mistaの観てきた!クチコミ一覧

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ステダマ

ステダマ

劇団ミックスドッグス

APOCシアター(東京都)

2017/11/29 (水) ~ 2017/12/06 (水)公演終了

満足度★★★

話はしっかりしているし、フリオチも効いてる、キャラも盛り沢山だし、設定も面白い。でも惜しい、なんか本当に惜しい
この作品に色々言いたくなるのは、まったくつまらないわけではなく、何か可能性を感じられるからだと思う
親子の登場人物の年齢差が見た目で全く感じられなかったり(せめて白髪を混じらせるとかして欲しかった)、付喪神という空想感の高いキャラたちの台詞の言い回しに統一感がなかったり
主人公が決意する動機が丁寧に描かれていなかったり、細かい部分が抜けていて全体の印象が悪くなっている感じがした
また、それぞれの登場人物の動機が伝わってこないので話を進めるだけの役柄設定に見えてしまうのが一番マイナスに感じた部分かもしれない
役者さんそれぞれで観ると皆良いのだけど、それぞれが組み合わさった時に統一感が感じられなかった
作品の方向性とかやりたいこととか観せたいものは凄い伝わってくるだけに本当に惜しいなと思った

ギジレン歌劇団

ギジレン歌劇団

guizillen

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2017/11/29 (水) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★★

村の学芸会的なものをベースにしてるので、自由にひたすら頭のイカれてる全力の悪ふざけが超絶大連鎖
わけのわからない光景も最後の方は疑問にも思わなくなる麻痺感を味わった
ずっと笑っててどこが面白かったかおぼろげだが、片腹さんの芹沢が一番ツボに来たのは確か
劇中では様々な歌があったけど、ユーミルの人と石井田さんだけが普通に歌が上手かった
こういった種類の劇で聞く歌でも上手いほうが確実に面白いし聞いてて楽しい
あと印象に残ったのは藤波さんの正しい無駄使いと、安曇さんの猫(みくにさん)をいじめる時のイカれた眼

ホテル・ミラクル5

ホテル・ミラクル5

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/12/01 (金) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

ラブホテルを舞台にした4つの短編集
今回の4人の脚本家さんは、全員過去に作品を観たこと有る人達だったんだけど、いかにもな味を出していたり、ちょっと変化球で来たりと全体としてのしたり感。小劇場界指折りの実力者の脚本と魅力的な役者が揃った公演

「ミラクル戦隊」
価値観の相違や理論と行動など、思考という盤上で踊る男と女という構図なんだけど、非日常な設定や矮小なリアルさと相まって、なんか笑える会話と男のどうしようもなさで溢れる板の上。目の前の感触に思考はぶっ飛ぶし、隠したままでは経験にならないという当たり前のような結果もつながってみなければわからない
「クロースチーム」
劇中の脚本家設定とかホテルを舞台にした作品とかしりとりの話とかホテミラファンとしてくすぐられるし、そういった構造も含めて狐につままれるような作品。熊子さんの印象付けしづらい雰囲気が作品の展開に上手く作用していてやられた感じ
「やっちゃん×チャーコ+ミズオ」
いやもうね無茶苦茶なんだけど面白い。関係性が絡んだ心理劇かと思えば、ストレートの殴り合いだったり、触れ合いのリアルだったり痛みの虚構だったりふっ飛ばされた。久保さんってこんな面白い演技ができる人なんだと知った
「きゅうじっぷんさんまんえん」
今回の4本の中でも特にお気に入り。可愛い女の子2人にこんな不器用な人格対話をさせるなんて屋代さんは本当に変態だと思う
屋代さんの脚本では何故か風俗嬢を演ることになる大田さんはキョドってるネガティブキャラが異様にしっくりきていて素晴らしかった

「ハムレット(ウエストポーチ着用Ver.)」

「ハムレット(ウエストポーチ着用Ver.)」

劇団「地蔵中毒」

アトリエファンファーレ東池袋(東京都)

2017/11/25 (土) ~ 2017/11/26 (日)公演終了

満足度★★★★

ちゃんとハムレットをモチーフにしてて驚いた
話の流れもそうだし、ネズミや毒とかハムレットの素材がきちんと織り込まれたうえで、一瞬たりともハムレットではないという素晴らしさ
いっぱい笑ったのに何で笑ったのか全く覚えていない白昼夢的な作品
地蔵中毒世界ではそこに出てくるおかしい人や行動を誰も否定しないしツッコまない
でも無機質なシュールさは微塵もなく、むしろ優しい世界
観客はなんかそういった部分に甘えて寄りかかって、意識低い系人間に戻って笑えているのかも

君が決めてよ明日のことは

君が決めてよ明日のことは

Moratorium Pants(モラパン)

SHIBAURA HOUSE(東京都)

2017/11/14 (火) ~ 2017/11/19 (日)公演終了

満足度★★★★

ARTONのに続き完全版も観に行った
広くなった舞台を存分に活用し、追加されたシーンもより良い作品になるピースを埋めるものでこれを観られて本当に良かった
ひかり役の篠原さんの表情が綺麗で美しかった

新宿コントレックスVol.18

新宿コントレックスVol.18

Aga-risk Entertainment

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/11/17 (金) ~ 2017/11/18 (土)公演終了

満足度★★★★

毎回思うけど、コントレックスのただ面白いコントを観て笑える多幸感
・GRahAMBoxは、杉崎さんのキャラ&テンションが塗りたくられたコントで、なんというかシアターミラクル感のある面白さ
・ThE 2VS2は、あまり見かけないタイプの作品で動作の面白さが印象に残った。はちゃめちゃなんだけどスタイリッシュ
・かわいいコンビニ店員飯田さんは、漫才といっていいテンポとかけあい。観ていて前後左右を忘れてしまう感覚に引き込まれた
・アガリクスは、沈さんがひたすらツッコむというシンプルだけど最大限に面白い作品と、動画では何回も観ているあの作品。淺越さんのボケボケが新鮮
エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)は矢吹×前田組だったんだけど、前田さんのローズが似合いすぎ。シチュエーションコメディを使ったコメディを矢吹さんが演るという、なんかカルフォルニアロールを銀座の寿司職人が握るような愉快さ

安吾二篇

安吾二篇

劇団肋骨蜜柑同好会

新宿眼科画廊(東京都)

2017/11/10 (金) ~ 2017/11/13 (月)公演終了

満足度★★★★

「散る日本」
観戦記が基にある、動作と描写の芝居
描かれる棋士も人物も、作者の依代であって、きっとそこに人間性は無くて
ただそこに美しさとか滑稽さを勝手に感じ取れる観客という自分の不思議
石の並びに表情を読み解くのと似てる

「白痴」
るんげさんが欲情的で扇情的でエロかった
美しいものにも醜いものにも呪いのような苦しみを感じる作品で、主人公にとっても僕たちにとっても、世間や世界は手の届く矮小なものでしかなくて
ややぼんやりと世界に布団を被せたくなった

エンれぱ!Vol.2

エンれぱ!Vol.2

しむじゃっく

あさくさ劇亭(東京都)

2017/11/10 (金) ~ 2017/11/12 (日)公演終了

満足度★★★★

テイストの異なる3本はそれぞれ気軽に笑えて、掌に納まる感じの安心感で観られた
「恥」は太宰治作品の現代風咀嚼版。役者さんみんな芸が細かい。便利な言葉で言えば平野さんはチャーミング。てか、ぬけ感のある雰囲気が役柄に合ってた
表情豊さんの「ファンシーゲリラ」は、会社にこいつらいるいるの嵐。そこからの無意識の手管感を出す後輩が面白すぎた
「LiePhone4s」はやっぱり面白い。鎌田さんはさすがにこの作品を良くわかってるなという感じの張り方。北城さんの電話のかける声マネが緩くて逆に面白かった
トラブルが重なる典型的なシチュエーションコメディなんだけど、上手くまとまってる脚本だとあらためて感心

墓掘り人と無駄骨

墓掘り人と無駄骨

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2017/11/08 (水) ~ 2017/11/13 (月)公演終了

満足度★★★★★

どこ見ても怪優だらけの舞台上。あの情景を観せたいがために積み上げられ、論じられてくシーン
佐藤有里子さんをあんな綺麗に見せられちゃ、そりゃこっちの負けですよ
今回は、ズレた精神の会話を笑うというより、純な気持ちに笑われた感じ
知っていること、知らないこと、知ろうとすること、それぞれの人物が知ることに対して立ち向かい、
舞台上に浮かび上がったその光景は僕も知っているはずの光景だった
演劇が人の心から何かえぐり出し形にするものであるのなら、MCRこそがそのど真ん中なのだなと

『青いポスト』/『崩れる』

『青いポスト』/『崩れる』

アマヤドリ

王子小劇場(東京都)

2017/11/04 (土) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★

物語上に落とされた一つのシステムによって作り上げられた世界観、舞台上で交差する役者の台詞と動き、正に小劇場作品の王道というスタイル
自分も他人も傷つける言葉でコミュニケーションをとる登場人物たちが無力な自らの正しさを語る。人物の軸がちょっと浮いた物語

アレルギー/日曜日よりの使者

アレルギー/日曜日よりの使者

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/11/02 (木) ~ 2017/11/04 (土)公演終了

満足度★★★★★

アレルギーがとにかく面白かった。二人の呼吸が絶妙でその掛け合いに凄い笑った
本来害のないものに拒絶反応を示してしまうアレルギー、その拒絶は作り出したものなのか、言い訳なのか
対人関係を笑いながら考えさせられる良作
手話通訳として米内山さんも舞台上にいたんだけど。手話は手の動きだけじゃなく表情とかも伴うので、二人の間に立つ米内山さんが「ほらこの人こう言ってるよ、あんたどうなの?」とか見える時があって面白かった。「エヘッ」の手話は覚えた!

くれなずめ

くれなずめ

ゴジゲン

駅前劇場(東京都)

2017/10/19 (木) ~ 2017/10/29 (日)公演終了

満足度★★★★

同時に幾つもの可能性の世界が重なる舞台上のストリーム
昔馴染みのノリ、結婚式や高校の文化祭の出し物のような、主観でなければいけない、俯瞰してはいけないノリ
そんなノリを続けて大事な人が生き続ける物語
人が頭の中で思い出す記憶が、一番身近な虚構の物語

とりかえこ

とりかえこ

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2017/10/26 (木) ~ 2017/10/31 (火)公演終了

満足度★★★

IT用語に例えられる現象の説明がこの時代に演るホラーとして面白い
まぁホラーというより暗闇と感情を利用したSFかも
ヒステリックな体質で感情の共感がしにくい主人公と、現象によって解決する(していない)心のすれ違いが趣向

Maria

Maria

牡丹茶房

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2017/10/20 (金) ~ 2017/10/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

僕たちが過ごす日常でさえ、こんなにも面倒くさくて複雑で時々面白かったりするのに、
虚構の世界で作品で自らを投影したり、面白さを追い求め内なる世界を表現しようとしたりする、
作家という生き物の強欲で罪深くて哀しい物語。それが汚くて綺麗で、嫌悪して愛おしかった
登場人物それぞれのエゴでラッピングされた物語で、純粋に好きだけじゃ満たされない、与えるだけでも満たされない、
誰かに自分自身の生存証明をしてもらいたい物語
「特別」が身に降り掛かって、特別な景色を見られる場所に立てたとしても、光がなければそこから何も見えない
悲しいとかじゃなく、自分自身にもあるエゴや立場や人に対する感情を揺さぶられて、久々に涙腺を刺激された作品
もう一度観たいと思わされたし、登場人物の感情や台詞を反芻して、しばらく口の中でもぐもぐしたい作品だった

浅見さんの使い方がわかってるなぁという配役だった

JOE MEEK

JOE MEEK

ピストンズ

王子小劇場(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/23 (月)公演終了

満足度★★★

ホール公演が似合いそうな骨太な作品。ロックンロールと一人の男に光を当て、転がる石のようなその人生が描かれる
主人公の栄光と転落をみせる場合は、その主人公を魅力的にみせる必要があると思うんだけど、序盤中盤であまり魅力的にみせることが出来ておらず、結果ただ転落していくところを見せられても、、、、という気分になってしまった
また、主人公が明らかに精神をやられてしまうと、こういった人生を綴った物語はその時点で物語でなくなってしまう

荒ぶる主人公に気持ちを乗せるというより、一人称として観ず、物語のBGMとして終わりに向かっていく物語のビートを感じるのがこの作品の正解かな

「7UP」「順風ジャンボ」

「7UP」「順風ジャンボ」

順風男女

OFF OFFシアター(東京都)

2017/10/14 (土) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

順風男女のコントは球種的にはストレートが主体なんだけど、豪速球がズバンッと決まった時の馬鹿笑い感は笑い殺される感じ。
7UPはベストコント集だったんだけど、パワーで押してくるタイプのコントが好きだった。「Tomorrow」が最高だった
順風ジャンボはもうひたすらゲラゲラ笑ってしまった
ベスト集よりさらに面白い新作公演とか凄いなぁ
緑川さんのイケメンを余すこと無く使ってたり、役者さんの使い方が絶妙
陳兄妹、プリズンボーイズが特にお気に入り
今回も今井さんが控えめに言って最強に面白かった

ベチャロンドン

ベチャロンドン

くによし組

中野スタジオあくとれ(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★★

得体の知れない面白さだった。役者から出るえぐ味が舞台を柔らかく煮詰めていて、何が起きても丸かじりで口に入れ、あるがままに笑ってしまった。
自分を決めて作り出すものは、自分なのか他者なのか。劇場の魔物が空気を支配してパラパラを踊っているような作品
とにかく役者さんたちのアクが良い意味で半端なかった

しあわせの砂時計

しあわせの砂時計

とろろ企画

サブテレニアン(東京都)

2017/10/14 (土) ~ 2017/10/15 (日)公演終了

満足度★★★

漫画のアニメ化が良くも悪くもなるように、本が演劇という形で立体化した時に演技や演出によって、特別じゃないものが特別になったり、
そのまま平らな物語になったりする。3本の短編は総じて文字よりも感情を隆起させるものだった。世にも奇妙な物語って感じ
女性同士の百合がテーマの作品集だが、舞台上には女子が居て、女の子が居て、ただ人が居て、ヘテロの僕から見ても別に普通の感情、
普通の行為がそこに示されているだけ。一捻りした部分の可笑しみが作品の本質で、文庫の短編小説集のような軽やかな味わいが残った

第25次笑の内閣『名誉男性鈴子』

第25次笑の内閣『名誉男性鈴子』

笑の内閣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2017/10/12 (木) ~ 2017/10/16 (月)公演終了

満足度★★★

コメディかと思ったら悲喜劇だった。
扱う題材や作演の経歴から、思想的に偏ってみられそうだけど、作品に通る筋は完全にネット世論などに普遍する現代常識のど真ん中な考え方。
吐く言葉全てがSNSでは炎上案件になりうる主人公を嗤い、それを作り上げる社会を嗤う
ポリコレが社会に浸透し棒を振るうくらいになっている現代社会。
村社会という土壌でそれに逆行する主人公の滑稽さよりも、言葉として吐かれるヘイトな空気が笑いよりも重くなっててちょっとモヤッとが残ったかな。
それにしても作演の高間さんの雰囲気が凄い好き
僕の年代で東京で観た、この作品の主人公の頭はおかしいんだけど、現実では地方であったり年配の方とかは主人公の骨格を全てではなくとも
局所に持っていて、その比率とか考えると滑稽な喜劇じゃなくて、
やっぱり終末感漂う悲劇だよなと、まぁそれをひっくるめて笑うのか

Short Cuts 5

Short Cuts 5

劇団ガソリーナ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/10/11 (水) ~ 2017/10/15 (日)公演終了

満足度★★★★

B公演を観劇。ShortCutsシリーズは気を張らずに楽しめる短編集で、心が凄い楽に観られる観劇生活の中のマッサージチェア的存在。
今回のは、これまでの中では一番気軽に笑える作品が多かった気がする。下ネタでも下品にならないのは何気に凄いな
「焼き肉へ行こう2」は佐瀬さんの異次元感が爆発。二宮さんとの掛け合いの不思議な間とふわふわ感からのパワー系朗読が一種の感動を覚えた。「ごめんね」は残間さんのキャラがハマって面白かった。

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