みさの観てきた!クチコミ一覧

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live through ~手のひらいっぱいに太陽を

live through ~手のひらいっぱいに太陽を

劇団だっしゅ

萬劇場(東京都)

2009/05/14 (木) ~ 2009/05/17 (日)公演終了

満足度

超びつくり!!(・・)
物語として成り立ってない。コント集みたいな芝居。しかもそのコントがウケナイ。まったく面白くなくて寝てる客も。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

アフガニスタンでの様子を描いた芝居。

劇団員の3歳くらいの娘が客席に居て、まあ、当然の事だけれど、私語やぐずりはするよね。ちっさいから・・。
しかし、そんな子供のゴネタ私語も気にならない。だって舞台はつまんないから。
途中で観客が一人帰ったけれど、その行為も理解できる。
更にワタクシの前に座ったとある劇団の女優のケータイが着音して、バッグから取り出して堂々と相手を確認してたけれど、それも気にならず。
そうかと思うと、前から4列目に座ってた老夫婦のご夫人の方が手提げ袋からガサガサと音をたてて飴を取り出してその個包装を今度はカサカサと乾いた音を立てながらお口に入れて、隣のご主人に「なめる?」なんて言ってても、まったく気にならない。セリフの一語一句を拾おうとは思わないから。
一方、ワタクシの隣の女性が床に置いてあったバッグを抱えて退場しようとしてる雰囲気だったので、先に退場してきました。

この芝居に限っては観客もやり放題っていうか、質が悪い観客でも、まったく気にならない。むしろ、そういう観客に対して寛大になった自分がいて・・この時点で、舞台対観客の醒めた空気がどうしようもなく、哀れだったのだ。


「 天才作家の7つの贈り物 」

「 天才作家の7つの贈り物 」

TOKYO NOVYI・ART

シアターX(東京都)

2009/05/03 (日) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

「どん底で」を観た!
東京ノーヴィーの素晴らしいところは、ハイレベルな役者陣に独特の雰囲気を加味してワタクシ達観客をその風景の場所まで連れて行ってくれるところにあります。「天才作家の7つの贈り物」は日替わりで違った演目を2日前と同じキャストが演じる。という高度な技にただただ感服したのでした。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

地下の傾きかけた木賃宿で暮らす貧困層の人々は、それぞれの事情でここに流れ着き、その日暮らしをしていた。
そこへ不思議な老人が舞い込み、いにしえのカウンセラー的な役割を果たすうちに彼らの生活が少しずつ変化していく。

一方、その宿主・コストゥイリョフの妻ワシリーサは、夫から自由になりたいと考え、ワシリーサの情夫ペーペルが、彼女の実妹ナターシャに惚れていることに目をつけ利用する。ナターシャは姉夫婦の家に居候していて、虐待を受けていた。夫を殺害すれば、妹と結婚させ300ルーブリを提供しようと申し出る。ペーペルはワシリーサの誘惑にのり、コストゥイリョフを殺害するが、ワシリーサはペーペルが殺したと訴える。騙されたと知ったペーペルは、ワシリーサから計画を持ち込まれたことを訴える。そうしてナターシャは姉と自分の夫となる人が、共謀して義兄を殺害したことを悟り、ワシリーサとペーペルが犯人だと涙ながらに叫ぶ。

人生の底辺に暮らす人々の可笑しくも悲しい人間模様と、貧困という牢獄から抜け出すことを夢見ながらも、抜け出せない彼らは誰一人幸福になることがなく、どん底にいる市民たちは、歌と酒だけを娯楽に日々の生活を送っていく。

鍵屋の女房は病気で死に、役者は首を吊って自殺し、死体を置きっ放しで彼らは人生の最後を謳歌していた。反面、「俺達下等な人間は誇りや良心もないが、金持ちや権力を嫌う。」などと講釈し、かと思えば、「俺達はただ洋服を着たり脱いだりしただけの人生だったな・・。」と嘆く。その悲惨な姿は悲しみを通り越し異様なほど面白いのである。


相変わらず照明は薄暗く地下の木賃宿の湿った不潔感や泥臭い雰囲気が見事に演出されていました。見応えのあるお芝居。下北沢でも同じものを公演されてるので、是非にお勧めしたい。




セレブ気どり

セレブ気どり

(有)パン・プランニング

あうるすぽっと(東京都)

2009/05/09 (土) ~ 2009/05/17 (日)公演終了

満足度

なんだこれ?

開けてびっくり玉手箱の抱腹絶倒な復讐。ってことだけれど笑えない。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

まったくナンセンスな死語の羅列。
コメディらしいが、コメディとして成り立ってないほど寒すぎる。
ストーリーはおバカな4姉妹がセレブの男と結婚したいが為に偽セレブの男たちにまんまとヒッカカルという物語。
舞台ではかつてのドリフターズがやっていた顔面パイ投げのシーンや今時のコメディと思えないほど古いギャグww

いあいあ、そんな古臭いネタで笑えってほうが残酷ですわ。
ワタクシ、ギャグの一発目でドン引き!そんなだから会場の客入りは3分の2程度。空席が目立ちすぎ。更にスタッフワークが最悪で、もっと言うならキャストと役柄の表示がない。スタッフに役柄を聞いたら「うちの劇団は元々役柄は明記しないんです!」と横柄な態度。
これだもの・・。
観劇前から芝居の程度が分かるというもの!
それでも芝居が楽しいなら許せるが、どっちもダメだったなら費用と時間をかけてあうるに行った事が悔やまれた2時間。

これから観に行かれる方は観れば判るかと。
容疑者χの献身

容疑者χの献身

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2009/04/30 (木) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

お見事!
それにしても・・西川浩幸のあの演技はなんだろ?神がかり的だ。
石神のさえない中年の石頭ぶりを好演。唸るほど見惚れる。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は愛した女を守るため完全犯罪を目論む。その完全犯罪とは自分を犠牲にしてまでも、女を献身的に守るためのものだった。

この物語を読んだ事がない方は私の周りでは居ない。
だからストーリーの簡単な筋しか書き込まないが、石神がどういうトリックを仕掛けたか、男が愛のためにどんなに大きな犠牲を払ったか、3月10日の謎、彼が自らの論理的思考によって花岡靖子と美里に指示を出す描写など、本当に忠実に小説を舞台化していた。
石神の犯行を湯川が独自に解明していく場面や、その結末を解っていながら涙せずにはいられませんでした。

石神の天才数学者として研究にのめり込みたいという意欲と高校教師としての現実との葛藤に揺れ、愛されたい自分と自分なんかが愛されるわけないと諦めている自分。愛したい自分と、その気持ちを相手に気付かれたくない自分。石神の犯罪は決して許されるものではないけれど、私たちはその行為を、迷いのない常にシンプルで純粋な心を、ついつい応援したくなる。

ワタクシは個人的にこういった不器用な男に物凄く弱く、物凄く思い入れてしまう。石神も恋愛や人間関係にひじょうに不器用で、だからこそ、この物語が好きだ。

最後の場面で美里が自殺未遂を起こして、やっと、靖子は自分の行動の軽率さに気付く。靖子が告白し、石神に謝罪するシーンと石神の号泣するシーンの涙は種類が違う。切なく苦しく哀しくやるせない。

倫理を超えた真実の全貌は犠牲的精神の上に成り立っていた。

キャラメルボックスの演技は本当にお見事!
演技が細かくてドアの開け閉めにも、その想像を超える。
刑事達の会話の中やレストランで、物語の邪魔にならない程度にコメディを誘うなど、演出の仕方は流石だ。
満足。大満足!(^0^)






おかしなふたり~千夜一夜物語~

おかしなふたり~千夜一夜物語~

スーパーグラップラー

シアターサンモール(東京都)

2009/05/07 (木) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★

アラビアンナイトかと思いきや
そうではなく、主人公ユメコが観た夢物語。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

舞台はコメディか?!と感じるほどの笑いネタあり。
そして歌あり、ダンスあり~の、どちらかというとショーのような感もある。
登場する人物像のキャラがどれも濃く、観ていて充分に楽しめる舞台。

ユメコは交通事故にあった際に大好きなとおるの酷い事故の光景を目の辺りにしてショックを受け植物状態になってしまった。ユメコの病室ではパパとママが、愛しいユメコが早く目覚めるように物語を聞かせていた。それにはアラジンと魔法のランプやレオタード仮面やらアラビアンナイトなど沢山のお話があった。その夢物語を聞かされていたユメコの夢の中で同じように物語が進んでいた。ユメコが観た夢物語。

コメディ的であまりにも砕けすぎていて評価が割れるかも。
ワタクシは元々、コメディ大好きなので、楽しく拝見。
正統な1000物語も観てみたい。

朝霞と夕霞と夜のおやすみ(ご来場ありがとうございました)

朝霞と夕霞と夜のおやすみ(ご来場ありがとうございました)

FUKAIPRODUCE羽衣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/05/09 (土) ~ 2009/05/20 (水)公演終了

満足度★★★

エロと狂気
相変わらずのイッチャッテル舞台。よくやるよ。(苦笑!)
毎度の事ながら、「HOTEL SeaSide」でのあっは~ん!うっふ~ん!あり!(苦笑!)

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

大きな白いシーツの中に11人がうずくまって穴の中から、巨大な芋虫みたいに、モコモコ・・モコモコ、登場する。この時点でキャストが中に入っている事は分かるが一体何が始まるのか皆目、検討がつかない。
だからか・・、初版から舞台に引き込まれる。
やがて男女が円になって男、女、男、と言う風に顔だけシーツから出して、まるで円周率の11区点のように配置される。その先には脱ぎっぱなしの衣類が無造作に塊のように11塊、置いてある。興味深く観ていると、一人の男が隣の女に、その女は左隣の男に、またその男は左女に、何やら愛の言葉を囁きながら、シーツの中でその衣類を着用する。シーツの中の男女は、どーやら裸らしい。が、全員が薄いパンツは穿いてるようだ。女性は背中が丸見えの場面があり、ブラはしていないのが分かる。したら・・・乳首にパッチだけ貼ってるのだろうか?それともカップブラか・・?

やがて全員が順番にシーツの中で服を着用した後、男女の愛の営みのダンスが始まるのだが、セリフには隠語が飛び交い、セックスの言葉の嵐!(苦笑!)
一番可笑しかったのは藤一平が老骨に鞭打って、深井順子と絡むダンスシーンは、とにかく見もの!(^0^)
ハアハア・・ゼイゼイ・・ハアハア・・ゼイゼイ・・。客席にまで呼吸の乱れが聞こえてきて、気の毒には思ったものの、やはり可笑しい!(^0^)
深井に「エロじじい」呼ばわりされて(苦笑!)吐くセリフも可笑しい。

西田夏奈子の相変わらずの独特な雰囲気にヤラレル!
途中、中だるみ感は否めない。時間を短くしてポップなテンポで押し切ったほうが良さそうな気もするが、いかがなんでしょ?

この舞台、好みで評価は割れるかも知れないけれど、女性でありながら、こういう舞台を作る深井順子を愛しいと思う。

『月影に、誰よりも君のそばにいる』

『月影に、誰よりも君のそばにいる』

PocketSheepS

シアター風姿花伝(東京都)

2009/05/07 (木) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度★★★

魂が入れ替わる!
陰陽師の秘術「不老不死」に翻弄された女剣士と男剣士の物語。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

女剣士と男剣士の魂が陰陽師によって交換させられてしまう。
男剣士の釜風味なるオカマっぽい話言葉に笑う。男剣士の名が草薙という事から相変わらず草薙の裸ネタあり。
舞台はそこそこ楽しめるが、笑いの部分はちょっとだけ。さやか役の和泉奈々の刀サバキをもうちょっと練習して欲しいところ。ちょっと弱々しいんだよねー。
内容は特に斬新さもなくベタ。
難解な箇所もなく安心して観る事はできる。
最後は陰陽師・蛍が生き返れなかった事がちょっと切ないが、物語自体はごく普通。

母乞食

母乞食

MissPRs

サンモールスタジオ(東京都)

2009/05/08 (金) ~ 2009/05/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

魅せる!そうして拍手は鳴り止みません。
とにかく素晴らしい作品。靄のかかった幻想的な舞台に照明の効果が加味され、導入音楽はクラシックの嵐。ベートーヴェンのピアノソナタ、「月光」「悲愴」他、ショパンなど。
物語の雰囲気は江戸川乱歩の香りのする妖しさと優しさに満ち溢れた舞台で衣装といい、役者の演技力といい、とにかく素晴らしいの一言でした。
脚本家・演出家斉藤尚子が、放つ妖艶且つ迫力のある世界観は相当な能力と実力のある事を観客に納得させるに値する女性でした。初見の劇団でしたが、こんな素晴らしい舞台を見せられると前作もとっても気になる・・。

時間があったら是非に観劇することを切にお勧め!騙されたと思って観てみて。これは観ておくべき舞台です。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

母に捨てられても子供は母を乞うていつまでも探し続ける母乞食。
この道を通るととりこまれてしまう母乞食。
母を乞うて座る道、母乞食。
「桜の枝が目印です。お母さん、僕を見つけてください。」

母に捨てられた唯子(16歳)は同じく母に捨てられたハル、ぴー助、シロー、少年杏樹らと一緒に唯子の母を探す旅を始める。ハルは旅の間中、唯子を守りながら、優しく愛しむ。道中、彼らはさまざまなな事を体験し、お互い優しく励ましあいながら、母に対する思いや人としての生き方を学んでいく。
中でも少年杏樹はどこか屈折していて、「この世界は汚れている。」などと悲壮感が溢れていたが、ハルに「生きていくのは辛い事だけれど強くなれ。」と教えられながら、少しずつ学習していく。
やがてハルは唯子を誘拐した罪により逮捕されるという現実が迫る場面で、唯子は告白する。
「貴方はいままでずっと体をはって私を守ってくれました。貴方という部屋の中で私は温かだった・・。」

こうしてハルは母に捨てられ母に見つけて貰いたい、という想いは唯子の愛情によって浄化され満たされたのです。

母に捨てられても子供は母を乞うていつまでも探し続ける母乞食。
この道を通るととりこまれてしまう母乞食。
母を乞うて座る道、母乞食。


役者の面々はそんなに若くないです。だからでしょうか?演技に磨きと重厚さが備わっていて実力のほどを十分に堪能しました。
ダンスも器用に魅せてくれて、プロのダンサーとは比較にならないけれど、それでも魅せます!セリフで使われる言葉にも一種の独特さを感じ、ファンタジー的な要素も加わり舞台は観客をクラシックで、衣装で、演技で、物語で魅了し、終わります。

そうして拍手は鳴り止みません。

ばってん

ばってん

劇団てあとろ50’

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2009/05/07 (木) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度★★★

宇宙開発プロジェクト
を軸にそこに関わる人間関係を描いた作品。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

冒頭、舞台は卒業式のシーンから。

バルタはひょんな事から宇宙開発プロジェクトの一員となって、かねてからの夢だった宇宙船のパイロットになる。一方で同じ夢を持っていたガラコは友人たちと一緒に政府の宇宙開発プロジェクト反対デモに加わっていたが、デモ中に仲間のバニラが撃たれて負傷してしまう。このことがきっかけになって、デモ隊は自然消滅してしまうが、リーダーはガラコに宇宙船に爆弾を仕掛けて爆発させるように指示を出す。
臆病で自分の意思を明確に主張する勇気がないガラコは、言いなりに爆弾のスイッチを押そうとするがいざという時に出来ない。この事が公になり非国民として殺人未遂で裁判を行うことになるが、ここでもガラコは従来の優柔不断な性格を露呈してしまう。集団の中でも足並みを揃え、決して外れることなく、主張せず、孤独になる事が恐怖だったガラコは、自分はなんてちっぽけで無力なんだろうと、段々不安になってくる。
宇宙は私たちに絶対性の不可能を植え付ける。と憂いでしまうが、そもそも、あらゆる不安や無力さや嘆きは自分自身から起こることが多い。

テーマは宇宙だが現代の若者が抱えてる不安や弱さ、青さを表現した物語。

芝居は全体的に荒削りな感はしたものの、そこそこ笑いのネタも仕込まれており、楽しめる。馬場サイケ役の金澤美沙子のカツゼツが悪い。今後の為にも直した方がいいかも。
舞台の上段、右、左で同時進行劇が上演されていたが、その展開の仕方の間が悪い。役者の演技力に差があるのも気になる。

次回に期待したい。
ショート7

ショート7

DULL-COLORED POP

pit北/区域(東京都)

2009/04/29 (水) ~ 2009/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★

Bバージョン
なぜか今でも、あの「飲尿ミュージカル」の歌が頭から離れない。という苦しみに悩んでいます。(^0^)

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

「息をひそめて」
同棲をしている彼女の様子がどうもオカシイ。浮気をしているようだと疑心暗鬼になった男は床下に隠れて様子を伺う事にした。案の定、彼女は3人の男と浮気をしていた。男は一瞬、殺意を抱いたが、殺す勇気もない。だからって別れる勇気もない。たぶん、この先も何事もなかったように暮らす所存。
女が友人と話すシーンで「浮気って案外、バレないものなんだ・・。」って言葉は現代の女性像を象徴してるような背景が見え隠れして、リアルだった。


「エリクシールの味わい」
他人と深く関わりたくない会社員はとあるバーで女性のおしっこを飲むのを趣味としていた。おしっこの味、色、芳醇なまでの香りで、女子高生のおしっこ・人妻・バイトガール・幼女・女王様(SMの)と区別できる。ある日、エリクシールと呼ばれる不老不死なるおしっこを飲尿した。その味に惚れてしまった会社員は天使みたいな女の子のおしっこを自分のものにしたいと切実に思い、彼女を迎えにいく。彼女はセックスが嫌いで働くのも嫌い。何も出来ない女の子だったが、会社員は言う。「愛とかセックスとか、もう、そういうのはいいんだよ。でも一人じゃ嫌なんだ。50cm位離れて傍に居てくれるだけでいいんだ。そんなに近いのって嫌だろー?」
こうして、会社員は彼女のおしっこを飲み続けながら妄想の世界で彼女の虜になっていく、というお話。
とにかく面白い!ばかばかしいけれど、その発想と言い、大真面目に「飲尿ミュージカル」を歌う役者陣にもウケル。
現代社会の若者を風刺したようなブラックコメディ!

「藪の中」
芥川龍之介の作品。物語の軸を残し、登場人物を脚色して藪の中で起こった出来事を女の証言、夫の証言、男の証言、おばばの証言・・・と8人の視点から表現して一つの物語を完成させる。役者のレベルは相当高く、完璧に演じてました。むしろ、こういう古典的な事も出来るんだな。と驚く。

なんといっても目玉は「飲尿ミュージカル」です。
機会があったらもう一回観たい作品!(^0^)
「 天才作家の7つの贈り物 」

「 天才作家の7つの贈り物 」

TOKYO NOVYI・ART

シアターX(東京都)

2009/05/03 (日) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

傷ついたかもめ
とにかく、素晴らしい!の一言!
次は何を観るか迷うところ。(^0^)

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

青年トレープレフは、美しい湖のほとりにある伯父ソーリンの田舎屋敷に住んでいる。そこへ、著名な作家トリゴーリンを連れて、モスクワから有名女優である母アルカージナが華やかな空気と共に帰ってくる。

湖の向うに住む女優を夢見る娘ニーナに恋をしているトレープレフは、自作の劇にニーナを主演させ、アルカージナらの前で上演するのだが、彼女は茶化すばかりで真剣に取り合わない。怒ったトレープレフは劇を中止する。医者のドールンはトレープレフの才能を評価し、励ます。

ニーナはトレープレフの想いに気付いているが、女優として大きく成長しなくてはならないという野心に溢れている。そして、ニーナはトリゴーリン(アルカージナの愛人)に憧れ愛してしまい、やがてトリゴーリンはそんなニーナを受けとめる。

そんな中、ニーナの気持ちを知ったトレープレフは、失意の中、自殺してしまう。
トレープレフの苦悩は、アルカージナやトリゴーリンが少々の才能で華々しい成功を収めていることに対する不満と、自分の愛するニーナがそのアルカージナやトリゴーリンにあこがれて自分を捨ててモスクワへ行ってしまったことを主な内容としているが、彼は変化のない草深い田舎でこの単純な不幸に繰り返し浸っていただけでこれ以外何も経験することがなかった。雑誌に取り上げられて小説家として、そこそこ有名になってはいたが、ともかくこういう環境の中で書斎にひきこもり、ニーナに対する愛情だけをたよりに生きていたトレープレフは妄想と幻影の混沌のなかをふらついて、ただただ、出口のない単調な苦悩で神経をすり減らしてしまったのだった。

これらの物語を薄明かりの中での演出で実に見応え充分な芝居で、水を反射する斜灯や照明がなんとも幻想的で美しく素敵でした。
ソーリンを演じた渡部朋彦の演技が自然で良い味を出していて、どこまでも重いテーマなのに優雅な気持ちで観る事が出来ました。大満足!(^0^)
どの役者も演技派で安心して観られ素晴らしい作品でした。




土の人

土の人

マーク義理人情

王子小劇場(東京都)

2009/05/05 (火) ~ 2009/05/07 (木)公演終了

満足度★★★

鳥になった気分で観る!(^0^)
たぶん3人の設定は少年。この少年の動きがやたら可笑しい!(^0^)
ぬるくてばかばかしさ溢れる舞台。
照明にも物語があり、素晴らしい!

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

3人の少年たちは、「早く大人になりたい。」と言いながら、ライオンや冒険の話を夢見がちに語り合うが、一人になって冒険に行く勇気がない。
あっちに行く、こっちに行く。なんて散々遊んだあげく、自分達はこの場所から出られないことに気付く。なんだか大きな箱の中に入ってるようなのだ。
慌てた3人はどうやったら、ここから出られるか?と考えた挙句、一人の少年は「ハゲワシさんに食べてもらって飛んでもらって出してもらって、出してもらうの!」なんて不毛も不毛な提案をする。(苦笑!)

そんな小さな箱に入った人間の3人を上空からハゲワシが見つけて、「何だ?!あの人間たちは!」なんて言いながら、「よっし!糞をたらしてやれ・・。」と悪戯をする。

3人の役者が少年になったりハゲワシになったり、また少年になったりしながら、演じる状況が愉快だ!

舞台にはセットは何もなく、照明効果で箱の大きさを観客に想像させたり、ハゲワシのような影を作ったり、大きな木に果実が実る様子まで照明で演出する。ひじょうに上手い。

どうしてか解らないが、この3人が箱の中から脱出しようとしてる様をワタクシは上空から眺めてるような気分になるのだ。
たぶん、それはこの3人がどうあがいても箱の中から脱出できないような予感があり、一生、この中で死ぬまでこんな事をやってるんじゃないか?なんて想像してしまうからだ。
3人の動きはコミカルなのに脳の回転は遅いようで、坂を作って走ったり回ったりしているけれど、3人で輪を組んで知恵を絞りながら考える場面の間は長すぎるくらいの不思議な空気感!なんだよねー(^0^)

この間合いがつまんないと感じる人と、面白いと感じる人で評価は割れると思う。

しかし、こうやって自宅に帰ってきてからも沸々と愉快さが甦るのは、きっと、この舞台の味なのだと思う。
なんだか・・、いつまでもあの3人は少年のままで坂を必死に走ってるような気がするのだ。永遠に。それは10cmの立方体の箱の中で小人たちが右や左にちょこまかちょこまか走り回ってるかのような画だ。

走る続けるアニメのように・・。





『火事と火曜日』

『火事と火曜日』

劇団フルタ丸

小劇場 楽園(東京都)

2009/04/29 (水) ~ 2009/05/03 (日)公演終了

満足度★★★

最後は本音
フルタ丸の芝居ってキャストもしっかり演じてて見応えはあるのだけれど、コメディとしてのネタが弱すぎる。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX



とある学校で消防訓練を行う事になり、打ち合わせと称して
消防士、消防団、教師、非常勤教師、用務員、元劇団員、記者が集まって訓練のノウハウを語る場面やそこに集まる人間の心理描写を表現した舞台。

どちらかというとブラックコメディかと思う。
いっぱしに「消防士の仕事に誇りを持ってる。本業を持ちながら片手間に火消しをやってる消防団とは仕事に対する意欲も違うし格も違う!」と理想を語っていた消防士が消防訓練のやり方をめぐって、ついつい本音が出てしまう。その本音とは、「マニュアルどおりに事故なく訓練しないと昇進できない。」というもの。

舞台は高校生の消防団員が強行に「消防訓練」と予告なしに「消防訓練」を実行してしまう場面で終わるが、やっぱ、コメディを押し出すならもっと笑わせてくれなきゃ・・!

もう一回言おう!キャストはいい。
本の練りが甘い。

もう一回、言おうか?(・・)
がんばれーフルターー!!



twinkle twinkle little Letter

twinkle twinkle little Letter

劇団ドラマチッカーズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/05/03 (日) ~ 2009/05/05 (火)公演終了

満足度★★★

宮沢賢治の「よだかの星」
のシーンが登場するあたり、題材として基になったようなイメージがあった。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

登場する役柄はヨダカ、オナガ、メジロ、カラスなど全部が鳥。
彼らは交換手といってお客さんからメッセージを預かり、それを相手に届ける。というお仕事。
交換手には正確な方角、記憶力、感情、速さを求められ、彼らは日々努力していたが、ある日、仲間のかわせみが失踪してしまう。かわせみは依頼主から預かったとても大切なメッセージをきちんと相手に届けることが出来なかった事から、交換手の中間達はそれが原因で失踪したのではないか?と考えていた。

かわせみの親友だったヨダカはある日メノウと名前を変えて舞台に立っていたかわせみを見つけ、交換手に戻るように説得するも、メノウはステージ上での自分らしい生き方を既に見つけていたので、戻る事を拒否する。

かわせみの仕事に対する思いと親友と離れて暮らすことへの不安から、メノウを自分の思い通りにさせようとする意思の狭間で揺れる葛藤を描いた作品。

物語はメッセージ性もあり良く出来てるが全体的に舞台が間延びしている感はあったと思う。
役者と役者の登場の場面の繫ぎの呼吸が微妙に遅い。だから、間延びして見えるし、演技がまだまだ荒削りだったと感じた。

鳥の羽をイメージした付けまつげは、顔全体が小鳥っぽくて、とっても可愛らしく、いいアイデアだと感心した。歌をもっと勉強するとショーのシーンが盛り上がると思う。勿論、ダンスもね(^0^)

ホロリと落涙するシーンもあり、そこそこ楽しめる。



改・FAKE!

改・FAKE!

演劇カンパニー”東京の人”

タイニイアリス(東京都)

2009/05/03 (日) ~ 2009/05/06 (水)公演終了

満足度★★★

公園生活者の人々
の日常と温かい友情のような琴線を描いた作品。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

最初、コメディか?!(^0^)と喜んだのもつかの間、舞台はどんどんシリアスな場面へと繋がっていく。

とある公園で生活する自称アーティストと自称サラリーマン、そしてジャニスと呼ばれている女のもとにマコトという女性がやってくる。彼女はボランティアという肩書きで公園生活者たちと一緒に暮らすことになったが、やがて彼ら3人にもマコトにもどこか壊れてる部分が露呈されていく。

サラリーマンは人を殺して服役していた過去があり、ジャニスは居もしない赤ちゃんの妄想を抱き、アーティストはフィルムの入ってないカメラを撮り続ける。そうしてマコトは自殺願望があり、そんな自分をどうしたら良いか苦悩しながら公園にやってきたのだった。

お互いの傷の部分をなるべく触れないように労わりながら生きる公園生活者たちの優しくも切ない物語。

途中、舞台が静か過ぎて眠くなる場面があり、コメディからシリアスな展開に誘う部分が少々、退屈だったが、全体的には人の心の闇を扱った題材で素敵な物語だった。

ワタクシ的には、コメディ、シリアス、コメディで〆る。みたいなテンポのある舞台のほうが好みだったが、それでも観た後に優しくなれる舞台でした。

若松綾子に会えたことがなんとも嬉しい一日でした!(^0^)

路地裏の優しい猫

路地裏の優しい猫

“STRAYDOG”

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2009/04/29 (水) ~ 2009/05/05 (火)公演終了

満足度★★★★★

号泣す!
ひじょうに素晴らしい舞台でした。セットも下町のレトロな錆びた風景を演出し匂いまで感じる舞台でした。

ワタクシの中で、今年の第一位のランクです。
笑いあり感動あり涙ありの人情劇。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

こんなに号泣したのは久しぶりのことです。
物語は解り易くベタな人情劇です。ありがちな内容で、結果は「こうなるのだろうな・・。」なんて解ってしまうのに泣かずにはいられない物語はやはり秀作なのでした。

路地裏の猫・アッシ(相沢真紀)が物語のナビ役を担って治子(岡本玲)から見た、父の過去から現在までの生き様を追う。
エイジはオリンピック銅メダルの栄光を持ちながらも失明と言う悲運な事態に陥る。働かず過去の栄光に囚われながら失意の日々を送っていたエイジは治子の母・カズエ(黒沢あすか)のヒモとなっていたが、エイジの暴力によって離婚される。
警察沙汰になったり恐喝まがいの脅しがあったりと、そんな転落の一途を辿ったエイジを支えていた女・ヒロコは、やがてエイジと結婚するが、それでもエイジの腐った人生はなかなか修正できなかった。人生のどん底に居たエイジを周りの人が温かく見守りながら人として見失っていた大切なものを取り戻し、治子ら家族3人でやり直すまでの物語。

コメディかと思うくらいマツナガ(重松隆志)の吐くセリフが面白く、タダヨシ(森田ガンツ)もそれに負けじ劣らずカマシマス!(^0^)
ボクシングのシーンではリアルなボクシング風景を演出し鳥肌が立つほどゾクゾクして、エイジ(大内厚雄)の筋肉美に見惚れました。
プロって凄いよね。芝居に合わせた体作りをしてるんだねっ。改めて尊敬!
ヒロコの頬をエイジがビンタするシーンがあるのだけれど、本気でビンタしてて、それにも驚く!
女優人は歌も演技も上手く、アイドルだからって侮れなかった。今回の芝居は脇が一人も居ない、と感じるほどのキャストで見応えがありました。

導入音楽もファイティングさながら躍動的でとても良かった!

ひじょうに感動した作品!お勧め!
ネロとパトラッシュと貧乏神

ネロとパトラッシュと貧乏神

CAPTAIN CHIMPANZEE

青山円形劇場(東京都)

2009/05/02 (土) ~ 2009/05/05 (火)公演終了

満足度★★★★

劇場の場所が場所だけに・・。
GWということも重なって、当日は子供連れのファミリーが多かった。今回の芝居は子供が観ても楽しい。って趣旨だったと思っていたから、当然、子供がおしゃべりするんだろうなー。と覚悟していたが、な・なんと?!子供は静かに観てるのに大人が・・・夫婦で芝居の間中、おしゃべりしてる。内容を聞いてると、ってか、聞こえてしまうのだけれど、観劇した事がないようなレベルのお話。
ワタクシ、言いましたともさ、「静かにしてください!」
まったく・・・、子供に注意するならともかく・・、大人に注意するって・・。
今度から、開演前の注意事項に、「私語は謹んでください。」と加えて欲しい。
以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

一枚の絵を観て感動していた心優しいネロにとり付いていた貧乏神は、ネロがどんどん不幸になって貧乏になっていくのを心痛んで、神様の神様に「死なせて!」と願う。
しかし、貧乏神も神なので死ぬ事は出来ないが、その代わり一番愛する者からこのナイフで殺されると死ぬ事が出来る。と神様の神様から教わる。
貧乏神は一番、愛してるネロに殺してもらおうと思い、そのように仕向ける。
やがて、ネロは貧乏神をナイフで刺してしまうが、同時に人格が変わったようになってしまう。
大人になったネロは悪徳商人のごとく働き、企業を起こすが、そんな人道非道なネロにパトラッシュもかつての友人も離れてしまう。
孤独になったネロは一枚の絵によって本来の自分を取り戻す。
あの頃の夢と希望に満ち溢れていた日々。見た人の心を優しくして元気付けるような絵。自分もあのような絵描きになりたいと、少年の心を甦らせて、一枚の絵を書き上げる。そして、同時に今まで沢山の人を傷つけてきてしまった事への償いもする。

舞台は貧乏な少年が一枚の画を見ているシーンに回想し伏線は繋がるという仕組み。
ひじょうに解り易く楽しく、素敵な舞台でした。笑う、感動、泣くシーンも盛り込み、良い舞台でした。大人も十分に楽しめる舞台。

アントン、猫、クリ♥KR-14【篠田千明】

アントン、猫、クリ♥KR-14【篠田千明】

キレなかった14才♥りたーんず

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/04/16 (木) ~ 2009/05/04 (月)公演終了

満足度★★

ちっさなこと
快快の作品は何度か観ているがどれも短編ものだ。15分間だったり、20分くらいだったり・・。どれも部屋の中での友人との関係だったり、その世界はちっさいと感じていた。それでも時間の制限があるから、演劇のキャパは狭くても仕方ないよな~、と思っていた。今回は50分ということでもっと広い世界を期待したのだが・・。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

一人の女性が
階段とか、フライパンとか、ドアとか、スリッパとか、あらゆるものの固有名詞を声に出して羅列していく。表情はどんどん変化していくが、見ているワタクシは奇怪なものを観に来てしまったなー。という印象。
そのうち、どうやら女性の一日の行動を表現しているのだろうか?と気付くが、その表現はひじょうに曖昧で、後から加わった男性も同じように、階段、走る、風、風景・・・なんて続く。
そうして、その地域での猫が主軸となって猫の嫌いなおばさんや近所の人達が登場する。後半はお題の通り、猫の周りの人達の息遣いや感情を表現しながら、一人の女性の日常を描いたものらしかった。
芝居は単語を並べただけのセリフまわしだから、そこには美しい日本語での情緒を感じることも無ければ、楽しい感覚も沸かない。

だから、この物語から、胸がうち震えるような感動とか、咽び泣くような感情とか、郷愁めいた懐かしい風景とかは想像できない。
役者はひじょうに頑張って演じてたのは本当に理解できるが、私たちに何を訴えこの舞台を観た後に何らかの余韻を残すようなものはかけらもなかった。

好む好まない、感じる感じない、響く響かない。
舞台を観る観客の感性にもよるのだろうが、観る度に観客の心を惹く芝居は確実にあるわけで、観終わった後には観客の心に紐の端を残しておくような舞台が好きだ。

チェリーボーイ・ゴッドガール

チェリーボーイ・ゴッドガール

ゴジゲン

OFF OFFシアター(東京都)

2009/05/02 (土) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★

男子って面白いよね♪
童貞を捨てたい男子たちが、悠ちゃん(男子)の部屋でたまって、セックスするのにはどうしたらいいか?なんつって真剣に話し合ってる風景。バカバカしいコメディ。

以下はねたばれBOXにて。。

ネタバレBOX

脚本家の松居大悟はチェリーボーイ歴23年6ヶ月だそうで、もてそうなフェイスなのに押しが足らないのだろうか?
そんな正真正銘の童貞男が描く「童貞を捨てたいけれど、どうやってセックスをしたらいいのか、どうやって女子に声をかけたらいいのか?セックスはどの位気持ちいいんだ?」と真剣に議論したり、あるいは「やりてぇ、やりてぇ~~!!」と吠える童貞男が実際に女子を目の前にするとびびって寡黙になってしまったりと、可笑しいほどに情けなく楽しい芝居でした。

2Fの部屋の窓から、下を通る女子を嘗め回すように観察しながら、「できる、できない、できる、できない、お前あんな女とセックスできんのかよ~。。」と、実際には出来もしない弱腰の男子が妄想で判別するさまも、やたら可笑しい!(^0^)
男子って友達と群れているときって、あんな感じなのだろうか・・?
だとしたら・・・案外、彼女が居なくても楽しいかもね。

あんな風に馬鹿やって、何を思い煩うこともなく、くだらない遊びにうつつを抜かし、くだらないゲームを楽しみ、その生き方も暮らしぶりも他人が見れば無意味だけれど、それらのことにイチイチ夢中になって喜び、腹を立て、身を削る様にして悲しむ。ノー天気なろくでなしの極楽トンボ。そんな無駄だらけの人生。

くだらない。くだならすぎる、でも、だからこそ人生は美しいのだ。

この劇団、面白いですわ!
愛しくて可愛らしいチェリーボーイたちの物語!(^0^)




夜之音、月之香

夜之音、月之香

劇団パラノイア・エイジ

「劇」小劇場(東京都)

2009/04/29 (水) ~ 2009/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★

笑って泣く!
「劇」小劇場で観る芝居って外れた事ないなー。
ホントすんばらしい舞台でした。
半分はコメディ。半分は春台(春琴の弟子)を軸に動くシリアス。
これらの二つを上手く交差させながら、まったく飽きさせない舞台でした。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

導入音楽は殆どない。しかし、それが気にならない程のお笑いネタあり。
役者の舞台への入り方にちょっと間があったような気がするが、いかがなんでしょ?

春琴を慕いながら弟子として春琴の世話をしていた春台は彼女の死後、彼女が生み落とした娘を引き取り育てていた。名を琴子という。
今や画壇で有名になった春台と、琴子の出生の秘密を追って出版社は琴子に取材を申し込むが、春台は拒否する。一方、琴子の父親が旧財閥だと知った多くの人達は探偵を使い、財産を相続させまいとして、琴子を抹殺するように依頼する。

琴子を慕っている弟子の一人は探偵によって事実を捻じ曲げられ言いくるめられて琴子を探偵に渡してしまうが、その危機に割って入った春台は琴子を救う為に自分が撃たれてしまう。泣き喚く琴子。息絶えそうな春台は一番美しい桜の丘に行って自害してしまう。

琴子は「何故ーーー!!」と泣き叫ぶが・・・、

あとには・・・かつての若々しい春琴の美しい凛とした姿が浮かび上がり、そのバックにははらはらと舞い落ちる大量のさくらの花びらが鮮明に浮かび上がるのでした。そこにはかつて京都での幸せな日々を過ごした春琴と春台の姿があるように。

自害した春台はこれで師匠の春琴に会うことが出来て幸せだったのだろうか?春琴が、手篭めにされて出来た子を引き取り育て慈しみ、どこまでもひたむきに春琴を慕い続けた春台の物語。

豊作、彦六、良男の絡みが楽しい!(^0^)
最後は琴子の絶叫で泣ける!
素敵な物語でした。お勧め!

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