実演鑑賞
満足度★★★★
【Bプログラム】観劇。
この時期 仕事が忙しくなければ、Aプログラム・特別プログラムも観たかった と思えるほど面白かった。残念。
日常にある ちょっと奇妙で不思議な、それが今の時季にピッタリと思える演目選択の巧さ。第一の狂言「赤い靴」 第二の狂言「アオイハル」そして第三の狂言「紙風船」(作:岸田國士)であるが、「赤い靴」と「アオイハル」は何となく関連しているような感覚。受付時に3作品の紹介というか解説を貰ったが、これが名刺サイズ、その裏に小さい字でビッシリ書かれている。会場内の薄暗い中で読む気もせず、帰りの電車内で読んだが、なんと「アオイハル」は「赤い靴」の前日譚とある。物語に直接的な繋がりがないとあるが、何となくそんな気にさせるところが妙。
また「紙風船」は 何回も観ているが、今回は音響・音楽の効果によって、淡々とした日常に持ち込んだ虚実、それをメリハリの利いた物語に仕上げており実に巧い。3編とも二人芝居で、淡々とした会話が進むにつれ 滋味溢れるような心情が浮き彫りになる。しかし 物語を纏っているのは先にも記したが奇妙・不思議という世界観。この独特な味わい深さが 本公演の魅力だろう。3編に共通しているのは「赤」、そして舞台セットの小物に林檎を置くなどの拘りを見せる。
ちなみに客席は変形配置で、どこが正面でどこに座るか迷うが、そこはしっかり誘導してくれるので心配ない。
(上演時間1時間20分)