UFOcm
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了
満足度★★★★
やあこれは面白い!
不思議な不思議なあひるワールド。シュールでクールで、アバンギャルドで不条理。それらをコメディ風味で包んでみせる。
ザンヨウコ、石澤美和、黒岩三佳、私の好きな女優が揃っている。それだけでも見逃せない。その他も魅力的な役者だらけ。
結論、面白かった-。
吐くほどに眠る
ガレキの太鼓
APOCシアター(東京都)
2010/08/19 (木) ~ 2010/08/26 (木)公演終了
満足度★★★★★
哀しくてやりきれない。
ガレキの太鼓第4回公演、「吐くほどに眠る」を観る。この作品を25歳(くらい?)の子が書いたということにまず衝撃を受ける。仮題では確か「女の一生」というタイトルだったと思うが、まさにひとりの哀しい女の一生の物語だ。
今回チラシが衝撃的なほどにエロい。(褒め言葉)そして「ひざまずいて許しを乞えば、どこから始められるだろう」というコピーが付いている。今日の芝居を観ながら、主人公がもし許しを乞えば、どこからやり直すことが出来たのだろうと思った。全ての人間が幸せになりたいと思っている。それにも関わらず、不幸へ向かってどんどん突き進むタイプの人間がいる。今日の登場人物もそんな感じ。ラストシーン、ああなるしかなかったのかと思うと、涙が流れた。
※観てから二日たったが、印象が薄れるどころか、ますます心に染みてきた。この素晴らしい作品をなんで4星にしたのか、自分で自分がわからない。ということで、5星に訂正する。申し訳ない。
キセキの人
スーパーグラップラー
時事通信ホール(東京都)
2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
骨の髄までエンターテイメント!
酒呑童子の物語をベースにしているが、めざしているのは徹底したメンタメ。舞台美術、照明、衣装、どれもがそのエンターテイメントに花を添えるが、特に腹に染み渡る重低音の音響が見事だった。地響きを感じるほどだった。
スケールが大きく、幻想的な歴史ファンタジー。踊りを動きに組み入れた演出が見事で、シーンシーンがかっこよかった。役者はひとりひとり個性的で魅力的だったが、そのなかで特に、茨木という悪役を演じた原田明希子が圧倒的に素敵だった。一度でフアンになってしまった。
「せめて、またあの花が香るまで」
PocketSheepS
TACCS1179(東京都)
2010/08/19 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了
満足度★★★
殺陣が華麗。
時代劇だが、殺陣がとても華麗。特に感心したのは男同士の殺陣が素晴らしかっただけでなく、女性陣が加わる殺陣が男性陣に見劣りすることなく素晴らしいのだ。
おしとやかな女性役と、活発な男役?の二役を見事に演じわけた鈴木寿枝が達者だった。キャラメルボックスの井上麻美子は、時代劇には珍しい役どころをちょっとお茶目に演じた。井上麻美子フアンにはたまらない芝居だろう。
役者の一部に滑舌の悪い人、セリフを噛む人がいて、残念だった。それらが解消されればもっと素晴らしい芝居になるのだが。
R 学 級 の 中 心
荒川チョモランマ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
見事な旗揚げ公演。
もちろん気になるところはたくさんあるのだが、学生の旗揚げ公演と考えると、むしろ完成度は恐ろしく高い。前半は夏の木漏れ日の眩しさのように、学生時代のさまざまな場面が象徴的に描かれるがそれらがすべてきらきらと輝いている。
公演の質の高さとともに公演に至るまでのプロデュースが見事で、旗揚げでありながら注目の公演となり、3日間で7回公演という強行軍で、全回満員にした制作力も劇団の力として大いに評価したい。
舞台美術、音響、照明などのスタッフ力が学生としては最高水準であったこと、当日パンフに至るまで観客サービスが徹底していたことなど、特筆すべき点は多数。
そういったことが若干の粗さを消して5星評価とさせてもらった。
以下はネタばれで。
相対性:The Turn
劇団総合藝術会議
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/17 (火) ~ 2010/08/24 (火)公演終了
満足度★★★
まるで万華鏡のように。
諷刺の効いた異次元の物語を、見世物小屋のようにあでやかに見せてくれた。視覚的にとても魅力を感じたが、30分ではこの劇団には短すぎるようだ。
自己再生のテーマ
激情コミュニティ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/17 (火) ~ 2010/08/24 (火)公演終了
満足度★★★★
演技がかろやか!
身体の使い方にこだわった作りで、独特の雰囲気を持つ作品をいつも見せてくれる。今回も体の動きが非常にしなやかで、視覚的に詩的な作品になっている。
『Re:FT-リフト-』
プロデュースユニット四方八方
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/17 (火) ~ 2010/08/24 (火)公演終了
流れ姉妹〜たつことかつこ〜 第一章
真心一座 身も心も
TOKYO FM HALL(東京都)
2010/08/19 (木) ~ 2010/08/28 (土)公演終了
満足度★★★★
人気シリーズの第一話を再演!
芝居で公演がシリーズになるということは珍しい。しかも本当に連続ドラマのようなのだ。今日の公演など最後に「続く」という文字が出てもなんの違和感もないような作品だった。
その人気シリーズの第一話を今回再演してくれた。シリーズの原点が見られるということで興味が付きない。ともかく主役ふたりたつことかつこを演じる千葉雅子と村岡希美がすごくいい。
このシリーズいよいよ来年シリーズ第四話を上演して終わってしまうようだ。ここで第一話を見とかないと来年の第四話が楽しめないぞ。
ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール
ロロ
王子小劇場(東京都)
2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
文句なく名作!
スタートシーンから釘付けになった。胸がときめくシーンが何度あったことか。これが三浦直之の真骨頂だ。
役者も素敵だった。いつもロロを見るとき、女優のかわいさに目を引かれるのだが、今回は男性陣も素敵だった。
篠崎大悟、望月綾乃というロロの看板は当然として、ボスを演じた板橋駿谷、三下役の亀島一徳、タカシマ役の田中佑弥がかっこよかった。女優陣は皆素敵だったが、北川麗が特jに輝いていた。ラストシーンは神々しいばかりだった。
TangPeng30 Bグループ公演
TangPeng30 Bグループ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/17 (火) ~ 2010/08/24 (火)公演終了
満足度★★★★
刺激的でわくわくする三劇団の競演!
TangPeng30のBグループは、三劇団ともレベルが高かった。四方八方は導入部分の演出が魅力的で、すぐに引きつけられた。その後も役者の演技がうまく、作品全体を楽しむことが出来た。
劇場コミュニティは、マイムやダンスなど体の動きを巧みに取り入れて独特の世界を表現する劇団。今回も随所に斬新な演出が見られさすがだった。体が動く役者というのはやはり魅力的だ。
総合藝術会議は、シュールで幻想的な芝居。イメージが次から次へと飛躍していく美しい舞台。30分では物足りなかった。もっと見てみたい作品だ。
三劇団とも、本公演が楽しみになってきた。
おかえりんご
カナデコトビート
小劇場 楽園(東京都)
2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★
居場所をテーマにした物語。
故郷はたとえ滅多に帰ることがなくても、いつでも昔のまま暖かく迎えてくれる存在であってほしいもの。しかし現実には、故郷もどんどん変貌していくし、その家自体の問題をさまざま抱え、家を出て行った娘の居場所はいつの間にかなくなっている。
多分、都会で何かあって帰ってきたのだろう。それにも関わらず、故郷にも居場所のない自分を、母と娘の物語、そして家族の物語として、しっとりと描いた良作。今ボケ老人を抱える家は多く、他人ごとではないと思いながら見ていた。
ただ、私は彼女の前作が好きで、約1年待ち続けていたので、その分ハードルが高くなってしまった。今回の作品は少し地味で残念だった。彼女は青春期の甘酸っぱいきらめきを素敵に表現出来る人なので、どんどん作品を発表してもらいたい。
さよならアンコール
劇団Smile BaKation
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/14 (土) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
とても素敵なファンタジー
一人一人の役者が個性的で、その個性を見事に作品に生かしていた。明るく元気で楽しい作品、見るだけで元気が出てくる。ラスト近く、みんなで車に乗って飛行場に向かうシーンがとても楽しかった。
express
PLAT-formance
王子小劇場(東京都)
2010/08/13 (金) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
面白い!
2人の魅力的な役者と1人の座付き作家のバランスがすごくいいのだろう。まだまだ荒削りな部分はありながらすごく将来性を感じる。
コントというよりコント風に装った二人芝居という感じで、全体としてはノスタルジックなファンタジーを感じた。
ただただ面白い。
OCEAN ~失われし七つの秘宝~
INUTOKUSHI
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
ヘタウマの面白さ、難しさ。
今回の犬と串の趣向は、わざと下手にやるというもの。まるで学芸会のように、わざと下手に演ずる。一歩間違えればただのへたくそ劇団になるが、それを絶妙なさじ加減で行い、笑いにつなげるというもの。
100%成功したとは言えないが、常に上昇志向を持って挑戦している犬と串には感動する。
15 Minutes Made Volume9
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
なんて豪華なフェスティバル!
既に定評あるフェスティバル、運営が洗練されていて気持ちがいい。舞台美術も毎回見事だ。
ひょっとこ乱舞という実力派劇団、犬と串という若手人気劇団、ナカゴーという注目の劇団、今回はまさか15Minutesで観られるとは思わなかったという人気劇団が揃っている。それぞれの劇団が劇団の持ち味を生かしながら、しかし、15分という枠の中でさまざまな実験をしてくれているのがうれしい。
参加者に他の劇団に負けられないといういい意味の競争意識が感じられ、緊張感のある素敵な公演となった。
お月さまの笑顔
経済とH
ザ・ポケット(東京都)
2010/08/11 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
新橋耐小の圧倒的存在感!
大人の観賞に耐えうる芝居。なにげない日常の中から、心温まるエピソードを抽出して、職人が磨き上げたような舞台。役者がみな上手いが、特に新橋耐子の上手さにはただただ脱帽。舞台美術も素敵だった。
TangPeng30 Aグループ公演
TangPeng30 Aグループ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/03 (火) ~ 2010/08/10 (火)公演終了
満足度★★
イメージの飛躍、難解だが面白い。
今回3団体ともストーリーが難解。あちこちにイメージが飛躍しながら、全体として世相をさまざま諷刺するという作り。三作目(東京ペンギン)の最後に三チーム全員が登場した。そしてそこからラストシーンに移るところが素敵だった。逆にトップバッター、二番手劇団は終わったということが明確にわからないまま次の作品に移っていった。それが残念。それぞれ、お辞儀ぐらいして、終わりを強調してもよかったのではないか。若干一番手、二番手が不利だったように感じた。
東京エンペラー
劇団東京ペンギン
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/03 (火) ~ 2010/08/10 (火)公演終了
満足度★★★
ラストシーンが素敵だった。
TANGPENG30Aグループの中では役者の演技力が一番あった。物語は夢の中の物語が重なっているような作りで、今回3団体とも難解。ツイッターのフォロワーの数でエンペラーになれるなど、準一流の物語につながる部分がある。
ツイッター役の寺尾みなみに演技の達者さを感じた。ラストシーンが素敵で、主役を演じた丸塚香奈が輝いた。
わんわんぶりぶり
準一流
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/02 (月) ~ 2010/08/10 (火)公演終了
満足度★★
犬の首輪に象徴されるもの。
犬と人間の世界をうまくミックスさせながら、描いていることは階級社会に対する強烈な諷刺だったりする。投票で階級がどんどん変化していくところが面白い。また犬の首輪に象徴される飼い慣らされるということにサラリーマン的イメージを重ね合わせ、自分たちのこれからを模索しているような作品。
独特の世界観が面白いが、役者が少し経験不足。柱となりうる俳優がまだいない。ただそれぞれ素質は感じるので後は場数を踏めばいい役者に育つのではないか。現時点では、残念ながら作家の描く世界を体現出来る核になる存在がいない。それが惜しい。