『本棚より幾つか、』-短編演劇祭- 公演情報 『本棚より幾つか、』-短編演劇祭-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-9件 / 9件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    Aプログラム観劇。
    とにかく特徴的だったのが、切りの良いところではなく、文をまたいで台詞を切る点。全編に渡って徹底されていたので、意識的かつ演出の柱であることは間違いないと思う。
    発話としてはかなり不自然なので最初驚いたが、これがある種の異化効果として働いたのか、有名な原作テキストも違った味わいに。
    オリジナル脚本の"風"も会話劇に差し込まれる妙に医学的な長台詞が印象的。
    自然な演出で感情移入させるよりも、異質なものを提示して意識を惹くのがここの作風なのだと感じた。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/08/05 (月) 15:00

    【Bプログラム】
    「赤い靴」は掛け合い漫才のような軽妙なやり取りが独特で他団体のために書き下ろすとテイストが異なるのかと思ったが終盤からオチにかけてはやはり長堀作品(笑)。その前日譚「アオイハル」はあれこれ「あ、なるほど」的な。(笑)
    ラストを飾る「紙風船」は衣装や会場の持つイメージや途中で流れる「ボレロ」(←これがまた効果的)などにより今まで観てきた「和風」な印象と異なる「洋風」。夫婦が背中合わせに座るのは内心に秘めたベクトルの視覚化か?とも。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/08/04 (日) 17:00

    【特別プログラム】
    テキスト散らかし型リーディング2篇。「お国と五平」は以前にも観たが今回男二人が形は違えど「純真」であり、それに対してお国が強かだと気付く。さらに終演後に長堀主宰から原作とのラストの違いを伺い大いに得心。
    「華燭」の原作は小説だそうだがほぼ全編が披露宴での祝辞なのでリーディングにはうってつけ。特定の単語を誇張したりしつつ次第に熱を帯びてくるスピーチ(奥村さんの熱演たるや!)が笑いを誘う。
    ところで「お国と五平」劇中で流れたベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章をアレンジした歌は何???(検索してもヒットせず)
    また、「楽園王と言えば」な(笑)句読点ずらしというのは音楽に喩えれば変拍子のようなものではないか?と長年観ていながら初めて思った。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/08/02 (金) 15:00

    【Aプログラム】
    オリジナルの「序章(第十一夜的な?)」に続く「夢十夜」より(第一夜)は下げられた2枚のロールスクリーンで視界が遮られるが壁やスクリーンに映る影で演技が「見える」のがステキ。
    リーディング系の「よだかの星」は読み終えたテキストを床に落として行く得意の(?)スタイルだが時として墨書をしたりするのがアクセントとなり面白い。
    「風」は以前サブテレニアンで観た記憶もあったが、今回は「風(役名)」が冒頭の「夢十夜・序章」と対を為すようで短編集としての構成の妙を感じた。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    遅くなりましたが感想です。Bプログラムを拝見。一つ一つ面白いですね。名刺サイズの説明も親切。赤い靴とアオイハルはツナがっないけど繋がってることとか、あとから思い起こしても楽しいです。皆さんの演技も台詞以外の所作でもいろいろ伝わってよかったです。本棚から好きな本を読むようなお芝居、また拝見したいですね。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    【Bプログラム】観劇。
    この時期 仕事が忙しくなければ、Aプログラム・特別プログラムも観たかった と思えるほど面白かった。残念。

    日常にある ちょっと奇妙で不思議な、それが今の時季にピッタリと思える演目選択の巧さ。第一の狂言「赤い靴」 第二の狂言「アオイハル」そして第三の狂言「紙風船」(作:岸田國士)であるが、「赤い靴」と「アオイハル」は何となく関連しているような感覚。受付時に3作品の紹介というか解説を貰ったが、これが名刺サイズ、その裏に小さい字でビッシリ書かれている。会場内の薄暗い中で読む気もせず、帰りの電車内で読んだが、なんと「アオイハル」は「赤い靴」の前日譚とある。物語に直接的な繋がりがないとあるが、何となくそんな気にさせるところが妙。

    また「紙風船」は 何回も観ているが、今回は音響・音楽の効果によって、淡々とした日常に持ち込んだ虚実、それをメリハリの利いた物語に仕上げており実に巧い。3編とも二人芝居で、淡々とした会話が進むにつれ 滋味溢れるような心情が浮き彫りになる。しかし 物語を纏っているのは先にも記したが奇妙・不思議という世界観。この独特な味わい深さが 本公演の魅力だろう。3編に共通しているのは「赤」、そして舞台セットの小物に林檎を置くなどの拘りを見せる。

    ちなみに客席は変形配置で、どこが正面でどこに座るか迷うが、そこはしっかり誘導してくれるので心配ない。
    (上演時間1時間20分) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は 中央斜めにベンチを配置し、その奥の壁際に机と椅子2脚。机の上にライト・花瓶そして林檎。
    共通の「赤」…「赤い靴」はタイトル通り、「アオイハル」も台詞に赤い靴、「紙風船」は赤い毛糸を編む。

    「赤い靴」は、ベンチに座りバスを待っている女(役名:バス停で待つ女)、そこへ赤い靴を履いた女(役名:後からやってきた女)が ゆっくり近づいてきて 「バス 来ませんね」と話しかける。それから他愛もない世間話から好かれる女性像へ話題は漂流していく。何処に辿り着くのかと思ったら、赤い靴の女はバスを待っている女の夫と浮気をしており、妻がどんな女なのか確かめに来たが…。実は不倫相手の男に殺され、霊(魂)となって現れた。「赤い靴」に因んで童話や童謡の話も。

    「アオイハル」は、女子高生の部屋に男子高生が勝手に上がり込んでいる。学校では ほとんど話したこともなく、なぜ此処にいるのか。男子高生は彼女から「好きではありませんでした」という手紙(ラブレター)を貰ったと告げる。それにしては過去形で文面も相応しくない。彼は学校に侵入した男が教師を襲い それを助けようとし、逆に殺された。此処にいるのは霊で、淡い恋心を抱いていた彼女が棺に入れた別れの手紙。

    「紙風船」は、何回も観ており 物語としては知っていた。日曜日の昼下がり、暇を持て余した新婚1年目の夫婦の とめどもない会話。何時しか二人は鎌倉へ空想の旅へ出る。その情景は 執筆当時のもので古い感じがするが、平々凡々とした暮らしに、ちょっとした刺激を求め楽しむ二人。鎌倉旅行はテンポよく展開し 軽快なクラシック音楽が流れる。そして音楽が変わり 日常の光景、隣家の子供と紙風船で遊ぼうと…。

    3編は独立した物語であるが、何となく繋がりが感じられる。勿論この時季の「霊」を扱った話で、それは怖いという存在ではなく、この世への未練をコミカルに描いた といった印象だ。けっして暗く後ろ向きではなく、むしろ前向きでカラッとしている。どこか吹っ切れた感じで、霊でありながら、生き生きとした人物像が立ち上がるから不思議だ。最後に「紙風船」、新婚の生者2人がこれからの人生を歩んでいく、そこに日常の暮らしという地歩が描かれ前の二編との対比が鮮明になる。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    日曜の夕刻一回切りの特別プログラム。二演目、すこぶる贅沢な時間であった。
    プログラムA、Bの方は短編3編、20~30分程度の「短編」演劇と呼ぶに相応しい中身だがこちらはそれぞれ幾分長めの演目というだけで、相当の深みへと誘う内容となる。
    実は「お国と五平」は、是非とも観たかった。ala collectionでもう7,8年前になるか・・毎回秀作を提供する可児市の劇場の企画で小山内薫「息子」との抱き合わせであった(演出:マキノノゾミ)。
    この上演は自分と作品との距離(舞台との距離感も)が遠く感じられた舞台だったが、楽園王で改めて観て、完璧に「今」魅せる作品として立ち上げられ、「朗読」要素の強い楽園王流の手練れた演出によりこの作品の勘所・・とりわけ谷崎潤一郎作品としての真骨頂を味わい直す事にもなった。
    もう一遍は一人芝居。激烈な告白(結婚式場での)で大いに会場も笑わせていたが、キャスティング込みで優れた出し物となっている。
    (これがただ一度切りの上演とは・・)
    さらに詳述したい欲求を残しつつ。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    Aプログラム:『本棚より、夢十夜』→『よだかの星』→『風』。枕が付け足された漱石、わりとシンプルなリーディングの賢治、オリジナルの怪談(?)。最後の1本、妻は役者を使わず実際の風でも良かったのでは?

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/08/02 (金) 15:00

    Aプログラム。75分。休憩なし。

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