悲円 -pi-yen-
ぺぺぺの会
ギャラリー南製作所(東京都)
2025/03/26 (水) ~ 2025/03/31 (月)公演終了
実演鑑賞
主なモチーフに「新NISA」と「ワーニャ伯父さん」をセレクトし、現代日本をぶった斬る!(←とは書いてないけれど)演目となれば、自然と期待は高まるもの。実際に最後まで観劇すると、この作品が明示しようとするスタンスが伝わってくるし、色々と興味深く観劇しました。上演中の写真撮影・短い動画撮影OKというのも、一歩踏み込んだ形式だと感じました。
蹂躙さん
サモ・アリナンズ
ザ・スズナリ(東京都)
2025/03/23 (日) ~ 2025/03/31 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
サモアリの「最後の公演」と銘打たれ、キャスティングも良く、会場のスズナリは超満員。こんなに満員のスズナリを体験するのは久しぶり。客席もサモアリの魅力を分かっている人が多く、反応は上々で、物語が進むにつれその熱はどんどんヒートアップしていく。ライブ体験である演劇だからこそ起こり得る、楽しい共有でした。
花にまつわる考察
彩の国さいたま芸術劇場
彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)
2025/03/13 (木) ~ 2025/03/16 (日)公演終了
実演鑑賞
観劇前は、どちらかといえば地域交流を主眼としたプログラムかな?…と想像していましたが、地域性もありつつ、より多様性を意識された公演に見えました。「発表会」ではなく「表現の場」であったと思います。
幸子というんだほんとはね
はえぎわ
本多劇場(東京都)
2025/02/26 (水) ~ 2025/03/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
はえぎわの25周年公演。資料にも出てきますが、旗揚げ公演初日は観客が4名、途中退出があったのか、終演後には3名になっていたそうです。本多劇場での公演は今回が初とのことですが、それを意外に感じるほど、堅実に人気と実力を蓄えてきた25年間と言えるのかも。
登場人物たちはそれぞれの「不幸」を抱え、直面する現実をやり過ごそうとする。一見無関係だった登場人物たちの相関図が徐々に紐解かれ、断片的な物語が繋がり、大きな広がりを見せる……。
オセロー/マクベス
劇団山の手事情社
シアター風姿花伝(東京都)
2025/02/21 (金) ~ 2025/02/25 (火)公演終了
実演鑑賞
山の手事情社は創立40周年を迎えるそうで、その蓄積をひしひしと感じる公演でした。演出は劇団主宰の安田さんではなく、劇団のメソッドをよく知る劇団員2名。出演俳優同士によるコミュニケーションも活発に行い、劇団による集団創作の魅力を感じることができる。演目は『オセロー』と『マクベス』の二本立て。
キロキロ
ストスパ
「劇」小劇場(東京都)
2025/02/12 (水) ~ 2025/02/16 (日)公演終了
実演鑑賞
高校の同級生が結婚し、式を終えた出席者たちが二次会としてカラオケボックスに集う。そのカラオケボックスで働いている主人公も同じ高校出身で、実は同級生のひとり。案内状は実家に届いたのか、主人公は式の存在を知らず、結婚の事実も知らなかった。35歳を迎えた登場人物たちは、各々の生活事情を抱え、それぞれの「人生の岐路」を意識せざるを得ない状況に陥っていた。
CHAiroiPLIN FES 2025
CHAiroiPLIN
本多劇場(東京都)
2025/02/06 (木) ~ 2025/02/16 (日)公演終了
実演鑑賞
太宰治作品をモチーフにした、おどる小説シリーズの『ERROR』の再演版。僕は初演も観ていて、おそらく初演時にも似た感想を抱いたと思うのですが、ダンス作品でありながら強くストーリー性を感じる一作でした。朗読した記録音声を「聴く小説」と称するように、今作は正に「おどる小説」だと思います。
GOTTANI!!!
CHAiroiPLIN
本多劇場(東京都)
2025/02/09 (日) ~ 2025/02/09 (日)公演終了
実演鑑賞
本多劇場で観るCHAiroiPLIN。公演期間中に既成作・新作を織り交ぜた短編集を一日限定上演。「ごった煮」と言いつつも、統一感のあるラインナップだと感じましたし、団体の特性なども見えやすかったと思います。
「No Woman, No Cry」
ROCKSTAR有限会社
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2025/01/31 (金) ~ 2025/02/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
前回公演で好評だった「DJスタイル」を取り入れたコンドルズの新作公演。会場も同じスペース・ゼロで、空間の作り方もほぼ同じ。勝手な想像ですが、カンパニー自体がこのフォーマットに手応えを感じており、その土台作りや発展型を意図しているような気がします。ラジオDJとして実績もあり、しかも声質もとても良い(←これは個人の感想ですが)勝山さんがDJ役を担い、ダンス、パフォーマンス、映像などの合間にDJとして進行したり喋ったりするスタイル。
逆VUCAより愛をこめて
劇団スポーツ
駅前劇場(東京都)
2025/01/31 (金) ~ 2025/02/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ステージ上を主に三分割し、現在、未来、そして未来視?のような、未来の要所要所が見える状態を行き来しながら展開する時間軸コメディ。みたいな印象を受けました。満員状態の会場を、劇の序盤からしっかり掴み、笑いが起こるポイントでドン!と笑いを起こす様子は、この劇団の成長と実績の証のように感じられ、頼もしく思いました。
消失
キューブ
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2025/01/18 (土) ~ 2025/02/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
KERAさん既成戯曲を、招へいした演出家がそれぞれ手掛けるシリーズ「KERA CROSS」の第六弾。『消失』は個人的に大好きな一作で、過去の思い入れなしに語ることは難しいのですが…、戯曲の魅力と出演俳優の魅力に引っ張られ、最後まで集中して観劇できました。どこか異国のような、でも現代に通じるような不思議な世界観で、会話で魅せるSF悲喜劇。
きみはともだち
果てとチーク
アトリエ春風舎(東京都)
2025/01/16 (木) ~ 2025/01/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
女子校の教室を舞台にした『はやくぜんぶおわってしまえ』の続編にあたり、前作より10年後の世界を描いている。この団体の強い問題意識が反映された前作、そして続編であり、性的マイノリティとの向き合い方、これからどう思考を続けていくべきか? など、観劇後の観客が考えるべきことは多い。今作の創作は心身への負荷が容易に想像できるため、創作に関わった皆さんには、どうかご自愛して欲しい。
おもいだすまでまっていて【東京公演】
Pityman
シアター711(東京都)
2025/01/16 (木) ~ 2025/01/21 (火)公演終了
実演鑑賞
広島県出身の作・演出家が全編広島弁で綴る一作。高齢の母と、その娘姉妹の三人を中心とした家族の物語(傲慢な兄も少し出てくる)。姉妹が十代だった頃の話、大人になった姉妹と高齢の母の三人で東京旅行へ出掛けた話、認知症の傾向が見られる母と、その母を介護する娘、主にこれらの時間軸を行き来しながら物語は進んでいく。
何時までも果てしなく続く冒険
ヌトミック
吉祥寺シアター(東京都)
2025/01/17 (金) ~ 2025/01/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ギター、ドラム、シンセサイザーの3名による生演奏と、出演俳優たちによる音楽劇。演劇的なアプローチと音楽的なアプローチが並列にあり、どちらかが主ではなく、演劇と音楽の「共演」のような印象を受けた。それでいて、ここぞ!というシーンではバッチリ音楽が活きる構成になっていて、そういう創作自体がこのカンパニーの強みであり、大きな特徴だと感じた。
『Another side of RK』
セッションハウス
神楽坂セッションハウス(東京都)
2025/01/11 (土) ~ 2025/01/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
セッションハウスで長く活動する近藤良平のダンスソロ公演。「ソロ」ではあるけれど、近藤の「分身」というコンセプトで複数のダンサーが共演し、更に実の娘も参加する「ダンスソロ」。近藤さんのダンスシーンをたっぷり堪能し、新年から近藤良平が持つ唯一無二の魅力を実感しました。
海まで100年
スヌーヌー
象の鼻テラス(神奈川県)
2024/12/11 (水) ~ 2024/12/15 (日)公演終了
実演鑑賞
笠木泉さんのユニット「スヌーヌー」の新作公演。近年の笠木さんは演出家として作品に携わる機会も増え、スヌーヌーの活動にも一層注目が集まっています。会場が横浜の「象の鼻テラス」であることも注目ポイント。海の見える、劇場とは一風異なる開放的な空間で上演され、会場自体が作品世界の構築へ作用していました。
「避難」「七人の部長」
秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場
青年劇場スタジオ結(YUI) (東京都)
2024/12/11 (水) ~ 2024/12/15 (日)公演終了
実演鑑賞
リーディング形式の2本立て公演。どちらも高校演劇のコンクール参加作品で、60分以内の作品として創作されている。ステージ上の椅子に座り、台本を持ち、時に動いたり歩いたりするスタイル。
病室
劇団普通
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2024/12/06 (金) ~ 2024/12/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
劇団普通の代表作(と思う)『病室』の再演で、会場は前回上演と同じ三鷹市芸術文化センター。全編茨城弁で語られる会話劇は、全体的にとても静かで、登場人物たちの背景が少しずつ浮かび上がる。
星降る教室
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2024/12/07 (土) ~ 2024/12/15 (日)公演終了
実演鑑賞
吉田小夏が2016年に書き下ろしたラジオドラマ脚本を朗読劇に仕立て、劇団初の「クリスマス公演」として上演。これまで「青色文庫」として朗読劇の上演経験も豊富にあり、安心して没入できる朗読劇でした。青☆組らしい、人の温もりを感じる、冬の一夜にほっとできる公演と言えるでしょう。
LifeとWork
ぺぺぺの会
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2024/11/27 (水) ~ 2024/12/02 (月)公演終了
実演鑑賞
「ぺぺぺの会」と「いいへんじ」という2団体による合同公演。1団体3名×2で、6名の俳優による一人芝居。ぺぺぺの会は普段から作・演出を担当する宮澤大和が3作を手掛け、いいへんじは3名それぞれが「作・演出・出演」を担う。結果、俳優それぞれの個性が反映されつつ、同時に団体の個性も反映された企画になったのでは(ただし6作全部観ていないため、想像も含みます)。6名の出演俳優のことを知る、俳優のことを好きになる契機になり得る公演だと感じました。