとフィクションの距離が本当に近い。俳優が発話するだけでその境界が波打って揺らいでいた気もしてくる。
    で、本人役も当然面白い!本人そのものじゃないけど、(端さんは特にわからない)実際にこの人たちはこうやって普段生活して、演劇作ってるのかな〜っていう演劇の中身が演劇で見られる(?)
    とかなんとかをどんどんの熱量でぶつけてきて、ただ「おもろい!」と最後にはロケットで飛ばされて、宇宙で終わる、そんな演劇だった。演劇ができる。見れる。幸せなことだ。

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