ミツバチか、ワニ
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2010/03/04 (木) ~ 2010/03/08 (月)公演終了
【公演中止】ソニックユース
かもめマシーン
小劇場 楽園(東京都)
2010/03/04 (木) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
アルペンループ
サイバー∴サイコロジック
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2010/02/19 (金) ~ 2010/02/22 (月)公演終了
満足度★★★
立山にある地獄とは
立山山腹にある地獄アミューズメントパークで繰り広げられる会話劇。
地獄を体感するアミューズメントパークという発想は面白く、当然、そこに集まる人々は心に傷持つ人々。
踊るワン‐パラグラフ2010
ニットキャップシアター
ザ・スズナリ(東京都)
2010/02/18 (木) ~ 2010/02/21 (日)公演終了
満足度★★★
摩訶不思議な雰囲気
京都の人気劇団の第4回東京公演。
当劇団、初見。
自殺した新興宗教の教祖の命日、ネット上では、その日、奇跡が起こるとささやかれ、やがてやじうまが集まり。。。
ピローマン
劇団ロズノワール
千本桜ホール(東京都)
2010/02/16 (火) ~ 2010/02/18 (木)公演終了
満足度★★★★
あまりに切なく、あまりに暖かい
原作の「ピローマン」は2004年にイギリスで最も権威のあるオリヴィエ賞の最優秀戯曲賞を受賞した衝撃作。
比較的原作に忠実に上演された様子。
2幕ものであるが、第1幕だけで終了してもいいような巧妙なストーリー展開。
子どもの虐待という際めて重いテーマでありながら、いくつかの偶然が重なって、真っ暗闇の先に一筋の光が見えるラストがすばらしい。
見終わった後に、色々なことが次から次へと頭に浮かぶような余韻を残して終了。
若手役者での上演となったが、同じ脚本、演出で、もっと老獪な役者人の舞台を見てみたいと思った。
当劇団の今後に大いに期待の持てるそんな舞台だった。
作品No.7
OM-2
日暮里サニーホール(東京都)
2010/02/12 (金) ~ 2010/02/13 (土)公演終了
根源への問い
言語に頼らない身体表現、ダンス、音楽を駆使し、人間の根源へと観客をいざなおうという趣向は今までに経験がなかったため、どのように理解すべきか一晩悩んだが、現段階でも結論を出すことができない。
佐々木敦氏の演技、およびドラムパフォーマンスは(パフォーマンスアート上級者には)一見に値しよう。
アルトゥロ・ウイの興隆―それは抑えることもできる―
ピーチャム・カンパニー
シアターPOO(東京都)
2010/02/05 (金) ~ 2010/02/08 (月)公演終了
満足度★★★
古典は現代にも通じるのか?
アルトウロ・ウイというシカゴの鼻つまみ者が1930年代の世界恐慌が吹き荒れるシカゴを舞台に、暴力を背景に、近隣の街々をも牛耳る大物ギャングに成り上がるまでを描いた、1941年に発表されたベルトルト・ブレヒトの原作を忠実に、かつ、ずいぶんとコンパクトに上演。
アルトウロ・ウイというギャングは、1930年代にブレヒトの母国、ドイツで急速に力をつけ、人々を恐怖のどん底に突き落としたヒトラーに重ねて描かれる。
物語が作られた当時の時代背景を踏まえれば、原作がどれほどの説得力を持ったかは想像に難くないが、本上演でも、原作が描いた暴力の連鎖は時代を乗り越えて、生き生きとよみがえるのだろうか。
それを表現しようとした劇団の意図は十分に感じることができたが、平和ボケした私の頭では、本作の中でそれほどのリアリティを見出すことはできなかった。
古典作品の上演の難しさといわざるを得ない。
本年秋には、新作による本公演があるとこのこと。
昨年の「イヌ物語」で見せた劇団合同のメリットを生かした現代劇を期待したい。
幸せの歌をうたう犬ども【ご来場ありがとうございました!】
DULL-COLORED POP
タイニイアリス(東京都)
2010/02/02 (火) ~ 2010/02/04 (木)公演終了
満足度★★★
しあわせのかたち
話題の谷賢一の舞台を一度、見たいと思っての観劇。
劇団外の公演だったからだろう、劇評等で知る人物の舞台とは思えぬ作風であった。
正直にいうと肩すかしをくらった感じであった。
「不幸」という感覚を理解できない宇宙人が、人間の不幸を宇宙人が考える幸せに書き換えたら、そこには真の幸せはあるのかといったことが主題として描かれる。しあわせのかたちとは何か。宇宙人にはもちろんできないが、同じ人間同士でも理解しあうことが困難であるなどと。
SFの設定を用いて、前半のお祭り騒ぎを思わせるハイテンション・ナンセンスな筋書きで進行し、後半はぐっと引き締まり、テーマを浮かび上がらせる。
全体としてはナンセンスコメディーなのか、シリアスなのかどちらか一方の路線をより協調してもよかったのではないか。
「当てられ書き」という極めて窮屈な環境の下での、劇作であることを考慮すれば、よくぞ、このようにまとめたと評価することもできよう。
各劇団の主役級を集め、役者個々人の持ち味を十二分に引き出した演出はたいへんおもしろかったが、ストーリー重視派には少々つらい展開ではなかったか。
谷の次回公演に大いに期待したい。
『F』
青年団リンク 二騎の会
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/01/29 (金) ~ 2010/02/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
味わい深き、かなしみ
近未来を舞台に繰り広げられる出会いはずの無い少女とアンドロイドの悲しい物語。
それにしても、青年団リンクのクオリティーの高さに、昨年から驚かされてばかりである。
パンク・ドンキホーテ
パパ・タラフマラ
あうるすぽっと(東京都)
2009/12/11 (金) ~ 2009/12/20 (日)公演終了
ロミオの代わりはいくらだっているし、ジュリエットの代わりだって腐るほどいる
掘出者
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/12/15 (火) ~ 2009/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★
追い求める相手は誰?
少し(もしくはかなり)世間の常識とはかけ離れた人々が織り成す緻密な会話劇。
60分のショートストーリーではあったが、見ごたえは十分あった。
午后は、すっかり雪
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2009/12/03 (木) ~ 2009/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★
向田作品の世界観を吉田流の優しさで風味付け
向田邦子をリスペクトすると言う作家・吉田が、向田作品からいくつかのキーワードを拾い出し、向田邦子の世界観を、吉田流の味付けで、見事に再構築。
ライク ア ローリングストーンズ
enji
ザ・ポケット(東京都)
2009/12/02 (水) ~ 2009/12/06 (日)公演終了
満足度★★★★
和洋折衷の人間賛歌
『ローリングストーンズ命』の19歳のロッカーが死ぬところから物語ははじまる。
当劇団初見だったが、寺とロック、仏教とキリスト教など、対極にあるテーマを見事にひとつにする力量を持つ。
笑いを誘うシーンが不発に終わるなど、空振るシーンもいくつかあったものの、見事な出来栄えであった。
欲望貴族
角角ストロガのフ
王子小劇場(東京都)
2009/11/26 (木) ~ 2009/11/30 (月)公演終了
満足度★★★★
同時進行の妙
未成年が犯した罪は、犯罪から15年間はその保護者が責任を取る、というNB法が成立した世界を描くSFストーリー。
舞台セットのおもしろさと、最大6箇所で同時進行する物語の構造に驚かされた。
さらに、それぞれの登場人物に背景があり、それを描き分けようとする作家の力量に脱帽。
また、難しい舞台にもかかわらず、作家の意図を汲み取り演じた各役者にも拍手を送りたい。
ストーリー自体は荒削りで、主題・メッセージ性を磨くなど、改善の余地はあるものの、それを上回る舞台構造の見事さがあった。
次回は是非、鋭いメッセージ性のある作品を見たい。
占いホテル
劇団あおきりみかん
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★
占いの「おもて」と「うら」
当劇団、2作目の観劇。
前作「箱を持っている」と比べ、かなりライトに仕上げられた喜劇。
よく当たると評判の占い師が何人も滞在しており、評判のホテルで、繰り広げられる、占いの「おもて」と「うら」。
『果たして占いは「いんちき」なのか?』を、占い師とお客の攻防を通じて面白おかしく描いていく。
前作は色々なことを考えさせるものであったが、本作は前作ほどのメッセージ性を有しておらず、気軽に見るのにはちょうど良い。
ばっちり組まれたホテルのセットが物語は進むにしたがって、だんだんと解体される様は、「うら」を見せる演出の一環なのだろうか?
次回は是非また、前作のようなメッセージ性の強い作品を見てみたい。
BOOKEND
INUTOKUSHI
早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)
2009/11/26 (木) ~ 2009/12/01 (火)公演終了
満足度★★★★
「笑い」は「(感動の)涙」に勝つことができるのだろうか?
当劇団、本公演初見。
人間界をよりよい方向に導くために、「笑いの神」と「感動の神」が覇権を争う神の国。
劣勢に立たせされた「笑いの神」は、人間界に救世主を求め、一人の男に白羽の矢を立てる。
「笑いの神」は、その男を自陣に引き込むことができるのだろうか?
本作は、作・演出のモラルの自伝的作品とのこと。
つまり、「笑いは涙に勝つことができるのだろうか」ということへの彼の戦いの歴史でもあり、「負けまい」という今後への意気込みを表現した、というところであろう。
感動を廃し、全編笑いでつなごうとする作風は面白く、まさに”ニューウェーブ”というにふさわしい。
一方で、不必要に繰り返される下ネタ表現も多く、どれだけの観客が本作を受容できるのだろうか。
評価が真っ二つに分かれる作品であろう(私は許容派)。
乾かせないもの【御来場有難うございました】
机上風景
タイニイアリス(東京都)
2009/11/26 (木) ~ 2009/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★
残された者たちの戦争
夫もしくは親族が戦地に赴き、残された30歳前後の女性7人を描いた作品。
戦争をしているのは、戦地に赴任した男ばかりではなく、内地に取り残された女性たちも必死に戦っている様が見事に描かれている。
男を戦地に取られ、連帯していたはずの7人が、ちょっとしたきっかけで、パワーバランスを失い、7人の中で、敵と味方に分かてしまうシーンなどは、人間のもろさをうまく表現していた。
戦地の描かれない戦争物であったが、十分に戦争のむごさ、不寛容さを表現した秀作である。
華々しき一族/お婿さんの学校
ハイリンド
赤坂RED/THEATER(東京都)
2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★
役者、演出の力量
森本薫、モリエールのいわば古典を、見事に、現代でも通じる舞台に昇華させた演出家および、演出家の意図を汲み取り演じた俳優の好演に拍手。
おかしみを全編に湛えたモリエール作品もおもしろいが、一瞬も気の抜けない、せりふの応酬が続く森本作品が秀逸。両作とも、「行き違い」を見事に活かしきった舞台であった。
ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】
elePHANTMoon
サンモールスタジオ(東京都)
2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★
歯車の狂いは次第に大きく。。。
ある事件に遭遇した被害者・加害者の人生の歯車は狂い、その狂いは次第に大きく、とめどなくなくなっていく様を描いた作品。
汚い月
乞局
笹塚ファクトリー(東京都)
2009/11/06 (金) ~ 2009/11/12 (木)公演終了
満足度★★★★
胸糞の悪さが
当劇団、初見。
登場人物全員がどこか心を病んでおり、誰一人として常識的な振る舞いの出来る者はいない。
そのような登場人物のなかで、航空機により騒音問題、臓器移植問題、自殺願望等々、日常とも、非日常とも、とれない課題の中で物語が進行する。
一言でいえば、なんとも胸糞の悪い芝居であるが、徹底して、そのことを追及しており、それがこの劇団の持ち味なのであろう。終演後のまばらな拍手がそのことを強烈に印象付けていた。
騒音問題、臓器移植問題、自殺願望等々、見る者の視点により、強調される点は異なるであろう点も面白みの一つである。