満足度★★★
居場所をテーマにした物語。
故郷はたとえ滅多に帰ることがなくても、いつでも昔のまま暖かく迎えてくれる存在であってほしいもの。しかし現実には、故郷もどんどん変貌していくし、その家自体の問題をさまざま抱え、家を出て行った娘の居場所はいつの間にかなくなっている。
多分、都会で何かあって帰ってきたのだろう。それにも関わらず、故郷にも居場所のない自分を、母と娘の物語、そして家族の物語として、しっとりと描いた良作。今ボケ老人を抱える家は多く、他人ごとではないと思いながら見ていた。
ただ、私は彼女の前作が好きで、約1年待ち続けていたので、その分ハードルが高くなってしまった。今回の作品は少し地味で残念だった。彼女は青春期の甘酸っぱいきらめきを素敵に表現出来る人なので、どんどん作品を発表してもらいたい。