Koujiの観てきた!クチコミ一覧

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午后は、すっかり雪

午后は、すっかり雪

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

すべてにおいて質が高い!
 若い女性がこのような本格的な芝居をていねいに作っていることに驚嘆する。昭和の家庭を描写しながら、そのテーマは普遍的だ。うまい役者を揃え、それらの役者を自然に演技させながらも演出家の目指す世界を的確に表現させている。劇中ドラマティックな事件が起こるわけではない。たんたんと物語は進む。それにもかかわらず、われわれは心の中で強い感動を覚えた。吉田小夏お見事である。

 役者は全員好演だが、中でも邦子の恋人西沢を演じた足立誠の渋い声と演技にまずしびれた。長女邦子役の福寿奈央の明るい強さ、一発でフアンになった。こういう女性好きだな。二女迪子役の高橋智子の表現した女性の二面性も見事だった。そして、三女和子を演じた天明留理子の若いころの演技と年をとってからの演技、とても同じ人物が演じているとは思えなかった。演技賞ものである。

 うまい役者とうまい演出家が出会い、派手さはないが、琴線に触れる素敵な物語を作ってくれた。名作である。

last gasp

last gasp

劇団てあとろ50’

早稲田大学学生会館(東京都)

2009/12/10 (木) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

作演長田の集大成が結実!
 カーニバル早稲田の二番手に登場したてあとろ50‘が心に残る素敵な芝居を観せてくれた。崩壊した家庭の中の兄と妹の物語。重いテーマを達者な役者たちで彩り、心に直接響く重厚なドラマに仕上がった。

 役者では吉田悠紀子が兄を思うけなげな妹を好演した。彼女は声がとても素敵だ。脇ではケーキ屋の三人が印象に残った。特に石井由紀子と潟山綾子のコンビは最高だった。なにげない演技まで面白くてたまらなかった。

 山邊健介、三輪友実、吉武奈朋美が今回新境地を開いていて、これまた魅力的だった。

ネタバレBOX

 開演前に客席の灯りをつけたまま、芝居がすでにスタートし、あるきっかけで音楽が入り、本格的にスタートする。スタートした瞬間からわくわくさせる見事な演出だ。そういったひと味違う演出が随所に仕組まれていた。

 松井健太が妹の友人役と父親役を一人二役で演じるのだが、しいて言えば、そこが少しわかりづらかったか。

 サノアヤコのフライヤーが今回も素敵だ。

【楽日】

 楽日にもう一度公演を見た。兄役の相川春樹の鬼気迫る演技に感動。舞台全体がもう一段階上のレベルに到達していた。学生演劇としては最高水準だろう。
最高傑作 -Magnum Opus-

最高傑作 -Magnum Opus-

劇団銀石

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/12/08 (火) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★

意欲的な作品!
 前回、シアターグリーンで刺激的な舞台を作り、今回は「最高傑作」というので嫌でも期待に胸膨らませて見に行った。

 結論から言うと、私には少し難しい芝居だった。5つのオムニバスによって構成されたひとつの物語ということだが、そのひとつひとつの位置づけがいまいちよく理解できなかった。

 ルデコは銀石には使いづらかったのではないだろうか?前回、幕あきから圧倒的な空間演出で魅せてくれた印象があるので、今回は少し会場が狭すぎたのではないかと感じた。

 役者では内山唯美に魅力を感じた。また横田秀充がいい味を出していた。

 随所に光る部分があったので、これからどんどん良くなっていくだろう。

ネタバレBOX

 ラストに近いシーンで4人の男女がふたりずつ、相手とのすれ違いを語るシーンが面白かった。台詞の掛け合いが見事なテンポで、新しい新鮮な演出を見せてもらった。

 役者の友達が集団で来ていたのだろうか、終わった瞬間からコンパのような盛り上がりだった。こちらはラストシーンの余韻に浸っていたので少し興ざめだった。また、演出家のアフタートーク中まで、ぺちゃくちゃ話をしている。そのためにアフタートークが盛り上がらなかった。残念。
孤天 第二回「ボクダンス」

孤天 第二回「ボクダンス」

コマツ企画

APOCシアター(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★★★

役者魂を見た!
 大好きな川島潤哉の演技力を見に行ったのだが、その作品力、構成力にも関心してしまった。奥が深い、深すぎる。

 テイストとしてはやはりコマツ企画っぽいところがあるが、それに川島潤哉の骨っぽいところが加わって、独特の味に仕上がっている。

 一人で何役を演じるというよりも、川島潤哉のいろんな引き出しを見せるという感じ。

ネタバレBOX

 映画「曲がれ、スプーン」が公開されて、新しい川島フアンがやってきたのではないかと思う。そういった新しいフアンを囲いこむ万人受けする芝居をするのかと思ったら、まったく違った。

 暗黒舞踏を題材に、コアな演劇フアンにはたまらない、そしてミーハーなフアンにはちょっと辛い芝居をあえてやり続けている。そのことにも拍手を贈りたい。
ROPPONGI NIGHTS 2009.

ROPPONGI NIGHTS 2009.

LIVES(ライヴズ)

吉祥寺シアター(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

大人が楽しめる良質なコメディ!
 吉祥寺シアターを立体的に使った舞台美術が見事。素敵なクラブが出来上がった。

 Livesの舞台にはずれはない。達者な役者が演ずる上質なコメディ。今回も期待どおりたっぷり楽しませてもらった。歌あり踊りあり、ショーを楽しみながらハートフルコメディを堪能できる。大浜・雑賀・市橋の三人で演ずるグループの歌手は歌もうまく、実際に彼らのショーだけでも見てみたいという気にさせる。

 店長役の東川清文とその恋人を演じた佐藤夏紀がさわやかだった。

In The PLAYROOM

In The PLAYROOM

DART’S

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/12/01 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

良質なミステリーを堪能!
恵比寿駅前バーで良質な芝居を提供してきた池田プロデューサー&脚本演出広瀬格のコンビが今度はステージを渋谷のルデコに移して、またまた素晴らしい舞台を見せてくれた。

正直私は少し体調が悪かったのだが、芝居が始まったらそんなことすっ飛んで、ぐいぐい引き込まれた。

広瀬格にはストーリーを練り上げる力がある。ミステリー作家としても十分通用するだろう。発想の面白さとそれを展開していく構成力が見事だ。お陰で体調がよくなった(笑)。

役者では主役としてこのミステリーをリードする島田雅之の演技が相変わらず魅力的だ。作家桐野範容を演じた服部紘二、水越貴理子を演じた川田希、がいかにも小説の主人公のように渋く、かっこよかった。布田悠子を演じた細井里佳、前回恵比寿駅前バーで見て以来気になっていたのだが、今回も難しい役どころを独特の魅力で演じ、引きつけられた。

芝居の出来には不満はないが、今回、鈴木麻美の演技を楽しみにいったのだが、席の関係で後姿ばかりだったのが残念だった。

倶楽部

倶楽部

Rotten Romance

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/12/01 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度

全くわからなかった。
 久しぶりに全くわからない芝居だった。舞台に描かれるそこがどこなのか?そして登場人物のそれぞれは一体誰なのか?舞台上で何が行われているのか?作者は、演出家は何を訴えかけているのか?
 クラブ?宇宙?渋谷?アパートの一室?ま、もし演出家に尋ねたら、そんなこと気にせずに観てくださいと言われそうだ。久々にどう芝居に向き合っていいかが全くわからなかった。逆にそれが非常に興味深く感じられたくらいだ。
 面白いところは随所にあった。そちらは公演中なのでネタバレで。私には合わなかったが、きっとすごく面白いと感じる人もいると思う。そして、この劇団が次の公演をしたら、私は多分観に行くだろう。この演出家の頭の中を読み取るために。

ネタバレBOX

 まず、長田佳奈の舞台美術が見事。劇場に入った瞬間から独特の世界観を感じた。想像力をかき立てる美術だ。そして役者は王様(?)役の中野架奈を中心に皆達者だった。特に台詞をあたかもそこら辺で友だち同士が話しているような日常会話として話している部分が秀逸だった。一瞬アドリブで話しているのかと思ったが、きちんと成立しているところを見ると台本どおりなのだろう。うまかった。そして、TVに流れるリアルな渋谷の風景、そしてそこに登場する役者。ここら辺、映像の使い方がうまかった。シュールな舞台が展開する横でリアルな渋谷がTVから流れる。この対比は見事だ。やはりこの演出家ただ者ではないのだろう。
 舞台上にときどき、この演出家、役者として登場する。どうやら、他の役者に事前告知なしに登場するらしい。どんなハプニングがあっても平然と演技をすることを求めているのか?それともハプニングで演技が乱れる役者の生の息づかいを観客に見せようとしているのか?何考えてるのかわからないが気になる作家だ。
高き彼物

高き彼物

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

30周年記念公演に相応しい名作誕生!
加藤健一が演劇一筋に情熱を傾けた集大成のような作品。皆さんが書いているように、脚本も演出も役者も非の打ち所がない。

加藤健一と小泉今日子の魅力は予想通りだが、占部房子のさわやかな演技に虜になった。

私もこの作品は是非、再演してもらいたい。歴史に残る名作の誕生だ!

浅草ロック五・一四

浅草ロック五・一四

劇団森

早稲田大学学生会館(東京都)

2009/11/26 (木) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★

シュールとリアルの見事なシンクロ!
 江戸三大祭りのひとつ三社祭り、その日、浅草六区の地下にある刑務所の中でも、もうひとつの祭りが開催されていた。これはひとつの事件を巡るハレとケの物語。

 カーニバル早稲田と銘打った早稲田老舗三劇団の競演のオープニングを務めるのは劇団森。カーニバルの幕開きに相応しく三社祭を舞台にした衝撃的なドラマを見せてくれた。

 随所に光る点があったが、特に映像の使い方がとても斬新だった。(内容はネタバレ欄で)

 役者ではまず神様役の河合恵理子にはまった。存在感のある役者だ。そしてミツヲ役の松井聡弥が好演。前半と後半でそれぞれ違う魅力を見せてくれた。ユキを演じた守屋康子は難しい役を体を張って熱演した。彼女は前半より後半の方が良かった。

ネタバレBOX

 映像では、前半の神様のシーンは全て秀逸。部屋のシーンも面白く、最後の走っているシーンも思わず笑ってしまった。河合恵理子の演技力と併せて、作家の発想に拍手を贈りたい。

 後半の映像とリアルの同時進行は新しい表現スタイルの誕生だ。ただ、せっかくああやってシンクロさせるのだから、どこかでわざと破綻したり、何かもう少し仕掛けがあってもいいいような気がしたが、それを抜きにしても独特の空気感を生み出すことに成功し、息苦しいまでのビジュアルの美しさを生み出した。

 役者の力量に差が感じられることと、ところどころに緊張が切れるところがあったのは学生劇団としてはありがちなこと。それらを差し引いても十分将来性を感じさせてくれた。 
頻闇に咲く

頻闇に咲く

トランジスタone

サンモールスタジオ(東京都)

2009/11/25 (水) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

美しい物語を堪能!
 まず、前回の公演と作風が全然違うのに驚いた。そして主役松下達也の演ずる役も前回とは真逆の役どころでそれにも驚く。しかしどんな役をやらせても松下達也、うまい。

 劇団として色々な芝居にチャレンジをしているのだろう。そのチャレンジする姿勢を評価したい。今回は笑うシーンもほとんどない暗いストーリーだったが、暗いからこそケンとユキのラストのシーンはとても美しかった。

 今回廣瀬正仁が老け役もこなし大活躍。坑夫の頭セイジを演じた宇貫貴雄の硬派な演技も光っていた。

ネタバレBOX

 途中までてっきり幼なじみミノル(廣瀬正仁)とユキ(荒井典子)が長い期間の誤解を解いて、最後には結ばれるのだと思っていた。しかし、ケンとユキのラストシーンはとても美しかった。ふたりが最初に炭坑に入って、光る石を見せるシーンと併せて、いつまでも記憶に残る名シーンとなった。

 前回の公演を観て松下達也の甘い声と見事な台詞術を楽しみにしていたので、そちらは少し残念だった。

 抗夫のヘルメットを利用した照明は見事な演出。舞台装置もシンプルながら、鉱山の中と外を使い分けられる見事な作り。絵画のキャンバスがツルハシになったり、至るところで演出の妙も感じられた。大人が堪能出来る本格派の芝居である。
BOOKEND

BOOKEND

INUTOKUSHI

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2009/11/26 (木) ~ 2009/12/01 (火)公演終了

満足度★★★★★

笑いの神に祝福あれ!
 お得意の犬と串節が炸裂して会場は笑いの渦である。

 主役は初抜擢の萩原達郎。個性派揃いの犬と串の中では控えめなタイプだが、期待に応えて好演した。またシュール神を演じた堀雄貴も天性の明るさで笑いの神を好演。上手い役者をあえて脇役にまわし、シンプルなテーマを奥の深い笑いによって彩った。

 そして、体当たり演技の鈴木アメリが相変わらず魅力的だ。

ネタバレBOX

 しかし、今回の芝居、とてもまじめなテーマに思えた。笑いと感動の戦いの中、感動に勝たせてなるものかと闘う神々はまさに劇団としての犬と串そのもの。モラル氏は当日パンフでこれは自分の自叙伝っぽい(?)と書いたが、奥に流れるテーマはまさに彼の創造活動上の永遠のテーマなのだろう。

 役者の熱演ぶりに思わず感動してしまったのだが、果たして、単純に感動して良かったのだろうか?

 観ている人、それぞれの心の中でも感動と笑いが闘いあうという見事な作りである。もう一度観たくなった。 
デッド・キャット・バウンス(クリス・コンデック)

デッド・キャット・バウンス(クリス・コンデック)

フェスティバル/トーキョー実行委員会

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2009/11/23 (月) ~ 2009/11/27 (金)公演終了

満足度★★★★

通常の演劇ではないが・・
とても面白かった。
リアルマーケットに投資しながら物語を進行、と言ってしまうと金融のセミナーのように聞こえるが、舞台上にいるのはそれぞれ達者な役者、その役者が役割分担しながら、舞台を進行させていく。

価格は上がることもあれば下がることもある。それは予測出来ないので、それにより進行はどんどん変化していくのだろうが、それが面白い。昨日も買ってすぐ暴落などと、とても笑えない状況で客席から爆笑が起こった。

私は最後まで楽しめた。

ハッピー・ルーム<ご来場ありがとうございました!>

ハッピー・ルーム<ご来場ありがとうございました!>

NICK-PRODUCE

小劇場 楽園(東京都)

2009/11/17 (火) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

生演奏、生ダンス、そして素敵な物語!
 前回はチェロの生演奏、今回はピアノの生演奏、そして多田織栄の前衛ダンスが幕間に象徴的に入ってくる点は同じ。相変わらず素敵だ。

 前回は少し生演奏、生ダンスに、芝居が負けてしまったような感じを受けたが、今回は芝居の方がしっかりと主役をはり、とても楽しめた。素敵なお話だった。

 役者は皆達者だったが、特に熾田リカと佐藤大樹のちょっと変わった夫婦が魅力的だった。また不動産屋を明るく演じた加古みなみも好演だった。

時間泥棒

時間泥棒

たすいち

王子小劇場(東京都)

2009/11/19 (木) ~ 2009/11/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

着実な進歩が感じられる。
 たすいちお得意のファンタジー劇だが、あたかも謎解きドラマのように少しずつ色々なことがわかってきて、どんどん引き込まれていく。
 照明、舞台装置、音響、いずれもセンスがよい。場面転換がスピーディで、なおかつ前のシーンとクロスする転換の仕方がうまい。転換時の細かい動きにこだわりの演出を感じた。

 役者としては、めんどくさがりやの探偵役として今回はコミカルな演技に挑戦した柴田ヂュンとその助手を明るく演じた椎谷万里江のコンビがフレッシュで魅力的だった。

 芝居全体として確実にたすいちが進化していることを感じられる作品だった。

ネタバレBOX

 時間を盗むということの意味が途中までよくわからず、そのため難解な部分があった。そのことをクリアしたら、後は上質なエンターテイメントファンタジーだった。
Live,Love,Drive. 死神の精度【脚本:竹重洋平 演出:松村武】

Live,Love,Drive. 死神の精度【脚本:竹重洋平 演出:松村武】

MINERVA WORKS

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

お見事!
生きのいい役者と生きのいい演出家が結び付き、素晴らしい舞台が出来上がっている。役者のチームワークの良さが演技のひとつひとつに感じられ、観ていて気持がいい。

ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】

ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】

elePHANTMoon

サンモールスタジオ(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

衝撃的!
見終わった後、しばらく動けませんでした。あの気持ちをどう表現していいのか未だに言葉が見つかりません。ただ、独自路線を突っ走るマキタさんを尊敬します。

東京裁判

東京裁判

パラドックス定数

pit北/区域(東京都)

2009/11/13 (金) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

【一般席】 重厚さにしびれる!
あの若さで、しかも女性で、これだけ重厚な芝居が書けるなんて、野木さんの頭の中はどんな構造になっているんだろう。50歳、60歳の大御所が書いたと言われても信じる作品だ。

また役者が素晴らしい。誰一人、見劣りする役者がいない。いやそれどころか、それぞれがピンで主役を張れる役者が5人揃っている。

実は若手劇団が東京裁判をやると聞いたとき、パロディか何かかと思った。正攻法でしかも作家の想像力でおそるべきリアリティを持たせている。ただただすごい。

Pitには一階席、二階席とある。一階席は観客席が被告席となる。そして二階席は裁判長、検察団の席となる。どちらで見るかが見方も変わるかも。両方から見てみたい芝居だ。

ネタバレBOX

ときどき、役者達が観客席をにらむ。要は我々は検察団であったり被告であったり裁判関係者であったりするわけだ。その目線が強烈だ。通常芝居で役者と目線があったりすると瞬間でもうれしいものだが、今回はもう痛いくらいだ。思わず身震いがした。

しかし、終わった後、えも言われぬ快感を得た。小劇場でしか味わえない楽しみだ。
いらない里

いらない里

ホチキス

吉祥寺シアター(東京都)

2009/11/07 (土) ~ 2009/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしいエンターテイメント!
始まった瞬間から楽しくて楽しくて引き込まれてしまった。音楽といい照明といい舞台装置といい、映像といい、全てにセンスがいい。リストラとか不況とか暗いことをテーマに取り上げながら、それを明るく吹き飛ばす作品。このエネルギーがあれば日本も大丈夫だと思った(笑)。

ネタバレBOX

銀河の星たちも、不景気で赤字の星はリストラされちゃうという設定に笑った。またその説明をする映像にも笑った。暗い世相を吹き飛ばす名作!
あの人の世界

あの人の世界

フェスティバル/トーキョー実行委員会

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/11/06 (金) ~ 2009/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★

わからないけど惹かれる。
内容は象徴的で難しい。想像力をかき立てられるが、それが演出家が意図したものかどうかは自信がない。

それにも関わらず、目の前の全てのものが詩的であり、美しい。
特に空間の使い方の上手さは絶妙だった。

FUKAIPRODUCE羽衣LIVE Vol.1【ご来場ありがとうございました】

FUKAIPRODUCE羽衣LIVE Vol.1【ご来場ありがとうございました】

FUKAIPRODUCE羽衣

ShowBoat(東京都)

2009/11/06 (金) ~ 2009/11/06 (金)公演終了

満足度★★★★★

妙ジカルバンザイ!
羽衣は普通のステージがコンサートのようだが、今回はホンモノのコンサート。しかし、コンサートとはいえ、羽衣がやるとやっぱり演劇的になっているところがすごかった。

これからは羽衣にはもっともっと演劇とコンサートを融合させてもらいたい。それぞれの役者の歌手としての表現力が素晴らしく、全員光輝いていた。ハイバイから参加した岩井さんと金子さんも素敵だった。

羽衣のテーマ、いい曲だなあ。

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