緑地-ryokuchiの観てきた!クチコミ一覧

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商店街グランドリオン

商店街グランドリオン

劇団バルスキッチン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/09/11 (水) ~ 2024/09/16 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

目当ての演者さんはとくになし。
バルスキッチンさんの舞台観劇は7本目、再演を除くと5本観劇してます。いつも笑いが絶えない、楽しい時間です。

3年前の初演と同じ役は劇団員の尾上恭平さんとズドンさんだけ。勇者だった河合健太郎さんが主人公の浩太に。精霊リオンだった井坂仁美さんは魔王側の魔法使いに。その他は劇団員の方が別役で出られているくらいで、ほぼガラリと変わってました。

当日配布のチラシ(白黒コピー)に演者さんの役名が書いてあったのが嬉しいです。初演を思い出しながら今回と比べることができました。

勇者側魔法使い役の五十嵐かいと さん、5月に「BAN&COLORS」という舞台で拝見しました。そのときは演目の内容のせいかもしれませんが、アイドル的な方と思ってました。今回あらためて拝見するとかなりしっかりした演技をされていて、印象が変わりました。

ネタバレBOX

前回30人で今回31人。増えたのは「渡辺」ですかね。

若松春奈さん、まともにビンタされてましたね。演技に対する本気度を感じます。ガングロは衝撃的でした。あらかじめ把握してないと誰だか分からなかったでしょう。
なお、ズドンさんが「昭和」と表現されてましたがさすがに平成かと。細かい話ですが。

これまた細かいかも知れませんが。公式のイントロダクションにあるこの一文。

>勇者は偶然の事故から時間を移動する手段を発見し、時を越えて様々な時代を行き来する中で、自分達に降りかかる問題を解決していく。

「時間を移動」「時を越えて様々な時代を行き来する」が舞台の話と無関係だったのでちょっと合わないと思いました。
ドウトク

ドウトク

!ll nut up fam

studio ZAP!(東京都)

2024/07/30 (火) ~ 2024/08/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

朧チームを観劇。
最近よく拝見している真田林佳さんが「死刑囚489号」。出演6人全員死刑囚の「ワンシチュエーションの会話劇」ということで、シンプルながらも面白そうと思いつつ観劇しました。

3チームのトリプルキャスト構成。何度か再演されているとのこと、人気の演目なのですね。

52号、313号、159号、23号、043号、489号の6人です。劇中では番号が出てこないので意味は無いですが、台本では先頭の数字すなわち 0,1,2,3,4,5 だけで表現されています。この6個の数字が先にあったのでしょうね。043だけ3桁ゼロパディングなのは何故だろうと思ってました。

313の森田和正さんが、SNSで考察をされてるのを見つけました。とても深く考えて役作りされているんですね。役者さんからの発信のおかげで、観劇後もまた楽しめます。ありがとうございます。

ネタバレBOX

4月にキャスト募集が公開されてて、以下のような条件が書かれていました。
・死刑囚52:主人公(男性30代〜)
・死刑囚313:暴力的な殺人鬼(男性20代〜)
・死刑囚489:純粋な殺人鬼(性別問わず20代〜)
・死刑囚23:猟奇的な殺人鬼(性別問わず20代〜)
・死刑囚159:芸術的な殺人鬼(性別問わず20代〜)
・死刑囚043:望まない殺人鬼(性別問わず40代〜)

043が40代以上なのはある程度大きな子供がいる設定だからかな。でも朧チームの沼舘ミオさんはもっと若いように思いました。

489は一人称が「僕」。チームによっては男性だったようです。6人の中でもぶっ飛んだクレイジーな役どころで、女性の方がハードル高かったのかもと思いました。真田さん元々のキャラを感じさせつつの振り切った演技が素晴らしかったです。

52は実は死刑囚ではなく、自分の関係者を殺した5人の殺人鬼に復讐するために、権力でこの場を作った。
52曰く。個人的な復讐が認められるべきであり、将来の社会はそのようになる。これはそのための、国が認めた実験である、と。

52は159、043、23をナイフで刺し、清々しいと言い放つ。313と揉み合いになり、ナイフを失う。489が313を刺して52を助ける。489は52に自分を刺させる。52は489の純粋さに、複雑な心境となる。

舞台セットはまったく無しで、とてもシンプルでした。それでも観客を引き込む、会話劇の力を見ました。再演を繰り返すほどの人気なのも納得です。
幸せになるために

幸せになるために

“STRAYDOG”

新宿村LIVE(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/07/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

森田涼花さん出演。
東京公演の千秋楽を観劇。

開演時刻になるとSTRAYDOGさん名物の「指定席解除」が。空いている席を埋めるように中央に向かう移動が促され、空席が端のほうに移りました。途中入場の人が邪魔にならないようにする配慮です。
これはとても合理的なので、他の劇団さんでもやればいいのになあ、と思ってます。たとえ真ん中の良席でも「遅れて来た人の指定席は無効」なのです。
昔ブログで森岡利行さんが指定席解除について、船に例えてらっしゃいました。船は港を出たらもう乗れない、と。なるほどと思ったものです。

1985年8月12日の日本航空123便墜落事故を扱った演目です。

あれから39年経つのですね。テレビのテロップ「旅客機との通信が途絶えました」と。ほどなく「墜落しました」に変わりました。一時新聞で「7人が生きていた」と大きく書かれていましたが、それは誤報で実際の生存者は4人でした。

その後の報道。生存者の12歳の女の子の証言で、墜落してしばらくはお父上と妹さんが生きていたということ。自分は子供ながらに大きなショックを受けたことを覚えています。

ネタバレBOX

先日の「夕凪の街 桜の国」もそうでしたが、シリアスな題材で真面目なストーリーの中にも、それを壊さない楽しさ、笑いの要素を入れるSTRAYDOGさんはさすがです。

「とある廃工場に映画の撮影で集まった5組の家族」
「出演者が演じるうちに1985年8月12日に起きた日航機墜落事故の筋書きに変わってゆく」

それぞれの家族には、亡くなった人が含まれていることが分かってきます。幽霊なのでしょうか、幻なのでしょうか。

「忘れられていく事実を語り継ぐことこそ亡くなった人への最大の敬意」

忘れずに、語り継いでいきます。
The Witch〜魔法使いの日記〜

The Witch〜魔法使いの日記〜

ぱすてるからっと

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/07/11 (木) ~ 2024/07/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

陽チームを観劇。
最近よく拝見している真田林佳さんが「アリス」という名前の役ということだけ把握して臨みました。
想像よりずっと重要な役でした。アリスという名前のイメージは偉い人ってあんまりないと思っていたので。個人的には嬉しい誤算でした。
見てないですが月チームの東堂さんとはきっと180度違う、真田さん独自のキャラだったのだと思います。

自分は ぱすてるからっと さん観劇は4本目かな。いつも力を入れられているダンスシーンも見どころですよね。自分の観劇回はダンス撮影可能ではなかったですが、SNSに上がってるのも後から見れるのでありがたいです。

時間が戻る要素が入った話なので、頭を働かせてがんばりました。しかしちょっと難しかったですね。台本で再確認しました。

ネタバレBOX

ジャンヌの「実弾を使う」の意味が分からなかったのですが、それまで使われていたのは「筋弛緩弾」だったのですね。それでアルベルトを拘束するつもりだったけど効かないので、と。

終盤に分かる「ヴァイオレットが魔導士を恨んでいる理由」ですが
・娘「ダリア」が戦争でひとりだけ死んだこと
・その遺体が持ち帰られることもなく見捨てられたと思っていたこと
・夫も両親も戦争で死んだこと
・戦争は魔道士たちが始めたと解釈してること
・自分は人間を魔導士にする実験体の生き残りだったこと

これらは唐突すぎたので伏線がほしかったです。それまで年齢をほのめかすところも無く、「娘」や「夫」という言葉が出てきて、ついていくのが難しかったです。

クライマックスで明らかになる事実、まとめると以下のとおりかと思いますが、ちょっと詰め込みすぎかと。

・ダリアは四肢が腐ってしまう呪いで死んだ
・今は治療法が確立している、それは犠牲になったダリアの功績である
・ダリアはそんな遺体を母に見せたくなかったので遺体を持ち帰られることを望まなかった
・ヴァイオレットはそのことを知らずに娘だけ見捨てられたと思い込んでいた

日記の表紙に1022と書いてあったことでなぜ「真里は千年後の未来から来たのでは」になるのか分かりませんでした。真里がその数字を見て「ここは千年前なのでは」と思うなら分かりますが。

カルタとアリスがカフェで会話するシーン、会計の「ここは私が」綱引きがあって面白かったです。台本にはなかったので、陽チーム独自かなと思いました。
学園探偵 薔薇戦士

学園探偵 薔薇戦士

株式会社フリーハンド

ザ・ポケット(東京都)

2024/06/12 (水) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

倉田瑠夏さん出演。
倉科遼さん関連は「舞姫 〜ディーヴァ〜」に続いてなのですね。ありがたいことですね。

定番の中野ザ・ポケットですが、自分は1年半ぶりでした。この劇場はG列からが固定席ということを覚えておくと良いかと。床にプレートが貼ってあるので変化することは無いです。自分のメモを兼ねて書いておきます。

倉田さんのブロマイドがA〜Gまで7セットもあって。とびぬけて多いです。2番手がWキャストAチーム「男B」役の上原徹也さん4セットでした・・・ちょっと不思議ですが、それはさておき。

ちなみに男A、B、Cはそれぞれ「安田」「木本」「斉藤」らしいです。チラシにもパンフレットにも公式サイトにも書いてありませんが、SNSで知ることができました。

歴史ある舞台だと思いますが、自分はもともとの話の筋を知らなかったです。チラシ表紙でいちばん大きい佐藤弘樹さんが主演だと思って観劇に臨みましたが、倉田さんが明確な主演でしたね。

田上先生役の鈴木つかささん。会話にアドリブをたくさん入れて、面白かったです。アドリブを受ける側、折田さんも面白かったです。

ネタバレBOX

副題「痴漢退治はお任せあれ!」ですが、実は劇中で痴漢事件は1回も発生してないですよね。痴漢被害をかたる詐欺が事件です。つまり冤罪です。

これは作品を作る側の方も承知されているものと思いますが、この詐欺はとても恐ろしいことです。劇中でも「高村麻子」の父上が命を絶ってしまったことが示されてます。

中途半端なストレート演劇ではその重さに負けてしまうので、現実から離れた「ぶっ飛んだ」話であるべきと思いました。今後も再演や続編があるでしょう。もっとぶっ飛んでほしいです。
それしか、知らない

それしか、知らない

m sel.プロデュース

王子小劇場(東京都)

2024/06/12 (水) ~ 2024/06/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

玉川来夢さん出演。
主宰の舘内美穂さんは2016年のロストマンブルースで「熊本まもる子」を演じられ、玉川さんと共演された方。今回そのご縁でお話をいただいたとのことです。玉川さんの人柄が感じられます。

余談ですがロストマンブルースでの熊本まもる子はすごく面白かったです。萩原成哉さんとのコンビ、熊本で起きたことについての夢麻呂さんとのかみ合わないやりとり。8年経ってもよく覚えています。
その舘内さんは2017年のボクラ団義さんの舞台で拝見する予定だったのですが、体調を崩されて降板されました。当時とても心配しました。
最近になって舞台を主宰されていることを知り、驚きました。劇場のロビーでも元気なお姿を拝見できて安心しました。

さて今回の舞台。いつものことながら出演者をあまり把握せずに観劇しました。

千代將太さんが登場してその強いお声を聞いたとき、どこかで・・・と。ずいぶん昔ですが「嘘ツキタチノ唄」「忍ぶ阿呆に 死ぬ阿呆」でした。これもボクラ団義さんですね。しかしお若い。

山本真夢さんは去年の「R-20」でも玉川さんと共演されてましたね。可愛らしい妖怪だったかな。個人的には2017年「蒼海のティーダ」のソフィ役が印象的でした。

ネタバレBOX

基本的には「ゆら」という女と「藤」という男の物語です。深い話というか、自分にはちょっと難解で、気を抜くと分からなくなると思いがんばって頭を働かせました。
母親の過剰な期待に苦しむという共通項を持っている2人。今時の言葉では「毒親」とでも言うのでしょうか。藤は激しく苦しんでいる、ゆらは静かに苦しんでいる、かな。

「いいお話だった」という舞台ではないです。どのように感じるかは人それぞれ。どんな人生を歩んできたかで違うことでしょう。

ホワイトボードに書かれた日付を忘れないうちに書いておきます。せっかく記憶したので。
2019年4月17日
2019年5月2日
2019年9月16日
2019年9月20日
2019年9月28日
2019年10月3日
2021年夏
2021年7月13日

玉川さんは持ち前のキャラを生かした役どころでした。女性も男性もですが、役者さんも歳を重ねるにつれて声が変わるのを感じます。大人の声になったなあ、としみじみ。
朗読劇「Unknown」

朗読劇「Unknown」

劇団ナンバーエイト

浅草九劇(東京都)

2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演のAチームを観劇。
動きのある朗読劇ということはうかがっておりましたが、これほどまでとは思ってませんでした。台本を持たない場面も多く、演劇の舞台に近いものだったと思います。

公演は4回ありますがメイン3名の演者さんは毎回変わるので、たったの1回です。お三方はその1回にすべてを出し切ったと感じました。

持田さんは台本を持たないシーンも多く、朗読劇と思ってたのが良い意味で裏切られました。たまたまですが私の正面に来ることが多く、細かい視線の演技までよく見えてよかったです。

ストーリーには引き込まれました。伏線を回収する流れが見事だったと思いますが、それに加えて演者さん7人の強い思いも大きかったと思います。

ネタバレBOX

持田千妃来:近藤椿。「思考手術」の研究・実行者
松井拓己:2役 春本一澄・小出千春。元教師で椿のアシスタント・椿の死んだ恋人
辻美優:加瀬伊吹。反逆で罪に問われた春本の、弁護士

チラシには「SFメルヘン。再び。」と。上演前の案内放送によると、過去に舞台としても上演されたそうです。

以下は私の解釈です。記憶に頼っているところがあるので間違いあったらすみません。

PM2.5などで地上の汚染が激しく、人々は地下で生活するようになった、2040年の世界。
椿の耳にある半導体チップには14,000人もの思考データが入っている。
春本が来るまではひとりで研究室におり、その思考と共存していた。
犯罪者の思考を強制的に書き換える。それを椿ひとりでやっていた。犯罪者の再犯率はわずか1%。
その職を離れることはできるが、契約で記憶を消されることになっていた。椿は千春の記憶を消されたくないので、続けていた。
昔。椿が大学1年、千春が3年。千春たちゼミのみんなで「思考」の研究。それが原因で千春たちゼミの皆は死んだ。「思考」を椿が引き継いだ。
椿が時折腕を伸ばして「ダー!」とする、照れるときに額を抑える、といったことは千春のそれ。

花の「サイネリア」は本来「シネラリア」で、日本語的に縁起が悪いので通称ができたと。勉強になりました。
貧乏神シャバダバ

貧乏神シャバダバ

近藤一彦プロデュース

オメガ東京(東京都)

2024/05/08 (水) ~ 2024/05/11 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

小泉瑠美さん出演。
オメガ東京は荻窪の住宅地にある地下の小劇場。見やすくて好きなところです。上演中に客席パイプ椅子の音がギシギシ聞こえますが、それも味だと思うようにしています。

演目はコメディで、死期の迫る老女の「徳大寺」家が貧乏神にとりつかれるお話。公式には「裕福な家族が貧乏神と過ごすワンナイトカーニバル」と。全員が個性的でおもしろい人ばかりです。
ちなみに「徳大寺=とくだいじ」の漢字はどこにも書いてないので不明だったのですが、いろいろ探したところ柊木みずほさんのSNSで「徳大寺美咲」と書かれていたのを見つけた次第です。

うみぐちうみ さんはプロフィールに「20代から乳母・老巫女と、老け役の怪演で評価を得る」とあります。「菅生ゼミ休講のお知らせ」や天才劇団バカバッカさんの舞台で何度も拝見していますが、ご自身もおっしゃっている「おばちゃん」役がお見事です。ときにものすごい表情をしたり、巧みに演じられています。

小泉さんの舞台出演は一昨年の朗読劇「たすき」以来、演劇としては8年前の「口紅」以来です。ブランクはまったく感じさせません。特徴的な低いお声で、イメージ通りの強い女性を演じられました。
終演後にフリーの面会があり、小泉さんとお話させていただくことができました。久しぶりの舞台であったけれども厳しい稽古のおかげで感覚が戻ってしっかりできた、というようなお話をうかがえました。2012年の「ファミリー・ウォーズ」のお話をするとすぐに「赤城美香!」と役名を言ってくださったり、昔からのファンとしてはとても嬉しい時間でした。
余談ですが、自分は小泉さんのアイドル時代にあった握手会などのイベントに参加したことがありません。アイドリング!!!卒業後の2011年舞台「銀座の恋人たち」で面会させていただいたとき、小泉さんから握手の手を差し伸べてくださり、感動したことを覚えています。今回も同様に差し伸べてくださり、13年ぶりの握手に感激しました。

思えばコロナ禍になってから、役者さんと握手すること自体がずっと無かったなあ、と。そういう意味でも感慨深かったです。

ネタバレBOX

橋本樹 :貧乏神
星野光代 :老女(当主)
小泉瑠美 :母(当主の実子)(茜)
藤原シンユウ :父(婿)
柊木みずほ :娘(姉)(美咲)
水嶋ミナ :娘(妹)(アリサ)
うみぐちうみ :徳大寺家の家政婦(ハットリ)
長万部純 :借金取りの銀行員
工藤俊作 :音楽プロデューサーを名乗る詐欺師(サイトウ)
吉田来深 :弁護士を名乗る詐欺師
吉永真希 :遺言書を管理の人(公証役場?)

当主の老女は死神に、翌日の昼ごろが死期と告げられる。
死神に示されておどろおどろしく登場した貧乏神の風ぼうは、若い可愛らしい女性。
貧乏神は何もしない。徳大寺の人間にだけ見える。
母(老女の実子)はヘリコプターで登場。それを見て33+1人の借金取りが押しかける。
父(婿)は結婚前に6人の女性に結婚詐欺をしていたかと思いきや、誰もそう思っておらず、今でいう投げ銭だった。取り立ての弁護士を名乗る女性が実は詐欺師。
妹は歌手になれると思って金品を渡していた男は実は詐欺師だった。
ひきこもりの姉は実はクローゼットで会社を経営していた。妹と詐欺師のことも調べて知っていた。
母の資産が大量にあることが分かり、貧乏にはならないとたかをくくった。
老女の遺言書では、全財産が実子に相続されることになっている。
最後に何もしなかった貧乏神は姿を現して強烈な風を起こす。
シーンが変わって、死神が老女を迎えに来る。

それで、ぷつんと終わります。
老女が死んでも貧乏になるということは無いはずですが、そこは見る人に委ねられたのだと解釈しました。
悪役令嬢イミテーション

悪役令嬢イミテーション

ぱすてるからっと

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2024/04/25 (木) ~ 2024/04/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

後藤郁さん出演。偽チームを観劇。
ぱすてるからっとさんの舞台は後藤ちゃんのイメージからは遠いと思っていたので、出演を知ったときは驚きました。女性中心の舞台は朗読劇のGreifくらいで、演劇としては皆無でした。いわゆる2.5次元的な演目も初舞台のダンガンロンパ2016だけです。なので意外だったのです。

ぱすてるからっとさんと言えば力が入ったダンスシーン。後藤ちゃんの舞台出演でこれまでダンスってあったっけ、というくらいなのでちょっと心配していました。2014年にいったん芸能界を引退。ダンガンロンパで復帰されて以来関東の公演は全部観劇していますが、ダンスの記憶はほとんど無いです。
ダンスはそこまで激しいものではなかったですが、現役時代を思い起こさせるきれいな動きで、安心しました。終演後にそのシーンの撮影イベントがあったのがありがたかったですね。

ダブル主演の坪井未来さんは「時計塔のレイラ」でも拝見しましたが、2016年の天才劇団バカバッカさんの「COLORS」でも拝見してました。8年も前ですが当時とお変わりないですね。

美月まりもさんは今回も別チームで別役で出演されているのですね。いつもすごいです。

ネタバレBOX

呪文の「あびらうんけん」は、台本では「阿毘羅吽欠」と。知らなかったですがインド由来の仏教の言葉のようです。

序盤のセリフのひとつ「服従させてもらう」はすごい違和感がありました。「服従する」という自動詞なので、自分が服従することになってしまいます。「服従させてやる」あるいは「服従してもらう」かと思います。
空の匣庭

空の匣庭

ProjectAmythos

萬劇場(東京都)

2024/04/25 (木) ~ 2024/04/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。チームCANAAN。
去る2022年12月、チームEDENとCANAANのうち、CANAANが中止になってしまいました。EDENとCANAANはまるっきり異なるストーリーで、キャラクターの名前が同じでもまったく異なるという、珍しい試みに期待していたところでした。自分はCANAANを観劇予定でしたが、結果としてEDENだけを観劇しました。
その半年後2023年6月の朗読劇「空の匣庭 Archives」はCANAANの前日譚。EDENで知ったことと合わせて、世界観がよく分かってありがたかったです。
そして満を持して今回のCANAANの公演。全員揃っているわけではないですが、持田さんを含めて多くの演者さんが、あの時やるはずだった役を。感慨深いものがありました。

余談ですが中止になった2022年のは「CANNAN」表記でした。パンフレットもそうなっています。SNSでうかがったのですが、実は綴りを間違えていたと。そんなわけで今回「CANAAN」に直されました。

ネタバレBOX

EDENとArchivesを知っている自分は設定をだいたい把握しているので、匣庭(シエル)の目的を知っています。それを踏まえてのことか、CANAANではまあまあ早めに秘密が明かされます。EDENでは明かされるのは最終盤でした。
実は「試練」をこなすことで解毒剤をもらっていた、というのがいいですね。もらえなければだんだん毒が効いて(=堕天して)、最後には消える、と。だから、外部とのインタフェースである精霊をやっつけてしまうと、管理されなくなって自由になるけれども、そのうち消えてしまう、と。すごい納得感があります。
持田さんのヨフィエルの「親友を殺した」というセリフがありました。それがどんな経緯だったかは、Archivesで示されています。それを知っているかどうかで物語の理解度がだいぶ違うと思います。柳瀬晴日さんのガブリエル、大力さんのサンダルフォン、鶴田葵さんのカマエルも同様です。

ちなみにArchivesはこれを書いている時点では有料(1070円 x 2)で配信されています。CANAANを観劇したあと再確認したくなり、購入して視聴しました。再度楽しめて満足です。
将棋無双・第30番 ~神局のヴァンパイア~

将棋無双・第30番 ~神局のヴァンパイア~

E-Stage Topia

上野ストアハウス(東京都)

2024/04/10 (水) ~ 2024/04/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「将棋無双・第30番」

昨年観劇した前作「将棋図巧・煙詰」で、真田林佳さん演じる伊藤看寿のセリフ「わが兄 伊藤宗看の将棋無双だって・・・」というのがあって、気になっていました。そして今回はその「将棋無双・第30番」。待ってました。

自分は昔いろいろ調べたことがあって、詰将棋の作問ルールやその難しさについては詳しい方だと思います。セリフに出てくる「不完全作」の意味も分かります。よくあるのが「余詰」と呼ばれるもので、別解があるものは不完全とされます。

完全作かどうかは作問ルールの範囲ですが、それを満たすだけでもけっこう大変なのです。しかも詰将棋はそれだけではなく、「問題として面白いかどうか」が重視されます。言い換えれば芸術的な価値です。

この「将棋無双・第30番」は手順を予習して臨みました。詰将棋としてすごい作品ですね。詰め上がり=最終形が「曲詰」と言われる、意味のある形になるものです。なんでも「神局」と言われているとか。これが江戸時代に作られたというのが驚きです。

ネタバレBOX

以前観劇した「煙詰」では伊藤看寿として出演されていた真田林佳さん。今回は5一の桂馬としての出演。看寿のときと同様の迫力あるお声は期待どおりでした。
そのペアとなる5三の成桂の中井杏奈さんとはまったく違う雰囲気なのが良かったと思いました。ペアを似たようなキャラで表現する舞台がけっこうあるのですが、遠目だとどっちがどっちか分からなくなってしまうので、はっきり違いがあるほうが好きです。
その桂馬と成桂は最初から最後まで動かないので話にどう絡むのか想像できませんでしたが、いろんな意味で絡んでました。

前作の煙詰ではギャグシーンは無かったのですが今回はテイストが変わって、遠慮なく笑ってよいシーンがたくさんありました。
前作にも出演された政田圭敬さんの「と金の精」にはびっくりしました。大笑いでした。
馬鋸でどう時間を使うかに注目していたところ、総動員でスピードアップして、これまた大笑いでした。
金将の出番が終わるシーン、まさか玉将が食べてしまうとは。飛び散る血の花が鮮やかでした。
何度も出てくる「反逆の逆十字」という言葉が詰め上がりを指していることは分かってましたが、最後に反転させるとは。その手がありましたか。

詰将棋を知らない人がどれだけ楽しめたかは分かりませんが、少なくとも、楽しめるように工夫されていたと思います。是非シリーズ化して欲しいです。
『封印壊除』

『封印壊除』

萬腹企画

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/03/21 (木) ~ 2024/03/25 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

倉田瑠夏さん出演。
2019年の再演です。初演は見ていないのですが、面白いという評判だったので待ってました。
倉田さんはすっかり萬腹企画さんの常連ですね。自分は萬腹企画さんの演目として6本目の観劇ですが、過去のどれも楽しく観劇できました。いちばん印象に残っているのは「怨霊撲滅屋」かな。
今回もコメディ要素たっぷり、迫力のあるアクション、考えられたシナリオ。とても楽しく観劇できました。

ネタバレBOX

倉田さんは雪女の役。最初は最近多くなってきたクールな役どころかと思いましたが、実際はクールではなかったかな。もともと声は低めだと思いますが、今回は(も?)ときおりドスを効かせて、その声を活かされてたと思います。また新たな倉田さんを見れたような気がしました。

レポーター役の若松春奈さん。最近どこかで拝見したはずなのですが、劇中では思い出せませんでした。トイレの花子みたいな座敷童は違う人?あれれ? といろいろ考えていました。あとで思い出したのですが、若松さんは8月の舞台「R-20」でトイレの花子 役をされていました。その印象が残っていたようです。今回の山本栞さんが演じた花子と記憶がかぶっていました。イメージが近かったですね。

そういえばですが、今回ムジナの妖怪「イヌガミギョウブ」役の伊藤佳織さんも「R-20」に出演されていて、口裂け女 役でした。イメージ通りと言ってはなんですが、伊藤さんは迫力のある役をいつも大迫力で演じられているという印象です。

終盤。洗脳的なものが解けたと思われるレポーターの若松さんが、大ボスの黒狐に対して、持っている機関銃で撃ちまくります。自分は下手(しもて)の席で目の前で若松さんを見ていたのでよく分かりましたが、けっこういきなりで予測できなかったので、はたして皆さん分かったのだろうかと心配になった次第です。
弾倉に薔薇を込めて

弾倉に薔薇を込めて

K-FARCE

萬劇場(東京都)

2024/03/06 (水) ~ 2024/03/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

後藤郁さん出演。

K-FARCEさん舞台の出演は3度めですね。前回の「星降る学校」では感動して涙しました。
今回は一転して強めのコメディ。となるとteam-odacさん「浦安鉄筋家族」でのオカン役を思い浮かべますが、今回はどのような役かな、と。

いつものことですが出演者をあまり把握せずに臨みました。

菅野英樹さんが登場されたときは笑ってしまいました。「オモシロ曲者」のひとりですね。
2021年の舞台「菅生ゼミ休講のお知らせ3期」で拝見しましたが、ほんとに面白い役が似合いますね。今回はこうきたか、と。
「かんの祭り」というイベントでも拝見しました。そこでも面白い方だと思っていましたが、舞台の演技もやっぱり面白いです。

針谷早織さんがいかにも針谷さんという衣装で出てこられたのでこちらも笑ってしまいました。
「月に吠えろ、夜ヲ焦ガセ君ヨ」「時計塔のレイラ」などで拝見していますが、なんといっても「失創セブンスプレイ」でメインのひとり、主演級の演技をされたことが印象的でした。

ネタバレBOX

後藤ちゃんはギャグを受ける側でした。ツッコミというのかな。菅野さんのような与える側ではなく、という意味で。
セリフでは自分のことを「OL」と。その言葉、今時の会社では避ける用語なので演劇でも使わないほうがいいかな、と思います。聞くとひっかかってしまうので。

SNSで演者のみなさんもさかんに書かれてたとおり、一貫してコメディです。受けたりスベったりですが、見事にやり切ったと思います。

終演後にチェキ会がありました。後藤ちゃんは不参加とのことでした。

物販の方に過去公演のDVDありませんかとうかがいましたが、置いてないとのことでした。これはどの団体さんにも言えることですが、こういった現場で売ってほしいものです。
幻の奏

幻の奏

イノセントギアカンパニー

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2024/01/29 (月) ~ 2024/02/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。
終演後のカーテンコールで主演の黒須みらいさんが「ネタバレOKなのでSNSどんどん書いて」と。まあでも、こりっちはネタバレBOXという便利なものがあるので活用します。

持田さんは「かなで」役。初日は体調不良のため、脚色演出の榎あづささんが代役で出演されたそうです。
初日ではないですが、それについて榎さんと会話させていただく機会がありました。急だったのでファンの方が来られるということは難しかったようですが、たまたま来られた方もいらっしゃったとか。その方にとってはとても貴重な回だったことでしょう。
持田さんの体調が心配でしたが、2日目から出演されました。私が観劇した回ではとても力強い演技をされて、ほっとしました。ただ顔色があまり良くないように見えたので、無理をなさっていないかと心配も。お話をうかがう限りはお元気な印象で、安心しました。
最後の2日間は中止になったこともあり、上演12回の予定が8回、持田さんは7回でした。自分は千秋楽の観劇予定がなくなりましたが、1回でも観劇できたことは幸いでした。

「あきら」の黒木美紗子さんは2018年の「音楽劇ヨルハVer1.2」でリリィ役だった方なのですね。持田さんがヨルハ十六号の役で、共演されてました。あきらはリリィの幼さとはかなり違ってて、気づきませんでした。もう6年も前なんですね。時がたつのは早い・・・。

「くみ」の黒須みらいさん、調べたところ2019年の「Stray Sheep Paradise:em」にフレームメイド(アンサンブル)で出演されて、こちらも持田さんと共演されていたようです。これは気づくのが難しいので許してください。

「ちさと」の栗原みささん。2021年の「菅生ゼミ休講のお知らせ 3期」での日替わりゲストで拝見しました。しかしなんと言っても2019年の「トルツメの蜃気楼」の印象がすごいです。アイドルになれると騙される3人組のひとりですが、栗原さんだけはよく覚えています。それだけ目立ってました。今回も同様に、なぜかはよく分かりませんが、印象が強かったです。

榎さんは2022年の「亡国ニ祈ル天ハ、アラセラレルカ」で主役級の熱演をされてました。それについてもお話を聞かせていただくことができ、ありがたかったです。

ネタバレBOX

序盤で「ももか」が遊びでピアノを弾いているのを「くみ」が凝視して固まっているシーン。理由は終盤に分かりました。チラシに答えは書いてあるんですが読んでなかったです。でも読んでなくて良かったかも知れません。謎を感じることができました。

くみはフォーカル・ジストニアでピアノが弾けなくなった、という背景が。後日調べたところ、音楽家特有のもので、原因は明確でなく、対処法はまだ確立されていないようです。

最後にかなでの歌う「アメイジング・グレイス」で、くみはピアノを弾きました。
かなでの歌唱は台本の言葉を借りると「めちゃめちゃ上手いわけじゃないけど、楽しそうで可愛らしい歌声」です。お見事でした。
gagap

gagap

ENG

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/11/22 (水) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。

前評判が高く、前売りの段階で全回完売になったとのこと。すごいですね。主催の佐藤さんの継続的なSNS発信が、上手だなあと思っていました。
応援チケットのようなものを買うことで、事後に送られてくる特典の記念チケット、その裏にメッセージをいただけるというのがまた上手だなあ、と。嬉しいですものね。
その特典にはチラシ(フライヤー)もついてます。チラシは事前に見たいところですが、事後でも手に入るのは嬉しいことです。

自分は土曜のマチネ公演を観劇。目がまわるくらいのアクションと演出、とても良かったです。

怪老の芹澤良さんどこかで・・・と。6年前の「リトルマンメイト」でした!思い出してスッキリしました。持田さんと共演されてて、セリフのやりとりもあったと記憶しています。

あえて演者さんをあまり把握せず観劇しました。怪医は椎名亜音さんだったのですね。何度も拝見してますが特に7年前「ロストマンブルース」での、奥さんの役がとても印象的でした。今回あまりの変身ぶりで気づかず。それくらいの激しさ、熱演でした。

怪談は声を聴いただけで「失創セブンスプレイ」のあの人だ、と。あらためて、すごいセリフ量と声量に感心しました。シミズアスナさんです。

演目のストーリーはというと。いろんなことが詰め込まれていて追いつくのがたいへんでした。カーテンコールでの白(いちなし)役の伊藤マサミさんが熱弁された「中二病」。それを聞いてああなるほど、そういうことなら細かいことは気にすまい、と思いました。

ネタバレBOX

持田さん演じる怪人Jとともに劇中に出てくる猫(ぬいぐるみ)は、怪人Jではなく、別個体の猫。怪人Jは「猫になりたい人間」ということです。
ほとんどの人が、ぬいぐるみの猫=怪人J、と思っていたのではないかと。普通の舞台ではそう解釈しますよね。実はご本人としても聞いてびっくりだったというようなことを配信でおっしゃってました。
白浪リベルリー

白浪リベルリー

TEAM風雷Bow

萬劇場(東京都)

2023/06/28 (水) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

持田千妃来さん出演。

殺陣にかなり力が入った舞台でした。演者さんたちのプロフィールを見ると納得です。「殺陣のお化け」という言葉を耳にはさみましたが、そんな経歴の方々がたくさんいました。

ボクラ団義の花崎那奈さんは「re-call」で拝見してましたが、その他ほとんどの演者さんは初見でした。自分的には新鮮でした。

持田さんの本格的な殺陣は久しぶりでしたね。去年の「失創セブンスプレイ」や「リリーフ・ライト・ガン 」もアクションはありましたが。これほどなのは2020年の「ハイドクナイフ」以来かな。ますます切れ味に磨きがかかって、良かったです。

しかし、斬られ役のアンサンブルの4人の方(西山さん、北原さん、平瀬堂さん、石澤さん)の登場回数の多いこと多いこと。「よく見る顔だね」というセリフを入れたくなったのも分かります。

ところで、パンフなどで「RIVELRY」と書いてあるのですが、英語の辞書を引いても見つからず。「RIVALRY」であれば競争とか対立とか、「REVELRY」であれば飲み騒ぎといった意味。なるほど、わざとですね。

ネタバレBOX

終演後に面会があったので、お話をうかがうことができました。セリフに「かねうちや」というのがあったのですが、ハクとナミの兄妹が剣術に長けているのは、金打屋として刀を扱っていたから、という設定があるそうです。
聞きなれない言葉でしたが、調べてみると「鍛冶」は「かねうち」から変化した言葉という説があるようです。なるほど。

キンカが弟のアグに詰め寄りながら、片手間に何人も斬るシーンがありました。
斬ったり斬られたりは、殺し合いです。命のやりとりをする場面です。我々観客がそれをみてすごいと思えるためには、真剣さが重要だと思います。たとえ物理的にありえないとしても、ありそうに見えることも大事だと思います。
キンカのそのシーン。個人的見解としては、残念でした。すごい殺陣だということが打ち消されてしまいました。
朝劇「恋の遠心力」

朝劇「恋の遠心力」

朝プロダクション

NOS Bar&Dining 恵比寿(東京都)

2015/08/19 (水) ~ 2024/12/31 (火)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

河村唯さんゲスト出演。2022.1.10

あすか:真綾
大隈:大野清志
さくら:馬場史子
神代:船戸慎士
ダイチ:森谷勇太
伊吹:野村龍一

ヒロインのアンドロイド「あすか」役はこれまで八木麻衣子さん、森田涼花さん、関谷真由さんの3パターン観劇してました。今回は真綾さん。初めて拝見しました。歴代と遜色なし、独自の色も出してらっしゃって、素晴らしかったです。

朝劇西新宿では入口のドア、シャッターを閉めることが演出になってました。地球に到着するとそれが開きます。会場の「GLASS DANCE西新宿」ならではの演出でした。

そもそも西新宿ではレストランの客席の間がステージでした。時に目の前に演者さんがいらっしゃる、とても近くてスリリングなものでした。

コロナ禍になり、いろいろ制約ができてしまったのは残念です。会場を変えたのはそのあたりの事情があったものと思います。

しかしながらこの「NOS恵比寿」も素敵な会場です。いずれここで、客席を走り回る本来の恋の遠心力を見たいです。

ゲスト出演の河村唯さんはアフタートークにも参加。「浅草DOG DAYS」など、他の朝劇についての話も楽しかったです。野村さんの「天才劇団バカバッカ」の話題では、小泉瑠美さん出演の「ファミリー・ウォーズ」の裏話もありました。そんなことがあったんだ、と。貴重なお話でした。

野村さんは長くやって年齢を重ねると、自分よりずっと若いあすかに「好きだ!」というのが変な感じになってきた、というようなことをおっしゃってました。あすか役の真綾さんは2001年生まれ。なるほど。

『亡国ニ祈ル天ハ、アラセラレルカ』

『亡国ニ祈ル天ハ、アラセラレルカ』

E-Stage Topia

ザ・ポケット(東京都)

2022/03/09 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

麻衣愛さん出演。
麻衣愛さんはTVレポーター「おきまさこ」役。パンフレットでは「沖正子」なのですが、SNSで出ている情報を総合すると、どうやら「興正子」が正しいようです。台本は持ってないですが、きっと「興」と書かれているのでしょう。

沢田美佳さんが望月海羽さんから改名された方だと知らず、気づきませんでした。この8か月後に観劇した「黄泉の国でも愛してる」でも気づかず、その終演後に知ってびっくりしました。「家族と呼ばないで」「朧雲」「宇宙SORA」などでとても印象的だった方なのに。遠目だったので許してください。

チャレンジングな脚本だと思いました。「この物語はファンタジーだ!私達に直面した、リアリティあるファンタジーでなくてはならない!」とあります。なるほど。冒頭でそれを叫んだのは榎あづささんだったかな。うーん、もう一度見たくなりました。DVDまだ売ってますかね。。。

ネタバレBOX

最後の皇族である女性が結婚するときのドタバタを描いたもの。政治的なドタバタですね。
現行法制のままだと、皇族がゼロになってしまうのです。そのあたりに対してはとくに意見ありませんが、確かにその状況になったらいろいろドタバタするでしょう。このお話のように、物理的なドタバタがあるかも知れません。

皇族女性の婚約者が唯一の男性キャストでした。オタクというのが良かったです。庶民的な話にして、感情移入しやすいものになったかと。「筋トレマン」でしたね、佐藤信也さんピッタリでした。

冒頭のシーンはずいぶんと長かったですね。舞台の6年前に発表があった「おことば」のほぼ全文を表現したかったという意図は分かります。たくさんの人が左右に歩きながらそれを暗唱する。間を持たすための苦肉の策にも見えましたが、迫力があって良かったと思います。役者さんほぼ全員参加していたのかな。よく記憶できたなあ、と感心しました。

そういえばこれは再演なんですね。初演は2017年ということは「おことば」の翌年。当時はホットな話題だったことでしょう。
夕凪の街 桜の国

夕凪の街 桜の国

“STRAYDOG”

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2023/09/01 (金) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

森田涼花さん出演。
観劇できることは当たり前ではない。あらためて思いました。

東京公演の初日。先着100名のおたふくソースをゲットしました。余談ですが、広島のお好み焼きは名古屋に似ているので好きです。

かつてSTRAYDOGさんには森田さんだけでなく、たくさんのアイドリング!!!メンバーが出演してました。
「へなちょこヴィーナス」「女の子ものがたり」「問題のない私たち」「ぼくんち」「ゴジラ」。河村唯、野元愛、酒井瞳、小泉瑠美、外岡えりか、長野せりな、伊藤祐奈。
2014年「心は孤独なアトム」に森田さんが出演してからパタッとなくなり、今回なんと9年ぶりでした。個人的には待ちわびていたので、やっと出てくれた、という思いです。

森田さんとモト冬樹さんは2012年「あるジーさんに線香を」で共演しました。当時の劇中での会話、森田さんのセリフ「遊びだったわけね」。子供だと思っていた森田さんが、大人になったのだと実感した瞬間でした。それから11年も経ったとは驚きです。

平野翠(みどり)役の倉河奈央さんは5月の「トンネルに咲く花」でヒロインを熱演されていたのが印象的でした。

ミュージカルではないですが、たくさんの歌が。なかでも中原和宏さんの歌は最高でした。

ストーリーの感想を書きたいのですが、自分なんかが何を書いても薄っぺらくなりそうで。そういう意味でも難しい。

いろいろ思い出しました。子供のころ学校で「にんげんをかえせ」というドキュメンタリー映画を見ました。図書館にあった「はだしのゲン」を読みました。広島に行ったとき、当時は入れた原爆ドームの中から空を見あげました。大人になってからも一度、原爆ドームを柵ごしに。原爆資料館の展示とともに、今も目に焼き付いています。

そのとき行った広島市民球場。当時弱かったカープですが、熱気はすごかったです。ウチも見習ってほしいものです。

広島ではないですが、東京にある第五福竜丸の展示施設に何度か行きました。原水爆実験により世界中で深刻な被曝が発生していることを知ることができます。夢の島にある無料施設です。お近くの方はぜひどうぞ。

ネタバレBOX

序盤で兄弟の姓が異なることが疑問で、既婚?とか、「平野」と「ミナミ」は別人?とか、余計なことを考えていました。じきに分かるのですが。初めて見る役者さんを遠目から見ているので、そうなってしまいましたね。
マッチングアプリ:アップルボム

マッチングアプリ:アップルボム

爆走おとな小学生

シアターサンモール(東京都)

2023/07/26 (水) ~ 2023/07/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

森田涼花さん出演。
朗読劇出演は12年ぶりと思います。その「ドッカンぐらぐら」は惜しくも見てないのです。2011.1.28の2公演だけでしたね。その日は隣でやってた「へなちょこヴィーナス」を観劇してました。

今回朗読劇とはいえ動きのあるもので、舞台の上下も含めて立ち位置の移動がたくさんありました。シアターサンモールの舞台はけっこう広いので止まっててはもったいないですよね。

オムニバスで、3部構成。森田さんは1部の主演「キャサリン」。いつもながら、実年齢は嘘でしょと思わざるをえない演技です。先日の「女の一生」では19歳、今回はさらに若い役です。

2部の木戸衣吹さんは「GOD’S AND DEATH」でヒロインを演じた方ですね。声優さんということは知ってましたが、さすがの実力ですね。

ネタバレBOX

森田さんは1部のみ。マッチングアプリで「キャサリン」という外国人になりきってやり取りする日本人の役でした。本名は「森田す・・」とのこと。

3部終わった後のオチは。1部のキャサリンは刃傷沙汰を起こす。2部の人たちは墜落して死亡。3部もまだマシですがバッドエンドです。

この結末をどう評価すればよいか困りました。あの笑いと涙はなんだったんだ、という感じです。もし2回観劇したとしたら、どんな気持ちで2回目を見たことでしょう。

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