jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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7 -2016 ver.-

7 -2016 ver.-

studio salt

神奈川県立青少年センター(神奈川県)

2016/08/17 (水) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

力作だが弱い部分もある
同劇団の代表作なのだそうだが未見。しかも今回は、演劇塾ということで若い(高校生~20代)の役者を多数入れての公演で、大分テイストが変わったのだろうと思う。本紹介にある「説明」は登場人物の一方側からの観点で、初演はこちらだけが登場したのだと言う。今回は、上記の事情から他方側の観点を入れたことで、対比が分かりやすくなった分、焦点が少し惚けた感があり勿体ない。それと、登場人物の造形がやや濃やかさには欠けてしまい、みんなこんな人達なのか、などと思われていたら、それも残念なことである。とは言え、テーマも描き方も代表作と呼ぶのに相応しいものではあると思うし、音で場面を転換する技術も面白い。エンディングは圧巻とも言える。力作である。

艶情☆夏の夜の夢

艶情☆夏の夜の夢

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2016/08/04 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

パターン化しつつあるけど面白い
柿喰う客の女体シェイクスピア・シリーズもパターン化してきていて、大体やりそうなことが分かるのだが、だから面白くない、場合と、それでも面白い、場合があり、今回は後者だった。(日本の)夏祭りのイメージで浴衣を着た女優7人(と、キャンディー屋なんだろか←千葉雅子)が、華やかに原作を追う。新人の福井夏は、渡辺演劇塾での役柄とは違ったテイストで興味深く見せてもらった。

ショーツ

ショーツ

チタキヨ

空中庭園ARENA(東京都)

2016/08/05 (金) ~ 2016/08/06 (土)公演終了

満足度★★★★★

巧みな技
劇場でないところでの上演を続けてきたチタキヨだが、今回は下北沢のイベント・カフェでの公演。3ステージだけというタイトな上演だが、短篇の名手・米内山陽子の力量が遺憾なく発揮され、手慣れた女優3人のコンビネーションも良く、素敵な芝居だった。3人芝居のあと、メンバー一人ずつの1人芝居3本をやり、最後に最初の続き的な3人芝居で締めくくるという流れも良い。

ダージリン急行

ダージリン急行

シンクロ少女

スタジオ空洞(東京都)

2016/08/15 (月) ~ 2016/08/17 (水)公演終了

満足度★★★

よくわからない
以前『オーラル・メソッド』の一つとして上演したときも良く分からなかったが、今回も良く分からない。映画「ダージリン急行」へのオマージュであることは分かるが、映画を見ていないと、どこが変わったのか、変わっていないのか、も分からないので、結局、良く分からないということになるのだが、それでも何だか面白い印象が残るのは、名嘉の本作への愛情が感じられるからだろう。

いま、ここにある武器

いま、ここにある武器

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2016/08/13 (土) ~ 2016/08/28 (日)公演終了

満足度★★★

重い
風姿花伝プロデュース第3弾は、ロンドンの劇作家ジョー・ペンホールの作品は、今ノリに乗ってる小川絵梨子の翻訳、千葉哲也の演出・出演で送る。休憩15分込み2時間35分だが、確かに緊張感があり興味は維持できる。しかし、千葉演じる主人公は幸せにならない、どころか、どんどん悪い方に向かっていくのは、何だか後味が悪い。その分、全体が冗長に思えてならない。同じ物語をもっとショートにしうるのではないか。原題の"Landscape with Weapon"(武器のある風景?)を「いま、ここにある武器」と訳したことに意図はあるのだろうか。

イヌの日

イヌの日

ゴーチ・ブラザーズ

ザ・スズナリ(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

満足度★★★

長塚らしい
長塚圭史2000年の作品をゴジゲンの松井が演出しているが、世界観は長塚のを踏襲していると思える。むしろ、役者陣の集め方が興味深く、30代でまとめているのが、今の長塚だとやりにくい所なんだろうと思う。阿佐ヶ谷スパイダースは元々好きではなかったのだが、その好きでないという感じがしっかり出てしまって、演劇的に面白いものにはなっていたが、何か物足りない印象がある。

ビニールの城

ビニールの城

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/08/06 (土) ~ 2016/08/29 (月)公演終了

満足度★★★

蜷川だったら、と…
蜷川が演出する予定だったのが急逝し、金守珍が演出に回った作品だが、確かに唐十郎の世界を描いてはいる。ただ、昔の3○○のような感じがして(というのは、3○○が唐を追っかけたんだろうが)、何か違和感が残った。蜷川がやっていたら、何か変わったのか、そうでないのか、そこが知りたい気がした。荒川良々は活舌が悪く、大事なセリフを言い切れていないのも残念。ただ、それを越えて、宮沢りえが強烈。

ヒトラー、最後の20000年~ほとんど、何もない~

ヒトラー、最後の20000年~ほとんど、何もない~

キューブ

本多劇場(東京都)

2016/07/24 (日) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

下らないシュール
ケラの古田のコンビだと、このようなシュールで下らない路線になるのは必然。確かに、ほとんど何もない(^_^;)。で、手慣れたメンバーの中に、成海璃子・賀来賢人の2人が入っているのがポイントだが、特に成海いじりはかなりのもので楽しい。

ナイゲン(2016年版)

ナイゲン(2016年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/22 (月)公演終了

満足度★★★★

傑作ではあるが…
何度も上演されている作品で、評判は聞いていたのだが、ようやく観ることができた。確かにテンポが素晴らしく、面白い作品だ。だが、観終わって何だか物足りなく感じるのは、やはり前提として学校側の指示を認めているからなんだろうな、と思う。その制約を逆手に取って、というところまで行っていない分、却って不満が残ってしまう。

15 Minutes Made Volume14

15 Minutes Made Volume14

Mrs.fictions

王子小劇場(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/16 (火)公演終了

満足度★★★

ショーケース公演だから
6劇団が15分ずつ上演するという型式で、東京の小劇場を紹介し続けているという努力は敬服する。しかし、それは質が常に保たれていることを保証しない。
今回の5劇団(主催のMrs.fictionsは必ず出るから)は一定の質はあるのだが、一つでも面白くないところがあると、それが気になってしまうのは、私の悪い癖なんだろうなと思う。「かわいいコンビニ店員飯田さん」は面白かった。それと、主催の「Mrs.fictions」も2通りの解釈の余地を残した舞台は巧みだったと思う。

庚申待の夜に

庚申待の夜に

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2016/08/10 (水) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

何故今、谷中村か
社会派とは言っていないが、社会的な話題を取り上げることが多い同劇団だが、本作は足尾鉱毒事件の谷中村を舞台に、最後まで残った家族の一夜の物語を舞台化した。おどろおどろしい展開の中、秘密が少しずつ露になってくる状況は面白いし、楽園という小空間でスケールある展開をしているのは巧い。ただ、なぜ今、谷中村を扱うのか、疑問は残る。

フローズン・ビーチ

フローズン・ビーチ

別れの始まり

スタジオ空洞(東京都)

2016/08/11 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

面白い!
言わずと知れたケラリーノ・サンドロヴィッチの岸田戯曲賞受賞作を、この小空間で、女優陣の企画で上演するという。だが、スケールやら拙さやらはあるものの、原作の不気味な面白さを再現することには成功していると思う。特に、市子役の今城は、犬山イヌコとは違った意味での狂気を巧く表現できている。2年ほど前にシブゲキで上演されたプロデュース公演よりは数段良い。
宣伝が不十分なのか、観客が少ないのが何とも勿体ない。

同じ夢

同じ夢

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2016/02/05 (金) ~ 2016/02/21 (日)公演終了

満足度★★★★

何も起こらないけど
少しずつ何かを抱えた人たちが、さびれた商店街のパッとしない肉屋の奥の居間とキッチンで様々に絡み合う。物語は細かく展開しているのだけれど、実は何も確かな出来事は起こらず、ある種淡々と芝居が進む。この感触が赤堀の最近の芝居の特徴なのだなぁと改めて思った。役者陣は皆達者で、あまり舞台に出ない麻生久美子や大森南朋も確実に存在感を示しているあたり、キャスティングも旨いと思った。

ファンファーレサーカス

ファンファーレサーカス

ねもしゅー企画

新宿FACE(東京都)

2016/02/11 (木) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★

確かにおとぎ話
バンド「おとぎ話」とのコラボと聞いて、昨年の「ねもしゅーせいこ」を思い出し不安になったが、今回はファンタジーに徹してバンドの使い方も割り切っていたので、エンターテインメントとして楽しむことができた。いつものねもしゅーのような強烈なヒネリはないけれど、分かりやすい物語を楽しむと観る側も割り切れば、楽しい舞台だと思う。それにしても、根本は梨木智香というストーリーテラーとして優れた劇団員を得たことは実に貴重なことだと思う。

ありがとねえ!

ありがとねえ!

梅舟惟永企画

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2016/02/11 (木) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しい
企画者の梅舟が3人の女優と3本の2人芝居を演じた後、4人芝居を1本、という計4本で構成される。それぞれの作者が梅舟を大事に思っているのが分かる楽しい作品群で、客演陣のキャラクターの違いも存分に味わえる。

逆鱗

逆鱗

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2016/01/29 (金) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

やられた!
この日のほか、2/20,2/26,3/11と計4回観た。とにかくやられた。
前半は遊眠社時代以上に言葉遊びをふんだんに使い、加えて特殊素材を使った舞台を非常に美しく使って、エンターテインメントなのかと思わせる。ところが、ある瞬間から、そのテイストが一変し、近年の野田らしいテーマ性が極めて分かりやすく提示される。題材は分からない人もいるのではないかと思われるのだが、それでも充分に考える材料は理解されるだろうと思う。松たか子が実に素晴らしいのだが、11年ぶりに出演という阿部サダヲが実に重要で見事だ。

漂流劇 ひょっこりひょうたん島

漂流劇 ひょっこりひょうたん島

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/02/03 (水) ~ 2016/02/11 (木)公演終了

満足度★★

ひょうたん島ではあるが…
人形劇のひょうたん島をリアルに見て育った世代なので、あの物語を生身の役者がやるのかと思っていたら、モチーフだけ使って、タイトル通り物語はあちこちに「漂流」してしまっている。ストーリーというほどの展開はなく、キャラクターの作り方もリアル世代にとっては納得できるものではなかった。豪華な役者陣が充分に使い切れていたとは思えない。

鈍色の水槽

鈍色の水槽

ロデオ★座★ヘヴン

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/02/09 (火) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★

ミステリアスだが
ミステリー仕立ての一種のファンタジーなのだけれど、何か冗長な感じがもったいないと思った。設定に少し無理を入れているのはかまわないし、個々の場面も丁寧に作られているとは思うのだけれど、これだけの長さが必要なのか、という疑問が湧く。ミステリーだからといって説明的にならずに、思い切ってしまっていたら、役者達の力演がもっともっと活かされるのではないかと思う。

春は夜来る

春は夜来る

演劇ユニット ルソルナ

王子小劇場(東京都)

2016/02/04 (木) ~ 2016/02/08 (月)公演終了

満足度★★★★

大人のファンタジー
最初は、リアルな物語になるのかと思っていたが、これはファンタジーなんだ、と納得してからは、相当に楽しむことができた。4つの場所を巡る中で、同じ役者がさまざまな役を演じることを巧みに使い切っているのがいい。

ミルフィーユ

ミルフィーユ

aibook

OFF OFFシアター(東京都)

2016/02/03 (水) ~ 2016/02/10 (水)公演終了

満足度★★★★

いらだちと希望と
今更だけど、書いておこうと思う。
ササミネは今まで女性の群像劇とか女性を軸にした芝居を書く事が多かったのだけれど、今回は男性を軸とした群像劇で、ちょっと珍しいなぁと感じた。それぞれが何かを抱えた人たちが、寄り添ったりぶつかったりしつつ、少し希望を見せて終わるというのは、多分「人」を信じているのだろうササミネらしい芝居だとは思え、楽しむことはできた。ただ、漁師に執着する主人公のコダワリが今一つ切実に感じられなかったのは惜しい。

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