砂利塚アンリミテッド
ホチキス
駅前劇場(東京都)
2015/05/08 (金) ~ 2015/05/12 (火)公演終了
満足度★★★★★
ほろほろ・・・。
初演は観ていない為、どのような物語か、わからないまま観劇。
観終って、「米山さんのホンは、あたたかいな。やさしいな。」とじんわりする。
きっと、演じる俳優の皆様もそう感じて演じてるから更に伝わってくる。
しかも、演じる方々が、パワーある人が多い!!こんなにも、色んなタイプの、
良いバランスで俳優さんがいる劇団ってある意味珍しいのではないだろうか。
男優陣、女優陣、どちらも素敵な人が多い。
米山さんの台詞って、リアルで耳に入ってくるスピードよりも少し遅れてから、
脳に、心に、響く台詞が多いと私は思ってる。
だから、聞きながらというよりも少しタイムラグで「ぐわ」って、
涙腺を攻撃してくる。
今回、お母さん役の小玉さん、お父さん役の加藤さん。
ああ、こんな夫婦居たら、いいな~って。
でも、居そうかも。温和なお父さん、でも、頼りがいのある。
ひょうきんで、パワフルな、愛情沢山のお母さん。
ホチキスの芝居は、笑っちゃうんだけど、キャラ勝ってしまうんだけど、
「ほろり」って、してしまう。ああ、楽しい時間を過ごせてよかったなと、
思える劇団です
客演に虚構の劇団小野川晶さんが出演。
チケット購入後に客演発表があって、
それも、思わず嬉しい発表だった。
双子の姉妹の死んだ姉が憑依する役で
2人の人格を演じていたのだが、とても、可愛く、晶ちゃんらしくって
良かった。
ウェディングドレスも、素敵でした。
ホチキスだと、隠れたキーパーソン的な役が多い齋藤陽介さん。今回も
そのような役柄で、素敵だったな。
すこし、シャープな印象になった気も。
もっと超越した所へ。
月刊「根本宗子」
ザ・スズナリ(東京都)
2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
おもしろい
面白い。初見だった月刊「根本宗子」。虚構の劇団に客演されたのは拝見したことがあったが、ホンは初めて。俯瞰で物事をとらえる事が出来る方ではないかなと思った。観劇しながら、徐々にでも、一方通行ではない感情の持たせ方。
上手いな~って。いい意味で遊んでるし、「時代」って、くくってしまうのも何か違う気持ちもあるが、90分。飽きさせない上手さにびっくりした。
私は、観ながら自分の中で漫画のようにコマ割りをしながら
各自の台詞を吹き出しの中でみるようなそんな感覚で観ていました。
だから、普段演劇を観ない人もくるのかな~って思いました。
同時進行の物語を整理しながら観ていた。
客観的に観ながらも、「あれ?これって私にもあり得るし、やってしまう感情だな」
と色々もやもや・・。
ある人とこの芝居に関してやりとりしていて
思ったのが
10代には10代の悩み20代、30代・・・。それぞれの悩み。
だから、それぞれ共感する層が居るので
同年代の悩みを同年代が感じ取ればよいと思うし、
20代の悩みを10代の子が「よく、分からないけど、なんか考えちゃう」
と思う事もいいし。
10代の悩みを60代が分析するのもいいし。
ふと、自分が観てきた芝居のまた違うエリアの芝居のあり方なのかもと
思った。
今回は小沢道成さんの出演って事もあり、観劇に伺った。よい、座組でした。
初見の梨木さんが素敵でした。ついつい、眼で追ってしまった。
花園Z
20歳の国
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2015/05/21 (木) ~ 2015/05/31 (日)公演終了
満足度★★★
「花園Z」不良ver
20歳の国革新公演「花園Z」不良ver@すみだパークスタジオ倉観劇初演は未見。
2verがある今公演。新たな不良ver。
率直な感想は、男同志の独特な「言葉を交わさず、伝わる感覚、気持ち」余白を、汲み取る感覚なのか。少し、もやもやした感じだが、岡野康弘さんの表情が素敵だった。
個人的に「物語」を追うような気持ちで観てると 多分違う芝居ではないかと。
むしろ、あえて、話さず、煙草の煙がひとつの台詞ではないのか・・。途中、舞台下手で待機している
岡野さんの表情から視線を外せなかった
七人のふたり
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2015/05/22 (金) ~ 2015/06/02 (火)公演終了
満足度★★★★
色んなシグナル
個人的に舞台上のyasuskiさんの演奏から、暗転、芝居が始まる目に見えない、なんというか、溜めて、溜めて、空気が噴射し始めるオープニングが好き。
今回は、ちょっと、怖いような、オカシイ様な、人によっては「?」って
なるような感じだった。
劇団の方以外の今回の出演の方々、埋もれる事のない個々の「カラー」を強く感じた。吉田電話さんは、今回初めて観させて頂いた方ですが、好きかも。ふり幅が広そうな感じ。
語らず、伝わる。
色んなシグナルは舞台上に沢山転がってる。
人によって、そのシグナルに共鳴するか、見過ごすか、色々だが、クロムモリブデンは、脳みその右側をずるっと撫でていく芝居だと思ってる。
森下さんの尻尾がキュート。
化かされてるのかもしれないと、観ながら、思う。
でも、視線がいつもながら、見透かされているような気持ちになる。
今回は物凄く高い位置から 神様が人間観察してるような気持ちになった芝居と自分は思う。
ある意味神様(脚本)の冷ややか視線の先に 色んな光景が切り取られて、
目の前の舞台に 現れた感じ。
今の時代だからなのか共通のツール(動画サイト・スマホ依存症・自殺・安易な理由の殺人など)それらが、ある意味無機質(合ってない表現かも) で表現されてるから逆に怖いし、滑稽だし、 裏側と思わせて実は表だったり。
他者からみて「いやだな」と思う事が、本当は誰しも持っている感情や考えだったりすると、「いやだな」と思う行動をしているのはかなり、快感なのではないかと。ストレスレスな生活だ。あんなに本性で生きる事が出来るなら。
みんなの宅配便
EPOCH MAN〈エポックマン〉
明大前KID AILACK ART HALL 5F ギャラリー(東京都)
2015/06/27 (土) ~ 2015/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
エール
色んな意味での息苦しさ、きもち悪さを感じた。
どうしても桐子さん(小沢道成さん)がフューチャーされがちだが、
観て、「この対比だから、面白いし、気持ち悪いんだな」
どうして、気持ち悪いのだろう?
ああ、目の前の桐子さんは、芝居を観ている観客の私の認めたくないところをみせてるからなんだと。
それは、他にもきっと、感じている。
男も、女も、他者との関わり合い方を感じてる。
途中、泣きそうになった。
あまりにも、いたたまれない気持ちになったので。
でも、泣かなかった。
劇中の佐竹さんが光りを投げかけてくれたから。
そうか、小沢君のホンは「光」をいつも、感じるんだなと、川本さんで感じた。
佐竹さん(川本ナオトさん)がタダの良いヒトでは無くて、
なにか、観ながら、
なんだろうって考えたら
「ああ、佐竹さんは『希望』とか、『理性』『未来』みたいな感じ?『願望』、『妄想』、もしかすると、実際には実像としては存在してない桐子さん(小沢道成さん)の「念」みたいなものなんじゃないかなって。
ホラー的なモノでは勿論ないのだけど、
妄想を重ねる事で立ち続けてきて、
でも、きっと、佐竹さんのような事を言ってくれる人を期待してやっと、
妄想やら、ネガティブな想いやら、断ち切れるようになったんではないかと、
想像させてくれるラスト。
エールを送る後姿。額縁の様な窓枠には、
外の風景ではなく桐子本人が映し出されている鏡が本当はあったのかも。
優しさだけではない
観たひとが
あの窓枠に向って叫ぶ桐子に自分を重ねて
「まえに」進むことを
そっとエールを送られるような感じになる芝居だったのかなと。
年齢や
性別や
環境や
千差万別だけど
芝居が持つ
「伝える力」を強く感じた芝居だった。
今回2バージョンで俳優が異なる芝居だったが
小角まやさんの芝居を観る事が
どうしても出来なかったことが悔やまれる。
15 Minutes Made Volume12
Mrs.fictions
王子小劇場(東京都)
2015/07/08 (水) ~ 2015/07/14 (火)公演終了
満足度★★★★★
楽しかった
今回初めてこの企画を観劇。
とても、Mrs.fictionsの今村さんの趣旨が素敵。
劇団名は聞いたことがあっても
全ての劇団を観にいく事はなかなか、難しい。
6団体も、一気に観る事が出来るなんて、本当にありがたい企画。
今回は
第27班
20歳の国
The end of company ジエン社
シンクロ少女
MU
Mrs.fictions
私、参加の劇団の公演は
ほとんど今まで観たことが無い新参者状態です。
Mrs.fictions 『ミセスフィクションズの祭りの準備』
ぞわっと、色んな意味でぞわっとした。
まだ、ほとんど公演を観たとは言えない回数のMrs.fictions。
でも、この話が少し毛色が違うモノなのかな?と感じた。
岡野さんの優しさオーラが消されていて
舞台上で感じられなかった。
なにか、シャットアウトしてる人の役なのだからかもしれないが
眼の中に見えているはずの「優しさ」オーラが見えなかった。
「辛い」「悲しい」「寂しい」ってオーラが強く出ていた気がする。
芝居だから、演技だからきっと、その登場人物の心象がそうだったのだろうと。
そうして、今村さんの台詞が、逆に物凄く「温かさ」を携えて、
岡野さんへ向けられていた。
最後は、「あ!」とも、「どき!」とも思った。
少し、解釈が違うかもしれないが
届かない恋心も、胸に痛かった。
触れたいけど、触れられない。
でも、傍にいることが出来ればそれだけでいいって、気持ち。
20歳の国『消えないで、ミラーボール』
一瞬、どっち?と思わせる背中越しの4人の男子。
通夜で参列?
結婚式?
どうやら、結婚式だったようで、何故か勝手にホッとする。
(通夜だと、居たたまれなくなる=悲しい気持ちになり過ぎる)
みんな、彼女(マネージャー)の事が好きだったのか。
そうか、そうか、青春だな。
どうも、母親的視点で観てしまう。
あんな甘酸っぱい青春時代で無かったから、どこかで
俯瞰で観てしまってるのかもしれない。
ひとまず、globeの唄が暫し、頭から離れなかった。
MU『HNG』
「エロの瞬発力、半端ない!!」
面白かった。
ある意味、ホンとしてすぱっと、他者の心の拠り所にまったくそぐわない
芝居だからあり得る面白さって感じで好きでした。
エロに対しての取り締まるっていうポイントが
何となく他人の事にとやかく言ってる今の時代に
かぶってるような気もした。
出演者皆さん上手いのですが、個人的に
加藤隆浩 さん。お声も素敵だけど、良かった。あの表情。
なんか、びしって芝居は締まる感じというか、芯が通る空気感の俳優さんだった。
第27班『夏の灯り』
20歳の国の青春とは、また少し違った
甘酸っぱい感じ。
でも、迂闊にもラストにほろっと来てしまった。
三つ子の役をしていた俳優さんが、丁度いいクッションになる役割で
良かった。
The end of company ジエン社『私たちの考えた墓に入る日の前日のこと』
一番、考えた劇団。
というか、色んな伏線というか、本意が上手く
汲み取りにくかった。
考えるというよりも、感じ、それを少し時間をかけて
自分のフィルターでこして
残った感情がこの劇団さんと合うか、合わないかで
分れるな~と思った。
私は機会があれば、本公演を観たいかな。
シンクロ少女『性的人間 あるいは(鞭がもたらす予期せぬ奇跡)』
最初「?」だったのが、ぐいぐい、来ました!
引き込み方が、物凄くパワーがあって、好きなタイプです。
でも、この引き込み方は
ある程度俳優の力がないと、シラケた感じになるのでシンクロ少女さんは
上手い俳優さんが多いのかな?と思った。
下敷きになる映画は観てないのだが
それなしでも、笑った。
今回観劇して
何だか、久々、嬉しい気分。
色んな雑念を持たず、ただ、観る芝居が、面白かった日は宝。
気持ちの宝物が増える感じ。
来月も同じ王子小劇場でVol・13が開催。
そちらも楽しみ。
15 Minutes Made Volume13
Mrs.fictions
王子小劇場(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/25 (火)公演終了
満足度★★★★★
次が待ち遠しい
個人的には何故だか、穏やかに観たような気持ち。
勿論、各劇団、パワーがあり、胸騒いだのだが、7月に観て、
この「15 Minutes Made Volume13」という企画自体への信頼度、安心度
がかなり高くなっての穏やかさだったのかと。
「アナログスイッチ」
作品名:停電の夜に魔が差して
作・演出:佐藤慎哉
出演:藤木陽一、木幡雄太、秋本雄基、廣野喬介、雨宮沙月(以上アナログスイッチ)、 佐々木紬
照明がついているときが停電で暗闇になっているという設定。
見えているけど、見えてない行動の面白さ、「なにか、いるぞ?あやしいぞ?」と思うけど
目視出来ないもどかしさ。
観ながら、「くす」と笑えてしまった。
「タイタニックゴジラ」
作品名:ベンチ
作・演出:高木健
出演:岡本唯(時々自動)、小野寺ずる(ロ字ック)、木村圭介、堀田創(ECHOES)、吉田壮辰 / 山田一彰、高木健(以上、タイタニックゴジラ)
一見、高校球児に見えない高校球児。
一年生に見えない一年生。
結構、力技的にラスト、落としていった感じがあります。
「Straw & Berry」
作品名:ブルーベリー
作・演出:河西裕介
出演:岩崎緑、村木雄、佐賀モトキ、上田祐揮
ちょっと、泣きました。
いや、泣くという表現が適切かどうかですが、
心に最初、切りこまれた傷が段々しくしく痛くなり
切なくなり、泣いた。
元々のホンを15分という時間に納めるという事で
台詞のそぎ落とし方が
良かったと感じました。本当は、もっと、バックボーンを描きたかったと思うのですが、
あの15分の中にどの言葉で観客に想像させるか、
感じさせるかを考え抜いての芝居だったかと思う。
とても良い空気感でした。
性別での伝わり方(誰に心を置き、感じるか)が違うような気がしました。
「ポップンマッシュルームチキン野郎」
作品名:近すぎて遠い
作・演出:吹原幸太
出演:野口オリジナル、小岩崎小恵、横尾下下、サイショモンドダスト★、加藤慎吾、増田赤カブト(以上、ポップンマッシュルームチキン野郎)
ラストで「なるほど」と
すっきりしたホン。
多重人格者を好きになってしまった、医師。
彼が起こした事は、確かに間違ってるかも。
でも・・・。って、思ってしまう。
「DULL-COLORED POP」
作品名:全肯定少女ゆめあ
作・演出:谷賢一
出演:東谷英人、大原研二、塚越健一、中村梨那、堀奈津美、百花亜希(以上、DULL-COLORED POP)、一色洋平、近藤崇之、楡井華津稀、深沢未来、渡邊りょう(悪い芝居)
ダルカラード・ポップは、少し、以前の「河童」を想い出しました。
フィクションの中を遊ぶ、飛ぶ、走る、でもそこにはノンフィクションが漂う。
みんなが頭の隅っこで感じるノンフィクション。
でも、言わない。
大人は言わない。言いたいけど、言わない。
だから、「ゆめあ」が言うのか。そんなこと、観ながら、思う。
「ゆめあ」が救えるのか?
15分の疾走感、凄かった。
ダルカラード・ポップのお芝居を観ると、楽しい思いと苦しい思いが湧き上がる。
ビターなお酒と甘いフルーツジュースが、最初はグラスで分離してるけど
観ている内に混じり合うカクテルになっていく感じ。
「Mrs.fictions」
作品名:ミセスフィクションズの祭りのあと
作・演出:中嶋康太
出演:岡野康弘(Mrs.fictions)、浅利ねこ、小見美幸(青年座映画放送)、佑木つぐみ<火遊び>
前回の数年後なのかと?花火大会の夜。ママは、あの後、想っていたのかな。
ミケのこと、呆れながらも、少し羨ましいなと。
理由など無いけど、誰か好きなヒトが居たり、
一緒に居ることが出来るのってふわふわして素敵な気持ちなのよねって。
自分は
あんなに素直に感情表せないが、みんな、どっかでそんなのも、
いいなって思ってるんじゃないかと。
起こってる事柄は結構やばめ(売上金持って失踪)だけど、
ママの対応が物凄く素敵。あんなママがいるbar素敵。
火薬のニオイ。
オバQのお面。
想い出すのは・・・・。
中嶋さんの書かれるホンは、まだ少ししか、拝見していないが
本当に良い、波長。
晩夏の王子小劇場。
素敵な時間でした。
ハワイ
INUTOKUSHI
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2015/08/18 (火) ~ 2015/08/26 (水)公演終了
満足度★★★★
すきだよ!
好きだよ。って思いました。
また、モラルさん、新たなステージ登場させたなって感じがして。
でも、きっと、次、もう一回は違うかもって。
これは、通過点の「ハワイ」なんだって、観ながら思いました。
いつもみてるお客さんも
初めて観た人も、「ハワイ」を楽しんだと思う。
私は、楽しんだ。
あの小屋に、色んなモノ、詰め込んだ公演。
笑ったり、どきんとしたりい、懐かしいキャラクターに再会したり(ちと、違う)
唾、ばんばん飛んできたり面白かったから、OKじゃないか?と思った。
そして、板倉さんが今回もまた、ズルい。 ウドン、ダメだよね。ジュノン(ボーイ)、ダメだよね。
でも、あの板倉さんのうどんから
やっと、呼吸が楽なったというか、息がすえた感じがした。
物販が小屋の関係上ロビーがなく、終演後の舞台で開催。
少し、買いに行くのが恥ずかしかったが、負けないで
エロビアンナイトDVD買いました。
劇場が初めて行った新宿ゴールデン街劇場 。
最後列の客席後ろ扉が開いて、ヤシの木搬入はちょっと、笑った。
あれをやる為に、まさか、あの小屋を選んだのだろうか??謎?
くろねこちゃんとベージュねこちゃん
DULL-COLORED POP
王子スタジオ1(東京都)
2015/08/26 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★
嘘でもいいよ
大原さんが凄い良かった。
観終わったら、よしこさんをぎゅって抱きしめてあげたくなった。
よしこさんを大原さんが演るのは、物凄く意味があるんだと、感じた。
芝居の伝わり方が大きく変わると思った。
よしこ=母親=女優ではない。
そこに、より、大原さんの身体を通したよしこさんの台詞がどしどし、
伝わる感じがした気がする。
観れて、良かったと思う。
観ながら
「嘘」でもいいよって思った。
本当に。
愚かだと思われても、いいよって。
今回、稽古場見学でシーン毎を観させて貰ったのだが、
あの開演前から段々と芝居と流れていく今回の公演は、
俳優さん方の力があるからだなと思った。
「虚構」だけど、その「虚構」へのスイッチの入れどころがあえて
今回は難易度が高い!!でも、この芝居はそれを飛び越しちゃっている。
もう、皆さんが良い!!
だから、観に行く事を物凄くお薦めです。
個人的にぐっときた所お父さんから息子に箇条書きで約束を読み上げる時
「健康に気をつける」が2項目あった点が稽古で
観た時にすでに泣きそうになったポイント。
このシーンの塚越さんがとても好き。
二匹の猫ちゃんと、お嫁さん。
稽古時からの引き出しの多さにびっくりした百花さん、中村さん。
稽古の時より表現がいい意味で観易くすっきりした感じになっていた。
堀さんは、あの感じの役柄がほんとに上手!
100匹ねこちゃん企画も参加したかったけど、諸事情で
Tシャツは購入したんですが
お写真は諦めた・・。
深沢さんは、稽古からぐんと、良くなっている印象が強かった。
自信というか、「こう演じる」というものが明確になった強さを娘としての芝居に感じました。
渡邊さんは、お洋服のたたみ方がとてもお上手でたまたま、
自分の席が端だったのでいわゆるそで位置に居てもきちんと「高梨」さんだったです。
東谷さんは、一番、良い人だったのかな。勝手をしてたけど、いい加減だけど、よしこさんを救ってくれたかな
ホーボーズ・ソング HOBO'S SONG〜スナフキンの手紙Neo〜
虚構の劇団
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/08/25 (火) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
新作
新作。数十年前から、考えると、
「鴻上さんの伝え方が優しくなったな」と観ながら、感じた。
「もっと、知ってごらん、見てごらん、考えてごらん・・・」って。
教科書は開かないけど、芝居を観て、
「どういうこと?それは、なに?」って、
観た色んな人が、紐解いていくきっかけになる様なホンだった気がした。
自分が若い頃の
芝居で、よく、鴻上さんが描いていた「ここではないどこで、あなたではない誰かと」
どこか、違う空気の、違う世界の話であったことが、
段々、それは、リアルな生活になってきた。
原発も、戦争も。
だから、若い頃の私が「お話」だと思っていたのが、「お話」では、無くなって来ている。
だから、今回の話が、怖く感じる人が多いんだと思う。
昔は、投げつけられた鴻上さんの台詞が、
今は、物凄く平易に、解りやすく伝えようとしてる演出じゃないかなって感じた。平和な何でもない恋人のシーンと、内戦の日本、
真裏に私たちも同じようなこと、起こりうる。
知ってるけど、それは「自分」とは関係ないからって、
思うのが、もう、危ないよって。
じゃあ、どうしよ?って思うのがこの芝居を観て、
調べたり、考えたり、ってなる事になったら、良いなと思う。
シーン、シーン、色々、感想があるけど、まだ、各地の公演もあるので
もう少し、あとで・・・。
客演のお二人を軸に、様々に絡んでくる虚構の劇団の俳優の面々。
観ていて、森田ひかりさんが、良かった。
毎回、一つずつ、力をつけていると感じている女優さん。
一生懸命さだけでは、ダメだという事がわかったような
何か、自分の武器を身につけての芝居だった気がする。
杉浦君も、蝙蝠の様な面白さを今回は感じた。かなり、押さえた芝居で良かった。
渡辺芳博さんは、今回、息をつかせてくれる大事な役割だったと感じた。
勿論、今までの公演を観た事のある方は、「お!」と思う所もあるのだが、
位置づけが、渡辺さんだからこそのあのまわしかただったのだと思った。
深海大戦争
パラドックス定数
上野ストアハウス(東京都)
2015/09/08 (火) ~ 2015/09/13 (日)公演終了
満足度★★★★
深く、深く、深い場所の事
深く、深く、深い場所の事のようだけど、
物凄く、私のすぐ隣に起こり得る悲しい、
怖い、絶対に、起こってはイケない事に気がつきなさいよって
囁かれたようなホンだった気がする。
ふと、今、表現する人たちは、このように、
「演劇」で提示し、考えなさいよって言ってる気が個人的には感じた。
最初数十分は
台詞が無い。
上野ストアハウスの使い方も面白い。
フラットな状態に、舞台上手に照明が設置。
ハイバックの椅子が数個、並んでいる。
その椅子以外の舞台装置は無い。
陰影が美しい。
椅子が、牢屋になったり、王座になったり、飛行機になったり・・・。
皇帝ペンギンが現れる。
氷山が、語る。
大王イカと、マッコウクジラ、双方が権力を誇示している。
シャチは、マッコウクジラの参謀。
そこは、海の中。
深い、深い、海の中・・。
雛を孵してはイケない。
それを、投げてはイケない。
人間は、賢くもあり愚かな生き物だ。
個人的にこの台詞が印象的だった。
第4幕
氷山がこういいます。
双眼鏡をのぞきながら
「おはなしの続きなどないのです。」
「おはなしの続きは現実なのです。」
鋼鉄の鳥が
核爆弾を懐に抱え、氷山の上空を飛び回る光景が
浮かぶ。
とにかく、俳優陣が上手い。
井上勇希さんの役柄での、品の良さ度数の高さ、
植村宏司さんの達観した演技、
きっと、お声の強さもプラスの魅力かと。
小野ゆたかさんの表現の幅の広さ、素晴らしかった。
俳優の皆さんがほんと、素晴らしかった。
野木さんも、ホントに素敵な方だな・・と。
今度、機会があれば話しかけたいと思う
今回の台本と、公演は未見だが、渡辺芳博さんが以前出演した「戦場晩餐」を購入した。
そして、当日のアンケートもなかなか、面白い項目に・・・。
今回のチケットは、大事に、大事に、持っていますね。
次の深海のご招待がある時まで・・。
すばらしい日だ金がいる
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2015/09/18 (金) ~ 2015/09/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
「太陽」の温かさ
観終った後に、いつものアマヤドリの「風」を感じたが、
更に今回は群舞で「太陽」の温かさ、眩しさを感じた。
ココロの揺れが、いい意味で、暗くならず、私は明るくなった今回の芝居。
途中の私の涙も太陽が乾かしてくれた。
想像していた感じと、いい意味で違った。
最初、「鬱」というキーワードに、 拒否反応を感じていた。
哀しい気持ちになったら嫌だなとか 「喜劇」って言っていて 広田さんの事だからきっと、何回転も違う着地点をみせてくるんではないだろうかとか、色々考えた。
確かに「それ、言っちゃうの?」って思う台詞も 沢山あった。
正直者は、この世界は、生きるのが辛いのかもとも感じ、
でも、生きるしかないから。みんなが色んな事を 抱え込んで、
ぜーぜー言っていても生きるんだなって思ったり。
でも、生きなくてはならない、
ちゃんと、競争に勝たなくてはいけない
金を稼がなくてはいけない、
人ときちんと付き合わなくてはいけない。
そんな事を自分に強いていくうちに
つまずくタイミングで鬱になってしまうこともあるのかなって思った。
舞台の上の人々は 私と同じ。
私もいつ、つまずくか、分らない。 そんな事も、感じさせた。
劇中で「治さないといけない」というキーワードがある。
きっと、当事者ではない私から見ると
「頑張れば、気持ちをしっかりすれば、治るのではないか」と
簡単に考える。
しかし、そうではないということ。
答えは出されてはいない。
あのラストには「ハッピーエンドだった」「アンハッピーエンドだった」と
感想がでたという。
私は、あのラストには、「温かさ」を感じ、「光り」を感じた。
そう、想いたいという気持ちもあるのかもしれない。
でも、私は、光りを感じたい。
何公演か観た中でこのアマヤドリの『すばらしい日だ金がいる』は
違う空気感を感じた。
どの俳優の方も、素敵だった小角まやさん、彼女を観させて貰うと本当に「力」が湧いてくる。
彼女自身も色んな事を思いながら、考えながらといった役を作る上のプロセスが真摯な態度だと想像。
だから観ている人に共有項を感じさせ、パワーを貰える。
普段とは少し、趣の異なる配役だった糸山 和則さん。
しかしながら、やはり、ある場面での、視線。少しぞっとする怖さもある。
今回は「静」の部分を請け負いながらも、じわじわと浸食される演技だった。
善き、配役だと思う。
笠井里美さん。彼女の身体に秘められたエナジーは無限なのかと、驚く。
毎回の公演でも、色んな表情を演じているが、今回の長台詞。
「母」として、彼女のココロが段々吐き出されていく。圧巻だった。
この芝居での渡邉圭介さんが震えた。
勿論、台詞がある時の照明が当たっている時も、ぐんと惹きつけられるのだが、
四角の舞台のふちに、客席に向いて座って台詞の無い時の表情など、
特に目を惹きつけられる場面が多かった。
前回の三部作でも宮崎雄真さんの周りを和ませる空気感が堪らなく好きである。
今回も、パン愛を語る中野智恵梨さんが焦がれるのも納得のコダマ役だった。
本当に出演していたすべての俳優さん達,
素敵だった。
文化祭大作戦
20歳の国
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2015/10/02 (金) ~ 2015/10/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
まさに文化祭
今回2回目の20歳の国。
文化祭の物語と、もうひとつ「演劇」に携わる人が悩み、想う所が見え隠れする話だったようなきがする。
劇中で北大路(岡野康弘さん)が言う台詞。
「好きだから、辞める」この台詞がココロに残る。
楽しく、切ない、時間の中。
色んな見方が出来て、でも、大人の目線で観ても、
リアルな年代の人が観ても、
「きゅん」となってしまう魔法が至る所にちりばめられている。
劇中の劇中「ロミオとジュリエット」
この「文化祭大作戦」の中にも様々な組み合わせの物語がある。
今回、ワタベ(ダルカラード・ポップ東谷英人さん)http://www.dcpop.org/members/azum.html
の劇中でのカッコよさに痺れた。いつもと、感じが違って、かなり、必見だと思う。
物語は
高校の文化祭。
クラスの出し物で高校最後の年に皆で「ロミオとジュリエット」 を行う。
恋愛。
友情。
次へのステップを前に
最後の文化祭。
なにかに一生懸命になる事を公言してしまうのが
恥ずかしいとか、カッコ悪いとか
少し、ある時代なのかも。
でも、きっと、そんな言葉にすると
照れてしまう事。
みんな、通ってきたり、進行形だったりするのかもしれない。
劇中の「ヒナ」(山脇 唯さん)
https://kotobank.jp/word/%E5%B1%B1%E8%84%87%E5%94%AF-1474706が個人的に
愛らしい役柄だった。
ホントは、優しい女の子で、観ていて可愛らしい役だった。
龍之介(斎藤マッチュさん)http://mash-info.com/mash-mania/m_saito.html
は、男気あるというか
きっと、こんな男子がいたらいいなって思いの具現化の様な役柄かなと思った。
前回観させて頂いた「花園Z」不良バージョンはかなりの出演者数だったのですが
今回は比較的個々の役柄のバックボーンも含めて
観客に伝わりやすい構成だったと思う。
個人的にOPダンスの選曲と、文化祭のセットを準備するときの選曲がツボ。
ほんと、「20歳の国」を観た後はカラオケに行って、古い番号の曲を熱唱したくなる。
岡野康弘さんhttp://www.mrsfictions.com/index.html
が、少し可愛らしい役柄で
またもや、心、打ちぬかれてしまった。
今回撮影可能タイムという素敵な企画があったのですが、
私が観た回は「ロミオとジュリエット」中盤から後半にかけて、
ほとんどシャッター音が無くなって、観る事に集中。
一瞬、切れた時に撮影はここまでなのかな?と、私は感じてしまった。
始まりは、きちんと今から!ってわかるのですが、どこまでが撮影OKなの?と終わりが、私は分かりづらかったと思いました。
前回の「花園Z」不良verのDVDを物販で購入。
今回の「文化祭大作戦 」も早く欲しいと思ったり。特に、普段、「ダンス」というイメージが薄い方の渾身のダンスが、今一度観たい。
リボーン・チャンス
カムヰヤッセン
ワテラスコモンホール(東京都)
2015/10/14 (水) ~ 2015/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
「場所」でやることに「意味」
凄くあの「場所」でやることに「意味」が詰まっている公演だと感じた。
「街」
「ヒト」
「建物」
「モノ」
「時代」
「繋がり」
「つづく」
「つながる」
「家族」
「キモチ」
いくつかのキーワードがふわふわと浮島の様に漂うかんじで、
色んなシーンが目の前に繰り広げられた。
昔ながらのコミニティは、段々希薄になっている時代。
でも、きっと、川邊家がある街にはそういったコミニティが
まだ残っているんだろう・・。
住職さんがボタンやさんの子どもがませた言葉を言って走り去るシーン。
地域で子供を育ててるみたいなもの(大意)といった台詞があり、
確かに私が小さなころはそうだったなと思った。
かといって、「昔はよかった」話でいくわけではなかった。
個人的にはなにかの節目を迎える人とかに、
観てほしい芝居だなと感じました。
進むのだけど一回、色んな周りや、自分をもう一度みてみる。
ヤな事もあったし、良い事もあった・・。
ヤな事ばっかだった。
良い事ばっかだった。
人によって尺度は違うけど今一度、立ち止まって見てみる。
そうすると、色々別の事が見える事もあるのかもしれない。
確かに相続に関するどたばたなところではあるのですが
壮大な兄弟ケンカ(語弊があるかもしれませんが)
スッキリ言った方が素直になるじゃないか。
いや、ぶちまけたからきっと、より、近くになったんじゃないかと。
だから、「悪い」事しようとしたけど「悪人」はいないんだなって。
だって、みんなが誰かの為、ナニかの為に、
こうしたらベストだと信じてやってる事だから。
辻さんが語り部的に、上手くいろんな シーンの潤滑油的な位置に
居た気がする。
必要に応じて、語り部となる俳優がいることが
物語をスムーズに進めていくのにはよいのかな?
語り部的な台詞は俯瞰で観る気持ちになるので
一瞬、物語が遠くに行ってしまいそうなきがする。
でも、今公演はそれが感じられなかった。
猫祭りも蚕とネズミと猫の関係性兄弟の関係性?
後半のコロさんの登場からの、ラストへの長台詞。
結構、どきゅんときますよね。
いや、実際私はきました。
まず、コロさんがあの役柄でずるい。
恐らく、狙っての事だと思いますが素敵配役です。
個人的にありがとうございます。
前半からの徐々に後半の長女の事がわかってきて、今回のラストシーン。
外に飛び出すシーン。
先に言った
「凄くあの「場所」でやることに「意味」が詰まっている公演だと感じました。」
これが、物凄く当てはまったラストだと思いました。
今まで、長女も、兄も、弟もそれぞれ、動いていたけどある意味、
本当に前にむかって、動き出したのが分かったシーンだったかも。
そして、暗幕が開かれ、自然光が入ると、物語が終わった合図。
マチネは、
もしかすると夕食の匂いが路地に漂う夕暮れの風景が窓から
見えるのかもしれないし、
ソワレは、明日はどんな日になるかな?と
見上げる星空が見えるのかも。
今回舞台美術も素敵。
そして、照明が素敵だった。
謎の文字・・・。
今回新しいこの建物。ワテラス。
なかなか、素敵な場所でした
従軍中のウィトゲンシュタインが(略)
Théâtre des Annales
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/10/15 (木) ~ 2015/10/27 (火)公演終了
満足度★★★★★
面白かったという語彙はあってるか?
面白かったという語彙はあってるか?
あの空間に、闇の中に、戦場に、自分の身を置けたような気がする。
哲学とは?
いや、わからない。
でも、言葉とは?
小さな子供が遊んでいて、こんな事発見して面白いぜ!!と、
キラキラする感じを観てて思った。
「コトバ」を介して「現実」を切り取る事を発見した昂揚感。
なんか、演劇にも似ているなと観ながら思う。
頭の中の考えは見えない。
それが、
口を介して言葉の音と意味を持って世の中に生まれ出る。
手を介して文字となり、意味を持って世の中に生まれ出る。
面白いおもちゃが生まれ落ちた!!!
観ていて「哲学」って????と思ってい
たが
もっと、違う感じだった。
だから、「面白かった」と思う。
小沢道成さんは、まだ4年程しか、お芝居を観ていないが、
今作は小沢さんが持っている「プラス」の要素が余すことなく抽出されていると感じた。例えるなら「ヒカリ」。
今作の「ヒカリ」の役割。
劇中の彼の言葉が観劇者の「?」を代弁しているように感じた。
笑い、怯え、苦しみ、様々な表情に目を奪われる。
彼の「生」への「希望」が生まれた時、成就してほしいと心で祈った。
榊原 毅 さん初見の俳優さん。
隊長で、絶対強面での少し、可愛い役柄。
(あえて、可愛いといった表現を使います)
人の気持ちを射抜く眼光と、でも、きっと、心根は優しいのかな?と想像。
古河耕史さん。以前虚構の劇団での出演を拝見した事はあった。
今作は、かなりの熱量を感じた。
ただ、吐き出すのではない、静かだが、でも、物凄く熱いものが彼の内側から溢れてくるような芝居だった。
大原研二 さん。最初、観ていて、苦しかった。
強い言葉を、言っているのだけど 弱い、怯えてるような 、
眼では見えない震えてる心が見えた気がして、悲しかった。
物凄く、追い込まれる気持ちになった。
安らかに、天に昇る事が出来たのだろうか・・・。
きっと、そうだったと思いたい。
本折智史さん。初見の方だったが、表裏を(今回は特にそういった役柄だったからかもしれませんが) 演じるのが上手い方だと感じた。口調は変化をつけ易い。この方の眼の切り替え方が凄かった。上手い。
闇のシーンは心拍数上がる。
過呼吸ではないですが、ちょっと、近い感じ。
私は特にそういったシーンで気分が悪くなったりする
症状をもってるわけではないのですが・・。
防空壕とかこういった戦地での恐怖感ってもっとひどいんだろうなと
あのシーンを体験して思った。
でも、あのシーンだから私みたいな人間でも
怖さを感じ取る事ができたのかもと。
舞台上の美術も、照明も、とても、良かった。
前回「柿喰う客」の時、印象的な照明が、今回も同じ方だった。
数回この方の公演を観させて貰ってるが、本当に美しい、そして、情景が浮かび上がってくる。
尽きないが、今作は、色んな歯車が上手くまわり、起こした、人間の、演劇の、素晴らしいモノ。その歯車が一個、違うとまた、違った作品の印象をうけるかと。この組み合わせだからこそ・・・。
配達されたい私たち
T's project
ザ・ポケット(東京都)
2015/10/27 (火) ~ 2015/11/01 (日)公演終了
満足度★★
別物と・・。
原作、ドラマ版をすでに体験してると、少し、戸惑う。
原作を知っていると先に脳内で物語のページをめくってしまう。
いつもの動のイメージの主人公の一色洋平さんが「静」の芝居で、
凄く良かった。
表情が生きる。
普段だったら、身体能力の高い一色洋平さんは、
それを生かして感情を表わすとか多い(勿論、そればっかりではないが)
今回、特に「眼」がきちんと、語り、より、「声」が心に響く。
少しだけ、大人な感じを受けたのは気のせいだろうか。
以前、観た遊戯ヱペチカトランデ 「Mademoiselle Guillotine ~マドモアゼル・ギロティーヌ~」 の時も、かなり、特徴的な印象を受けて、好きな芝居だった。
動かない制約を受けた役柄は
今度も観たいと思えた。
少し、残念な事もあったが、
今ここで言っても、改善は難しいと思うので
書かない。
原作が好きなだけに
残念。
私は、かつてトップ・マラソンランナーだった男と
カメラマンの男の物語が好き。
どの物語も
原作の本を読んで、泣けてしょうがなかったが
この二人の物語は少し他と違って好きだった。
お互い面識は無いけれど、プロとして、自分の仕事に誇りをもって
やがて、その場所から身を引かざるおえない・・。
多くは語らないけど
こういった男のストイックな感情の溢れだす感じが好き。
サヨナラサイキックオーケストラ
ITOH COMPANYプレゼンツ
シアター風姿花伝(東京都)
2015/11/03 (火) ~ 2015/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★
ラストに「未来」があるとしたら・・・・。
ミセスフィクションズでの3年前の公演は観てない為、初見。
スペクタクルな題材なのだが、中嶋さんのホンだと、何となく、違う。
でも、意外とこんな感じになったりするかもなんて、思ったりもした。
少し、伏線が分かり易くしてある。
個人的には、劇中の色んな人々の「帰る場所」の無いという所が切ない。
話が進むと
段々、皆の色んな事が露見してくる。
そのやりとりも、面白いが、でも、
どこか、「本当に滅亡する??」といった感じで
切迫してない。
むしろ、色々、胸の中の溜まっていたモノを吐き出して
前向きにさえ、感じた。
ただ、ラストに「未来」があるとしたら、
リインカーネーションの予感に少し、ほっとする。
登場人物の名前は
きっと誰もが一度は名前を聞いたことのある
不思議な事柄に関係のある人がもじってたり、使われたりしている。
*若い人は知らないかもなという人もいたが*
倉田大輔さんの宜保の役柄が好感が持てた。
きっと、優しい人なんだけど、色々、ねじって来てしまったから
素直じゃないのかもしれない。
でも、ポイント、ポイントで、人を気遣う、役柄。
岩井七世 さん演じるヤオイ。
祭りあげられてる感じはしたのだが、
悪意のある人ではなく、きっと、この人も
きっかけは本当に些細な事なんだろうって。
弟の期待を裏切らないよう、神秘的な偶像を演じてきた。
亀田梨紗さんのユリは、キャラが目立つ役柄であったが、
ある意味真意というか、真面目な人物だろうなと感じた。
ただ、能力が開花したきっかけは辛いけど。
金丸慎太郎さんの稲川は、生い立ちなども含めて確かに言ってしまえば
不幸な役だけど、でも、唯一、岩井七世 さん演じる姉であるヤオイと
いることが幸せだったし、一緒にいきることが出来て良かったんだろうと思えた。
きっと、親戚の家の火事も、稲川の能力(本人は知っているのか、知らないのか
劇中でははっきりさせてないが)が原因だったと思う。
もしかすると、潜在意識的に
姉と二人で、、誰にも邪魔されないで暮らしたいという
思いからの発火能力だったのかもしれない。
今村圭佑さんのカゼッタは、特にあの役なので際立つが、何だか目が離せない感じだった。
きっと、あんな風に心を飛ばして生きてる人がきっと、
今の時代、沢山いるような気がした。
花影香音さんの魔美は、過去に自殺してしまった女の子。
でも、きっと、ラストの勝手な解釈だけど
生まれ変わりがあるとしたら、落合モトキ さん演じる清田くんと和食の朝食を
食べる事が出来るのかな、食べられたらいいなとおもう。
岡野康弘さんの秋山は、もしかすると、屋上に住んでる神様じゃないかなって一瞬思う。
雲の上では無くて、あそこで、人間たちを見ている神様。
劇中で、言った台詞で好きなところがある。
地球が滅亡するのが怖くないかと清田からの問いかけに対して
「でも、カメラのおかげで準備じゃないけど、心構えみたいなのが出来たのは良かったかな。ここ何年かは、画経済的な蓄えの代わりに、記憶の、思い出の蓄えっていうかね。~中略~そういうのを、いちいち最後だと思いながら、じっくり味わえたからね。」
ここで、ほろろ・・ときてしまった。
落合モトキ さん演じる清田くんは、いつも、いつも、無理して
頑張って、でも、最後だから、地球の最後だから
もう、我慢しなくてもいいよねって、気持ちを吐き出したんだよね。
そこまで、溜めなきゃいけない。そうしないと、社会は生きていけない。
沢山、居るよね。
もし、本当に、地球の最後に
自分ならどんな想いを吐き出すんだろうかとも
観終って、考えた。
85分という尺ですが、何とも、良い余韻を残し、幕が終わる芝居でした。
舞台美術が屋上のセットなのですが、 壁感が絶妙に好き。 なんだか、あそこが下界と天界の門の様な気さえした。 うん。素敵だった。
あと、開演前の流していた曲がTHE YELLOW MONKEYや、YOSHII LOVINSONだったのが、個人的に気分があがった。
アフタートーク(11/5)も、急遽、岡野康弘さんも加わり、
楽しいお話を聞かせて頂きました。
NBL大作戦
ゲキバカ
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/11/07 (土) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
盛りだくさん!!!
久々の劇団員勢揃いのキャスティング。
かっきー(柿ノ木タケヲ)さんのホンのぶち抜けた感じを観ながら、楽しく観劇。
やはり、あてがきの妙というか、ホームでの公演なので俳優陣の「イロ」
を抜き出しつつ、客演さんの魅力を引き出しつつ、
かっきーさんも出つつ、といった秋の味覚全部乗せSPパフェのようなホン。
懐かしいというか、お約束の下ネタに変な安心感を感じ、
ご利益あるよねと密かに思いつつ、笑う。
高校生(誰がなんといおうと高校生です。だから、演劇なのです!)
とはっちゃけたGジャン先生、そして、そこに現れる宇宙人達。
宇宙人のプリンセスの姉が地球に不時着、それを探しに送り込まれた
アンドロイド。
そのアンドロイドと高校生の恋、
幼なじみの高校生の甘酸っぱい恋、
先生たちの恋???
Gジャン先生の過去・・・。
伊藤先生のゲスモゲラ・・・。(何気に可愛いと思えてしまった)
更に、更に・・・・
盛りだくさんです。
でも、その盛りだくさんの様々なエピソードが
迷子にならないのがゲキバカの面白さだと思った。
生徒A,生徒B、宇宙人A,宇宙人Bではない。
それぞれが、「物語」を背負って、舞台上で暴れまくる。
そんな2時間半。
今回、鈴木ハルニさんがぐいっと、引っ張ってるなと感じた。
「おぼろ」を映像で観た時、感じたハルニさんのパワーを
今回も感じた。
勿論、ゲキバカメンバー全員が登場している嬉しさもあった。
いつまでも、観ていたいんだけどな。
でも、それは、難しいのかなとも。
ゲキバカの芝居は楽しいんです!
一生懸命、走って、走って、走ってるんです。
だから、観てる方も、追いかけて、追いかけて、
ゲキバカのやる事を観逃さない様に、走るんです。
止まらず、前に向って、走る。
好き嫌いはあります。
俳優だけを観るような芝居では無いんです。
全てを観て、「ゲキバカ」だと思います。
「ウミダ短編演劇集『こりない』/『スモーキン・スモーキン・スモーキン』
劇団ウミダ
APOCシアター(東京都)
2015/11/11 (水) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★
ぐだぐだが心地良いから不思議
ぐだぐだである。
これは、海田さんの夢の中か?
誠実なのか、不真面目なのか?
「現実」と「虚構」のボーダーラインが簡単に引けず、
もやもや、もやもや、
でも、そのもやもや、ぐだぐだが心地良いから不思議。
個人的に好きなホンは、「やらない」。
海田さんが、ダメ過ぎて、好きになってしまう恐ろしいホン。
「かみ」ちゃんは、好きなのかしら?と。
何回生き返らしても、現世でまた、間違いを繰り返して死んでくる男。
天上では、改心するけど戻ると忘れてしまうと言い訳。
そんな事、繰り返して、いい加減にしてほしいと「くち」では言う。
でも、好きなんだ。
何だか、可愛い気持ちを観た。
実生活でも、きっと、海田さんはこんなマジックを使ってると
一人納得。(感想には個人差があります)
ぞわぞわとしたのが越智優介さんの「ふれない」
これは、いくつもの事柄がリンクして、重なり、ねじれ、そして
最後にハジケル。
じわじわと、不気味さを感じた台詞回し。
そして、今公演の俳優陣の力は恐ろしく良い。
人が人を呼ぶと、こうなるのかと。
拝見した事のある方が前園あかりさんだけだったのだが、
他の方のパワーも凄い。
山崎丸光さん、上手い・・。
もなみのりこさんも、素敵だった。
こうした短編集は色んな俳優さんを拝見できる事も良い企画だと思う。
少し、残念だったのが舞台の軋みの音が、かなり、気になってしまった。
元々劇場ではないスペースではある事を差し引いても、
芝居自体は面白いだけに勿体ない。
現代能楽集Ⅷ『道玄坂綺譚』
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2015/11/08 (日) ~ 2015/11/21 (土)公演終了
満足度★★★
「美しく、優れた物語」という意味の綺譚
「美しく、優れた物語」という意味の綺譚。
少し、構えて観にいった。
観終った最初の感想は「面白く、不思議、でも、覗きたい」だった。
二つの「卒塔婆小町」「熊野」が、不思議と混じり合い、
「夢」なのか、「現実」なのか、「妄想」なのか、「過去」なのか。
色んなピースが、はめて、外され、「こうなのか?」と思うと、はぐらかされ、
何とも不思議。
時代の交差が面白い。時間の流れの切なさというか、リプレイする演出の面白さを感じた。
99年、99回、あと一回、そこに辿り着けない
もどかしさ。
でも、だからこその人生。
ラストの美しい照明。何だか、私の大好きな映画をふと、想い出した。
老婆が腰かけるのは朽ちかけた卒塔婆。
映画好きの青年が、夢見た映画のラストはハッピーエンドだったのだろうか。
銀幕のかりそめの恋人に最後に逢えたのだろうか。
あのシーンは、とても、美しかった。
今回初めて拝見した眞島秀和さん。
「熊野」の登場人物・宗盛を演じていらっしゃったのですが
気になる俳優さんでした。
今回、久々に富山えり子さんのお芝居を拝見出来たのも嬉しかった。