ピキ妖精の観てきた!クチコミ一覧

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雪女を撃て! ~死んだら死んだで問題ない~

雪女を撃て! ~死んだら死んだで問題ない~

天ぷら銀河

多摩美上野毛キャンパス 講堂(東京都)

2012/12/24 (月) ~ 2012/12/25 (火)公演終了

中止となってしまい、誠に申し訳御座いません
7月14~16日に予定しておりました『えろえろの実』ですが、当公演の作・演出・出演予定でした伊東翼に初期の子宮頸癌が発見されました。治療に専念するため、全四回公演中止とさせて頂きます。

また、宗教劇団ピャー!!第六回公演のご来場人数が300人を超えたこともあり、美容室で「峯岸みなみと全く同じ髪型にして下さい」と言ってきました。ご来場誠に感謝しますと共に、ご来場予定でした皆様、本当に申し訳ございません。ご了承下さい。
pic.twitter.com/bwwE5YGdtB

また、えろえろの実にちなみまして、自責の念を込め、一ヶ月間ブラジャーを着用して生活を行います。万が一裁判沙汰になった場合、傍聴席で公演を行います。勿論無料となりますので、その際は申し訳御座いませんがご観劇及び応援の程宜しくお願い致します。

始発電車は君の街へ

始発電車は君の街へ

ロリポップチキン

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2013/07/02 (火) ~ 2013/07/04 (木)公演終了

愛と苛立ちの劇場アバンチュール
ラノベ湾から現れた海坊主・センチメンタルと苛立ちが交互に押し寄せる・じっとしてられなさ・うかうかしてられなさ・という現代!・起承転結でいう起結がひたすら降り注ぐ・演劇を行うことへの切実さについて考えさせられる・舞台上で暴れたい欲求は何処から来るのであろうか・ヤンキーにはなれない、ヤンキーの消えた世界に住む僕たち・その焦燥感・ロックバンドを始められない僕たち・ロックバンドのカッコよさによって打ち消されるロック精神・が漂う・と同時に可愛い・その可愛さは、なんつーか、無力感(?)・いじけっぷりに秘めたエネルギー・みんな怒っているのだろうか・同じくらいの年齢の人々でみんなで怒って無力を感じて今度こそ本気で怒れるようになりたい・時折出て来る中二的ロマンチック繊細台詞が凄く好きで気持ちいい・それはなんつーか、現実を裏返す方法(?)・あるいは心の秘密基地に集まる的な・自分ももっと作らなきゃっておもった

て

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/05/21 (火) ~ 2013/06/02 (日)公演終了

まぬけさが忍ぶ切実さ
前観た時は徹夜明けでほぼ寝てしまって
いま 観たらすげかった
ああこれがお芝居を観た、という
のしかかる重みなんだな
お芝居ってすごいんだな
人を描くってすごいんだな
鳥肌立ちまくった
涙目なりまくった
超上質なる緊張と緩和の追いかけっこ
人ってそんなんだなあ

ネタバレBOX

ママは強い
さよなら日本-瞑想のまま眠りたい-

さよなら日本-瞑想のまま眠りたい-

範宙遊泳

STスポット(神奈川県)

2013/05/04 (土) ~ 2013/05/15 (水)公演終了

僕の知っている現実日本
すごくよかった
いたかった
つらかった
こわかった
どうしようもなかった
なにもできなかった
この作品を思い返すといま自分のしていることを見つめることになる
だから23歳のニートがパソコンで文字を打ってるのを見つめながら思い返している
そしてそれのちっぽけさと側にあるチョコベビーのちっぽけさはどちらがより密度の高いちっぽけになれるのだろうと
ちっぽけってなんだ?
ちってなんだ?
ってなんだ?
ぽってなんだ?
けってなんだ?
?が?として威勢良く立っている
?の下の点だけ赤色に染めるようクリックして
おもいのほか赤くなって焼けて燃えて国立市ごと消滅して
ただ跡が残る
残された跡の上から服を着て
今日も眠るまでいきる

範宙遊泳展

範宙遊泳展

範宙遊泳

新宿眼科画廊(東京都)

2013/02/16 (土) ~ 2013/02/27 (水)公演終了

すごいぐっときた
幼女Xむちゃくちゃ良かったー!良いっていうかうわっていうか冷えっていうか、苦しさが滲むように囲んできた泣いた
閉じ込められた世界の閉じ込められた関係を殺すはなし
宝石のようになにも言わずにただただそっと存在してほしい作品
あんまりなんにもいいたくない

ネタバレBOX

さいごのおわりかたに脱帽
閉じ込められた扉を開けることはできず、閉じ込められたまま、新しい街が世界がうまれていく、掴みきれないあらゆる感情が一斉にじわっと湧いた
ミーツ

ミーツ

ロロ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/05/23 (木) ~ 2013/06/02 (日)公演終了

苛々しない子供の絵本
ヒく程眩い世界・どんな人生を歩み、どんなことを感じて生きてきたのだろう・ナカゴーの小学生の気持ち悪さ残酷さ満開と対比するような小学生の眩さ綺麗さ満開・歳をとり疑うことありきで生きるようになってしまった僕には誰にも感情移入できない・そういうことなんだと思う・別の生き物を遠くから眺めているような・絵本・生きた人間のいない絵本・こうなりたい・願望・天国のような・信じる者は救われる・危険を描かないことで絵本に閉じ込められる・怖い・悲しい・恋をしたい

ネタバレBOX

怪物に向かって本当の話をしたとき、大人になったのだろうか
それまでの物語が全て壊されるような、切ない本当の話をすることで、全てが切ない時間になった
けつあごのゴメス【全公演終演しました!!たくさんのご来場ありがとうございました!!!!】

けつあごのゴメス【全公演終演しました!!たくさんのご来場ありがとうございました!!!!】

劇団鋼鉄村松

ザ・ポケット(東京都)

2013/05/22 (水) ~ 2013/05/26 (日)公演終了

SFCの城下町の夢夢夢に浸るノスタルジー還り
スーパーファミコンのRPGのなにが思い出深いかって、城下町での賑わい・城下町という、大いなる権力のふもとで一人一人が武器売ったりかけっこしたり困ったりトランペット吹いたりっていう、それがゲーム画面だからごった煮のように密集しているあのファンファーレ感・このお芝居も一つの画面(舞台美術空間)で様々な人や心の行き来をめくるめく現す・だからゲームの城下町さながら、活気と悲鳴と情熱が交錯するも一つの視覚に集結する面白さ・脳内で場面場面の背景の画やそれぞれの持つ家の画とかフィールドマップが構築されていって楽しい広がり・品がいい・下品かと思ってたから裏切られた・コロシアムのサラウンドな歓声とか夢に浸れる臨場感・歓声っていいよね、言葉じゃなくて情景まるごと音にした!みたいなの浴びれる・フォーメーションや画作りがきっちりしてるのも品の良さ+城下町の夢に浸れる最重要性・演劇は夢の立ち上げが可能なことを久しぶりに思い出した

未確認の詩-ウタ-

未確認の詩-ウタ-

ライオン・パーマ

王子小劇場(東京都)

2013/05/16 (木) ~ 2013/05/20 (月)公演終了

ほくほくほくほくほくほくほくほく
シベ少の前フリをほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくほくと耕して熟して発酵させた優しさ・人柄の良さ・パロディするモチーフがこぞってほのぼの・インダス川付近でやってほしい・黒板消しの消す側の肌触りが似合う・あるいはらっこ・ある意味共犯関係というか情に訴えかけてくる・それはつまりあらびき団的かも・正月の深夜に家族的友達と見たい・そういう意味ではガキ使の笑ってはいけない的かも・だってライオン・パーマって劇団名なのにチャー・アズナブルって名前がもうめちゃくちゃ面白いもん・ふがふがする・人柄が良いから芸人仲間に愛されそう・チラシアメリカのポップアート風味でカッコいい

助六69

助六69

天ぷら銀河

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2013/03/27 (水) ~ 2013/03/28 (木)公演終了

ダンカンこのやろうな照れ怒りがビートを刻むお芝居
女々しい男達が女々しくも愛でる性欲の捩じれた先にあるまがいもない現実・「マンコ」って口に出す時のバイオリズムのグラフを見たい・精子役というスペシャル感・精子に愛情を持つ心情をホモセクシャル的観点から追求すると面白そう・小池君以外体がしなやか・小池くんの必死な体にストレスを受けるもそれが作中人物へのストレスとマッチしていて良かった・この世に生まれなかった存在が見る現実という、頭ぼかんしそうなリアリティが面白い・選曲が古くて、なおかつ引用というか、「この曲知ってるよねって」ってお客さんと共有目がけた使い方するから、例えば元気が出るテレビとか同年代の人わかるのか気になる・達観している作者とダメージを受けている作者が全く混在せず離れ切ったままラストまで突っ切るのが独特の気持ちの悪いグルーヴ感をだしてて良い・その達観している作者をつい出してしまう照れ隠し的な部分が良くも悪くも肝な気もする・その肝にどのような味が出てくるのか、味が出ることで達観が侵食されていくのか、はたまた肝を捨てるのか、その辺今後どうなっていくのか楽しみ

15みうっちMade

15みうっちMade

Mrs.fictions

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/12/13 (木) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

男にうまれたおはなしたち。
切なさと温かさに包まれた劇場。

個人的には一本目とラストの作品がツボでした。

全編通して、男子たる男子な自分達と女性への届かぬ尊敬の念のようなものを勝手に感じました。

一応ネタバレBOXに書きます!!!!!!!!

ネタバレBOX

「とりあえず先は見えない」
全裸は全裸だけど笑、それ以前に会話のやり取りがとてもツボ。
ワンピースの時間の進みと自分達の時間の進み、
詩人が色紙に書く言葉と実際会話で口にする言葉、
現実とのギャップの中たらたら荷造りする気怠さ、心に抱えるかすかな物憂げさを
真っ暗で全裸になり突っぱねてやろうというやけくそ根性がバカ素敵で切ない。


「秋にまたない」
ピザの切り分けがせつない。
ずっとずっとの足踏みに疲れたり冷やしたり苛立ったり、それが一人だったりみんな一緒にだったり、思い込みだったり。
旅立つことの勇気みたいなものを貰ったり、貰わなかったり、なんだかそんな半端さがやさしい。


「だらしなく人生は確かに続く」
終わることのできない人々、神様のイタズラなクリスマス臭溢れる感じ。
死にたくなる現状も自分が決めた訳じゃないし、実際死ねるかどうかも自分が決められる訳じゃない。
四つの世界が同時に舞台に立ち上がっていることで、お客や作家が神様になったかのような視点。そんな感覚で一挙に見渡せて、自分達の行きている世界も一瞬引いて見られるような現象に陥る。そういう、共通項のシンクロニシティでの現実全体の捉え方もありうるなっていう。


「うちの屋根がでかい鳥に持ってかれた。」
すてきすてき。屋根を鳥が持ってくって少女感としかもそれがウソって少女感。
その少女感に踊らされる人々のドタバタ感が楽し可愛い。
心踊らされることの楽しさ、踊る踊る。
ファンタジックな世界とみそぼらしい感情による体のドタバタ、全て少女に踊らされてると思うと、その偉大さにきゅん。


「男達だけで踊ろうぜ」
地獄甲子園のような画太郎チックな劇画調。
みんな下を向いているのが、最初は漢らしくギャグっぽいのがどんどん哀しく見えて来る。
このお話も少女が偉大できゅん。
試合に注ぎ込む人生。人生なんて大きなもんは実感として捉えられないし我慢出来なくなるけど、いまはこの小さな世界に自分の全てを叩き込もうと、それはこの舞台という小さな世界に人生の一片を叩き込む演劇と同じだなって、ストーリーと現実がいままさに同時進行で起きているな、と思った。


「ミセスフィクションズのメリークリスマス(仮)」
笑えたしすきな世界すきな言葉選び。みうっちMadeのトリにふさわしきみうっち逆転コント。
小劇場に対する皮肉や想いもあるのかな(?)
僕も全てを貴族で飾って生きたい。気品溢れる人生を歩みたいもの。死ぬ時はこんなつもりに人生書き換えよう。
いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校

いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校

ロロ

新宿眼科画廊(東京都)

2012/12/15 (土) ~ 2012/12/26 (水)公演終了

寂しさと恋は裏表だねっ!
高校行ってない低教養低脳猿のワタクシには、正直いままでどう捉えれば楽しめるのかわかってなくて、「新しい演劇してるよね〜そう、そこだよね、そこが新しiyyneeeexe@X%&#∞;;;;;」等と濁しまくって知ったかぶりをしてたけど、しぶとく見続けることで今回初めて心から【めちゃおもろかた------!!!!!!】と叫べるようになりました。

超個人的見方だけど(まだ謎にびくついてる)、あの不自然にポージングされた演技、身体と感情のパラメーターのちぐはぐさが、そのまま寂しさに直結しているように感じた。
その演技スタイルにより、存在も行動も声も言葉もどこにもはまることが無く、全てが漂ってしまう。
何にも触れることができない。くっつくことができない。自分にも他者にも触れられない、くっつけない。
だから、役者の演じている(生きている)姿そのままに寂しさを孕んでいて、空間全体にそれが広がり、だけどその中でみんなが愛し合おうと必至にもがく、とても切ないやり取りが、それでも最後の最後に至るまでずーっと漂っている、ああ、ああ、、、、、、

風景、特に横長の劇場だから、風景としてとても見やすい、寂風景な舞台でした。そう、風景として見ると僕にはいいんだなあ。
スケッチしたい。

ただ、単にポージングがかわいい。かわいい。女教師かわいい。ギターかわいい。
でもなにげに仏教的世界観だなーとついおもってしまう。
15分遅れで入って申し訳有りませんでした。

評価

評価

大ナカゴー

座・高円寺2(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/14 (金)公演終了

日曜夕方の裏面/パラレル怒ワールド
・おざなりプレイ・結局なんなんだプレイ・放棄の嵐プレイ・変なリズムと激しい不協和音・おしっこ・最高の結末・無理矢理の快感・ブリーフ・形から・全ては形・虚しい評価連続世界・じゅげむじゅげむ・クレイアニメ・隅っこのぼそぼそ・あからさまにしてしまうというバカさ・ローリングストーンズ・スパイクジョーンズとPV作ってほしい・電撃びりびりにしたい・性欲減退・腰の触り心地・でも小学校の一年間てこんなな・捻れからはみでるブリーフ・社会的弱者・マスコミバカ・ファミコンのバイト数・もういいかげんにしてっ!・頭掻きむしりたいコメディ・終わりの会とはじめの会によるケーキ入党で天に昇る国民の竜巻(唾の雨)・すまた・そーせーじ・たつのおとしご・これがロボット演劇される未来・世紀末お祭り野菜園・遺跡から発掘されてほしい・沢山来てた老人はどう思うのだろう・ごっこ遊びの天井抜け(リアルここは何処)・千本ノック気分・がんばれ森川君二号・ドリームキャストの秘境感・俺たちは不滅だ感のしつこさ巨人プレイ・みんなの顔・なんちゅう顔・ちまちまスプラッター・霊感つきそう・今夜が恐ろしい・どこまでいくんだナカゴー

月とスイートスポット

月とスイートスポット

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2012/12/05 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

八連鎖からのまどろみ、まどろみ〜ん
ヤンキーやヤクザが機敏に動き回ってるだけでファイヤーアイスストームな心地よさ、懇切丁寧に導いてくれる異論理ワールドの煙を吸って、いざ跳びたて漢のプライドと欲望の道へ!
ヨーロッパ企画は見終わった後思い切り拍手したくなる劇団ランキング上位濃厚であろう、複雑さをわかりやすくカタルシスに運んでくれる、ゼルダ的ハテナと発見楽しさオンパレード。
この劇構造どうすんだ?てのとこのボスどうやって倒すんだ?が似ている感じ。
ボスの造形が楽しいのも同じ。
いっぱい笑えて楽しかった!
みなしご最高!

ネタバレBOX

コメディとしてすごい面白かったので、それだけで満足なのですが、感じた事。



体を刺されたり撃たれたりで倒れているヤクザ三人。
無事な舎弟に向かって命令をする。
「いますぐ救急車を呼べ」「いや、救急車では身元がバレるから呼ぶな」
「音小さめで呼べばいいだろ」「車体の白さで見つかるだろ」

結局ドラッグストアに行かせることになるが
「マツキヨに行け」「いや杉薬局のほうがいい」
「杉薬局は24時間営業じゃないかもしれないだろ」「いやそれでも絶対杉薬局だ」

スイートスポットという、使うと過去が見えるらしいドラッグ。
実際に使い見事過去が現れる。しかし幻のはずが使用者以外のみんなにも見えたり、触れ合えたり、使用者がその場からいなくなってもまだ存在してたり、そんな未来いやだ!変えてやる!などと、時空間が様々入り交じりすっちゃかめっちゃかに。

そんな中でも人々は、時には人生に関わる大切なことで、時にはどうでもいい細かいことで、口喧嘩をすぐにおっ始める。


次々と執拗に繰り返される口喧嘩のやり取り。
端から見るとどうでもいい喧嘩でも、そこには一人一人の欲望やプライドや想いや信念が詰まっている、のであろう、大した意味がなくとも。
は?なにそれ?と無茶苦茶な現象を目の当たりにし、なおかつ追われてていつ死ぬかわからない、未来の自分は既に死んでいる、好きな人と人生を添い遂げることができない、それぞれにとってわりと絶望的な状況でも、そこで行われるのは口喧嘩を介する特定の誰かとの積極的なコミュニケーション。

そして色々あって記憶忘却剤をまかれ、過去が見える前の序盤のシーンに戻る。

そのシーンで、二人は壁に寄り添い、ピノと雪見大福をお互いに分け合う量で喧嘩をする。
いつ死ぬかわからない状況で、子供のような、中学生のあの頃のような喧嘩をする。
それが、すごく悲しく、微笑ましく、羨ましく見えて来る。
決して死にそうでやばくて苛々して喧嘩している訳ではなく、
二人の思い出と共に積み重なって来た関係性があって、それがいつまでも続く喧嘩と同じようにどこまでも続いていくような、死に際ですら崩れない些細すぎるやり取りが、余りにも完成されているように、世界が完結しているように、それ自体が幻かのように心をかすめてくる。
議論的には終わりの無い立ち止まったぶつかり合いなのだけど、関係性的にはどんどん歩んで進んでいくぶつかり合い。
そんな素敵な無駄なやり取りのまどろみの時間に、羨望と癒しを貰いながら、温かく家に帰れました。
ポツドール『夢の城 -Castle of Dreams』

ポツドール『夢の城 -Castle of Dreams』

ポツドール

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2012/11/15 (木) ~ 2012/11/25 (日)公演終了

たのしいな
ポツドールにはいつも泣かされる。
いつもとてもベタでわかりやすい泣かせ所だけど、
やっぱりむきだしに描いているから、キちゃう。
僕もその場の欲望に負けちゃうから。
ついだらだらと逃げ続けちゃうから。
優しいな。

でも2時間くらい観てたかった。
もっともっと!っておもってしまう。
もっとこの人達が気になる。
すっごいわかりやすく、デフォルメして、デザインして、象徴を並べるようにしてた気がするけど、
一人一人の「うわーそういうのあるな、あ、この人意外とそうなんだ」って豊かさをもっと観たかった。
台詞が無い分、噓が無い分、入り込みやすくて、
登場人物みんなだいすき。

ネタバレBOX

この部屋の外側の恐ろしさを強く感じた。

外側には巨大で不毛で宛てもなく恐ろしいモンスターがいるような。

この人々はこの部屋ではみんな丸出しで生きていて、愚痴を言いっこ無しで、どうでもいいぶん確かな繋がりがあるような、少なくとも安心感はあるような。

外の世界では噓を繕わなければならず、それぞれややこしい人間関係や社会の規律があって、
それには決して抵抗することが出来ず、この部屋の中でだけ自由でいられる。
一人暮らしでは得られない、みんな一緒だよ、って集まり。



最後の涙のシーンで、そういう皮肉を丸めたようなボールが咀嚼できない大きさで僕に向かってきて、ただただ同じように泣いて対抗するしかなかった。

そして結局すぐに寝てしまう女。

こうならざるを得ない外側の何かがとにかく恐ろしくて、だからこの人達はこうやって生きるしかなくて、どんな感情もただただ過ぎ去ることが幸せなのかわからないけれど、ここは夢の城だなって思った。


こんなもんでしょっていう、その視点がだいすき。
闇金ウシジマくんの「ふんっ」みたいな。

綺麗な旋律のピアノを弾くギャルとか、スナック菓子食べたあときちんと歯だけは磨くのとか、キッチンの蛇口でマンコをガシガシ洗うのとか、パワプロで牽制投げまくるのとか、化粧落とすタイミングとか、ああいうあるあるネタの快感が、並のあるあるネタとは違う、すっごい快感で、その計算された空気感がほんとずっと観てたいなー。
おたる鳥をよぶ準備

おたる鳥をよぶ準備

BATIK(黒田育世)

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2012/10/31 (水) ~ 2012/11/01 (木)公演終了

水と木と土と空と
生や死に対する物凄く強い執着パワーを感じて、おいおいどこからそれは来るんだと怯える。
一瞬一瞬の「かけがえのなさ」みたいなものをなんとか体で切り取り発しようとすると
自然と死に目を向かざるを得なくなるのかもと思い、
老いて死に進んで行く体を、なんとか停止させようと、永遠の生を感じようと、
でも決して停止はできないから、力強く停止しながら生きよう、死にむかって攻撃的に停止しながら生きよう。

みたいなものを感じた。

人はどこまで切実になれるのだろうかと、いま自分のまとっているものが全て必要ないんじゃないかと、心がゆっくり落ちていった。


子供が地団駄を踏んでいるように表現していて、みんなで一斉に変顔したりとか、ドキッとする。
あんなに切実な変顔を見たことない。

ネタバレBOX

「あ!流れ星!あなたの夢を叶えてあげましょう!あたし、ダンサーになるの!」
が好き過ぎて、そのリフレインのシーンだけで観て良かった、物凄くすき。

「あ!流れ星!あーーーなたの夢をかーーーなえてあげましょーーう!あたし、ダンサーになるのーーー!」
「あたしも!」
「あたしダンサーになるの」

すきすぎる。
かわいすぎるしうわああああああてなるかわいうわあ。
かわいいかわいいかわいいかわいい!!!!!!!!!
みんなよしよし。
徒労の消費

徒労の消費

未熟者、

STスポット(神奈川県)

2012/11/16 (金) ~ 2012/11/18 (日)公演終了

ああああああああああああああ
全員とっとと死ぬか生きるかしろよ!!!!!
腹の底から笑えよ!!!!!!
氷結浴びて眼科行って老いる自分に気付け役割以上に気付け!!!!!!

宙ぶらりんのまま何かを決定することを恐れ、
ツッコミを恐れ、
何もできなくなる世界。
ただただ繰り返される無意味は、
一つ一つの行為に対してどう思われるかという恥、
はしゃいでいる姿の裏にある弱さを突かれたくないという恥、
そんな意識をさせる他者がいるからこそ。
そういう意味では由緒正しき群像劇。解体を含むからこその群像劇。

でも舞台世界の中で意識されている他者よりも
もう一歩外側にいるお客さんは更にその裏を見る訳で、

その無気力に対する達観に潜む欲望、達観欲望が、悲しくてきらい。
こんな人が増えているのかなあ。いつの時代も大学生はそうなのかなあ。
ただ、大学生のモラトリアムと一言で片付けたくないのは、
劇に対して解体に解体に解体を重ねた上での
世界の美意識のような、舞台世界を絵として見た時の力強さ、美しさがあり、
それが救いなのかなっておもう。

カラオケいきたくなるね。
うるせー!
ニーチェ萌え。

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