長い墓標の列
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2013/03/07 (木) ~ 2013/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
ほんと、観てよかった!深く重い、知的な討論。
観て良かった!
深く、重い内容。
戦争をめぐり、軍部と対立し、命を賭けて自分の信念を貫き、戦うのか。
自分の家族を犠牲にしても。
それとも、生きるため、家族と生活を守るためには、信念を捨てるか。
人の弱さを認めるのか、容認するのか。
「弱いから人間なのだ。」という弟子の言葉。
「人間の努力は無限大だよ。」という教授の言葉。
弱きを非難し、無限の力を信じて戦うのか。
村田雄浩さんは、テレビドラマでは気弱な役ばかりだけれど、
ここでは信念の人を演じ、教授役がはまっている。
対峙する、その弟子は、『関数ドミノ』で強烈な印象を残し、
虚構の劇団公演の後、役柄の幅を広げていった古河耕史さん。
最後まで繰り広げられる二人の討論、ぶつかり合う主張、
その演技が見事でした。
新国立劇場のシリーズ3本まとめて購入の、
特典10%割引券によるチケット購入でした。
この機会がなければ自分から観劇に選んでいたかわからない、
こんな機会がなければ観ていなかったかもしれない。
ほんと、観てよかった!
ドブ、ギワギワの女たち
ネルケプランニング
【閉館】AiiA 2.5 Theater Tokyo(東京都)
2013/03/29 (金) ~ 2013/04/01 (月)公演終了
満足度★★★
ハコが広すぎたか…
「総務VS経理!」不条理OL戦争勃発!
ギャグと小ネタ満載の、劇団「毛皮族」テイストそのままで
展開するシュールな世界が小劇場から飛び出した。
(ほぼ)女優だらけ、エロさ全開、パワフル!で楽しみました。
ただ、劇場が大きくて広かったいせいか、
やはり下北沢の駅前劇場かOFFOFFシアターくらいの小劇場とは違って、
いつもの、猥雑な熱気がこもってギラギラして舞台と客席の空気が
一体となるような感じは無かった。
また、総務部のカシラの女優さんの、やくざ風セリフが
いまひとつ身についていないようで(落とし込めていないようで)、
声が上ずっていて気になりました。(よく噛んでたし。)
テレビのなみだ~仕事に悩めるあなたへの77話~
TBS
東京グローブ座(東京都)
2013/03/26 (火) ~ 2013/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★
劇団ひとりと西田尚美さんが、おしつけがましくなく、さらりと演じていて、たいへん好感が持てました。
テレビ・バラエティ製作の裏話を交えながら、
とあるプロデューサーの夫婦愛などを、実話をもとに舞台化。
もっとドタバタしたものか、えぐいものかと思ったのですが、
結局、難病もの!?(公演の説明にもあるのでネタバレではないですよね)
だったのが意外でもあり、しかし落とし所としては逆に正統派の「感動モノ」だったという・・・。
基本的には誰かが死んで哀しいから泣けるという話は
好きではないのですが、実話と言われたら何も言えません。
劇団ひとりと西田尚美さんの二人はおしつけがましくなく、
さらりと演じていて、たいへん好感が持てました。
主役の夫婦の、幸福な何気ない日常の数々を見ると、
あの「お願い!ランキング」の鈴木おさむさんは
「実に優しい話」を書く人、いや「やっぱり実に優しい人」
だったということがよくわかります。
八犬伝
森崎事務所M&Oplays
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2013/03/08 (金) ~ 2013/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★
迫力ある殺陣!八つの珠の演出、冒頭の胸躍る盛り上がりがいい。原作を題材にした新ストーリー。
角川映画「里見八犬伝」とNHK人形劇「新八犬伝」で有名な時代劇の舞台版ですが、
前半は割と原作通り、中盤からアレンジ~全くのオリジナルストーリーに。
まずは舞台上、2つのやぐらで大きな太鼓の生演奏が迫力満点。
この音と演出でます盛り上がります。
物語の最初は阿部サダヲさん、観客を引き込むセリフ回し、
イントネーションだけで笑わせてしまうのはさすがです。
そして、スピード感のある殺陣が見事。チャンバラは燃える!
パンフレットに映画ではバシバシ当てていくくらいだけれど
舞台では逆に当てないで離すのが難しいそうですが、
客席から見ると近いか当たっているようにしか見えない。
(他の舞台では昔ながらのパターンの殺陣で、しかも人と剣、剣と剣が
かなり離れて見えるのもありました。)
また、8人が次々に集まるエピソードは、やはりわくわくします。
特に「八つの珠」が舞台上で光って自在に飛び回るので、
ビジュアル的にも俄然盛り上がる、この演出が巧みです。
ただ、途中からは全く違った展開になって、びっくり。
この題材で大劇場で新感線がやるのとは違うか
確かに規模的にはこれはこれでありかも知れませんが、
新橋演舞場か明治座で、
正統派でも観たい!
私はNHK「新八犬伝」を毎週見ていたほうです。
当時大ブームでした。
そして「八犬伝」の次はNHK人豪劇でも「真田十勇士」だったのと同じく、
8月赤坂ACTシアター5周年、脚本中島かずき、演出宮田慶子、主演上川隆也、主題歌中島みゆき、
来年1月日本テレビ60周年特別舞台、青山劇場、脚本マキノノゾミ、演出堤幸彦、主演中村勘九郎・松坂桃季
が続きます。
マウストラップ
PureMarry
Zeppブルーシアター六本木(東京都)
2013/03/06 (水) ~ 2013/03/17 (日)公演終了
満足度★★★
この大どんでん返しが!
アガサ・クリスティー原作によるミステリー戯曲の1本で、
60年間ロングラン作品。
ラストにサプライズがあり映像化が禁止されている
唯一のクリスティー作品だそうです。
それだけ有名なので、観るのは2度目でも内容はかなり忘れてます。
が、それでも、どんでん返しはもちろん忘れられないので、
それをわかった上でもやはり観たいのは、ミステリー好き、
クリスティーにわかファンだから。
キャストでは、もうご本人そのままの小松政夫さん、
まだまだ(と言っては失礼)お美しい夏樹陽子さん、
貫禄の横内正さん、に、やはりつきますね。
他では、何かつかみどころのない若者役、
辻本祐樹さんが良かった。
クリスティー作品でも上演されるのは有名作、人気作中心
なので、演目が決まってしまう。
もっと他の作品が観たい!
せめて超有名な「そして誰もいなくなった」でもいいから。
(当日チラシで、レア作品2作の上演を宣伝してましたが、
うろ覚えですが、平日のみ数回しかやらないとか…)
マシーン日記
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2013/03/14 (木) ~ 2013/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
鈴木杏さん!(ちゃん?)
シュールで過激、毒気あふれるパワフルな4人芝居!
エログロナンセンスな作風、
あらゆるタイミングで良く分からない小ネタがあったり、
気味悪かったり爆笑したりと、とにかく凄かった。
終盤近くのオチ?が揃った時の快感、爆笑!
キャスト順でトップが鈴木杏さん!
舞台への出演がかなり多い鈴木杏さんですが、
これまで大劇場や、メジャーな作者、演出家のシリアスな
ストレート作品、あるいは娯楽作がほとんどで、
こういうテイストの小劇団系への出演は非常に珍しい。
きわどいセリフや演技、露出の多い衣装など、
他では見れない新たな表情が実に良かった。
(当然ですが、もう少女ではないのね・・・。)
中でも、少し中途半端なボケ、が面白い!
他の3人にはない、彼女がボケて突っ込まれるという快感!
鈴木杏さんの、もっとこういう傾向の作品や、
ハチャメチャなコメディが観たいです!
終始無表情で、体当たり、峯村リエさん。
観た後で、初演では片桐はいりさんへのあてがきと知って、
なるほどと思いました。
強力だけれど命じられるままに動くマシーン。
美しいやら、怖いやら、哀しいやら・・・。
連続おともだち事件
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2013/03/06 (水) ~ 2013/03/20 (水)公演終了
満足度★★★★
背が高くてルックス抜群なモデル体型でバカをする、幸田尚子さんに惹かれます。
レンタルフレンドという商売をテーマに、
『連続おともだち事件』が起きている世界の物語。
他の方が書いてらしたのですが「ポップなブラックコメディ」という表現が
あっているかも。
今回もエピソード間に唐突に挿入される、全員参加のダンスが面白いですが、
前作「進化とみなしていいでしょう」がはるかに強烈な印象だったため、
それにはおよばない。
背が高くてルックス抜群なモデル体型でバカをする、
幸田尚子さんに惹かれます。
八月のラブソング
加藤健一事務所
本多劇場(東京都)
2013/03/08 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
大人のラブストーリー。
人生の辛苦を味わった者同士の大人のラブストーリー。
良く「ほろ苦い」という形容詞付きで紹介されていますが、
それだけではない、見終わった後、なんかあったかい気持ちになれるお話しです。
脂の乗り切ったお二人の演技を十分に楽しめます。
実際のお二人よりも、劇中の二人の年齢が一回り以上、
上なので、是非、定期的に再演を重ねて、
ぜひぜひ、同じ年齢になるまで、また、年齢を追い越すまで
繰り返し演じてほしいと思います。
「隠し剣鬼ノ爪」「盲目剣谺返し」
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2013/02/23 (土) ~ 2013/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
時代劇もキャラメルの持ち味で。殺陣や所作もしっかりしてる。
1時間2本立て連続公演の「ハーフタイムシアター」初の時代劇。
笑って泣いてだれでも楽しめるハートウォーミングな舞台が
キャラメルボックスの真骨頂。
今回の時代劇でもその良さがにじみ出ていて、苦難を乗り越える主人公、
耐える女性、殺陣のクライマックス、誰もがホッとできて、あったかい
余韻のあるエンディング…。
観終わって、良かったなぁ~と思えて、芝居が終わった後も、きっと
その世界はそのまま続いているだろうなと思えるラストシーン。
2本とも、やっぱり良かったです。
(ほぼ前説に出ていた西川浩幸さん、和服だったので絶対どっちかには
出演してるのかと思ったらどっちも出てないとは思いませんでした。)
ピアフ
東宝
シアタークリエ(東京都)
2013/01/16 (水) ~ 2013/02/13 (水)公演終了
満足度★★★★★
ピアフを演じる大竹しのぶのすべてを 毎公演出し切っている凄みある舞台。
「自分すべてを見せる」というコピーのとおり
ピアフを演じる大竹しのぶさんのすべてを、
毎公演、出し切っている凄みのある舞台です。
初演も観ました。
他にもピアフのすべてを受け入れるような唯一の古い友人役
で共演の梅沢昌代さん、
ピアフのスター性を見出す劇場オーナー役の辻萬長さん、
個人的には、「ゴーオンジャー」ゴーオングリーンだった
碓井将大さんの大舞台!など注目です。
デキルカギリ
G2プロデュース
本多劇場(東京都)
2013/02/21 (木) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★
重いモチーフと笑い、俳優陣を堪能。
学者である父親が突然ぼけたため”遺言”が公開されることになり、
それには、三兄妹が揃う必要があった。
しかし、長男はある事件から姿を消していたのだった。
G2が最後に「他がやらないことを!」と選んだテーマは「原発」!
セリフの端々に知らなかった(おそらく徹底した取材の上での)原発データが
ちりばめられていて、いちいち驚いたり、あらためて思い出して、
怖くなったりの連続。
それでも笑いは忘れず、舞台上のコメディシーンは続く。
さすがG2プロデュースは手を抜かない。
最後まで徹底挑戦の姿勢が素晴らしい。
山内圭哉さんの弱気の演技(と髪型)、
大和田美帆さんの安定感!
片桐仁さんが珍しく中心で正道の役をきっちり演技し、
あの、岩井秀人さんが役者としてがっつり演じ、
大満足でした。
BONE SONGS【本日23日(土)13時&18時開演、当日券あります!】
劇団鹿殺し
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2013/02/15 (金) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
パワフル!前向き!疾走感に満ちている!まさに舞台の中で「生きている彼女ら、彼ら」!
音楽劇、覆面レスラーの娘の波乱の半生!
自分の骨は、亡くなった周りのみんなで出来ている!
鹿殺しらしい、常にパワフルな歌と生ブラス演奏!
菜月チョビ中心に繰り広げられる主人公の、
超波乱に満ちた半生は悲劇の連続!
なのに笑える!
なのに泣ける!
客演・姜暢雄の典型的なデータ分析型秀才イケメンキャラや、
愛すべき登場人物たち!
東京×××××××ランド風ゴス・バンドなど凝りに凝ったパロディも満載!
数々の着ぐるみも、ようできとる!
疾走感に満ちている!
まさに舞台の中で「生きている彼女ら、彼ら」!
満腹です。
マクベス
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2013/02/22 (金) ~ 2013/03/04 (月)公演終了
満足度★★★★
5人で演じるシンプルな「マクベス」。日本の四季や和装を自然に取り込む姿勢に共感しきり。
5人で演じるシンプルな「マクベス」。
海外公演もにらんで日本の四季や和装を、
単なる外見ではなく、
その精神的なものをあくまでも自然に取り込む、
野村萬斎さんの姿勢に共感しきり。
桜の花びらが舞い、真っ赤な紅葉の葉が舞い散る風景は
受け狙いのジャパンテイストとは、大きく一線を画す美しさがある。
善人マクベスが、魔女の予言と夫人の言葉に心を乱され、
悪に手を染め、破滅への道を辿りはじめるが、
最後は自分を取り戻し、自らの運命に強く立ち向かうその姿は、
力強く、りりしい。
共演者マクベス夫人には実力派の秋山菜津子さん。
以前から、注目作品に次々に出演されていて、目が離せない。
魔女を始め、主演の二人以外の登場人物すべてを、
天井桟敷等に出られていた三人で演じているのも象徴的で、
マクベスと夫人により焦点が当てられていて非常に効果的。
上演時間が長すぎないのもいい。
発情ジュリアス・シーザー
柿喰う客
青山円形劇場≪公開GP≫(東京都)
2013/02/20 (水) ~ 2013/02/20 (水)公演終了
満足度★★★★
ブルータスお前もか!女体シェイクスピア第3弾!オール舞台女優大進撃!
ブルータスお前もか!
女体シェイクスピア第3弾!
小劇団系?女優さんたちを、これだけ一堂に会して競演する姿が楽しめるのは柿喰う客だけ!
ローマ市民の圧倒的な支持、人気を得ていたジュリアス・シーザー。
シーザーの暴走を恐れ、暗殺するブルータスと旧友キャシアスらだったが、
次第に追い詰められていく。
結構それぞれのキャラが描き分けられていて楽しい。
今回はとっても出番が多いキャラメルボックス渡邊安理さん、
今回も岡田あがささんの間の悪さとか、
「百戦錬磨のルーシリアス」は前振りのわりにすぐつかまるとか、
見どころ、小ネタ満載。
今回、新たに我妻三輪子さんが好きになりました。
素朴で従順とても可愛らしい役でした。
遠い夏のゴッホ
TBS
赤坂ACTシアター(東京都)
2013/02/03 (日) ~ 2013/02/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
松山ケンイチ初舞台、美波の愁いに満ちた恍惚の美しさ、愛の執念で生きたセミたちの物語
まず、松山ケンイチの初舞台が、「赤坂ACTシアター」というのが凄い…。
ある森の夏の日。1年間違えて羽化してしまったセミ・ゴッホは、
幼虫時代の恋人、愛するベアトリーチェとの約束を果たすため、
冬を越え次の夏まで生きるとこを決意する。
ゴッホは、さまざまな昆虫やカエル、トカゲ達と交流する。
美波の愁いに満ちた恍惚の美しさ、
松山ケンイチの記憶もおぼろげに執念で生き延びるセミ、
登場する昆虫ら、小さな生き物たちの営みを描いたミクロの世界は、
我々にも、宇宙にも通じるマクロの世界。
舞台の上で、"虫"となった出演者たちは、虫の真似をするのではなく、
実に生き生きと「その生き物たちにとして」舞台の上で生きていた!
カマキリ役の細貝圭は、「海賊戦隊ゴーカイジャー」宿敵バスコ役だった人。
バスコもどこか、カマキリっぽかったね。
ホロヴィッツとの対話
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2013/02/09 (土) ~ 2013/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★
気になった点。
プレビュー公演を鑑賞。
チラシやポスターの写真からは、当然ハードなシリアスな内容を想像していましたが、
実際は、三谷さん得意のコメディでした。
これは意図していたことか??この落差は、結構、いや、かなり気になりました。
観始めると、初舞台と言う和久井映見さんの「裏声の様な」発声がとっても気になる。
プレビューでこの発声、稽古中はいったいどうしていたのか、
新人ならともかくヴェテランなのだから、この点は、稽古中、
いやその前に解決しておくべき基本中の基本では?
演技はとっても良かったと思いますが。
この点を除けば(私にはかなり大きな要素でしたが)、キャスティング、
演技、ストーリー、すべて良かったです。
さすが、三谷さんです。
特に、終盤のサプライズ(?どんでん返し?)に驚きました。
これまでの三谷作品に無い要素と思います。
ロックオペラ モーツァルト
ネルケプランニング
東急シアターオーブ(東京都)
2013/02/11 (月) ~ 2013/02/17 (日)公演終了
満足度★★★
菊地美香さんに注目
山本耕史=モーツアルト、中川晃教=サリエリのバージョンを観劇。
ウィーン版「モーツァルト!」も観ましたが物語の進行はほぼ同じ(あたりまえか?)。
時は次々に進んで行き、2人の対峙はほとんどなく、苦悩や葛藤も歌のセリフには
ありますが、あまり感じられず、軽くノリのいいロックミュージカルという感じです。
個人的に菊地美香さんに注目。(「特捜戦隊デカレンジャー」OG)
着々と成長され実績を重ねられえて、嬉しい限りです。
それと、鶴見辰吾さん、どこに出てらしたかわかりませんでした…。
cover
ペンギンプルペイルパイルズ
シアタートラム(東京都)
2013/02/02 (土) ~ 2013/02/17 (日)公演終了
満足度★★★★
演劇史上類を見ない見事なカーチェイス!(に違いない)
とにかく最初のカーチェイスで爆笑です。
なんとガードレールの火花まで再現してます。
そして物語は、登場人物たちの会話のやり取りの中から、
徐々に見えてきて、終盤にわかる驚きの事実。
ある日突然、別の場所に居ることを強いられたとしても、
そこで生きていくと、生活していくと、そこにも生活がある。
それでもなぜか、決して暗くならないのは、
終始、細かい笑いがちりばめられていることと、
俳優さんたちのユーモラスなキャラクター。
内容としては重いのに。
とくに、ぼくもとさんが光ってます。
初演も観ましたが、観終わった印象は今回の方が良かった。
この日、公演を観て帰宅すると、スマステに砂羽さんが出演。
あのあと、三軒茶屋からテレ朝に行ったのですね。
「そっか「cover」の宣伝そするのか」と待っていたら
ドラマ「おトメさん」の番宣だけだった…。
テイキング サイド ~ヒトラーに翻弄された指揮者が裁かれる日~
WOWOW
天王洲 銀河劇場(東京都)
2013/02/01 (金) ~ 2013/02/11 (月)公演終了
満足度★★★★
結論は出せない
第二次世界大戦戦時下の罪を問われる天才指揮者。
出演俳優さんたちの役柄は、それぞれの立場の代表者でもあり
皆さん見事に演じていました。
平幹二朗はまさに天才音楽家の風貌でふるまい、
筧利夫はまさに口達者に容赦なく、戦勝国アメリカを代表して断罪する。
小島聖のセンシティヴな様子は、数々の苦難を経験した様を想像させ、
普段は良くその外見から、美人役が多いけれど、そうでない役の方が
良さが発揮できるように思えます。
小林隆は、市民、観客の代表として生き抜くための小賢しさを好演。
福田沙紀、鈴木亮平は、天才音楽家に対する尊敬とナチス協力者への
嫌悪という二つの面に対する戸惑いを、もっぱら受けの演技のなかに
見え隠れさせる非常に緊張が強いられる難しい立場。
芸術の尊厳を保ち、しいたげられた人々に安らぎ喜びを与え続けられる
立場を守るか、反抗し市民を捨ててその場を去るか、どちらに正義があるか。
安易な結論を提示しない、決して答えを出さない本作のスタンスは、
劇中で迷える人々と同じで、当然の結果と言えるのでしょう。
100万回生きたねこ
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2013/01/08 (火) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
暫定1位! 1シーンごとに絵画のような美しさ、独特の踊り、実に創造的な作品。
極端にパースが作られた舞台上に、ある時は歩く小さな家が、
ある時は海が、各シーンがまるでリトグラフのように絵画的。
その絵の様な舞台で演じられる、「ねこ」の森山未来さんと
「女の子」の満島ひかりさんの、独特のフォームの踊りが素晴らしい。
わざとらしくない ねこ の仕草、ちょっと曲げた
足がしっぽの動きを現していたりして、
ちいさな動きが実に ねこ らしいんです。
さまざまな人と共に居て100万回生きて100万回死んだねこを
描く1幕目。 私は特に藤木孝さんの歌と演技に感激しました。
休憩をはさんで2幕目は、その特別な「ねこ」に言い寄る
メスねこたち。そして彼女たちではなく、自分からは
寄って来ない「白いねこ」と、一緒に居ることにして、
初めて自分を「生きた」ねこ。
そして、物語は実に静かに穏やかに進みます。
まだ1月ではありますが、文句なく暫定1位決定です!
できれば 「100万回観たい!」 なんて、
気がきいたことを言いたいのですが、東京千秋楽でした。
ざんねん。