トリオ
NonoNote.
シアター711(東京都)
2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
笑いました!!女性トリオの建前やら本音やらがぶつかって、1人の男を取りあうドタバタも面白かったです!
設定が1970年代とのことで懐かしい言葉やエピソードが飛び出しました。演じている役者さんたちも知らなかったことなのではないでしょうか。日替わりゲストの植田健一さんが「好きな昭和歌謡」と言うことでユーミンの「ひこうき雲」とおっしゃっていましたが、あれは昭和歌謡ではなくニューミュージックというのが正しいと思います。
まあ、植田さんが発表した時後ろの席の女の子が「えー!知らない」と呟いていたので、知らない世代にも聞いてもらえたら嬉しいです。
インディペンデント・クロニクル グレイテスト・笑マンⅡ
一般社団法人グランツ
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
新作『トロイメライ』/『ジョルジュ』
座・高円寺
座・高円寺1(東京都)
2024/12/19 (木) ~ 2024/12/25 (水)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★
12月、冬の訪れの時期に毎年上演される座・高円寺の音楽を取り込んだステージである。形としては朗読劇といった作りだが、小品ながら音楽として成立している演奏を取り込んでいる。今回は芸術監督に新しく就任したシライケイタの作・演出でシューマン(亀田佳明)と妻・クララ(月影瞳)の交わした往復書簡を読みながら何曲か秋山沙穂が演奏する。休憩15分を挟んで2時間30分。
このシリーズはもう20年を超える実績がある。今年は例年好演されてきたアメリカのジャズを素材にした「アメリカンラプソディ」に替わって「トロイメライ」になった。シューマンの音楽が演奏されるのだからシューマンの話か、地味じゃないか、と思いながら見ていると、半ばでシューマンは若死にして、後半はブラームスとのの往復書簡になる。これは、妻クララの話なのである。シライケイタ、ラストに余白の日記を出したり、構成はうまいものである。
19世紀、男性社会だったウイーン音楽界に演奏家として受け入れられ、女性音楽家として初めて音楽界でリーダーになっていくクララの生涯が演奏と共に語られる。亀田はこういった役回りはお得意で今回もシューマンやブラームスを過不足なく読む。月影が父に反発しながらローティーンの頃からシューマンとの純愛に生き、たくさんの子供たちをもうけ、毅然として演奏家としてヨーロッパ中を巡演していく自立する女を読む。好演である。
自立する女性物語として古いが王道の話で初演ながら客席は老若男女バランスの良いいかにもの「杉並区民」で満席であった。
この企画も10年を超えれば劇場名物になる。こういうシリーズ公演を一つでも持っていることは自治体劇場としては大成功である。組み合わせるショパンの「GEORGE」は定評ありの公演だがピアノで固めるのも一案だが、やはり前作のように軽音楽系の物語欲しい。芝居に比べれば仕込みは楽なのだから三本立てでも意のではないかと思った。客席300クラスの劇場がそれぞれ四季にあわせ名物公演を持てれば東京も素晴らしい演劇都市になる。なれば良いなぁ。
トリオ
NonoNote.
シアター711(東京都)
2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
ケレン・ヘラー
くによし組
シアタートラム(東京都)
2024/12/19 (木) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
話の筋は良く判ったものの、そこへ行くまでの状況が納得(共感)できなくて…モヤモヤしてるうちにどんどん進んで行った。
不条理劇だから、話の流れにリアリティを求めてはいけないのかな?
アフタートークがあったおかげで、話の趣旨はわかったけど…
天保十二年のシェイクスピア
東宝
日生劇場(東京都)
2024/12/09 (月) ~ 2024/12/29 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★★
4年10月ぶりの藤田版再演。宮川彬良さんの曲が実に素晴らしく、地を這って生きる人たちのエネルギッシュなこと。木場勝己隊長の達者な導きで天保十二年の、佐渡の三世次の一代記に誘われる。高橋一世を踏襲しつつ悪の度が増した浦井健治の三世次。お文、お里など悪人ぶりが際立つほど、話がおもしろくなってくる。シェイクスピア作品の織り交ぜが絶妙で、耳慣れたセリフが出てくるとつい笑ってしまう。
他人の人生を踏み台にして虫けらから代官に上り詰めた男の悲惨な最期もなぜか爽快。2幕はジェットコースターさながらに疾走する。
確かに絢爛豪華祝祭音楽劇だった。リピーターチケット(かなりお得な)もあるのでできれば1階と2階で観劇をオススメします。
なかなか失われない30年
Aga-risk Entertainment
新宿シアタートップス(東京都)
2024/04/27 (土) ~ 2024/05/06 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
すごくよかったです。
停電作業の後って何かしらトラブルが起きるけど、これはイヤだ(笑)
クズ債権者は懲らしめるけど、本当に困った人はソッと見逃す。この三人だと、闇金のヒーローっぽくてたまらん。
演劇衆団ZI-PANG、最高だった!
自分好きの主宰が笑える。それについて行く役者もいいキャラ!
キミと奏でる音色
SFIDA ENTERTAINMENT
劇場HOPE(東京都)
2024/12/17 (火) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
役者さんたちの熱演が光る舞台でした。
正直ストーリ的には少し納得いかない部分もありましたが、それを知ったうえで
再度観てみると根底にある部分が見えてきて、また印象が大きく変わってくる作品
なのかなぁとも思いました。
トリオ
NonoNote.
シアター711(東京都)
2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
3人の女優さん熱演です。
ストーリーも人物の設定もとても面白かった。大きな動きや表情がとても合っていたと思います。12/19昼の俳優さん、喋りが上手く良かったです。
トリオ
NonoNote.
シアター711(東京都)
2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
世界の果てからこんにちはⅢ
SCOT
吉祥寺シアター(東京都)
2024/12/13 (金) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「世界の果てから…」という題名が適格であったかどうかは疑問があるが、現代ニッポンへの警笛は同感の念を抱きました。
上半身、下半身という表現をアフタートークで鈴木さんも遣っていらっしゃいましたが、机上の空論と足が地に着くことの対比なのだろうか?
演劇がエンタテインメントと名を代えて久しい感があるが、演劇の精神が宿る作品は、今やSCOTに期待するしかないのだろうか?
そんな風潮もまた、現代ニッポンの病巣なのかも知れないと思いました。
鈴木さんのトークでの「充電」と「放電」には我が意を得たりという思いがしました。
行政は、これをやってはいけないという【不利益規則】は作るが、可能性を狭めてしまっていることには留意などしない。多様性を抑圧している。
全くだと思いました。
『ハラスメント』に対する意見を演劇で見せてほしいと強く思いました。
病室
劇団普通
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2024/12/06 (金) ~ 2024/12/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/12/11 (水) 14:00
時として口論などもあるが基本的にはありふれた日常会話なのに2時間超を見せてしまうのは何故?と予てから思っていたがこの回のアフタートークゲストの本谷有希子さんの「リズムや間合い、重なり方などが音楽のような会話」という指摘で「あ、それだ!」と氷解。
アフタートークではほかに石黒さんが親戚の会話を文字起こしして解析(?)していることなども披露され、「石黒戯曲」の秘密を垣間見たようで興味深かった。
終演後に「あの特徴的な茨城訛りを日常的に使っている方はどう見えるのだろう?」と思ったが、3年前の再演時に「標準語版を見たいような見たくないような」との感想を綴っており、発想が一緒。(笑)
ちなみに上演時間は初演が130分弱、再演が125分、今回が135分。
キミと奏でる音色
SFIDA ENTERTAINMENT
劇場HOPE(東京都)
2024/12/17 (火) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
あらすじを読んでいたので、ある程度予想出来ましたが、それでも二転三転していく展開で楽しめました。同級生達の関係性がよく、基本的には良い人ばかりでしたので応援したくなります。歌唱シーンもとても近くで見応えがありました。
ケレン・ヘラー
くによし組
シアタートラム(東京都)
2024/12/19 (木) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/12/19 (木) 18:30
笑っていいのか考えてしまう、笑えない、お笑い芸人の物語。深い。(1分押し)105分。
2018年初演作品をリライトした再演で、初演も観てる。ヘレン・ケラーをネタにしたギャグをする女子2人が不謹慎だと活動休止に追い込まれるが…、の物語。不謹慎と笑いの境界がどんどん難しくなっている現在にこそ考えるべき作品だと思う。初演はもっと笑いが多かったように思うが、劇場の規模が大きくなったこともあって、観客が笑う場面が少なくなった気がする。國吉らしい細かいギャグはいっぱいあった。役者陣もみな好演だが、ロボット役を演じた柿原が特に良かった。
白衛軍 The White Guard
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2024/12/03 (火) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ブルガーコフ作品だと気付いたので急遽予定を組み、足を運んだ(チケットも余裕で取れた)。
劇場都合なのかどうなのか・・新国立主催公演では久々の中劇場。つい2階席を懐具合と相談して買ってしまい、残念な観劇となる確率が高いのだが、今回は二階からでも舞台が近く感じ、役者の姿も声もしっかり入って来た。(劇場都合なのか・・と疑問がもたげたのは小劇場が似つかわしい舞台に思えたので。)
ロシア革命前夜、ではなく革命直後のウクライナを、大ロシア帝国の王ツァーリを主と仰ぐ「白衛軍」側の家族の目線で描いた作品だ。スターリン支配下のソ連で苦悩の作家人生を送ったブルガーコフを題材にした劇団印象の前作をおぼろに思い出しながら、劇としては面白く観た。ソ連に組み込まれる以前のウクライナとロシアの関係(地続きに隣接するヨーロッパの国々の事情は測りがたいものがある)や、闘う者たちが帰依する対象(何に殉ずるのか)を相対的に評する視点があり、だからこそドラマを描くのだ、という作者の声が聴こえるような気がする。
物語の主人公はトゥルビン家の兄弟アレクセイ(白衛軍の部隊を率いる大佐)とニコライ(若さで血沸き戦いに漕がれている)、そして界隈のマドンナ・エレーナ。舞台はこの家の広い居間で旧知の者(殆どが軍人)が出入りする。この家の人たちに憧れて遠方からやってきた若い学生(従兄弟)が唯一の非軍人。厳しい戦いを強いられている白衛軍だが、ドイツの支援が期待され、エレーナの夫は「政府の用事」と称して序盤にベルリンへ赴くのだが、ついにドイツ軍は援軍をよこさず、白衛軍は敗北する。白衛軍の指導的立場であったゲトマン率いるゲトマン軍に属するレオニードもエレーナ目当てに家に出入りする一人だが、戦いの終盤においてこのゲトマンの逃亡を目の当たりにする。
作者は白衛軍の目線でドラマを描き出しながらも、陣営の正当性を主張するものでは勿論ない、のだが、ただ、国内のロシア支配から脱却せんとする民主勢力ペトリューラ軍は残虐に描く。日本における日本赤軍事件が象徴する「左翼」「過激派」のイメージに近い。そして終幕、ウクライナ首都キエフを陥落したのはロシアから進軍したボルシェビキであり、民衆は早くも彼らを歓迎し、それを自嘲気味に揶揄する白衛軍の居間の会話が「平和」の時間の中で交わされる。
古いロシアによる支配による平和秩序を尊ぶ白衛軍は歴史の必然のように表舞台から退場し、新たな時代を迎えた瞬間で物語は幕を閉じる。トゥルビン家の長男・アレクセイ大佐が戦闘で死に、それを目の当たりにした同じく建物内に追い詰められたその弟は命からがら帰還するが、精神を病む。
敗北の悲劇を経て、訪れた日常において人間が平和を享受する尊さを描きながらも、人間が「平和ゆえに」腑抜けて行く予感が漂う(とは穿った読みかも知れぬが)ラスト、人生の喜劇を滲ませる。
装置、音響が優れ、演出の勝利にも思える(ワンツーワークスの古城氏が今年の記憶に残る演劇作品として本作の「二幕」を挙げていた。二幕って・・)。
戦闘シーンの頻出する芝居だが、ある局面で舞台奥にある箱の中でかなりの衝撃だと分かる爆発音が鳴る。(銃の音もちゃちい火薬の鉄砲ではなく十分に衝撃音を出すものを使っている。)
ほぼ邸の居間が舞台。冒頭から秀逸であったのは、ロシア人気質というものを恐らくは体現しようとした男らの言動。妙に人懐っこく、喧嘩っ早く、日本人感覚では甘えん坊と揶揄されかねない人物像をそれぞれ作っていた。
現代のウクライナ・ロシア戦争を「評価」する際においても感ずる事だが、あまりに無自覚な自己投影(相手も自分らと同じ文化を有しているという前提)によって価値判断をしていないか・・。
他国領土に侵攻したロシアの行為は許されるものではないが、許す許さないを超えて事態は動く。そこでは「違反者=絶対悪」という単純思考では物事の先行きは見通せない事実に直面させられる。
ウクライナの西欧への接近は長い近隣の歴史の流れの中ではどう意味づけられるか・・100年前のウクライナの歴史という一つの点を、「他者(他国民)」理解の補助線を引くために活用し、文脈を見て行く態度を獲得していく事が肝要ではないかと思えてならない。「知る」という事は押しなべて人の人に対する「断罪」という愚かさを遠ざける側に機能するのだと思うし、そうありたい。「面白い!」とかみしめた味の中身は、そういう事であったかも。
イヨネスコ『授業』
楽園王
サブテレニアン(東京都)
2024/12/17 (火) ~ 2024/12/21 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「イヨネスコ『授業』」とは何なのか。奇怪そのものの戯曲は人の心の深層を叩いて来るものがあるが、正体は漠としており強度の高い解釈を作り手に求める。
結論的には、面白いパフォーマンスであった。教授役は前回のリーディング企画で「お国と五平」の男役をやった男優で、人間の「狂気」の背後に流れる何かを、想像させるに十分な奇怪さを体現した。
私はSPACで西悟志氏の非凡な演出による本作を目の当たりにしたので、「あれを超えるものはあり得ないし」と敬遠する向きがあったのだが、楽園王なら観る価値はあるかなと、(他の公演と散々迷った挙げ句)新たな「授業」を観る気になり足を運んだ。
面白かった。
醸されていたニュアンスを言葉化するのは難しいが、言葉が見つかったらまた書いてみる。
ちち
座・だるま水鉄砲
小劇場 楽園(東京都)
2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。この旗揚げ公演は観応え十分。
増澤ノゾム氏の脚本・演出による記憶・追想を辿るような物語…人が持っている表し難い感情を上手く表した人間劇であり家族劇。登場人物は男女4人、それぞれの性格を繊細に 立場を丁寧に描き、今ある状況を巧みに描き出す。人が抱えた問題は、その時の生活状況や社会情勢によって影響を受ける。そして思わぬ行動に出てしまうこともある。その心情が痛いほど伝わる。そして 紡ネン を介して蟠りが少しずつ溶けていくような。
役者陣の演技が圧巻。何処にでもいそうな人物をさり気なく演じる、その自然体の演技が物語へ巧く誘う。冒頭から一瞬のうちに引き込まれる。登場人物が4人しかいないことから、それぞれの関係性が鮮明に そして濃密に描かれる。これによって 1人ひとりの人間性が浮き彫りになってくる。
物語は、行方不明だった父親が見つかり 兄弟のところに引き取られたところから始まる。兄弟が覚えている父は暴力的な人だったが、目前にいる男は 記憶の中の父とは別人の 天使のよう。そして兄の恋人も巻き込んで という設定が妙。
(上演時間1時間35分) 追記予定
長い正月
20歳の国
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/12/29 (金) ~ 2024/01/08 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/01/06 (土) 17:00
石崎竜史さんの 100年を100分で描き切るテンポ、展開の速さにもかかわらず愛が封じ込められ、それぞれの時代のキーワードや流行語を挟み、まだ日本の伝統として1年の内でも大きな存在だった、大晦日と元旦を舞台にした、心に染み込んでくる戯曲。それぞれの時代の楽曲達と重ねて現わして行き、こまばアゴラ劇場の構造を巧みに使い、生と死を端的に現した演出が素晴らしかった。構成/展開が見事。8人の俳優に、5代にわたる家族と5代の内の3代の宮司家の人々を12人で演じることで、それぞれのキャラクターの違いを浮かび上がらせる構造になっていて、俳優達も、その 100年の年月/人々を素晴らしい演技で現わしていた。登場した人物にこれだけ愛着を感じた作品は記憶にない。
自分の70年弱の人生が、この100年間の、まだ生まれていなかった 大正12年からの30年間は、祖父祖母、父母が居た時代であって、まだ結婚していない(単に事実としてのこと)、娘と息子が家に居てと、他人事ではなかった。女の子の家に電話を掛けた時、お父さんが電話に出て来た時の絶望感は今の皆さんには味わえ無い悲劇なのだった。笑
時代に重ねてくる曲達も、昭和の懐かしい曲達で、「また逢う日まで」や「時代」がこの物語のそれぞれのシーンと重なり、感情を揺さぶって来て涙なしでは見られなかった。ワンタッチカレーって言葉など、良く探して来たなと。
そして、俳優が端的に現すキャラクターに引き込まれた。
力強く素晴らしい歌声にそれまでのシーンを大きくシフトチェンジするパワーを持たせ、流れを切り替えた菊池夏野さん。あらゆる演技が素晴らしかった。
祖母、子供からOLへと目まぐるしく演じ分ける Q本かよさん。
死の口に向う土間から2段を登る時のつま先の在り様。寿美という一人の人生を子供から老婆まで演じた田尻祥子さん。田崎宮司さんではないことを知った時の変顔のインパクト、そして八の字眉ごとでの年代の演じ分け。
恋人から母に、そして老婆へと、爆発的な演技も冴えていた櫻井成美さん。
説明的な台詞を巧みに操った山川恭平さん。「また逢う日まで」の歌の上手さたるや。
本当に素晴らしい上演を拝見出来ました。皆様ありがとうございます。宝物です。
長い正月
20歳の国
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/12/29 (金) ~ 2024/01/08 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
石崎竜史さんの 100年を100分で描き切るテンポ、速いにもかかわらず愛が封じ込められ、それぞれの時代のキーワードや流行語を挟み、まだ日本の伝統として1年の内でも大きな存在だった、大晦日と元旦を舞台にした、心に染み込んでくる戯曲。それぞれの時代の楽曲達と重ねて現わして行き、こまばアゴラ劇場の構造を巧みに使い、生と死を端的に現した演出が素晴らしかった。構成/展開が見事。8人の俳優に、5代にわたる家族と5代の内の3代の宮司家の人々を12人で演じることで、それぞれのキャラクターの違いを浮かび上がらせる構造になっていて、俳優達も、その 100年の年月/人々を素晴らしい演技で現わしていた。登場した人物にこれだけ愛着を感じた作品は記憶にない。
自分の70年弱の人生が、この100年間の、まだ生まれていなかった 大正12年からの30年間は、祖父祖母、父母が居た時代であって、まだ結婚していない(単に事実としてのこと)、娘と息子が家に居てと、他人事ではなかった。女の子の家に電話を掛けた時、お父さんが電話に出て来た時の絶望感は今の皆さんには味わえ無い悲劇なのだった。笑
時代に重ねて行く曲達も、昭和の懐かしい曲達で、「また逢う日まで」や「時代」がこの物語のそれぞれのシーンと重なり、感情を揺さぶって来て涙なしでは見られなかった。ワンタッチカレーって言葉など、良く探して来たなと。そして、俳優が端的に現すキャラクターに引き込まれた。
力強く素晴らしい歌声にそれまでのシーンを大きくシフトチェンジするパワーを持たせ、流れを切り替えた菊池夏野さん。あらゆる演技が素晴らしかった。
祖母、子供からOLへと目まぐるしく演じ分ける Q本かよさん。死の口に向う土間から2段を登る時のつま先の在り様。
寿美という一人の人生を子供から老婆まで演じた田尻祥子さん。田崎宮司さんではないことを知った時の変顔のインパクト、そして八の字眉ごとでの年代の演じ分け。
恋人から母に、そして老婆へと、爆発的な演技も冴えていた櫻井成美さん。
説明的な台詞を巧みに操った山川恭平さん。「また逢う日まで」の歌の上手さたるや。
本当に素晴らしい上演を拝見出来ました。皆様ありがとうございます。宝物です。
トリオ
NonoNote.
シアター711(東京都)
2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても面白かったです!
キャラの濃い(濃すぎる)登場人物を演じる役者さん達のパワーが凄かったです。
役者さん、怪我をしないか心配になる程の熱演でした。
ストーリーも面白く「えぇぇ!?」と思うような場面もあり、目が離せませんでした。
楽しくて、あっという間の時間でした。
大満足でした!