クレームにスマイル
ニットキャップシアター
ザ・スズナリ(東京都)
2008/12/11 (木) ~ 2008/12/14 (日)公演終了
満足度★★★
狂気への駆け込み乗車&急加速はとっても面白い
後半の「狂気」ともいえる展開から、俄然面白くなった。
加速感もあり、なんか観ていて楽しいのだ。
よくあるパターンで、その状況を誰かが説明してくれたり、推測したりということはこの芝居には不要(なんとなく匂わせるところがあるだけでOK)だったので、そんなよけいな解説がスッパリないところに好感が持てた。
別に理由なんかないし、「だってそうなんだもん」でいいのだ(たぶん)。
すっきり、スマートじゃないところが、良いところかもしれない。
そして、次もまた観たい気はしている。
破れ傘長庵
江戸糸あやつり人形 結城座
シアタートラム(東京都)
2008/12/10 (水) ~ 2008/12/14 (日)公演終了
満足度★★★★
悪の存在が大きい
とにかく物語が面白い。
そして人形と串田和美さんの競演(絡み方)の違和感が楽しい。
サイズの違いが大きすぎるのだが、徐々にそれは気にならなくな・・りはしないが、アクセントとなり面白さが増している。小道具(まさに小道具)の使い方も面白い。
さらに高橋悠治さんの生演奏もよかった。
串田さんが、楽しげにのびのびと悪を演じていた。人形たちもそれなりに存在感を示すのだが、何せ、悪が強いし、大きすぎる(サイズ的にもでかいしね)ので串田さんが完全に中心にドンといる。
結城孫三郎さんの、声色による演じ分けはさすがだった。まるで変わらないはずの人形の表情まで見えたようだった。
もっと見る (公演終了・御来場御礼)
殿様ランチ
サンモールスタジオ(東京都)
2008/12/05 (金) ~ 2008/12/14 (日)公演終了
冒険王
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2008/11/15 (土) ~ 2008/12/08 (月)公演終了
満足度★★★★★
モラトリアムはうらやましいけど(たぶん)終わりがある
芝居が進むにつれて、一人ひとりが魅力的に見えてきて、
そんな彼ら中にいたいと思わせる。
こんな感じならば、旅をするのも悪くない。
悪くないどころか、とってもうらやましい。
彼らへのうらやましさは、モラトリアムのうらやましさだ。
旅というある種の「言い訳」の中で楽しくモラトリアムな時間を過ごす人たち。
観ていて、「ああ、若いときに旅に出ればよかった」と思った。
ま、言い訳があってもなくても、どこにいても
同じと言えば同じなのだが。
同時多発的に交わされる会話の中にいると、
まるで同じ安宿のこちら側に座っているような感覚が襲う。
それは、入口に立ち挨拶する人に、
うっかりしていると「行ってらっしゃい」と
声を掛けそうになるぐらいの感覚だ。
七人は僕の恋人
大人計画
本多劇場(東京都)
2008/11/08 (土) ~ 2008/12/07 (日)公演終了
満足度★★★★
35年後もこのままやっていってほしい
「普通に」と枕詞として書いてしまうぐらいに
普通に楽しんだ、笑った。
演じている自分たちが一番楽しんでいるように
見えているところ、
というか、楽しんでいるように
「見せて」いる(たぶん)ところが好ましい。
鳥のまなざし
ポかリン記憶舎
シアタートラム(東京都)
2008/11/27 (木) ~ 2008/11/30 (日)公演終了
満足度★★★
とても上品な怖さ
動きや台詞や衣装まで、なんか上品なのである。
照明も音響もかなり上品。
でも、舞台の上では辛い思いをしている人がいる。
そこの怖さを感じた。
黙って見つめる観客の眼の怖さも。
いろいろな場所で発せられるコトバの位置や、大きさなど、耳が敏感になる舞台だった。
とてもとても個人的な感覚なのだが、集中が途切れてしまうところがあった。
それが残念。
すてるたび(公演終了)
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2008/11/15 (土) ~ 2008/11/25 (火)公演終了
満足度★★★★★
笑いながら(悪)夢を巡るたび
夢というのは、いろんな記憶が予期せずにやってくる。例えば、トイレに座っていると思っていたら教室の自分席だったとか、ずっと話をしていたのは、カトウくんかと思っていたら、サトウさんだったとか、一見脈絡なく空間や時間をネジ曲げながら続いていく。
熱っぽいときの夢だったりすると、それは速く目の回るような回転のようなときもある。
そんなことを観ながらフト思ったりした。自分にとっての悪夢は、他人から見れば、結構笑えたりするのではないかとも。
弟の(悪)夢のような体験は、観客からの視線だと笑ってしまう。本人は、全身に汗をかき必死なのに。
もがいてももがいてもどうにもならないような夢、暗い穴に落ちてくような夢なのに、笑ってしまう。
弟の(悪)夢の原因は、一体なんだったのだろうか。
他人が巡る(悪)夢を、爆笑しながら一緒に進むたびだった。たまに弟に同化して、やけに息苦しいときもあったりするのだが。
でも、汗をたくさんかいて目覚めれば、熱はひいているかもしれない。
五反田団は、これからもずっと観ていこうと雨の中思った。
昭和島ウォーカー
パルコ・プロデュース
東京グローブ座(東京都)
2008/11/02 (日) ~ 2008/11/23 (日)公演終了
満足度★★★★
笑いながら学ぶ生産管理の基礎
普通に(ちょっと豪華な)ヨーロッパ企画だった。
「インテル」は観てないのだが、ここまで美術などにお金をかけずに、チープな感じでもこの面白さは変わらないのでは、とも思った。
内容的には、「5S」だの「マジメ」だのといった生産管理や品質管理にかかわるような用語説明が、実に丁寧にされていて、このまま生産現場用の研修ビデオになるのではないかと思ったほど。そう思いながら観ているとちょっと苦笑してしまった。
そんな内容だったが、お客さん(ファン・・たぶんジャニーズの)のなんと温かいこと! 楽しむつもりでやってきて、きちんと笑ってくれる。一緒に観ているこちらも、肩の力を抜いてそんな温かい波に乗ることができれば、普通に笑える(爆笑ではなくて)のだ。
そんな、あくまでもヨーロッパ企画の舞台として観た。
黄金の猿
劇団桟敷童子
ベニサン・ピット(東京都)
2008/11/21 (金) ~ 2008/12/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
観劇の快楽に溺れてしまう
かなり期待して劇場に向かった。
ベニサン・ピットに着いて、劇場内に入ってその期待はさらに大きく高まった。
そして、暗転&開幕。
いきなり最初からヤラれた。
後は、身も心も劇の中に、気持ち良くさらわれていった。
大きく膨らんだ期待を、さらに大きく上回る力強さが舞台から「どーん」と押し出してくる。それはたぶん演じている人や美術やそういった、すべての要素の気迫のようなものだ。
こういう素晴らしい舞台を見てしまうと、脳内に快楽物質が大量に発生し、それが全身に染み渡り、煮えたぎって「もっともっと舞台を見たい!」「またお芝居を見に行きたい!」という気持ちになってくるのだ。
観てよかった!
賊
劇団6番シード
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2008/11/14 (金) ~ 2008/11/24 (月)公演終了
満足度★★★★
熱く突っ走る3時間は長いか短いか
どんなにいい舞台でも、2時間半を超える上演時間のものは、観るのをちょっとためらってしまう。休憩を挟んでも、お尻が痛くなったり、観た後、どっと疲れが出てしまうという年齢なので。
そして、この「賊」の上演時間は、なんと3時間だと言う・・・。
それを聞いて、「うーーん」と少し思った。
が、実際に劇場で観たのは、緩急をリズム良く織り交ぜながら、場面展開スムーズな演出の見事さだけでなく、大人数の役者の誰もが全身を熱くたぎらせ、時間をまったく感じさせない素晴らしい舞台だった。
そもそも時間のことなんて気にするほうが間違っていたようだ。この感じだったら休憩時間なしでも突っ走ってほしいと思ったほど。
話の行方(決着)も気になったが、それより、この熱く濃い舞台自体に釘付けになった。面構えもいいし、役者が輝いてみえたのがこの舞台の最大の魅力だったとも言える。
そして観劇後の疲れはなかった。
蟻のごちそう~The Feast of the Ants
劇団夢現舎
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2008/11/08 (土) ~ 2008/11/09 (日)公演終了
満足度★★
うーん・・・・・
・・・・・うーん・・・・・
何と言ったらいいのか・・・
一言で言うと、どうも私のところまで舞台で発せられているはずの「熱」のようなものが届いてこなかったようだ。
なんとなく、舞台の上だけでいろいろ起こっているだけで、ぼーっと見ていた。ちょうど音を消してTVを見ているような感覚。
始まるまでの高揚感は一体どこへ・・・。
全体(衣装・美術)から醸し出される雰囲気はいいんですが。
『リズム三兄妹』 / 『はやねはやおき朝御飯』
岡崎藝術座
こまばアゴラ劇場(東京都)
2008/10/30 (木) ~ 2008/11/10 (月)公演終了
0号
ゲキバカ
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2008/10/30 (木) ~ 2008/11/04 (火)公演終了
満足度★★★
不覚にも涙
戦中の設定ということで、ややベタなストーリーで、先の展開も読めてきたのだが、やっぱり泣けてしまった。当方が年齢的に涙もろくなってしまった、ということもあるかもしれないが、言い訳を書くと、周囲でも目頭を押さえている人(若者でも)がいたよ、と付け加えておく。
初日だったせいか、なんとなく全体が固く感じられ、笑えるはず(たぶん)の部分でも笑えず、全体的には笑いが思ったよりもかなり少ないのが、非常に残念であった。結構笑うつもりで来ていたので。
また、いろいろと盛りだくさんで、飽きさせない工夫をしていたり、誰にでもわかるように丁寧に説明していたりしていたのだが、それによって全体が長く感じてしまった。
期待が大きすぎたのかもしれない。
ただ、「また、コーヒー牛乳観たい?」と聞かれれば、「うん、観たいかも」と答えるだろう。
びっくり校長先生
動物電気
駅前劇場(東京都)
2008/11/01 (土) ~ 2008/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
笑いの四十八手で責め立てられた
席のお隣さんやご近所さんとは違うタイミングで笑いが起こっていたところもあった、ということは、それぞれに違う笑いのツボまでも刺激されていたということで、ワンパターンの笑いの責めではないことがわかる。
役者さんたちの息もぴったり合い、それも気持ち良いし、さらに笑いにも結びついているのだが、「しょーもないことや」「お下品なこと」も含めて、なんでもアリアリな姿勢は、サービス精神以上の何かを感じる。その一生懸命と汗が見事に爆笑をもたらす。
これでもかというぐらいの波状攻撃に遭い、にやにや顔のまま劇場を後にした。
ああ楽しかった。
プラスチックレモン
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2008/10/31 (金) ~ 2008/11/05 (水)公演終了
満足度★★★★★
ひとりひとりの宇宙がある
導入部から取り込まれ、台詞、表情、動き、美術、照明、音効で、エピソードが紡ぎだされ、物語がうねっていくさまに、どんどん飲み込まれていった。
そして、終わったときに、「あー面白かった」と素直に感じた。
ありきたりな感想かもしれないが、自分だったらどう受け止めるのかといろいろ考えた。観ているときにも、観終わってから帰宅しながも、帰宅してからも、そして次の日にも考えた。1万年は無限と同じようで同じではないな、とも。
神社の奥のモンチャン
ゴジゲン
しもきた空間リバティ(東京都)
2008/10/25 (土) ~ 2008/10/29 (水)公演終了
満足度★★★★
ゴジゲン自体がモンチャンかもしれない
舞台で醸し出される雰囲気は、どことなくほのぼのしており、かなり波長が合ったかもしれない。
舞台の上で、ワサワサというか、モゴモゴというか、そんな感じの(それも面白かったのだが)前作「サムライキッチン」(短編だから比べようがないのだが)よりもこっちのほうが自分には合った。
ちょっと笑って、少ししんみり(爆笑&号泣ではなく)・・・そんな感じ。
なんとなく、次回も観たくなった。
SePT独舞vol.19 東野祥子
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2008/10/23 (木) ~ 2008/10/26 (日)公演終了
満足度★★★
(ちょっとした)スペクタクルを感じた
静寂を一点に集めるような静と破裂するような動の切り替わりがいい。
熱く、ぐっと伸びる手足が美しい。
シンプルながらセットや照明がとても効果的だった。
できれば、全体を見渡せるような席でも観たいと思った。
おわりのいろは
ホチキス
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2008/10/17 (金) ~ 2008/10/26 (日)公演終了
満足度★★★★
満足!
話の広げ方とその収斂のさせ方がなかなかだった。演じる役者もテンポよく、キャラの立たせ方が良い。
やや長時間だったがまったく飽きさせず、笑いも要所要所にちりばめられ、舞台に見入った。
観終わって、気持ちよく会場を去れた。そして、ホチキスは好きな劇団になった。
アポカリプス
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2008/10/17 (金) ~ 2008/10/19 (日)公演終了
満足度★★★
呼吸が音楽
イズマエル・イヴォのすーはーという息づかいがホールに響き、これも音楽なんだなと。そして加古隆が立ち上がり、歩き回る様はダンスなのかもしれないと思った。
「アポカリプス」のCDを聞いていた者にとっては、アルバムジャケットに写っている写真を観て、どのような舞台だったのか気になっていたのが、観られただけでも満足だった。
終盤の激しさには結構ヤラレた。
from the notebook(東京公演)
いいむろなおきマイムカンパニー
こまばアゴラ劇場(東京都)
2008/10/21 (火) ~ 2008/10/26 (日)公演終了
満足度★★★★
ディティールへのこだわり、視点の変化
パントマイムというだけでなく、ダンスの要素も感じた。
幻想的であったり悪夢であったり、さらに笑いもあったりしてイメージが膨らんだ。