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十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

日本の劇団

駅前劇場(東京都)

2024/12/11 (水) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

安定、安心の戯曲。
映画は何度も見ているが舞台では2度目。展開は分かっていても理性とエゴと論理の交錯を楽しんだ。
ただ何となく綺麗過ぎた、と言うか落ち着いた印象がある。
3号はもっともっと感情ぐじゅぐじゅな姿が見たかったかな。
とは言え、面白かった。

蒲田行進曲

蒲田行進曲

“STRAYDOG”

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/12/11 (水) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

遅くなりましたがとても、良かったです。みなさんの声の張り方は、素晴らしかったですしなにより情熱が伝わって来ました。涙しました。

蒲田行進曲

蒲田行進曲

“STRAYDOG”

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/12/11 (水) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

優組 観劇。
熱い演技、殺陣…本当に良かったです。

ネタバレBOX

蒲田行進曲は、映画版をテレビで35年以上前に見て、風間杜夫と平田満の熱演の強烈な印象を今でも覚えているので、舞台を楽しみにしていました。
アフタートークで、舞台セットが全くなく、俳優の身一つでの公演なので、同じ本なのに、優組と朋組…全然違う!!と、おっしゃっていましたので、朋組のも見たかったな〜と思いました。
随分前に、北区つかこうへい劇団を観劇しましたが、蒲田行進曲は観劇できないままでしたので、本当に感動の舞台を観ることができて良かったです。
こんばんは、父さん

こんばんは、父さん

ニ兎社

俳優座劇場(東京都)

2024/12/06 (金) ~ 2024/12/26 (木)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

二兎社『こんばんは、父さん』を観劇。

息子に小さな工場を継がせたくない父と父親のような職人になりたいと憧れを持つ息子。
互いの思いは通じず、息子は父の期待通りの職業に就き成功者になるが、投資で失敗し借金を重ねて逃げ待っている。
工場経営は順調だったが、時代に取り残されてしまい、借金を重ねて夜逃げしてしまった父。
互いに借金取りから逃れた先は以前の住んでいた工場。そこに借金取りが現れ、父と息子の確執が暴かれていく。
最近では描く事が少なくなった父と息子の物語。終わりの見えない親子の罵り合いにうんざりしながら、亡くなった母の存在が浮き上がってくると、分かり合えなかった家族間の原因と物語の本筋が見え始めてくる。
闇金を借りてしまった古い昭和世代の父とその息子。金が簡単に稼げるから取り立て屋になった現代の若者。互いの世代感と価値観は違えども、『幸せイコール金を稼ぐ』という定義に翻弄されてしまった登場人物たち、いや我々へのメッセージは痛烈だ。
永井愛の戯曲は政治や社会の不正を描くことが多く、ついつい他人の出来事の様に見てしまいがちだが、先ずは己の足下を見る事が一番大事なのだという思いが切実に感じられる。
病室

病室

劇団普通

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2024/12/06 (金) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「会話の反復が紡ぐ生々しい寓話」

ネタバレBOX

 山と畑に囲まれた脳神経外科専門病院の一室に4人の患者が入院している。救急車で搬送されてきた片岡(武谷公雄)を見舞う妻(松本みゆき)と娘のあみ(上田遥)のところへ、車椅子で近寄った同室の佐竹(用松亮)は根掘り葉掘り質問を浴びせ喧しい。2週間で退院できる片岡とは異なり、下肢が麻痺している佐竹はがんも患っているそうだ。佐竹の隣のベッドの小林(渡辺裕也)も片岡一家に興味津々だが、内気な性格のようで佐竹越しに片岡への質問を投げかけて要領を得ない。もう一人の患者である橋本(浅井浩介)はベッドに横たわったままだ。

 劇が進むにつれて患者たちの背景が浮び上がってくる。度重なる発作に見舞われてきた片岡は、家族に促されなければ担当医師(浅井浩介・二役)に治療方針の変更を言い出せないほど物静かだが、息子の広也(重岡漠)に「お前は病気の俺の面倒を見ろ」と言い放っていた。橋本は娘(青柳美希)が夫のもとを離れ幼い子どもを二人連れ帰省していることに戸惑いを隠せない。家族と軋轢のあった小林は娘(上田遥・二役)くらいしか見舞いに来てくれないようだ。他人の事情にズケズケ入り込んでくる佐竹も、泣いてばかりの妻(石黒麻衣)に頭を抱えているようだ。やがて片岡が退院し、佐竹が転院する日がやってくるのだった。

 効果音やBGMのない静かな空間で展開する何気ない会話の応酬に定評のある劇団普通の作風が、病院の相部屋での人間関係を描く本作では見事にハマっていた。誇張された台詞を極力廃し極めてリアルなやり取りの俳優の芝居とは異なり、舞台面に沿った天井の白枠や簡素なベッド、舞台奥の閉まったままのカーテンなど、美術は極めて抽象性が高い。いわば生々しい寓話ともいうべき独自の作風を成立させていた。ややパターン化しているようには見えたが、言葉の反復と噛み合わない論点がコミュニケーション不全を起こしている様子に会場からは度々微苦笑がこぼれていた。小津映画に出てくる笠智衆のように朴訥とした片岡を演じた武谷公雄、ギョロリとした目で声を張りあげる不躾さと、反面自身の病後や妻の嘆きに心を痛める佐竹を演じた用松亮の芝居が特に印象に残った。青柳美希と石黒麻衣が二役で演じた看護師による介助が芝居の流れを切り替える役割を担っていた。

 他方で登場人物と家庭環境の描写が多く、説明的で散漫になった印象は否定できない。理学療法士の遠藤タケル(重岡漠・二役)と青柳美希演じる看護師の仕事終わりの逢引から、昼間病室で起きた出来事に外部の視点を入れるという企みもあまり効果を上げているようには思えなかった。いっそ病室の描写に絞ることで患者たちの会話から見えてくる病院という社会の仕組みを立ち上げていったほうが広がりがあったように思う。
ぬけがらの街

ぬけがらの街

ハコトバコ

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2024/12/13 (金) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

映像もうまく取り入れて、なかなか面白かった。

ぬけがらの街

ぬけがらの街

ハコトバコ

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2024/12/13 (金) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

相変わらずの掘建て小屋の会場、久々に行ってきました。
会場は小さいながもま、うまいこと映像も使って、なかなか面白い作品になってました。
ちょっと考えさせられるところもあったかな?

荒野に咲け

荒野に咲け

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2024/12/15 (日) ~ 2024/12/24 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い。
或る事件や伝承的な出来事といった題材ではなく、身近な家族・親戚 いや人間の心に蠢く羨望や嫉妬といった思いを描く。それを家族崩壊と街の衰退を重ねるように紡いだ群像劇。本作は劇団創立25周年記念ということもあり、あえて劇団員のみの公演にしたと。

この劇団の特長である仕掛けのある舞台装置、本作でも その迫力と印象付けといった効果は十分に発揮している。それが 新作公演とはなっているが、過去公演からの繋がりのようで 地続きの光景を思わせる。物語の中心人物 篠塚香苗役を大手忍さんが演じているから、なおさら その思いを強くした。話としては、ありふれた と言っては語弊があるかもしれないが、桟敷童子公演としては実にリアルだ。当日パンフに「オリジナルの物語であるが、モデルはある」と。ただ、話の肝になるであろう父親の行為、その動機なり理由の描き方が足りないような気がする。

ちなみに 少しネタバレするが、タイトル「荒野に咲け」の「荒野」とは「この世」の意、まさに地に足をつけたような公演。社会(派)的なダイナミックさはないが、人それぞれの感情が弾け飛ぶ。観応え十分。
(上演時間1時間55分 休憩なし) 12.20追記

ネタバレBOX

舞台美術は、両側に階段を設え 奥で渡り廊下の様に繋ぐ。その中間に 大きなヒマワリのモノクロ絵が天井から吊るされている。シンプルなシンメトリー。

舞台は 九州 玄界灘近くの田舎町。かつては炭鉱で栄えた町であったが、今は人口が減少し鉄道は廃線、駅舎は郷土資料館になるなど すっかり衰退している。そこに機関車IKIRUが展示されている。往時を偲ばせる巨大な煙突が数本残っているだけ。この舞台、炭鉱三部作を連想し 地続きの今を描いているよう。巨大な煙突は炭鉱町のシンボル、そしてヒマワリ畑(色彩の違い、原色・モノクロ)や機関車(大きさの大・小)といった 往時と現在を比べた象徴的なもの。

物語は、3姉妹が嫁いだ先の家族のそれぞれの様子、暮らしぶりを点描していく。長女 澄江は町で食堂(今は弁当屋)を営む古橋家へ嫁ぐ。町の衰退とともに経営は縮小したが子供たちを大学へ進学 卒業させた。また数人の従業員も雇ってそれなりの暮らしぶり。次女 孝子は、篠塚家へ嫁ぎ 貧しいながらも一家で登山やキャンプに行ったり平穏な暮らしぶり。息子が学校で苛められていたこともあり、無理やり進学校へ行かせようと。三女 勝代は離婚し、今(稲森姓)の夫と再婚したが、夫は働かず勝代がパートを掛け持ちして生計を支えている。夫の先妻の娘とは折り合いが悪い。3者三様の暮らしの断片を切り取り<家族とは?>を考えさせるよう。冒頭、孝子の娘 香苗が詐欺に騙され多額の借金を背負う。一家で夜逃げ同然のように町を出るが…。

時は流れ、香苗の父は自殺(気が弱かった?)をし、母は壊れ荒れた生活をしていた。篠塚家はバラバラになり音信不通状態が何年も続いていた。3姉妹が嫁ぎ先で築いた生活、その家族の幸福度の比較や確執などが切ない。家族という他者との関りが 蟠りをもって描かれている。浮浪者同然で探し出された香苗は、古橋食堂で働き始め 自身のトラウマを克服しようとする。しかし複雑化されたトラウマ、町の閉塞感など、この環境に馴染めず また町を出て行こうとするが…。

ラスト、産業廃棄と書かれた機関車IKIRUが、炭鉱最盛期に活躍した機関車DOROBANA51号に立ち向かうような。そこに「荒野」という「世の中」で生きていこうとする逞しさを感じる。自分が観てきた公演すべてについて、どんなことがあっても「生きる」といった根本が描かれており、それは劇団の一貫した思いのようだ。
次回公演も楽しみにしております。
『人間狩り』+『改札口』

『人間狩り』+『改札口』

T-PROJECT

赤坂RED/THEATER(東京都)

2023/05/16 (火) ~ 2023/05/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/05/16 (火) 18:30

戯曲を読んだときはあまりの展開に「え?これをやるの?」と思いましたが、舞台で生で観るとその緊張感と息遣いに飲まれました。すっかりクセになりリピートしました。

ネタバレBOX

不条理劇というジャンルを初めて知りました。え?ここで終わっちゃうの?実は人間の本質に迫るブラックユーモアでした。
穏やかな人と機

穏やかな人と機

劇団青年座

新宿シアタートップス(東京都)

2024/12/12 (木) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/16 (月) 14:00

座席1階

青年座創立70周年記念公演の一つ。ユニット「かわいいコンビニ店員飯田さん」主宰の池内風が青年座に書き下ろすのは初めて。劇団に書いてくれる新たな作家を発掘する取り組みだと思う。

舞台は介護用品製造販売会社という一風変わった設定だ。褥瘡の発生を抑える介護ベッドの開発を担当していた技術者が、ある出来事の責任を取らされた形で営業部に異動となる。技術者は、販売が好調のAI画像分析を搭載したベッドの動作不良を感じて再検査を求めているが、同期の営業部員は検査に後ろ向きで販売促進を続ける。「何かあったら命に関わる」と、技術者の良心にかけて検査を求めるが、部内では孤立していく。

会社の中の群像劇。掃除のおばあちゃんも含めてユニークなキャラクターがたくさん登場し、それぞれに脚光を当てるという面白い筋立てだ。物語のメーンは、機器の不良にほおかむりして新バージョンの製品の開発を急ぎ、仮に不良だったとしてもそれをなかったことにしてしまうというもくろみとの戦い。AI画像分析というのも今風でいい。
機器の不良を疑わせる事例は、施設でこのベッドを使っている利用者の離床をセンサーが感知できなかったというできごとだ。離床が感知できないと、徘徊傾向がある認知症の人が勝手に施設の外に出て行ってしまう危険性がある、とのことだった。
自分が感じたのは、施設側もこうしたハイテク機器に頼らず、離床が感知できなくても利用者に危険が及ばないような対策を取るべきだと思ったのだが、そのような点には言及はなし。また、今作で登場する離床センサーがどのような形のものなのかははっきり示されないが、アナログ的なものだと、センサーマットを利用者の足がつくところに敷いておけば、マットのセンサーが壊れない限りは離床を覚知できる。こんな細かいところが気になってしまった。

群像劇として、会話劇としては抜群に面白い。だが、ラストの幕切れがいけない。このような終わり方はとても欲求不満だ。まるで、続編がありますよといわんばかりの終わり方に、私は拍子抜けと感じたし、周囲の拍手の状況から、私と同じように感じた人も少なからずいたと思われる。

S(さりげなく)F(fiction)~知る由もない彼らの人生~

S(さりげなく)F(fiction)~知る由もない彼らの人生~

藤一色

中野スタジオあくとれ(東京都)

2024/12/14 (土) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

白つくもと夢の中で〜を観劇
60分と30分でしたね
どちらも一人芝居であり
被った感あったかなぁ
夢の方を先に短めで
白の方を後にして長めの方が
よい感じがしました

ネタバレBOX

◆「白(つくも)」 社会との距離感
出演:藤束遊一(藤一色)
工藤一は始まらない。
東京に出てきて11年、
親に友達に甘え続け
何も生み出さないまま29歳になった。
目指すものもやりたい事も特にない男がある日、家賃3万2000円のアパートで
剥がさいない様に言われてた紙を剥がすと
それは九十九神であり。
一人と一枚の生活を
白い紙で作った家電や小道具等を用いて
黒子さん交えての
コメディ調のやり取りが楽しめた〜♬
紙製なら何にでも変化出来るので
頑張って高額配当五億円の
宝くじに化けようとする付喪神と
別れを躊躇って悩むハジメ君が
最後に選ぶ行動はー
仕送りを止めてくれと
愛情豊かな両親に送る便箋に変化してもらい
誤字だらけの手紙を送り別離とする決断でした

紙幣に化けて
使っても紙飛行機になって
戻ってくる付喪神とか
発想は面白く
実際に舞台上に紙飛行機が
飛んでくるのが楽しめた
自分なら本とか新聞に変化してもらって
読んでくことに特化するかなぁって思えたさ
R.O.D.のザ・ペーパーごっこ出来るよなぁとか

◆「夢の中で生きている夢の中では生きられない獣」 夢との距離感 出演:藤屋安実(藤一色)

江藤樹里。英語にすると、ジュリエット。
小学生の頃からずっとその名で呼ばれるのが嫌で逃げ回ってきた彼女は、やがて俳優になり。
"本物"を目指し始める。
にっちもさっちもいかなくなった、
とある獣の独擅場。というマイクパフォーマンス
しながらの一人語り芝居デス
関わった男性の
フジワラ君四人の四天王テイストは
なかなか楽しかった
も少し サクッと短め方が
自分的には良かったように思えたデス

2つ合わせてーまぁ
星数は3.6ぐらいかしらねと感想
兵卒タナカ

兵卒タナカ

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了

穏やかな人と機

穏やかな人と機

劇団青年座

新宿シアタートップス(東京都)

2024/12/12 (木) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/13 (金)

AI対人間対人間…。過去があっての今、そしてこの先を頷きながら観た。
掃除員さんの旦那さんに対する他人への言い方と本心の違いとか
若い社員の考えとか会社の理不尽とか、色々と考えさせられた。

S(さりげなく)F(fiction)~知る由もない彼らの人生~

S(さりげなく)F(fiction)~知る由もない彼らの人生~

藤一色

中野スタジオあくとれ(東京都)

2024/12/14 (土) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「藤衛門」観劇。某国民的マンガのパロディですが、全然さりげなくないですね。コメディ主体だけど、泣かせる怒涛の一人芝居に圧倒されました。どこから来てどこに行くのか。この世界観好きです。

杏仁豆腐のココロ

杏仁豆腐のココロ

ヒトハダ

浅草九劇(東京都)

2024/12/12 (木) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

恐らく10年以上前に観た鄭義信作の四人芝居「アジアンスイーツ」が良かったのでその後上演のあった本作も観たが、もう一つだった記憶。笑いの仕込みが効果を持つためのベースとなる人情の層が脆かった印象で、脚本の強度の問題か、役者の問題かと考えたものだった。今回そのリベンジを、と速攻で予約したが、鄭義信氏による演出は前回も同じであった(認識違い)。アララと若干の失意を覚えるも、今回は村岡女史の出演である。久々の浅草九劇の客席に滑り込み、煌々と露わな舞台上のリアルに雑然としたコタツのある畳部屋を眺めながら開演を待った。
村岡希美の登場。書籍を抱え両手塞がった状態でコタツ脇へ足を運ぶと灰皿を引っ掛けそこに足を突っ込み、「うわちちち」と足を挙げて下せば雑巾がけの水が残ったバケツの中、「あっ」。徐に足を出し、靴下を脱ぐ。白金に染めたショート、セーターとパンツ。こういうリアルにアットホームな村岡女史は見た事がなかった。やがて浅野雅博の登場。クリスマスを舞台にしたハートフル・コメディは二人芝居だけに役者の負荷は大きい。そして最終的に本作は女性主導の芝居と言え、村岡希美の出色の演技(隙が無く完璧)により、出色の舞台になった。

星降る教室

星降る教室

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2024/12/07 (土) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/08 (日) 14:00

8年前に宮沢賢治オマージュの連作という企画で書き下ろされたラジオドラマをリーディングに……という予備知識がなくても「あー賢治だ」と思えたのではあるまいか? 特にきのこたちの場面での擬音/オノマトペなど「風の又三郎」を彷彿とさせる。、
また、リーディングとしては多めの出演者がメインでない場面で口々に効果音を奏でること(例:水中場面のアレ)や黒が基調の演技エリアに配した白/銀のオブジェも効果的。空を飛ぶタクシーの場面でそういう映像が脳裏に浮かんだし。
で、来年はこれを演劇化ですと!?

サンタ、迷う

サンタ、迷う

みつカネかい?

ACT cafe(大阪府)

2024/12/15 (日) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

置いとけぼりにされかけたけど、歌も朗読も根底には優しさがある。
昔、子供の時、クリスマスって、こんな雰囲気やったかなあと思い、温かかった。
楽しかったです♬♬♬
ありがとう❤️

S(さりげなく)F(fiction)~知る由もない彼らの人生~

S(さりげなく)F(fiction)~知る由もない彼らの人生~

藤一色

中野スタジオあくとれ(東京都)

2024/12/14 (土) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「藤衛門」観劇。
時間軸の長い、というか悠久の時の中に無常と悲哀を紡いだ一人芝居。チラシにもある通り、藤衛門は江戸時代の からくり、機械人形である。性別があるわけではないが、「彼」と書かれている。そして彼を蔵で見つけたのが小学4年生だった少女 タビノちゃん。

物語はタビノちゃんやその友達と過ごした変哲もない日々、それを藤衛門が回想する形で展開していく。機械人形でありながら感情を持ち合わせたような、現代でも開発できていない高度なロボットである。藤一色が掲げる「遠くないファンタジー」、そこで描かれているのは「ささやかで切実な異聞奇譚」…珠玉作。

一人芝居であることから必然的に一人称で語る。ロボットであるから壊れなければ、ずっと一緒、しかし命ある人間は いずれ死ぬ。チラシには「いつか時が流れて必ず辿り着く、少しだけ不思議な、普通だった頃のお話」とある。ラストに流れる音楽「美貌の青空」(作曲:坂本龍一)が少し切ないような余韻を残す。
(上演時間50分) 

ネタバレBOX

舞台美術は大小形の違う椅子が積み重なっている。下手奥にあるドアから懐中電灯を照らしながら防護服・ガスマスクをした男が入ってくる。防護服を脱ぐと上は着物、下はズボンというアンバランス。全体的に薄暗い中、ランタンの明かりが柔らかく灯る。先の椅子が登場人物の代わり、それらに語り掛け 頷くことで会話を成す。

この場所が どこか明らかにされない。そしてタビノちゃんに見つけられたこと、その友達を紹介され 小学4年生の時の出来事、それから5年生・6年生・中学生・高校生そして大人といった、それぞれの時代にあったエピソードを語る。今となっては、その時々の思い出は楽しく懐かしいもの。タビノちゃんは小学校時代の友達と結婚し歳を重ね…。いつしか誰もいなくなり、藤衛門だけが取り残される。勿論 記憶も失わない。この独特とも言える世界観が好い。

小説か映画だったか忘れたが、親を喪うことは過去を、配偶者を喪うことは現在を、そして子を喪うことは未来が無くなると。親族をはじめ親しき者を喪うことの喪失感、しかしロボットはいつも見送る側で、無常を感じ続けるという定め。これを無理やり自分の物語として受け入れて納得させる悲哀。

舞台技術は、何かを打ち固める または破砕音のような不安・不穏を煽るような音が 終盤ずっと鳴り響く。一方 ピアノの音色が包み込むように奏でられる。ラストは、冒頭のようにマスクをして入ってきたドアから出ていく。衣裳の上下、着物とズボンには物語(=歴史)があるようだ。そこに時の流れ、悠久を感じるのだ。
次回公演も楽しみにしております。
シングルマザーズ

シングルマザーズ

堀川実験劇場 /座・○一

京町家「堀川の家」(京都府)

2024/12/13 (金) ~ 2024/12/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

役者が素晴らしい演技力で、見ごたえ有り いつもランタイムも短いが、今回は二時間と長かったものの、とても短く感じられ内容の良さだと思います‼️ 週末のサラリーマンの心を癒してくれるものでした😆

000号室より愛をこめて

000号室より愛をこめて

演劇集団☆邂逅

space korallion〈スペースコラリオン〉(大阪府)

2024/12/14 (土) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

この劇場(役者は全て女性で、武庫女系)はハズレが無い
今回も手堅く泣ける場面もあって、良かったです😄
中庭に木の有る古いボロアパートの住人の話 そこいる?(パンツ売りの美女や音程を外したことで…)という場面も有るが、大筋はぶれることなく話は進められていく
ファンタジー性が強く演じ難いだろな〰️と思った場面は、主役の木の妖精の女性が見事に演じきっていた 女性だからこそ、ここまで違和感なく観れたんだと思います‼️泣けましたし大満足でした❗

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