mistaの観てきた!クチコミ一覧

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ミカエル

ミカエル

MCR

駅前劇場(東京都)

2016/12/09 (金) ~ 2016/12/13 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/10 (土)

面白くて笑えるのに心臓の下のみぞおちの奥あたりをギュッと掴まれるお芝居。
男たちはガキっぽくてその場のノリで生きている感じで、女たちは計算高くて容赦なくて優しく乾いてる感じで、そういった本性剥き出しで交わす会話に心地よく吸い込まれていく楽しい時間
ズレた人にちゃんとツッコんで、意見もぶつけて会話を成立させるから、見ていて胸がつかえずにおかしな人達を笑えるし、ノリや酷い有様も受け入れられる。
とにかく会話劇としての脚本が上手くて、発せられる言葉が素晴らしい。
見せたい自分と、見られたい自分と、求められている自分と、何もしない自分。誰かのためってことと、自分のためってこと。記憶を失って「0」の位置になれば、どれが本当の自分で正しい自分かわかるかも。男である自分には結構刺さった

キネマとコント

キネマとコント

順風男女

OFF OFFシアター(東京都)

2016/12/08 (木) ~ 2016/12/12 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/10 (土)

新宿コントレックスで気になった劇団だったので初めて本公演を観に行った。
映画を題材にしたコントがたくさん。馬鹿馬鹿しくてくだらなくて最高だった。役者のキャラや素を折り込んだコントやバラエティ企画っぽいものとか、頭を空っぽにして、手をバシバシ叩いて、ゲラゲラ笑えた
「五月のユリ」での伊藤さんの実写化っぷりとか、「ホラー映画4DX」での匁山さんの独壇場とか、「シャイニングさん」の予想通りなのに予想以上に笑える足立さんなどとにかく飛び道具の威力が凄かった

美しく燃える夜/美しく群れる夜

美しく燃える夜/美しく群れる夜

女女計画

シアターブラッツ(東京都)

2016/12/24 (土) ~ 2016/12/27 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/12/25 (日)

ガールズエディションである「美しく燃える夜」の方を観劇
個性の度が過ぎた登場人物たちに、主役兼ツッコミ役のナツミ(熊谷さん)が振り回される前半部と、劇中劇を通して物語を完成させていく後半
小劇場系のネタとか劇中劇とかについては好みが分かれるかと思うが自分は好きな展開だった。
残念だったのはとにかく舞台が見づらかった。客席の作り方とか配置とかもう少しどうにかして欲しかった。

車窓から、世界の

車窓から、世界の

iaku

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/12/14 (水) ~ 2016/12/19 (月)公演終了

満足度★★★

重厚な会話と軽妙なツッコミ
電車に飛び込んだ3人のJCのお別れ会に向かう人達が駅のホームで会話を交わし、浮かび上がる事情や主題。登場人物は皆はっきりとした立ち位置を持っていて、話題が変われば良くも見えたり悪くも見えたり。重い言葉と軽妙なツッコミのバランスが良い。
自分が自分で考える限り主観的な見かたは消せないわけで。ただ、主観を他人の物語や現実ではないところに移してしまうことが唯一の救いの人もいる。登場人物のキャラをわかりやすくしたことで論理的な会話が噛み合っていたけど、そのぶん収束して一つになることが難しくなっていたように感じた

ネタバレBOX

あんだけ神妙な真面目なキャラに仕立て上げといて、JC(女子中学生)を日本青年会議所と真顔で説明されたときの威力ときたら
Dressing/Dressing UP【本日いずれも当日券あります!13時U、16時U、19時D

Dressing/Dressing UP【本日いずれも当日券あります!13時U、16時U、19時D

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/12/08 (木) ~ 2016/12/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

熱血青春スポ根ガールズバー物語
両方見ましたが、とにかく面白かった。
一応、片方だけ観ても楽しめるとは思うが、一応「Dressing」→「Dressing UP」の準で観たほうが隅々まで楽しめると思います。

自分は女の子ではないけど、これまでの人生で出会ってきた女の子や、見てきた女の子達がたしかにそこにいました。
現実感がありすぎて、初めて舞台上の登場人物に心を奪われてしまったくらい。
ガールズバーでの物語だけど、とにかく熱くて、個性的で、青春していて、見ているこっちまで熱が伝わってくる舞台でした。
話のベースがコメディチックなので笑えながらも、そこに真っ直ぐな熱さを混ぜられるとギャップで思わずジーンとしてしまった。
特にUPに出てくる能澤佑佳さんが素晴らしかったです。
とにかく好きな作品です

ネタバレBOX

~注意事項~
・川島さんの猛獣のような勢いに思わず、喰われるのではないかと腰を引いてしまいますが、客席までは熱さだけしか届かないので安全です
・葱は飛び散り方が日によって違います。客席直前まで飛んで来ることもあります
・その直後にフライパンによる鐘が鳴ります。右側のきいちゃんに気を取られているとふいを付かれて凄いびっくりします
・カップ麺の匂いは、家に帰ってからも脳内再生されます
「突風!道玄坂歌合戦」

「突風!道玄坂歌合戦」

劇団プレステージ

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/20 (火)公演終了

満足度★★★

歌合戦シリーズ第2弾
劇団プレステージとヨーロッパ企画のコラボでミュージカルコメディ
ヨーロッパ企画なので安心して観られる
紅一点の藤谷理子さんが歌も踊りも全てのスペックが高くて素晴らしい
執事のハラダとか、チーズのコンテンポラリーとか、面白い要素も盛り沢山

15 Minutes Made Volume15

15 Minutes Made Volume15

Mrs.fictions

王子小劇場(東京都)

2016/11/26 (土) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

大収穫
こういった色んな劇団が参加する企画は、ショーケース的意味合いが強いかと思う。その際に、観て面白かった劇団が一つでもあれば、観客的にも企画的にも大成功だと思うのだが、今回のこの公演は、6団体どれも面白く、本公演を観たいと思う劇団ばかりで大収穫だった。

シュレディンガーの家と哲学的な家族たち

シュレディンガーの家と哲学的な家族たち

The Park

APOCシアター(東京都)

2016/12/02 (金) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

書きたくなることがたくさん
劇場や舞台装置、役者が観客席側に居る演出や、ワークショップ的で演劇療法てきでもあるストーリーなど、観客=観測者となるような、まさに劇場自体が猫の入った箱となっていた

観て、色々考えたり、書きたくなることが沢山有る芝居は好きだし、良い芝居だと思う。ちょっと、演劇内で思ったことを言われすぎた感もあったけど、とにかく良い芝居だった

クロノスコープ少女

クロノスコープ少女

劇団ミックスドッグス

サブテレニアン(東京都)

2016/11/30 (水) ~ 2016/12/06 (火)公演終了

満足度★★★

あと一歩
映画やコミックのようなカット割りと速いテンポで進む演出は、他の劇団も演っていることも多いが割りと観せ方は上手かった
ストーリーもわりかし、しっかり。
客席挟んでの舞台装置は、右側と左側で入れ替わり立ち替わり物語が進行するので、テニスの試合を観ているようで首が疲れた。演出効果よりも見づらさが勝ってしまっていた
また、主演や一部の役者さんの演技はしっかりしていたが、全体的に結構ばらつきがあって、間近で演技を見られる舞台だけに粗が目立ってしまっていた
脚本的には笑いどころが結構あるのだと思うのだけど、笑いを取るのも間とか空気感が必要で、なかなか客が声を出して笑うまで至らなかった
やりたいことはわかるし、エネルギーも感じたので、可能性は感じた

ネタバレBOX

拳銃が出てくるのは、ちょっと安易に感じた
ゆっくり回る菊池

ゆっくり回る菊池

僕たちが好きだった川村紗也

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/11/22 (火) ~ 2016/11/27 (日)公演終了

満足度★★★★

純粋に面白がるべき作品
人の表と裏を主軸に、無限階段的な舞台装置やクラインの壺などの小道具、意味ありげな設定や登場人物の行動など、裏読みや深読みできそうな要素は満載だが、この作品は単純に不条理でナンセンスな喜劇として観るのが正解なんだと思った。
枝元さんを始めとした濃ゆいキャラ達を笑い、意味不明な行動を笑い、身も蓋もない台詞を笑うだけで十分面白かった
情報量の多さと、ツッコミの追いつかないテンポと展開にはクロムっぽさを感じた。

ふでをならう

ふでをならう

劇団子供鉅人

新宿眼科画廊(東京都)

2016/11/25 (金) ~ 2016/11/30 (水)公演終了

満足度★★★★

バランスの良いお芝居
劇団子供鉅人の団員でもある山西竜矢さん作・演出のユニット
子供鉅人は色彩派手派手しいイメージの演劇だが、新宿眼科画廊スペース地下でのこの劇は、なにもない真っ白な舞台に白基調の衣装を着た演者という組み合わせで真逆の様相
劇は、書道教室の先生である主人公が色の無い現実から、脳内で彩りをかけた軽快な半現実世界へ足を踏み入れ、破滅していく様子を描く

破滅願望というのは自分にも少なからずあるものだし、今現在の自分を客観的に冷静に見れる人は少ない。主人公の彩りのある世界に憧れる気持ちはわかるし、何かを自分で望むことよりも誰かに望まれることのほうが心が救われるのは確かだと思う。
しかし、自分で色をつけて鮮やかになった世界と、本当に目の前にある現実との世界のギャップは、カラーテレビに慣れたら白黒テレビに戻れないのと一緒で、絶望的に不可逆的なものだ
しかし、本当は白黒に見える世界にも、目を背けなければそこに救いは有ったのだ。

役者、脚本、劇場、客層、舞台、全てがバランス良くマッチした良いお芝居でした
森本華さんのキレッキレっぷりは必見

新宿コントレックスVol.15

新宿コントレックスVol.15

Aga-risk Entertainment

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/11/22 (火) ~ 2016/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

今年一番笑った
アガリスクファンの自分だが、電動夏子安置システムは公演やDVD観ており、中野劇団は観劇三昧の動画で観ただけ、順風男女は完全初見の状態。
MCの斉藤コータさんが会場を温めつつも、各団体のファンが多いので、元から会場はだいぶ温まっている感じ
トップバッターの中野劇団から最後のアガリスクまで、爆笑に次ぐ爆笑で、2時間笑いっぱなしだった。笑いの量で言えば、今年一番のイベント。各劇団、持ち味が出ていて、それぞれ雰囲気や笑わせる手法が全然違うのに全て高レベルでとにかく素晴らしかった

ネタバレBOX

中野劇団は「誘拐」
家にやってきた借金取りに対応する妻と夫が、なんとかやり過ごそうとアレコレする、フォーマットとしてはシチュエーションコメディ。
しかし、借金取りが嘘を見破ることができるという能力を持っていることで、普通であれば「嘘をついたり」「誤魔化したり」するシチュエーションコメディの基本的な事ができなくなっており、この構造が笑いの構造に深みを与えていて素晴らしかった。

順風男女はショートコント集
ここはとにかく飛び道具が卑怯なまでの破壊力。ライザップの人は会場中に強烈なインパクトを残していたし、平野さんの女装も出てきた時に普通に吹き出してしまったレベル。とにかく隅から隅まで笑わせようとする心意気が伝わってきた

電動夏子安置システムは「Layerman」
2つのフリの芝居を見せたあとで、それを重ねて一つの空間で見せることにより起こる変に噛み合った会話などで笑わせる仕組みの芝居。
こういった仕組みの芝居やコント自体は目新しくはないのだけど、この劇団の凄いところは、道井さんとなしお成さんという、タイプの違った強烈な個性の役者をいじり役として投入できるところ(今回居なかったけど、渡辺美弥子さんというさらに強烈な人もいるし)
重ねられたレイヤーの上を歩いてツッコんで叫ぶ二人がとにかく面白い

アガリスクエンターテイメント「ハイベン」
給食センターで、就業中のハイベンが禁止されたらという、現実に会った事案をモチーフにした劇。押し付けられた不条理な要求に対して、皆で考えながら、時にぶつかり時に結託して、一つの答えを出していくという大枠では「ナイゲン」的なものを持っていながらも、話の半分が大便だったり小便だったりするので真面目に語れば語るほど馬鹿馬鹿しく見えてくるのが愉快
沈さんが監査的だったり、熊谷さんが原理主義的なセリフを言ったり、ナイゲン+紅白旗合戦的なファンサービスもふんだんに有って嬉しかった。
いつのまにか結構な人数になった劇団員+矢吹ジャンプさんで、短い時間ということもあり一人1キャラ的な設定。この時間でこのキャラと展開とラストを上手くまとめた富坂さんは流石と言える。
榎並さんを単なる可愛い子じゃなくて、ある意味クズっぽい感じを出してくれたのは、当て書きが上手い演出家ならでは。
夕闇、山を越える

夕闇、山を越える

JACROW

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/11/20 (日) ~ 2016/11/26 (土)公演終了

満足度★★★★

もっと観たい
初見の劇団。
非常に短い期間の田中角栄をお座敷を舞台に描いた作品。しかし、岸信介、福田赳夫、大平正芳、佐藤栄作、池田勇人と昭和の化物たちが代わる代わる座敷に登場し、しっかりとそのキャラクターを発揮。
魅力的な人物を描くという点では成功していたと思う
ちょっと食べたりなさが残ったのは確か

はたらくおとこ

はたらくおとこ

阿佐ヶ谷スパイダース

本多劇場(東京都)

2016/11/03 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★

次から次へと
劇も劇団も初見。
まともな人物が誰一人出てこない劇は数あれど、よくもまぁこんなにたくさんそこかしこに人間関係やらトラブルやらバラ撒いて、それでいて面白くてちゃんと収拾していっているものだと感心。140分飽きる暇がなくあっという間だった
最後は観ているこちらもえづいてしまいそうな時間がちょっと長かったけど、全体的に見れば伏線の回収やキャラクターもしっかりしていて楽しい公演だった

こい!ここぞといふとき~男色道中膝栗毛~

こい!ここぞといふとき~男色道中膝栗毛~

ポップンマッシュルームチキン野郎

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/11/17 (木) ~ 2016/11/21 (月)公演終了

満足度★★★★

しっかりふざけている
開演の1時間前から、劇場では男色バーが開店して飲食販売。オカマ姿の団員たちが席誘導などする光景が。PMC野郎は開演までの時間も楽しめるのが凄く良い。
劇の内容は、愛する人たちを探しに行くロードムービー。だけどPMCが演るんだから当然ふざけて、かき混ぜて笑いっぱなしの内容。
メチャメチャなようでいて、演技や筋がしっかりしているので遊んでもスレスレを攻めても安心して面白がれる部分があるのかと。
PMC野郎は毎回、差別や偏見、キワキワのネタを織り交ぜてくるのだけど、本公演はそのギリギリのラインコントロールが上手く行っていたように思えた。
ある漫才師が言っていたが、ギリギリのネタに対して、客がひくかひかないかは結構バラバラではない、ある程度の社会常識というか、その社会の良識的な部分があって、そのラインを超えたらちゃんとひいてくれるというある意味の信頼感があるという。
今回のようなバランスで、観客を信頼して遊びまくって欲しいと思った

ネタバレBOX

コメディ系の演劇で人情系であったり、しっかり芯のある物語を作る事がPMC野郎はしっかりと巧いなと。
自分の感情や意見を人に強制すると一気に冷めてしまうが、あくまで自分の心情や気持ちを行動にしたり、絞り溢れるように吐露することで表すことで十分人に伝わるのと思うし、一人語りとかが異物になるかどうかはここらへんの差の気がする
稚拙で猥雑な本能寺の変

稚拙で猥雑な本能寺の変

雀組ホエールズ

「劇」小劇場(東京都)

2016/11/09 (水) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

満足度★★★

小劇場的大衆演劇
この劇団を観るのは初めて。
しっかり、こってりした前説で一笑い。常連も多いのか、会場の雰囲気は温かい感じで、小劇場的大衆演劇と言った感じ
内容は、タイムスリップした二人組が歴史的事件に絡んでドタバタするコメディー
途中途中でふざけてボケて、猥雑でくだらない面白さは◯
ただ、主人公が大河ドラマの女主人公のように、現代的価値観で善悪を感情で訴えるという部分がちょっと目立ちすぎて好みではなかった。
全編をふざけてコメディでやり通してもらった方が個人的には好きだけど、多分こういう人情あり、お笑い有りの配合のほうが好みの人も確実にいそうだし、劇団ごとに求められるものが違うのだろうと思う

ネタバレBOX

タイムスリップものや、大河ドラマの女主人公にありがちだけど、戦国の世で現代的な価値観をその時代の人間に押し付けようとする事がどうも肌に合わない。
演劇なのだから、家族愛とか普遍的なものだとしても、台詞で相手に訴えかけなくても、行動とか掛け合いとか、観る人が受け取って自分の解釈で胸に落とせるようにして欲しい。
言葉で感情的に直接的に押し付けるというのは、観客側としては信頼されていないと思ってしまう
Short cuts 2

Short cuts 2

劇団ガソリーナ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/11/08 (火) ~ 2016/11/12 (土)公演終了

満足度★★

作品ごとの質にばらつき
A公演で6話、B公演で5話の短編集
そこそこ面白い話もあれば、あまり響かない話もあって、ちょっとそれぞれの差が大きかった。
劇の受け止め方は人それぞれなので、色々感想はあるかもしれないが、短編集とはいえども共通したテーマとか、芯になるものがあると観る方も救われるかなと。
あと、登場人物が自分の感情や意見を長々と台詞で説明する話が多めで、そういったことを登場人物間の関係性とか、舞台上の事象とか、演技としての表現で見せるのが演劇の醍醐味だと思っているので、特に短編だと心情の吐露が長めに感じてしまうので、ちょっと冷めてしまった。

出演していた役者さん達は魅力的な人達が多く、アフタートークは凄い面白かった

治天ノ君【次回公演は来年5月!】

治天ノ君【次回公演は来年5月!】

劇団チョコレートケーキ

シアタートラム(東京都)

2016/10/27 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

護りたい笑顔がそこにあった
明治、大正、昭和という3つの時代、3人の天皇がそれぞれ自らのありようを示し、その使命を全うしようとする
生まれ持って背負わされたものが、その国の歴史や文化、国民の想いというような、例え自分の資質と異なっていても捨てることも逃げ出すこともできない種類のものだったら。
とにかくそういう状況の中で、それでも自分なりに模索し、切り拓き、自分自身を心から身体から全てをぶつけて、その器の上に乗せていく大正帝。
笑顔が素敵で、慕わしくて護りたいと思わせる人物造形で、苦難に有っていく状況では観ているこちらも苦しくて悔しくて哀しくて。
この劇の土台としてあるのは、登場人物それぞれが折り目正しい所作と台詞で厳格なる空気感を作り上げている部分。そしてその上でそれぞれの信念や感情や想いが、はっきりとした輪郭の登場人物を作り上げていく
重厚な感情や想いをぶつけられ、観てるこちらも感情を揺さぶられずにはいられなかった
天皇が題材ではあるが、けして政治的な考えを押し付けては来ない、観た人が考えてくれという。歴史を知っているがゆえに、正しくも思えたり、間違っているようにも思えたり。

ホテル・ミラクル4

ホテル・ミラクル4

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/10/28 (金) ~ 2016/11/07 (月)公演終了

満足度★★★★

それぞれ個性的な作品4つ。面白かった!
ラブホテルの一室を舞台にした短編集。シリーズ4作目だが、自分はこれが初見
前説代わりのちょっとしたお芝居が楽しい。feblabo恒例のオープニングアクトも有り。
劇場が歌舞伎町ラブホ街の片隅というところで、ここでやるべき演劇というものもあるなぁと
一組も普通の男女関係のカップルは出てこず、それぞれの関係性は最初明かされないが
その関係性を軸に絶妙な按配の会話のやり取りで、近づいたり離れたり躊躇ったり、心地よく巻き込まれることが出来た
ラブホという空間で女性と二人というのは、男にとって単純に一つの気持ちだけを抱えることは難しいところ。
男性側の気持ちは凄いわかるところがあったので、女子側の意見も聞いてみたい思った
役者さんで言うと、川島佳帆里さんの歌い狂う肉食系アラフォー女子が印象的
浅見臣樹さんの独特な雰囲気もいそうでいないようでちょっといる感じで惹き込まれた
4つの短編はテンポや雰囲気、男女間の抱える問題、それぞれで飽きずに楽しめた

ネタバレBOX

「メキシコ」
明らかに女性慣れしていない男性を演じる富田庸平さんの葛藤や逡巡の表情が良かった。
謝ることや、本当を知ってどうするか、など短いながらもフリとオチがちゃんと効いていて
物語として見やすくわかりやすく良い構成

「楽しい家族計画」
浅見さんの独特の雰囲気と温井さんの真っ直ぐにズレたうえに滲み出る自意識感が混ざりあって、一番笑った

「後戻り出来ない女」
コント的なストーリーなんだけど、川島さんの野獣感が凄くて、本当に竹内さんが喰われてしまうのではと思う勢い
歌い狂う肉食系アラフォー女子の画が頭から離れない

「クリーブランド」
4つの中では一つ空気感が異なる作品。リアルな会話とか間とか、ぽつりぽつりと伝わる女の想いとか、
群青色の世界にたゆたうアイコスの煙とか。
音の無い世界が似合う二人の距離感と関係性。あえてエアコンを消してまでして作りたかった世界は納得ではあった
(おかげで会場内が暑くてみんなうだってしまったが)
自分のラブホテル感はこの作品が一番しっくりくる。ラブホテルはやっぱり切ないものだよ
大垣さんが好みの役者のタイプというのもあるが、そこに男と女がいるんだけど、男女を感じさせない雰囲気とか空気感があって、添い寝している時のリアルな会話とか、観劇における個人の経験や思い出が感情を揺り動かす時のハマリ具合なのかな


好きだったところ追加、温井さんの全然そそられないドヤ顔セクシーポーズ、大垣さんの喋り方と雰囲気、福富さんの相手を「キミ」っていう呼び方、富田さんの目の泳ぎ方
Shoe Cage

Shoe Cage

電動夏子安置システム

OFF OFFシアター(東京都)

2016/10/20 (木) ~ 2016/10/24 (月)公演終了

満足度★★★★

パワフルな女優陣に圧倒された
この劇団は初めて観劇
限定された状況や、その場での制約・設定事項に縛られた台詞による笑いや、勘違い、すれ違いネタなど、シチュエーションコメディ味がするショートストーリーを連なった物語
開演前にやってしまう後説やお願い、演者の客席誘導など会場の雰囲気や常連さんと想われる人達の雰囲気が柔らかく良い感じだった
アンジャッシュがやるようなすれ違いコントは演者が3人以上になるとやはり、頭が追いつかないというか拾いきれないところが出てくる。しかし、なしお成さんや渡辺美弥子さんといったパワフルなコメディエンヌ達に圧倒され惹き込まれた。なしお成さんは特に舞台をあちこち動き回って、気持ちも動きまくって、半端ない存在感
監視社会を背景として、それに反抗する人々の思想なども出てくるけど、舞台上はあくまでコメディであることを貫いており、変にこちらが訝しんだり肩肘張る必要もなく終始笑っていられた

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