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セチュアンの善人

セチュアンの善人

劇団俳優座

俳優座劇場(東京都)

2024/09/20 (金) ~ 2024/09/28 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ブレヒトの代表作の一つ。長年持ちレパとしていた演劇アンサンブルの最終公演(鑑賞会公演)を観たいと申し入れていたのが上演中止となり、泣く泣く断念したのが10年近く前。そんな事を思い出したが、漸く上演が観られた。
俳優座劇場のステージが近く見える。小劇場の範疇。のっけから所狭しと走り回るワン役による所か。こんな元気の良い逸材が俳優座に居たのか・・?と驚いたら、桐朋の学生だった。学生演劇はさほど見ていないが、以前桐朋学生の発表公演を観た時の印象は、出来上がった感にまで持って行けるポテンシャル。即ち若さ、による柔軟さ。適役を与えられれば無敵状態。
本舞台では降板と再配役が相次いだ模様だが、結果的に大きな役に起用された桐朋学生の存在感と劇団とのマッチングは頗る良かった。
ブレヒトらしい皮肉の効いた寓話(教育劇を思い出させる)を心行くまで堪能。三人の神様の登場や心優しい売春婦(善人)のシェン・テと効率を重んじる冷徹なその従兄弟シュイ・タの謎が寓話性を高めて美味しい。
根底には資本主義社会の構造(人間の行動原理を含めた)を物語を使っておちょくり暴露する視点があるが、「恋愛」をまな板に載せているのが興味深い。

ネタバレBOX

現代を反映した台詞を書き加えていて、そこは気が利いていたが、結語に「効率なんてくそくらえ」の台詞を据えていたのが私としては勿体なかった(敵を「効率」の語で括ってしまうのは繊細さに欠きはしないしないか。家事だって効率を求めて主婦は賢く立ち働いている。これを糞食らえとは思わない。では何が我々の敵なのか・・考察を要する。台詞一つはとても重要だ。)。
そして最終シーン。暗転の後に中央の円形にてんこ盛りになった俳優らの塊が現われ、「2000年後」の字幕が点灯する。これが分からない。
後の解説によれば、文明の象徴である「ビル群」との事だが、ビルには見えず、本編では既に現代が混入している所、「2000年後」だと西暦4000年代か?と訝り、造形の意味も分からないので些か混乱を来す。試行錯誤の結果だったろうが、ここも少々もったいなかった。
白魔来るーハクマキタルー

白魔来るーハクマキタルー

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

家屋の前方が緩めのV型になっていて何だろうと思っていたら、左右から出てくる障子がセンターで止まるようになっていて成程と。羆の恐怖表現に、小劇場の狭い空間を最大限に工夫していて見応え充分。

白魔来るーハクマキタルー

白魔来るーハクマキタルー

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。と言っても流血・暴力シーンなど、トリガーアラートには留意が必要。
当日パンフでは、100年ほど前にあった実話「三毛別羆(さんけべつひぐま)事件」を題材にしている とある。日本最大の獣害事件として有名らしいが、自分は知らなかった(Web上に情報有り)。さて、ラビット番長の公演と言えば、介護・将棋・野球の三本柱(ハートフル)という印象が強いが、本作のようなノワール系で緊張を強いる話も面白い。

公演はテーマ性、観せる演出、語り部による客観的な紡ぎ、その相互の緊密な繋がり連携によって迫力ある物語に仕上がっている。勿論 キャスト陣の迫真の演技が物語を支えている。初演(2015年、その時が事件から100年目)も観ており 概要は覚えていたが、改めて再演を観て 考えさせられることの多さに気づく。
池袋演劇祭参加作品。
(上演時間1時間45分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、「く」字を下向きにしたような変形半円、後景は鬱蒼たる樹木の中といった不気味な雰囲気を漂わせる。障子の開閉で情景・状況の変化を表す。

物語は現代と過去、と言っても ほとんどが事件に関する描きである。若者が道に迷い一軒のあばら家で暖をとっているところから話は始まる。この家の主(老人=語り部)は、冬だけこの家に滞在しているという。その理由を語り出し、場転換すると そこは北海道開拓当時へ…。開拓した土地は自分のものになる、そんな甘言に夢見て北海道へ移住した貞夫一家(貧民)。村長を始め村人たちは親切に迎え入れ、馬まで与えてくれた。

北海道の冬、それも僻地では極寒。白魔来るは、雪が降る日に起こる災いのこと。その災いとは巨大な羆の襲来、村人たちは為す術もなく家族を食い殺される。これは開拓民の視点で、羆にしてみれば先に生息していたのは獣のほう。開拓すればするほど羆の餌場は荒らされ、生存の危機といった見方が出来る。
物語が面白いのは、視点の転換によって見え方・考え方が異なる、その柔軟な発想。勿論 直截的には環境問題といったことを思うが、究極的には人と獣の生存をかけた戦い。

また語り部の老人、実は羆に殺された女の胎内にいた赤ん坊で、奇跡的に助かった。多くの村人が犠牲になり、貞夫は自分たちが入植したために惨劇が起きたと嘆く。生まれながらにして望まれぬ、いや忌み嫌われる存在、それが父 貞夫の「この子を殺してくれ!」という慟哭。一方、羆退治のために伝説のマタギ 平吉を招請した。その風貌は、日本人とは思えないもの。ロシア人とアイヌ人の混血、彼もまた蔑まれ虐められていた。この差別意識が物語の背景に暗い影を落とす。

チラシには「惨劇」「鳴り響く悲鳴」といった言葉が並ぶが、首が落ち、血が飛び散り障子を赤く染める、腸が引き裂かれる等のシーン。また照明は全体的に昏く、音響は上演前から風が唸り、おどろおどろしい音が鳴り響く。場転換時の三味線を弾く音、太鼓を叩く音が緊張・緊迫感を煽る。テーマの明確さ、恐ろしい場面演出、時代の背景や状況を語ることによって、現代との橋渡しをする。トリガーアラートが乗り越えられるならば、ぜひ劇場で恐怖を!
次回公演も楽しみにしております。
いつかのもの語り。

いつかのもの語り。

BB stage

萬劇場(東京都)

2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いくつかの物語が平行して動き出し重なっていく、ややファンタジー感もありますが、本質は人の優しさが溢れる舞台でした。

ネタバレBOX

登場人物が多いせいか、ややそれぞれのエピソードが希薄かなとも感じてしまいました。主人公の同級生の自殺の動機が少し苦しく、また私の見落としかと思いますが、主人公と少年との関りが今一つよくわからなかったのが気になりました。
一度

一度

UNITレンカノ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2024/09/04 (水) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/09/06 (金) 14:00

元有名演出家のオーナーが定期的あるいは突発的に役者にダメ出しをして稽古をつける喫茶店を舞台にした演劇愛ダダ漏れの秀作。
脚本家に無断で脚本に手を入れる演出家とか次第に自分の考えに凝り固まり方向性がズレてしまった役者とか「ありそー」と思える問題を笑いの中に提示し、元・父親の娘への想いや継父に対する嫉妬心も加えて、そりゃあ「旗降ろし公演」ということを別にしても感動しますって!
さらにそこに殺陣まで盛り込んで、まさに集大成、的な。いやぁ、いいモン観たなぁ♪

うしろのみぃちゃん

うしろのみぃちゃん

橋田ゆういちろうのカンパニー

扇町ミュージアムキューブ・CUBE02(大阪府)

2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/09/26 (木) 19:00

価格4,500円

昨日、初日を観てきました。
ダンスのシーンが散りばめられ、楽しい舞台でした。
みぃちゃん役の藤原実礼さんが(11歳??)すばらしく、目を離せませんでした。素直に成長していってほしいです。
藤井愛希子さん、よかったです。
観に来ていた子供さんたちもとても楽しそうでした。

ネタバレBOX

最後、藤原さん藤井さんがユニゾンでセリフを言うところ、帽子をとるところ、あまり舞台では泣かなくなりましたが、泣いてしまいました。
ふたりの演技が良かったからだと思います。非常に良いシーンでした。
るつぼ

るつぼ

演劇ユニット King's Men (キングスメン)

座・高円寺2(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/09/26 (木) 18:30

久しぶりのアーサー・ミラー
アーサー・ミラーに初めて出会ったのは半世紀近く前の大学の教養の英語の授業で「A View from the Bridge」だった
「るつぼ」はその2年前の17世紀末の魔女狩りを素材にマッカーシズムへの警鐘を鳴らした作品だ
中心となるアビゲイルとプロクターの妻の二役の絵里とプロクター役の平澤智之、それにその召使メアリー役の山本麻祐が熱演だった
簡素なプロジェクションマッピングのみのセットで会話劇を引き立たせていたのだろうが、さすがにそれて休憩なし2時間40分は長かったな
それと多様な起用という趣旨はわかるものの、キャストの力量に差がありすぎた
台詞のない時には棒立ちの者や、男優陣には滑舌が悪い役者も

ラスト・オーダー!

ラスト・オーダー!

劇団イーゼルノップ

G/Pit(愛知県)

2024/09/21 (土) ~ 2024/09/22 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2024/09/21 (土) 13:00

時々早口になったり聞き取りづらいところもあったんだけれど
ウイットに富んだセリフで結構笑えた。
ただ、1時間半、場をもたせなきゃならないっていうのもあるから
そうなっちゃうんだろうけれど
テロリストを説明するあたりだとかの会話がだらだら続いて
まどろっこしいっていうか回りくどいっていうか
イラっとさせられた部分も・・・
最初に言ってた逃走した包丁男が
あんな役回りだったとはちょっと拍子抜け。
テロリスト(もどき)、警察、包丁男も交えての
壮絶三つ巴バトルが見たかった。

いつかのもの語り。

いつかのもの語り。

BB stage

萬劇場(東京都)

2024/09/26 (木) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

説明にある「こんにちは、僕はしがない図書館の管理人さ」、その僕に導かれた世界をファンタジー風に描いた物語。舞台美術はその世界の雰囲気を漂わせ、照明や音楽は効果的に物語を支えている。
ラスト、或る人物が登場することで、さらにファンタジーなのか リアルかといった想像が膨らむといった巧さ。構成は凝り過ぎかと思ったが、登場人物の夫々の心情を分かり易く観せるための工夫のよう。

物語は主人公を始め、悩み苦しんでいる人々の現在を見つめ、過去を顧み、そして未来を拓く、そんな滋味溢れる内容だ。物語としては面白い。ただ図書館という言葉から、静かに時が流れると思うのだが、編集者のキャラを濃く(騒がしく)し、敢えてデフォルメしたような人物造形は、抒情的な雰囲気にあわない。コメディリリーフといった存在でもないようだ。出来れば、もう少し落ち着いたキャラのほうが、全編を貫く雰囲気に合致する と思う。
(上演時間1時間40分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は中央に両開きドア、左右に本棚が並ぶ。上手の一部が階段になっており その上り下りによって躍動感が生まれる。上演前から3人の人物が読書をしており、後々 物語に絡んでくる。舞台と客席の間に白い紙が…それが浮遊感を表す。物語の紡ぎと浮遊感ある雰囲気がファンタジーといった印象を与える。

高校の同級生から書く才能があると言われ、発表した小説(処女作)が話題になり 一躍人気作家になる。編集者から次回作を促され、執筆した2作目は酷評され自信を失う。また高校の友人が自殺し、書くことが怖くなった主人公の心の彷徨であり咆哮でもある。目に見えない心の叫び、それを上演前に読書していた3人の物語(オムニバス風)に重ねる。書けなくなった幻の小説家、その書き手を探すファンによって解き明かされる謎(小説家の心情も含め)、それが物語の肝。小説家は男手ひとつで育てられる。第1:小説家は母の思い出がない。第2:心臓病の娘の母親、第3:(母)親に捨てられ、見ず知らずの爺に育てられた娘、この薄幸とも思える人物達が健気に、そして必死に生きようとしている。その小話を交錯するように紡ぎ、独特の世界観を描き出す。いずれも過去に向き合い、情愛の繋がりの大切さを説く。

主人公に書くように勧めた女子高生が自殺する。それが彼の処女作が評価された後だけに嫉妬したのか、という読み筋になる。しかし劇中ではその理由を否定しており、彼にもっと書かせるといった励ましの行動だったような。この場面の解釈が難しく、モヤモヤとする。しかしラスト、自殺したはずの女子高生と図書館の管理人が登場する。亡くなった魂が現世を見守る、もしくは 物語全体が劇中劇であり、亡くなった女子高生が書いた小説といった捉え方も出来る。その意味でファンタジーかリアルなのかといった想像が膨らむ。

舞台技術…音響・音楽は、図書館の入退室時に響くドア開閉の重厚な音、温かく優しい音色の音楽など効果的。照明は黄昏をイメージの落ち着き、白銀照明による淋しさが印象的だ。物語をしっかり支えた舞台美術と技術、それに好感をもった。
次回公演も楽しみにしております。
セチュアンの善人

セチュアンの善人

劇団俳優座

俳優座劇場(東京都)

2024/09/20 (金) ~ 2024/09/28 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

俳優座劇場で何度も見たあの俳優座のブレヒトである、
市原悦子も栗原小巻も、その年の演劇界の芸術的成果の代表作としてみた。シーンごとに天井から降りてくる大きなプラカードに示される活字体の説明に従ってのその場を客観的に見る、観客は、舞台に感情移入させて見てはならぬ、とか、音楽はジンタのようなものが良いのだ、とかさまざまにブレヒト劇の見方を学習したものだが、どこか腑に落ちない。当時、映画、テレビでもおなじみだった俳優座の名優たちの演技はお見事でもあったが、落ち着いてみれば展開する物語はよくできた寓話で、そんな大げさなものでもない。
当時ポスト「新劇黄金時代」の旗手として上演されたのがブレヒト戯曲には不幸だったようで、やがて、反新劇の唐十郎から、つかこうへいの登場に至ってブレヒト神話は粉砕されてしばらくは、お茶を引くことになった。それから50年。世紀が変わる。
時代は変わって、劇場の最後の上演として「セチュアン」を見ることになろうとは!
しかもその上演は過去の上演とは全く違う。物語の主なスジは原作のものだが、一人二役の資本主義そのものの主演者のシエン・タ(森山知寬)は、女優ではなく男優になり、シーンごとにプラカードで示された場面は、ホリゾントを大きな半円で囲むすだれのカーテンの内側の丸い場面一つになった。物語も後半は大きく変えられているが、ほぼ、3時間ちょっとの長丁場を何曲か歌入りで10分の休憩だけ一気呵成につないでいく。(かつての上演よりは30分は短くなっていると思うがそれでも長い)。テキストは現代風で、昔の上演を思わせるものは何もないが、演劇は時代と共に生きる。そういうものだ。
かつて、劇団任せだった新人演劇人養成を新しく担うことになった桐朋学園とは提携していて優秀な学生は俳優座がスカウトして華々しくデビューしたものだ(多くの名優を生んだ、その功績は大きい)。ラストステージでも、今年卒業の学生たちが大挙出演している。現在の俳優座のベテランに混じって水売りの女(渡辺咲和)や神様のひとり(今野まい)のような重要な役にも出演していて、これが初々しくてなかなか良い。役の登場人物18名に俳優座のベテラン。そこに桐朋学園の学生が20名。演出は劇団の若手俳優でもあり演出家でもある田中壮太郎。さまざまなクレジットのついた大公演である。
で、どうだったのか。
観客も又変わる、舞台も変わる。こういう名作を日本初演から見ているものにとっては感無量としか言いようがない。最近ブレヒトがちょくちょく再演されるようになった。解らぬでもない。話が東映のヤクザ映画みたいに単純に面白く出来ているのだ。
戦時中をヨーロッパからアメリカへ、戦後冷戦下を東西両陣営で生き抜いたブレヒトはやはりただ者ではない。



リング・アウト

リング・アウト

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

異次元タイムパラドックスの設定は思っていたのとちょっと違っていましたが、なかなかにグッとくる家族ドラマでしたね。亡き妻への思慕の情には弱いのです。

るつぼ

るつぼ

演劇ユニット King's Men (キングスメン)

座・高円寺2(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

アマチュア劇団みたいだった。

演者で良かったと思えるのはメアリー役。
主演の2人は上手いは上手いんだけど、演じているのが気持ち良くなっている感が好きになれないんですよねえ。

あと服装にはもう少し気を使ってほしいかなと。
ラルフローレンのTシャツはないでしょ。
あとシャツの裾を出していた人がいたけど、あの時代にそういう着方はなかったのでは?
衣装にお金かけられないからあり物でというのは当然だけど、それくらいは直せるのでは?

ネタバレBOX

メアリーとアビゲールを間違えた。
訂正済み。

山本さん1人だけ素晴らしかった。
るつぼ

るつぼ

演劇ユニット King's Men (キングスメン)

座・高円寺2(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 アーサー・ミラー原作の作品である。板上はフラットの素舞台。ホリゾントはスクリーンになっており物語の場面に応じた絵画が映し出される。時代設定や場所はハッキリしないものの、イギリスの統治下にあった宗教性の強いアメリカという地域の或る地方の物語と解釈できそうだ。中心になる登場人物の要に地域で人気の高い農夫・ジョンとその妻・エリザベス。そしてジョンと不倫関係にあった元召使・アビゲイル。魔女裁判に至り、遂には刑死者迄出すというシリアス物だ。漠然ととある場所で起こった昔話というより寧ろ正しく現在の世界情勢とそのまま重なるような内容として観ることが出来、長い尺を一切感じさせないお勧め作品である。ミラーの慧眼も大したものだが、演劇ユニット、King’s Menを組む若い2人の表現者がこういった作品を選んでチャレンジしていることを高く評価したい。演出もこのユニットの篁エリさん・平澤トモユキ氏が共同で取り組み役者としても出演している。(追記後送)

ネタバレBOX


 オープニング早々、子供たちと若い娘(牧師サミュエルの姪・アビゲイル)がこの地方(セイレム)の森で踊りを踊ったり何やらさざめきあって遊んでいるような場面、と急に一人の最年少と思われる少女(地主パットナムの娘・ルース)が倒れ込み動かなくなる。踊っていた少女たちの内の幾人かは、服を脱ぎ裸を晒す(舞台上では下着になることで裸を表現している)
 ところでこの少女たちの様子を見ていた者がいた。この地域の牧師・サミュエルである。彼はハーバード卒を鼻にかけて偉ぶるような人物ではあるがこの地域に赴任して未だ浅く敵も多い。彼の管轄下にあるこの地域では、彼を嫌い敵対する住民が多く、この不可解な事件を魔女と結び付け彼を攻撃する材料として用いることが在り得ると考える彼は恐れ警戒していた。そこで子供たちと何をしており、どうしてルースが倒れ動けなくなったのかについてアビゲイルを難詰する。流石に牧師だけあってその追求は鋭いが、アビゲイルのしたたかさは、これを上回りかつて自分が召使として7か月働いていたが馘首にされた農夫・ジョンの妻・エリザベスが彼女を奴隷として扱いたがり非人間的で冷たいなどという話に切り替えると共に事件の肝心な部分を見抜くような懸念を述べていたサミュエルの問いから逃れることに成功。逆にエリザベスの評判を傷つけ、自らの評判を上げる種を撒くことに成功する一歩を踏み出した。
Letter2024

Letter2024

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/10/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

心に沁みるとても素敵な舞台でした!
気持ちのこもった役者さん達の熱演に心打たれました。

ネタバレBOX

特攻隊員、そして主人公からの大切な人達への手紙のシーンは感涙ものでとても心に残りました。
2時間半弱と少し長めの舞台でしたが、テンポよく物語が展開され、かつ惹きつけられるシーンも
多いので、長さは気にならず物語に没入てきました。
るつぼ

るつぼ

演劇ユニット King's Men (キングスメン)

座・高円寺2(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2024/09/25 (水) 18:30

CoRichの説明によれば、ベテランから若手まで多彩な実力派俳優が勢ぞろいしての度肝を抜く勢いのある舞台とのことだった。で、期待も大きく初日を観劇。
が、まるで期待外れ。演出もダメなら、役者もダメ。アーサー・ミラーの台詞・物語が少しも響いてこない。上演時間2時間半が無駄に終わってしまった。「エンディングは、席を立てないほどの衝撃」とのことだったが、違った意味での衝撃的な舞台だった。

15人の出演者(27役)でまあまあと思えるのはエリザベスとアビゲイルという核となる女性を2役ともこなした絵里(W演出の一人である篁エリらしい)とメアリーを演じた山本麻祐くらい。
あとは素人に毛が生えかけたか、生えもしないレベルでしかない。よくもまあ実力派俳優が勢ぞろいなどと言えたものだ。
殊にひどいのは副総督であり裁判官を演じた中島史朗。台詞を全く覚えておらず、紙(宣誓供述書や死刑囚名簿など)や白手袋、小さな紙片に台詞を書いて、それを読むのに必死な有様で、台詞を発する時に相手の顔を見ずにそうしたカンペにばかり目を向けて(当然下向きや、ひどい時は後ろ向きで)ただ大声を発しているだけ。台詞を言っていない時もほとんどカンペしか見ずに、次にどこで自分が台詞を言わねばならないのかばかり気にしている。そんな有様では、登場人物の人間性や感情などをきちんと表現できるはずもない。
他の役者も台詞をやりとりする際の間があわず、会話が噛み合っていないし、滑舌も悪い。
あと子役もひどい。序盤で気を失って、このまま死ぬんじゃないかと周りの大人が騒いでいるのに、当の本人は倒れたまま首を動かしてずっと辺りをキョロキョロ見回している。その他の場面でもまるで遊んでいるかのようで、傍に居る大人の役者はそれが気になって仕方のない様子。

衣装にも多少違和感があるが、主人公であるジョンを演じる平澤智之(W演出のもう一人である平澤トモユキ)がNEW YORKと大きくプリントされたラルフ・ローレンのTシャツなのが最悪。なぜ白無地のものにしなかったのか。しかも劇中ずっと裸足だった。裸足である必然性などどこにもないのに……。
おまけに、背景として舞台奥に泰西の名画が映し出されるのだが、途中でPCの画面そのまま(全画像の一覧)が映し出されて、それがかなりの長時間そのままの状態での演技。ますます白けてしまった。

演技力のない座組でやるのであれば理想を高く設定せず、まずはそれなりの戯曲を選ぶべきだろう。どんなに優れた戯曲だろうと、それを読み込み、表現する演出家や役者陣が揃わなければ作品世界を伝えることなどできはしない。

また会いましょう、ってね

また会いましょう、ってね

羊とドラコ

喫茶コスモス(大阪府)

2024/09/21 (土) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

羊とドラコもこれをもって休団ということもあって… とある商店街の親の代から続く喫茶店の話 本当に最近喫茶店が無くなり、レストスペースの有るコンビニでということが… 父親の介護もしながら喫茶店を続けるのも困難を極めて… 但し喫茶店を続けてきた理由は別にあったりと、過去の竜崎さんのこともフラッシュバックしたりと、少し複雑な気持ちで拝見 いつものファンタジーさは全く感じられず少し寂しさを感じながら、途中ハプニングも有りながらの75分でした

路地裏の舞台にようこうそ2024

路地裏の舞台にようこうそ2024

一般社団法人アラヤシキ

EARTH,新世界 ZAZA POCKETS,HOMEビル,旧 自由空間『Aloha』,日の出湯はなれこいさん路地,成田屋,SPACE★HOUSE,ホテル the b 大阪新世界,ロック亭,SUCHSIZE,喫茶コスモス(大阪府)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

一人でめちゃくちゃ頑張ってました‼️名古屋でうけたんや〰️

リング・アウト

リング・アウト

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2024/09/25 (水) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

路地裏の舞台にようこうそ2024

路地裏の舞台にようこうそ2024

一般社団法人アラヤシキ

EARTH,新世界 ZAZA POCKETS,HOMEビル,旧 自由空間『Aloha』,日の出湯はなれこいさん路地,成田屋,SPACE★HOUSE,ホテル the b 大阪新世界,ロック亭,SUCHSIZE,喫茶コスモス(大阪府)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

インプロオモロー 楽しめました‼️

路地裏の舞台にようこうそ2024

路地裏の舞台にようこうそ2024

一般社団法人アラヤシキ

EARTH,新世界 ZAZA POCKETS,HOMEビル,旧 自由空間『Aloha』,日の出湯はなれこいさん路地,成田屋,SPACE★HOUSE,ホテル the b 大阪新世界,ロック亭,SUCHSIZE,喫茶コスモス(大阪府)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

流石野良犬 2回拝見 緒方さん最高😃⤴️⤴️あの場所だから醸し出せる味のある内容

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