『大洗にも星はふるなり』
ゴツプロ!
「劇」小劇場(東京都)
2024/08/28 (水) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ゴツプロ!3度目の観劇に、結局出向いた。
面白く書かれた完成度の高い一夏の(正しくはその年の冬までの)海辺の物語。
松本哲也が演出だけをやった舞台というのも初めてだったか。
登場人物らの特徴付けがデフォルメでも成立させてる所が中々パワーを生んでいる。
星を追う人コメットハンター
劇団銅鑼
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2024/08/28 (水) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
体調により若干寝落ちの時間があった(毎度これを言ってるが..)が、分かりやすい物語(設定も進行も登場人物も)を緩やかに味わった。老人施設の若手の男性職員3人と施設長、ベテラン女性看護師、入所者の西島さん、そして主人公の若槻(新人職員)の妻、認知症が進行しつつある西島さんが口にする親友・本田実。
天体望遠鏡で星を見るのが好きだった主人公は、西島さんの語る「12の彗星と11の小惑星を発見したすごい男」本田実の話を折ある度に聞き、話し相手となる。西島さんは毎夜姿を消す恐れがあり、聞けば「親友の葬式に行かねば」と言う。だが話し相手が出来たためか次第に落ち着いた状態となる。二人の関係が、本田実という人物はとうの昔に死んでいる事、について話の流れの中で若槻がつい言ってしまい、その後のタイミングで再び西島さんが失踪する、というのが終盤に訪れる展開。
そのラインが軸だが、もう一つ若槻は東京から故郷に戻り、転職を果たした組で、実は妻は東京に残っている。何かの事情でそうなったようなのだが、すれ違いの中で半ば諦めの境地にある二人が、若槻がこの場所で生き甲斐をもって働き、再び天文学への興味に向かっている事が、結果的に二人の関係に変化をもたらす、その筋がある。そして本田実という人物が西島さんの想念を飛び出て語る星や宇宙への思い。これがある種の媒介として位置づけられているのだが、事実として判明したのが本田実と昵懇だったのは西島さんの父で、父が受け取っていた手紙を西島さんは常に持ち歩いていた、恐らく幼い頃父を通して彼の中に本田実という存在が住み着いたのだろう、という仮説が最後に謎解き的に出される。この西島さんの存在が、他者すなわち施設の人たち、とりわけ主人公夫婦の歩みに与える推進力になるためのもう一つが欲しかった感想だ。それが何かはうまく言えないが。
ただ、台詞にはならない、西島さんの現在地(変化)や、若槻夫婦の中に流れ始めたもの、施設職員らの間に灯った火のようなものを、観客として想像し、勝手にこみ上げている自分がいた。
MY ROOM IS MINE!!
MIXZONE
小劇場B1(東京都)
2024/09/04 (水) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
家に帰ったら知らない人が・・・完全に不審人物じゃないかと思いきや、何やらそういう次元では無さそう
「超主張シンクロナイズドコメディ」と言うのは、なるほど!の命名
主張するほどに可笑しい
シンクロの迷宮に笑いながらも、出口はコメディーとは全く違った物語へと繋がっているよう
ちょっと甘美な世界のように一瞬感じたものの、いやいや やっぱり怖い
観終わった後、地面を踏みしめるのが何とも心地良く感じられる公演
奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話
イキウメ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/08/09 (金) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
この所(コロナ期に入って以後)のイキウメに深く首肯していた自分だが、往年のイキウメ作品の世界を久々に堪能。だが単に不可思議世界の存在を「面白がる」だけで終われないものがある、という意味ではグレードは上っている。とある旅館を訪れた背広姿の二人、そこには旅館の女将と奉公人風情の勤め人、小説家の客が居る。この作家を八雲に見立てて・・? 逗留の間百物語風に話を聞かせるのだが、現実の時空でのストーリーも進行しており、語られる物語と最後にはシンクロし、カタストロフのラストとなる。
文学座松岡依都美、モダンの生越女史ともう一人、客演女優も充実して(怪談には女が居なければ・・)豊饒な美味なる舞台であった。
代数学
壁ノ花団
扇町ミュージアムキューブ・CUBE02(大阪府)
2024/09/05 (木) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
満足度★★★★
繋がりの重要なファクターはディスタンスで有ることを再認識させてくれる一作 音と匂いが伝わるスピードに加え、今ではビジネス向けではない郵便物や人間と動物の生死等を劇中に上手く取り込みながら、タイミングの大切さ、自分が一度きりの人生でどうなりたい どうしたいかを問いかけてくる 流石に長年続く劇団の作品は素晴らしい
青木さん家の奥さんⅡ
鴨リンピック
ウイングフィールド(大阪府)
2024/09/06 (金) ~ 2024/09/09 (月)公演終了
満足度★★
再演フェスの一題目
歌唱ショウ?と思う展開から(歌も尾崎豊しか知らん…)おばちゃん四人がシチュエーションを変えて、少しずつ演劇を作り上げるという展開だが…観客はハイエイジばかりで、最前(特別エリア)はかなり盛り上がりをみせていたが、私は全くのおいてけぼり…他の予定をキャンセルしてまで観たことに罪悪感すら…
楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー
劇団演奏舞台
演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)
2024/09/07 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
最高でした。他の劇団の同名の舞台を観たことがありますが、演出家や脚本家が違うとこうも違うのか…と。とにかく女優さんのレベルがハンパないです。素晴らしいの一言です。あと、劇伴が生演奏ですが、これまた素晴らしいです。途中ジブリぽいというか久石譲ぽいメロディやコードが出てきて「おお!ジブリキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」と思いました。劇中の音楽も不思議なスケールを駆使したメロディになっていて「おお!ジャジーなフレーズキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」と1人で興奮していました^^ それと、受付をやられていた若い舞台女優さんの演技の巧さに度肝抜かれました。若手の舞台女優ではトップクラスですね。あと、こんなにハイクオリティの舞台なのに上演日が2日しかないのはもったいないです。ロングランでやっていいのでは…です。
楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー
劇団演奏舞台
演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)
2024/09/07 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
「楽屋」は数多く観てきたが、その中でも最高だ。
舞台美術は 存在する空間の違いを巧く表し、演技は 劇中劇と楽屋でのリアルな演技(会話)の違い…台詞を借りれば、澱んだ空気感がしっかり表現されている。勿論「女優」という職業、というか「役」への執着、執念が切なく痛く そして怖いほど迫ってくる。
女優が演じる女優の物語。その4人の時代背景と性格を鮮やかに描くことによって、漠然とした「女優」像が浮き彫りになる。時代は変遷しても、人を押し退け、傷つけても「主役」の座は譲らない。案外それが女優「魂」なのかもしれない。この魂に 如何に命を吹き込むか、生への執着・執念に通じるものを観じた。
満席。この公演を観れたことはラッキーだった。
(上演時間1時間40分 休憩なし)
L.G.が目覚めた夜
演劇集団円
シアターX(東京都)
2024/09/01 (日) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/09/07 (土) 14:00
座席1階
ご遺体に化粧を施すなど生前の姿のようにしてさしあげるエンバーミングで名を挙げた女性と、家族の物語。けして「死体処理」などという空疎な向き合い方でなく、尊厳を大切にする、思いを込めた仕事だ。納棺師の映画や、最近では米倉涼子や松本穂香が好演したNHKのドラマ「エンジェル・フライト」で知られるようになった仕事だ。
舞台は山村と思われる片田舎の町。若くして故郷を去った主人公の女性は、がんで亡くなった実母の遺体にエンバーミングをしている。兄弟たちが集まってくるが、なかでも長兄は女性に対して非常に冷酷な態度を取る。このミステリーのカギを握る伏線である。
少女時代の自分の独白から、物語はまず展開する。この女性は深夜、寝静まった町の人々の寝室に忍び込み、寝姿を眺めるという奇癖があった。鍵などかけない田舎だからということだが、よくバレないでそんなことができるな、と思いながら舞台を見つめる。
ところが、やっぱりバレてしまうのだ。しかも、少女のあこがれでもあったスポーツマンの男の子の寝室で。ここで何があったのか、やはり、女性の独白によって物語は急展開していく。
ゆえに、この女性を演じきった平栗あつみには拍手を送りたい。彼女の長い独白によって客席はかたずをのんで静まり返り、視線は舞台にくぎ付けだ。彼女の物語以外にも、兄弟それぞれの人間関係の秘密が次々に明らかになっていく。すべてを握って死んでいった母親の遺体の元で明かされる葬られたはずの過去。ラストシーンの演出はよかった。舞台中央の四角い扉が、最後の最後に開く。母親の情念というか、えも言われぬ強いエネルギーが放出されていった瞬間だ。
タイトルの「L.G.」という名前の主が実は、女性の家族ではないもう一人の主人公。存在感を放って舞台に浮かび上がる姿は、亡くなった母親が墓場まで持っていこうとした強い情念に照らされてるかのようだった。
2時間弱の物語。この舞台は面白い。一見の価値がある。
悪態Q
劇団不労社
北千住BUoY(東京都)
2024/09/06 (金) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
『SAW』を思わせるコンクリート打ちっぱなしの殺風景な一室。会場ごと見立てて演出するという“空間への当て書き”、東京公演は北千住BUoY(ブイ)。かつて陰惨な事件が起き心霊スポットにされた廃ビルの一室のような佇まい。無機質で不穏な雰囲気が色濃く漂う中、気の違った陽気なSEがけたたましい。ムードは『ホステル』や『パージ』など病んだ作品の系譜。
幼稚園の卒園式の為に先生達が出し物の稽古中。ラジカセで『ピンポンパン体操』を流し愉快に踊る。黄緑(ライトグリーン)ジャージのむらたちあきさん、水色(シアンブルー)ジャージの永淵大河氏、紫(ロイヤルブルー)ジャージの荷車ケンシロウ氏。ジャージはやたらスタイリッシュ。愉快にコミカルに元気一杯に踊る。どうも男性二人はむらたちあきさんに好意を抱いているようだ。恋の鞘当てにヒリヒリした空気感。
ズンズンズンズンズンズンズンズン ピンポンパポン
ズンズンズンズンズンズンズンズン ピンポンパポン
がんばらなくっちゃ がんばらなくっちゃ がんばらなくっちゃ
延々続く気の違った唄に頭がおかしくなりそう。間奏に挿まれるむらたちあきさんが作った、園児向けのクイズ。ロールシャッハテストのようにサイコパスを炙り出す精神異常者向け。
むらたちあきさんは凄く魅力的だった。元気ハツラツなメンヘラ。
永淵大河氏はマトモな常識人としての立ち位置で「ちょっとそれ園児向けのクイズには相応しくないのでは?」と冷静にツッコむ。
荷車ケンシロウ氏は十一重(以上)人格者役も狂ったようにこなすハッスラー。
5つの連作集といった感じだが、とにかくしょっぱなの奴が凄まじい。これだけで元は取れる。
是非観に行って頂きたい。
ランドスケープデザイン
3 CREATORS + 5 ACTORS
スペースあや(東京都)
2024/09/06 (金) ~ 2024/09/09 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初日拝見。白い壁のはじめての会場で基調白の衣装の役者の演技。脚本の皆さんも何度も拝見してお気に入りの方たちで安心して観劇しました。短編3本、どれも、クスッとしたりほんのりしたり良かったです。心が優しく元気になりました。ありがとうございました。
共闘者
月刊「根本宗子」
TOKYO FM HALL(東京都)
2024/08/31 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/09/05 (木) 18:30
久々の根本宗子、久々の TOKYO FM ホール、だが、根本らしいファンタジーコメディ。(2分押し)135分。
高校演劇部だった女子5人が大学の演劇科に入って劇団を作ろうとしたけどメインの京子(前田淳子)が突然去って行って…、の物語。ありそうな展開だが、途中からアリエナイ展開になって、その辺が根本らしいファンタジー。細かい「技」も使って、楽しい舞台になっているが、何故、が最後まで分からないあたりはちょっと…、な感じも残る。ライブな会場でセリフが発散するきらいはある。
RENT
キョードー東京
東急シアターオーブ(東京都)
2024/08/21 (水) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
これを逃せば機会は無いかな、と衝動的に(仕事のシフトが変わった事もあり)チケットを買って観に行った。
マーク役の日本人俳優に特に注目していた訳でもなく、舞台に貢献してくれてさえいれば、とメインは歌でドラマを感じたく序盤のステージを観た。20数年前の日本版は日本人俳優による日本語訳での上演の一部が動画にも上がっていたが、やや興ざめ・・というのは日本語を当てた楽曲は「別物」に聞こえる。耳に入る語感の響き方は勿論違うのだがそこではなく、「歌い方」に影響を及ぼす。歌がドラマを伝えるのに役の心情のニュアンスが「歌詞を体現した楽曲」だけに歌詞が「変わる」と心情にも影響が。
全編英語での上演は、字幕を追う作業で視覚的な集中に制約があったのは事実だが、やはりオリジナルのニュアンスは代えがたかった。
私は散々DVDで観ていたつもりだが、微妙に初耳なメロディーが聞こえたりもした。だが大筋流れは分かっているから観劇に支障はなく、むしろ展開を先取りして涙腺が緩んでしまって困った。
音楽のアレンジは若干DVD版と違っていたり、あとは役者の個性が幾分異なり、私としてはモーリーンのワンマンステージをどう演じるかが、中でも俳優の個性で随分違いそうだが、今回のキャストは(DVDの俳優と比べて申し訳ないが)モーリーンのチャーミングさとこの場面の意味がよく分かり、ドラマの成立を円滑にした。
『志在忠益』
劇団文机と熊
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2024/09/06 (金) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
DARESAN
劇団かずき
シアターウィング(東京都)
2024/09/06 (金) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
人生で初めて舞台を観ましたが最高でした。初心者でも分かりやすく、世界に引き込まれました。
今後も応援しています!!
来来来来来
ノラ
THEATRE E9 KYOTO(京都府)
2024/09/06 (金) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
満足度★★★
想定は山林に囲まれた片田舎の集落
旦那に逃げられ、中庭?に野鳥専門の動物園(孔雀がいる 野鳥?)を運営しているおばあちゃん👵と、そのおばあちゃん👵のDV長男と嫁 イケメン次男と結婚したものの、一週間で逃げられた自衛隊上がりの嫁 義理の父(旦那は単身赴任)に恋する嫁 ヤリマンで妊娠してしまった女性が繰り広げる、ベクトルの狂った日常生活 人間の欲求やそうなったプロセスを表現しながら話は進む 最後は意外な展開で…
あるあるではないが、あるかもな話
DARESAN
劇団かずき
シアターウィング(東京都)
2024/09/06 (金) ~ 2024/09/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです!内容も分かりやすかったし、俳優さんの演技も上手くて感銘を受けました。また、観ていてすごく楽しくてあっという間でした。あと2日、4公演頑張ってください。またこれから先もみなさんのことを応援しています。
雑種 小夜の月
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2024/08/10 (土) ~ 2024/08/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/14 (水) 13:30
8年ぶりとなる「団子屋シリーズ」第3作。劇中時間も8年を経て、演じるレギュラーの三姉妹と母も実生活の8年の経験を役に乗せて演じており役の説得力(というか実在感?)が見事。
そしてメイン舞台の白っぽい木目の印象もあろうが木目の優しさ・暖かさに通ずる作風に癒される、
さらに母の過去を(も)描くのは「いかにもシリーズ第3作」だし、冒頭場面や中盤のアレなど今の時期にピッタリなのも巧い。
また、ファゴット(!)も加えて効果音もこなす4人の楽器隊の生演奏も言わずもがなだし、贅沢な時を過ごせて満足。
終わらない歌
WHO'S TERRACE × BOO WHO WOOL
ワテラスコモンホール(東京都)
2024/08/28 (水) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
Re: プレイバックpart3
劇団チャリT企画
駅前劇場(東京都)
2024/08/28 (水) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
フライヤーからは、想像できなかったまさかの日航機墜落事故のお話し。とても、興味深く観劇させていただきました。ラストがあっさりで驚きましたが引き込まれました。