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カンキの歌

カンキの歌

演劇企画アクタージュ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/09/19 (木) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

冒頭サスペンスと思われたが、実はコメディだった。
その中で解けたと思った謎がまた伏線になっているところが面白い。そして実際ありそう。
演者の方々を思い起こしてみれば、それぞれがしっかり役割を持っていて、それを全うされていたように感じる。
最後に涙を誘いながらも笑いで終わる展開も拍手でした。

三人吉三廓初買

三人吉三廓初買

木ノ下歌舞伎

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2024/09/15 (日) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「三人吉三」と言えば、あの名台詞。「月も朧に白魚の、篝もかすむ春の宵、・・」。
節分の夜、大川端で百両の金包みを手に入れた小悪党がしめしめと「こいつは春から縁起がいいわえ」。駘蕩とした江戸の雰囲気。
大歌舞伎でいまもよく上演されるから、少し歌舞伎を見たものなら一度は見たことがある。良い気分で歌舞伎見物に酔える舞台だが、これを木ノ下歌舞伎上演するという。実はコロナの初期(確か20年6月)に同じ劇場で公演されることが予告されていて、既に関西での上演では賞をえていたから大いに期待して心待ちにしていた。五年待たされて、念願の上演である。
今回は、役者も川平慈英や緒川たまきや、テレビでも顔の知れた俳優もキャストして、音楽も解説的なラップもはいっている。幕見もあれば、オリジナルお土産もロビーで売っている。だが、客席は薄い。一階席は8割、上の階は空席が目立った。
幾つかポイントを絞ると、1)木ノ下歌舞伎が大劇場で上演される(東京で)ことは少ない。大歌舞伎の観客もかなりいる。彼らはスタンでイングオベーションになれていない。(つまり、木ノ下歌舞伎の見方を知らない)
2)黙阿弥の原作が非常に長い。今回の上演でも藝ナカ、五時間。原作通り(は初演以来やっていないが)間違いなく10時間をかなり超える。3)非常に入り組んだ百両と、盗まれた名刀を廻る小悪党と彼らを取り巻く市民の因果話に現代の観客がついてくるか。そこにどのような現代人を打つリアルがあるか。
木ノ下歌舞伎のこれまでの活動を評価することにはやぶさかではない。正直上手くいったものもあるし、残念というのもある。今回も、力が入っているだけに甲論乙駁、これから賑やかなことだろうと思う。言い始めれば長くなる。
「見てきた」見物批評で言えば、今回はいつものゆとりが乏しかった。「櫻姫」で試みた大向こうのかけ声を入れてみるのはどうだろうか。これは卓抜なアイデアだと思ったが、今回の、大劇場の冷え切った客席に役者が空転しているのを見ると、役立つのではないかと思った。見物的には、物語のテキストレジはこうするしかないだろうけど、各幕で空気をガラリと変えた方が(スジの柱も変えているのだから)見やすいのではないか。三幕の丁子屋長屋のカット代わりのようなスジの運びの処理はいかがか。と思った。


かげきなデイリープレイス

かげきなデイリープレイス

演劇集団イヌッコロ

ザ・ポケット(東京都)

2024/09/18 (水) ~ 2024/09/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです!
ストーリーも面白いし、テンポも良いし、役者さん達の演技も良いし、ずっと笑っていました。
濃いキャラばかりでしたが、特に「原」を演じた長谷川哲朗さんは最高でした。
何とも楽しい空間でした。大満足でした!

バード・バーダー・バーデスト

バード・バーダー・バーデスト

南極ゴジラ

すみだパークシアター倉(東京都)

2024/09/19 (木) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/09/21 (土) 18:00

140分。休憩なし。

キソジ

キソジ

佐織企画

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2024/09/20 (金) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/09/21 (土) 13:00

105分。休憩なし。

かげきなデイリープレイス

かげきなデイリープレイス

演劇集団イヌッコロ

ザ・ポケット(東京都)

2024/09/18 (水) ~ 2024/09/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かった。
良いワンシチュエーションコメディ作ってくれる劇団が活動休止するのは少し残念ですが…。

HAMSTER☆STAR

HAMSTER☆STAR

劇団Turbo

OFF OFFシアター(東京都)

2024/09/17 (火) ~ 2024/09/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

始まりは?がいっぱいでしたが、朗読に対して的確なツッコミが面白かったです。
台詞忘れやとちりが多かったのですが、脚本でしょうか?

リベルテ Vol.28

リベルテ Vol.28

END es PRODUCE

本所松坂亭(東京都)

2024/09/20 (金) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い。長蛇の列、満席どころか増席するほどの人気。
コアなファンに支えられたイベント的要素を含む即興劇。出演者と観客が一体となって作り上げる、熱量ある公演。
心が痛み乾いた時、この公演を観ることによって癒され潤うかも、そんな明るく楽しい内容だ。リベルテ(フランス語で自由)の名の通り、出演者一人一人の「自由」な発想で思いもよらないストーリーを紡いでいく。そこにコンセプト「魅せる即興劇」の真骨頂をみる。

イベントの内容は、説明やチラシに記載されている。2チームに分かれ、オープニングゲームの後にEND es PRODUCEの定番即興劇、ペーパーズの開始。チームごとに公式Xで募集したタイトルが書かれた紙を引き、その設定に応じた芝居を制限時間内に行う。その際、観客から集めた<言葉>を台詞として使用する。大筋の話は創作出来るかも知れないが、そこに観客が書いた言葉を入れても辻褄が合わない。ほとんどが そうなのだが、たまに合う言葉(台詞)が入ることもあり、おぉーと唸らされる。その未知が機知になる面白さ。劇作に、毎回 想定できない要素が入るから、同じ公演内容だが すこしずつ異なる味わいがある と思う。そこに病み付き=コアなファンが出来るのでは。

なお、劇場の構造上の問題であろうが、空調 温度差が前列と後列とではずいぶん違う。それは主宰の遠藤巧磨さんも 客席内を歩いて体感していたこと。ちなみに、体感温度が高い後列の観客(自分も含め)に向かって「扇風機があるよ、でも使えないけどね」といった即興ならぬ 早い切り返し(遣り取り)が実に温かい(⇐こちらは歓迎)。
(上演時間 概ね2時間だが、上演回によって変動) 

九州戦風カミカゼバイト

九州戦風カミカゼバイト

劇団ジグザグバイト

王子小劇場(東京都)

2024/09/20 (金) ~ 2024/09/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

盛沢山の実に楽しい舞台ですね。当たり前ですが、戦隊ヒーローショーを観ているような気分でした。

九州戦風カミカゼバイト

九州戦風カミカゼバイト

劇団ジグザグバイト

王子小劇場(東京都)

2024/09/20 (金) ~ 2024/09/22 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

カンキの歌

カンキの歌

演劇企画アクタージュ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/09/19 (木) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

これは面白い。最初は思わせぶりの情報が多くて混乱しましたが、満載の伏線が全て回収されてますね。実にお見事。

かげきなデイリープレイス

かげきなデイリープレイス

演劇集団イヌッコロ

ザ・ポケット(東京都)

2024/09/18 (水) ~ 2024/09/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ハラハラドキドキのシチュエーションコメディ、大いに笑わせてもらいました。ヤクザに「紅」ときたら、「カラオケ行こ!」へのオマージュですかね。これがファイナルとは実に惜しい。

ネバーエンディング・ワールズエンド

ネバーエンディング・ワールズエンド

妻と秋刀魚

イズモギャラリー(東京都)

2024/09/15 (日) ~ 2024/09/16 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めっちゃ面白かったです!
ループするタイミングとか
やりのこすことのないようにチャレンジするエピソードも面白かったし ラストもとても良かった
DVD化したら絶対買います

カンキの歌

カンキの歌

演劇企画アクタージュ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/09/19 (木) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
ちょっと内容が散らかっている印象と、正直共感できない部分もありましたが、楽しいストーリーでした。
そして、役者さん達が、最初から最後まで元気一杯で、こちらも元気を貰えました。
良い時間を過ごしました!

リビングルームのメタモルフォーシス

リビングルームのメタモルフォーシス

Precog

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/09/20 (金) ~ 2024/09/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2024/09/21 (土) 14:00

座席1階

男性1人、女性5人が暮らしている家のリビングルームが「変態」を遂げていく。「何か異様な空気を感じる」というせりふをきっかけとしてリビングルームは得体の知れないものに破壊され、形がなくなっていく。
手前にアンサンブル・ノマドの演奏スペース、後ろ側に俳優たちが動くリビングルームという簡素な演出。リビングルームの「変態」をアンサンブルが奏でる不協和音が彩る。チラシにある「フィクショナルな劇空間に音の粒子が混ざり合う」とはこういうことか、と理解する。

これが「物語と音が溶け合っていく」芸術だと言われるとそうなのかと思うが、個人的には「劇空間」とは言いづらい。物語性が決定的に欠けていて「だから、何なの」という気持ちで終幕を迎える。せっかくのアンサンブルなのに、最初から最後まで一貫した不協和音ばかりで、いい気持ちはしない。美しい弦楽四重奏に乗って、リビングで繰り広げられる家族劇という展開なら、希望が持てたのだが。 

ラバーマスク・ラバーハート

ラバーマスク・ラバーハート

劇団東京座

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2024/09/20 (金) ~ 2024/09/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い。
隠微・淫靡な雰囲気の中で紡いだ愛欲劇。豪華な邸宅、その外見の瀟洒さとは打って変わって、住む人の爛れた関係、抑えられない欲望が どす黒く渦巻く。登場人物は6人、そこに親密ならぬ歪で<濃蜜>な関係を作り 人間の欲望を浮き彫りにしていく。

時代は 明治から大正への過渡期、日清・日露戦争を背景とし、卑しい職業(石炭掘りは軽蔑の対象)と言われていた炭鉱で成り上がった男の家の話。劇団東京座が「時代の様相」と「家」を独自の観点で描いたオリジナル作品・第三弾。物語は、彼が年若い妾を後妻として迎えようとするが、彼の息子たちが夫々の思いを抱くことで、人間模様が大きく動き出す。この公演の見どころは、俳優陣が夫々の性格や立場をしっかり表し、抒情的な台詞を交え濃密な会話を紡いでいくところ。女優陣の和装とその所作が美しく、男優陣(洋装)の動・静ある激情に想いが滲む。

前作「人形の家」も豪華な作り込みであったが、本作も<九州の平民から石炭で成り上がった実業家>ということで、その豪邸が舞台となっている。名は伊藤正久、実はこの人物のモデルと思われる人(伊藤伝右衛門)の豪邸を見学したことがある。そして物語とは違うが、この人物の後妻も或る事件を…。自分の中ではフィクションとノンフィクションが入り交じり、興味深く観た。
池袋演劇祭参加作品。
(上演時間1時間15分) 

ネタバレBOX

舞台美術は豪華な調度品、それによって成り上がり実業家の邸宅を出現させている。段差を設え上段の正面は襖、上手に和箪笥、下手に衣桁やベット。下段に丸テーブルと椅子、そして窓があり庭が見える。窓の傍の壁に絵画、そして蓄音機が置かれている。登場人物は6人で、それぞれ思惑を秘めている。

物語は、邸宅の主人 正久が年若い妾 可奈子を後妻に迎えることによって起こる、屋敷内騒動。正久には2人の息子がおり、兄の慎二は甥であったが養子として迎えられた。弟 金次は、女中 ふゆ との間に生まれた子である。そして近々 慎二は帝大入学のため屋敷を出、さらに爵家の娘 比佐子と結婚する。皆、表面上は何食わぬ顔をして穏やかな暮らしをしているが、内心は嫉妬と欲望といった どす黒い感情が渦巻いている。

慎二は、可奈子が街頭でひもじい思いしているのが可哀そうと思い屋敷に連れてきた。2人は23歳同い年。いつしか慎二は可奈子を好きになり、また養父と結婚することで財産が といった心配をする。金次は、伊藤家の跡目は実子である自分が と虎視眈々と機会を窺っている。まだ17歳という思春期、兄の婚約者である比佐子に惹かれる。愛欲が縦横無尽に絡まり、その爛れた関係が淫靡な雰囲気を漂わす。一見 平静を装っている ふゆは、可奈子が自分と関係した正久の妻となり女主人になる口惜しさ耐えがたさが滲む。

正月明け、正久・金次・比佐子がカルタで遊んでいる。その時、帝国劇場で観劇した話から、この豪邸での暮らしは まさに人生(劇場)を演じているようだ。その虚構性=虚飾・虚栄に彩られた外見の奥に潜む<企て>を揶揄するような台詞が印象的だ。
ラストは唐突といった感が否めない。先のカルタのシーンで、純情無垢のような比佐子が ふゆ に可奈子と慎二の逢瀬しているところ、そして金次には何事かの依頼を耳元で…。場転換し銃声2発その意味するところ、そして可奈子が妊娠していることが判明する。その子の父親は…といった謎含みで終わる。
次回公演も楽しみにしております。
セチュアンの善人

セチュアンの善人

劇団俳優座

俳優座劇場(東京都)

2024/09/20 (金) ~ 2024/09/28 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

A
第一幕95分、休憩15分、第二幕70分。
吉田拓郎っぽい曲、「その日の名前は“決して来ない”」が印象的に使われる。

新生俳優座!伝統もプライドもかなぐり捨ててガチで生き残りに賭けてきた感じ。全面的に支持する。老人相手の慰問交流会じゃ演ってる方もつまらないだろう。とにかく面白い作品を胸を張って客に届けて欲しい。「これでどうだ!」と自信を持って。

桐朋学園芸術短期大学創立60周年記念事業として、19名の学生が参加。これが功を奏している。新鮮なエネルギーが漲ったステージ。上手サイドでアンサンブルの学生達が様々な小道具を使って効果音を出していく。下手サイドでも複数のワイングラスを使って音を出していたようだがそれはよく見えなかった。

中国・四川(スーチュアン)省が舞台。貧困に喘ぐスラムのような町。貧しき水売りのワン(渡邉咲和〈さわ〉さん)は3人の神様が下界に降りて旅をしている噂を聞き、町の入口で待ち続ける。やって来た彼等は東方の三賢者のようなイメージで白いクルタ姿、上田雪矢氏、中寛三氏、伊東達広氏。「人間界にどれだけまだ善なる者が残っているのか確かめに来た」と言う彼等。一晩泊まる宿を所望され、町を駆けずり回って探すワンだったが皆に断られる。やっと快く了承してくれたのはお人好しで有名な卑しき娼婦シェン・テ(森山智寛氏)だけ。3人の神様は彼女の善性に感動し御礼として大金を置いていく。シェン・テはその金で珈琲豆店を開くことに。だが次から次へと彼女にたかってくる無為徒食の連中に悩まされ、シェン・テの善性はどんどん追い詰められていく。

狂言回しの渡邉咲和さんがステージ中を大疾走、漫画のどろろみたいな元気っぷり。
クズっぷりが似合う八柳豪氏も魅力的。
神様の一人、上田雪矢氏もいい配役。ADHDっぼい頼りなさ。
MVPは勿論、主演の森山智寛氏。冷徹なる筧利夫的なクールビューティー、『リベリオン』みたいな衣装。

長さを全く感じさせない工夫に充ちた面白さ。他のヴァージョンも観てみたくなった。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトの代表作。観客を登場人物に感情移入させて物語る劇的演劇(アリストテレス的演劇)ではなく、叙事的演劇(非アリストテレス的演劇)を提唱。従来の演劇では受け手は受動的にただ作品を味わうだけだったが、観客が作品と客観的に距離を持ち対峙する空間を作ることで思考上の討論会へといざなっていく。

「ブレヒト」、「叙事的演劇」、「上演時間3時間」、など今作は本来絶対に自分が観ようとする作品ではないのだが、『慟哭のリア』目当てにセット券を買ってしまった。結果的に良かった。

今作で思い出すのは黒澤明の『白痴』(原作・フョードル・ドストエフスキー)。黒澤明の構想では、「現代にイエス・キリストが現れたらどうなるだろうか?」がテーマ。キリストのように汚れなき純真な魂のまま生きる森雅之が、昭和20年代戦後間もなくの札幌に現われる。彼に触れて悩み苦しんでいた男女達は心が洗われるような思いをする。その挙げ句の果てに皆不幸になって地獄に堕ちていく。余りの彼の心の美しさに魂が震えるような感動を覚えた人々が真っ逆さまに転がり落ちていく不思議。だがそれこそが自然だと納得させる力のある映画。

ラストの辺のグダグダが残念。オリジナルを知らないのでどこまで弄っているのかは判らないが。この辺の感じは客も受け止め方に戸惑いぼんやりする。
カンキの歌

カンキの歌

演劇企画アクタージュ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/09/19 (木) ~ 2024/09/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

楽しいお芝居をありがとうございます。若き情熱をいただきました。テンポが良すぎてすべての日本語を腹落ちさせられなかったので次回は頑張りたいです。また生き生きとした息吹に遭遇できたら嬉しいです。

九州戦風カミカゼバイト

九州戦風カミカゼバイト

劇団ジグザグバイト

王子小劇場(東京都)

2024/09/20 (金) ~ 2024/09/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日観劇。九州を中心に活動している劇団のため未見であったが、面白い。
この公演の見どころは、大きく2つではなかろうか。第1に物語性、第2に観(魅)せるための工夫、その両輪をフル回転させて舞台に集中させる。上演時間2時間近くだが、アッという間のような気がする。観れば その魅力は一目瞭然だが、少しネタバレ…アクション・ダンス・歌、そして和装・洋装に原住民の出で立ちなど、ビジュアル的にも楽しめる。勿論、戦隊モノであるから変身という定番シーンもある。

物語の内容は、説明やチラシに詳しく書かれており、概ねその通りの展開である。しかし そのテーマは奥深く、しかも現代的で興味深い。表層的には、神と人間(戦隊)の戦い、それを勧善懲悪的に描いているようだが、そこには夫々の思いがある。
少し残念なのは、次回公演(物語の続き)のためか もしくは観客の想像を膨らませたかったのか、台詞をそのまま受け止めれば上演時間の関係なのか、いずれにしてもラストシーンが物足りない。
(上演時間1時間55分 休憩なし)【カミVer】 

ネタバレBOX

舞台美術は ほぼ素舞台。奥に段差を設え、上手下手に衝立があるのみ。大きなスペースはアクションシーンをダイナミックに観(魅)せるため。衣裳もそうだが、武器(得物)は、剣・大斧・槍・銃 等いろいろで、その使い方も器用に熟す。また被り物、仮面、ぬいぐるみ等、魅せる遊び心も楽しい。

物語は、今の全県が統一され全九州なる組織が誕生して喜ぶシーンから始まる。平成の市町村合併の推進を思わせる出だしで、合理化・効率化という美名の下でサービスの低下。さらに地元ならではという意識(例えば特産・名産等)=地元愛(ジモトール)が弱くなる。古代より時は流れても地続き、地元愛がなくなり 封印力が無くなった時、災い=マガツが復活する。

マガツに対するのが、九州戦風カミカゼバイト。TVで見かける戦隊ものと同じく5人(レッド・ブルー・グリーン・イエロー・ピンク)、その変身シーンも自然体だ。勿論各人の年齢・性別・職業など そのバックボーンはさまざま。マガツへ挑む意識、能力を持つ戦隊といっても 生身の人間、不安や恐怖といった感情を織り込む。演技では、この心と体(アクション)の両輪がしっかり描かれ観応え十分。

台詞の端々に環境問題が触れられる(例えば「有明湾埋め立て」という言葉から「諫早湾干拓事業」等)。勿論 環境や経済といった諸々の問題が横たわり一律ではない。公演では、森林の伐採などもあろうが、その結果 自然災害(土砂崩れなど)を食い止められない。ここに戦隊の一員 グリーン(=木を大切に育成)の存在を絡めるなど、多くの思いを込めている。環境や地元愛(ブランド化)、最近のニュースでは東京の神宮外苑の再開発/樹木保全、長崎県 新上五島町の「五島うどん課」の新設予定などを連想させ、公演の着眼点・発想の豊かさに感心する。
次回公演も楽しみにしております。
九州戦風カミカゼバイト

九州戦風カミカゼバイト

劇団ジグザグバイト

王子小劇場(東京都)

2024/09/20 (金) ~ 2024/09/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 板上は奥に平台を置き素舞台。それだけアクションの多い舞台である。物語は一見勧善懲悪物の体を為すようにもとれようが、総て表現された作品は、それを受容する者達の解釈次第でその消長が決まる。従って表面的には開演前にずっと流れている音楽の歌詞のように勧善懲悪とみえようとも解釈次第で実に深い、また極めて象徴的な意味を持つ作品に変貌するのだ。今作は、その実例と観た。兎に角、エネルギーが凄い。一見バカバカしいことに此処迄一所懸命に向き合い、打ち込む姿勢の底に何があるのか? 観劇中に何度も自問しつつ拝見して居た結果は追記で報告する。

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