もびいる 公演情報 COMPANY<らなうぇい>「もびいる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    観ていてすぐに気付いた。

    これは、いわゆるジャンプ方式だ。正確に言えばジャンプだけでもないんだろうけど、いま最も勢いがあって影響力があるように見えるから、あえて自分はジャンプ方式とも勝手に呼んでいる。

    それは安部公房とかの不条理とかと似ているようで物語の構造が明らかに違う。

    以下、ネタバレへ(汗

    ネタバレBOX

    最近、こりっちに感想を書き足してるうちに他の人から感想の感想を受けてテンションが下がって書く気持ちが落ちがちなので、何か言われる前に書く!(苦笑

    勢いで。これも一種のジャンプ方式とも言えそうな気もする。現実世界で勢いで突っ走ろうとして大破する人間たちを(仕事場で)大勢見てきたが、これは劇作の感想だから良いだろう…しかし大破しないように(汗

    (自分が勝手にそう呼んでいる)ジャンプ方式とは何か?それは恋愛の薄いテラスハウス方式とも言う。

    そこでは物語は結果的に生み出される副産物。

    物語が(勝手に)盛り上がるのに重要なこと、それは特徴的な登場人物たちの誰と誰がどう出会うかだ。推しの子なんかでは主人公が意識して(職業恋愛として)テラスハウス的な番組で行っていたし、多くの女性が認知機能の低下した少年漫画しか読まない男子に物理的に物を投げるなどして(傷害罪になる可能性を若さの勢いで蹴散らしながら)意図して引き起こそうとする現象の一つがそれである。現実世界ではスクールカースト的にも全く遭遇しそうにもない、百光年先のグレイと、四畳半列島のペンペン草の生えた万年床の住人が接近遭遇するようなカオティックな状況が、必然的に起きたと錯覚させる設定(ストーリーテリングの技巧により観客の脳に不自然さを感じさせないよう働きかけること)が必要。

    しかし、今回の劇の舞台は、おそらくジャンプほどはファンタジー色のない近未来(たぶん)。そこにはバチカンからの使者もいなければ、到底現実とは思えない子供じみた空想を神業的な技巧で具現化するアシスタントもいない。己の技で表現するのみだし、そもそも上の階のコンビニで買ったコーヒーを飲んでるような観客に、二時間(テンションのピークに到達して物語を小一時間進めるのだとしたら、30分でマッハのテンションに到達する必要がある、そんなんピエール・バルーにも無理だろうたぶん観たときないけど♪)でいきなり凄いテンションの芝居を見せつけても、観客たちを百光年彼方に放置しグレイ化させるのは間違いない。劇団10年くらいやって固定客以外いないのならともかく…それはそれで寂しいかもしれないがッ。

    じゃあ、どうなるのか、というと、盛り上がらない。

    そもそも今回の設定は、どうやら赤の他人が真の七人兄弟をめざすという、黒澤明が七人の侍で二時間で成し遂げられなかった偉業(兄弟愛≧助っ人(世間の漠然としたイメージ…何となく))を、生の俳優が観客たちが凝視する目の前でリアルに披露するという無理ゲーだった。舞台のなかで戯曲が完全に完成してここにのっていればだが。ただ、実際に兄弟姉妹がいる人ならわかるが、兄弟姉妹はそこまで信じ合っていない。いないよりは運命共同体的な雰囲気の中で多少外敵に対抗できる味方となる可能性があるというだけで、実際には遠くの兄弟より中学高校の同級生とかのほうがはるかに信頼出来るし信じられる。悲しい話だが(苦笑

    そんなのは可能なのか、しかも物語もそれほど盛り上がる気配もない、あと私のような自他ともに認めるオッサンの目からすらと、なんかみんなやたらとオシャレだし…カッコ悪く走り回る汗っかきのボランチ(カッコ悪くなくてもいいが)的な俳優なしで物語進むの?これ、(みんな気づいてると思うが、演劇もサッカーと同じでみんなストライカー(おしゃれでクール)だと物語は進まない。ボランチがいないと)。と思ってたら、どうやら劇作家の投影らしき作家の卵らしき俳優の男が汗をかき始めた。なぜ投影だと思ったかというと、この俳優、とても作家には見えない男前だし、なんか女子にもモテてるけど全く気にしてないからだ。こんな作家はいないだろう…たぶん!(THE先入観)

    果たして物語は進むのか…?作家の投影は足掻く。ジャンプ作家がインタビューとかで、登場人物を配置したら物語勝手に走り出したんですよ、とか書いててそれを真に受けてテラスハウスやったら何も進まなかった、こんなん約束(誰も約束したないが)と違うぞ、と言わんばかりに。

    その後も作家の投影?の焦りとは逆に、七人兄弟を目指す寄せ集めの男女の汗と涙は特になかった。そしてやがて、特徴的な登場人物たちが出会って兄弟を目指せば絶対に自分が考えつかないような物語が次々と生まれると思っていた、どうやらその七人兄弟式テラスハウスの出資者らしき男の焦りは頂点に達し、いつしか失業していて、その集まった男女に支払われるはずの謝礼の雲行きも怪しくなるのであった。

    ひょっとしたらこういった物語に似た物語は過去に存在していたのかもしれないが、この舞台のようにこの物語で登場人物たちが舞台のうえにポチポチ出てくる登場の仕方と、テラスハウス的な目線というか…そういう役者の動きが共存しているのはあまり記憶になく、物語がどうというよりかは、発展させる余地が大きい演出手法のような気がして新しい気がした。

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    2025/03/20 20:11

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