君が人生の時
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2017/06/13 (火) ~ 2017/07/02 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/06/18 (日)
近代世界の歴史観をきちんと把握しておらず理解度が不十分、あまり自信はないが世界恐慌後に世界のあらゆる国から大勢が移民?移住した頃の、第二次世界大戦間際のアメリカのバーが舞台となっている。1幕は自己紹介的な場面が続いていたが、気がつけば全部が終わっていた。
オールドアメリカ浪漫なのかなぁ?沈黙ではない静寂な「間」が大半を占める約3時間(休憩あり)だったが、あまりの静けさに周囲のお腹の音がよぅ聞こえたのはご愛嬌。
出番これだけ!?って人もいたが、もともとの戯曲がそうなっているのかな。最終的に木場さんが全部持ってったような気が無きにしも非ず。毎回思うがアメリカ戯曲って根は暗いような。前半、物語の人物道標のような役割の丸山さんとか、役者さんはそれぞれ良かったんだけど…。劇中の葉巻の煙が、行方を燻らし立ち消える人間模様のようにも思えた。
今回見た上で、もう一度見てみれば、もっと違う印象を持つのだろうけど、私には手強すぎてカテコのスタオベにも参加出来ず。履修科目でアメリカ文学でも選考しとけば良かった。無念。
観劇当日、新国立保存用かカメラ収録日。
音楽劇 大悪名~The Badboys Last Stand!~
ココロ・コーポレーション
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2017/06/07 (水) ~ 2017/06/18 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/06/15 (木)
タイトルにもなっている「♪Badboy~」の歌声が忘れられず、そして今回がラストというのもあってチケット取った。
今回は南米ブラジルの日本人街が舞台。かつて恋仲だった女性の忘れ形見でもある娘の為に、一肌脱いで漢気通して周りも助ける。粋な浪花節芝居。今回も生バンドのの演奏と圧巻の歌唱力で歌い上げる姿に、ジュリ〜‼︎と客席のお姉様方と一緒に声援を送りたくなった。そして歌の上手い人達に引っ張られるのか、南野陽子の歌が上手かった事に驚き。劇中、あの体勢で数分静止し続けるのって凄いわー。花組座長さんの座長さんらしい芝居とか、今回もおじさん役者たちの活躍に目を惹いたが、ナイロン100℃の松永さんが大活躍だった!休憩ありの3時間越えの舞台だったが面白かった。
各配役の個性活かした演出と音楽劇◎ ただし、サントラCDの販売はなかった。
九回裏、二死満塁。
パラドックス定数
中野テルプシコール(東京都)
2017/06/10 (土) ~ 2017/06/18 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/06/13 (火)
野木さんの書く実録事件物の舞台を多く見ていたせいか、今回のようなフィールド・オブ・ドリームス(でもないけど)みたいな展開は意外でもあった。懐かしくて爽やかで、でも苦い部分もあって、学生時代の夏の夕刻のような感傷に浸るというか。個人的に過剰な劇伴を伴わないのもストライクゾーンな舞台でした。
井内さんの役柄のような男子高校生、いたなぁw。
約95分。
名人長二
明後日
紀伊國屋ホール(東京都)
2017/05/25 (木) ~ 2017/06/04 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/06/01 (木)
落語演目に疎いのでよくわからないが、高座でもあまりやらない演目らしい。
江戸末期、指物師として生きてきた男と、その所縁ある人達の出来事を口演よろしくな芝居噺。
一人語りの場面ではそれがどれも削れない場面になるため、見ていてやや冗長にも感じた面はあったが、出演者皆上手いので魅せて聞かせてくれました。
江戸怪奇譚~ムカサリ
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2017/05/25 (木) ~ 2017/05/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/05/28 (日)
最終日観劇。
藤原文翁原作落語を元に、噺家さながらの巧みな話芸で高座の背景の変化に適応しつつの1人舞台。
品(しな)を作る山路、笑わせる山路、威嚇する山路、怖い山路、などなど、多様な人物を演じ分け、気がつけば舞台上を走り回っておられた。しかし結末についホロリとさせられる良い舞台を見ました。
天の敵
イキウメ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2017/05/16 (火) ~ 2017/06/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/05/26 (金)
冒頭レシピ、オシャレがウリのカフェメシ(これも死語なのか?)でワンコインメニューで提供されてもなんら違和感ない。
タイトルと中身の関連はよくわからなかったけど、天=天国という事なのかな?
ボケもせず、健康に生きていけそうな気はあまりしないが、それも自分の寿命なんだろうな。
ヤクザ衆の場面のワチャワチャした場面、好きだ。
面白かった。
祖国は我らのために
マコンドープロデュース
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2017/05/18 (木) ~ 2017/05/28 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/05/26 (金)
低層労働者、カリスマ指導者を支えるインテリ達、周囲の盛況とは裏腹に中央の人は状況冷ややかに判断して行動起こすから、余計にイラっとくる。
舞台上の彼らの青臭くも鬼気迫りくる熱意に、舞台からスクラム組んで突進されるとつい避けてしまう力強さに好感。
黒塚家の娘
シス・カンパニー
シアタートラム(東京都)
2017/05/12 (金) ~ 2017/06/11 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/05/24 (水)
チラシのインパクトからゴシックホラー的な話かと思いきや、和洋折衷の可笑しく可愛く柔らか宗教哲学を踏まえたようなアングラ舞台ぽかった。冒頭、誰が納付を演じているのかすぐにはわからず、他に誰か出てたっけ?と考えてしまったが、某さんがやっているとわかってビックリ。役名に「鷺」の字が付いているからって、汝、騙されてはいけないな。
意外と外国人に受けそうな舞台かな、と思った。
約90分。
クヒオ大佐の妻
ヴィレッヂ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2017/05/19 (金) ~ 2017/06/11 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/05/24 (水)
大佐の元ネタを知ったのは雑誌だったか、テレビの再現番組だったか。その後、映画にもなったが、今回の舞台作はその妻である女の話。お人好しの女性なのかなー、本人がそれで良いと自覚してんならそれでいいじゃない、所詮他人事なんだし。最後の女のアジテーションのようなセリフを聞いた後だと、彼女が生業にしているミシンの音も機関銃の銃声のようにも聞こえてくる。詳細は公式プログラムで言及していたそうだが、出来ればそれらも舞台の上で見せて欲しかった。
劇場座席設定の都合をあまり考えてない舞台装置だった。前方平場席付近に座って見ていたので、終始見上げるような形になり女優さんの表情にも、ほうれい線なんだかゴルゴ線なんだかよくわからない陰影表情をよく見るハメに。せっかく綺麗な顔立ちなのにねー。今回に限っては EX列以降から見たら仕掛けも見やすいと思う。今回のような引きで見せるような作り方には不満。
ダニーと紺碧の海
パルコ・プロデュース
紀伊國屋ホール(東京都)
2017/05/13 (土) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/05/19 (金)
治安はあまりよろしくないアメリカの都市の一角で出会った男女。
1幕からの2人の喧騒なやり取りから、ああ、苦手な戯曲かもと危惧した印象は終了してからも変わらず。
恋愛、男女の享受、正直に話す事の難しさ、それが受け入れられるかの悩み。
海外の宗教倫理主義を理解する難しさを表したような戯曲、だったのかな。
天幕に映る月夜のような水面が綺麗だった。
久々の紀伊国屋ホール。忘れていた、前席の座る人によっては、舞台が見えない劇場だったってことを。
60'sエレジー
劇団チョコレートケーキ
サンモールスタジオ(東京都)
2017/05/03 (水) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/05/14 (日)
幾度となくやってくる涙腺刺激ポイントをぎりクリア出来たのに終盤から涙腺崩壊してしまった。
まるで寅さん映画の山田洋次監督作品にでも出てきても違和感なさそうな兄弟だったが、あの兄弟は気の良い頑固ジジィになったんだろうか。
生き様は変化しても、そこで暮らした出来事は消えない。それが癒しと感じとれるようになれるかはその人次第なんだよな。
人生の機微を感じた良い舞台でした。
インテリぶる世界
箱庭円舞曲
ザ・スズナリ(東京都)
2017/05/10 (水) ~ 2017/05/17 (水)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/05/12 (金)
ノストラダムス?なにそれ?ゲームキャラ?などと思い浮かぶような世代に対して、ア×ウ×イで笑えるんだろうか、と危惧する昭和世代客だが、ちょっと昔の日本のどこかで近所の家庭で起こっていたかもしれないような話と境遇に懐かしくもあり。
過去と現在、記憶の二重構造の入れ子具合に、自分の頭の中で整理が追いつかない場面もあったが、身近な人間にはそれなりにちゃんと接していよう。
ゼロワン天才で扱われるか、狂人に扱われるかは紙一重の差。ネットの中では共存出来ても、主義主張が大手を振ってまかり通る現実世界では、なかなか生きづらいよなー。バカな事を堂々とやり通せたのは学生の時だったからかな。でもアートとは縁のない生活だったので、見ていてどこかノスタルジー感覚。
王将
新ロイヤル大衆舎
小劇場 楽園(東京都)
2017/04/27 (木) ~ 2017/05/14 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/05/09 (火)
第三部、第一部の順で観劇。
明治から昭和の終戦後まで活躍した坂田三吉の波乱万丈一代記、将棋と義理と小春と通天閣。
羽織衣装の家紋が○抜きに「ロイ(ヤル)」の文字までしっかりと見える濃厚圧縮空間劇場なので、演者の所作などは豊かな想像をさせるし、場面によってはそうでもないが緩やかな大阪弁の使い方と息遣いが味わい深く、各回毎に少ない出番ながらもそれぞれ絶妙な配置で贅沢かつ眼福な舞台でした。
あぁ、久々にみた福田転球氏にあんなにも泣かされるとは。
春のめざめ
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2017/05/05 (金) ~ 2017/05/23 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/05/07 (日)
初日観劇。
場内、舞台効果の仕掛けが施されているので、上演開始の5分くらい前には着席しているとお楽しみ感あり。
その際、イケメン役者が客席近くに来て、あまりの近さに平静を装うも、若干、口元が緩んでしまい間抜けな自分の顔と対面する羽目になったが。河内さんのええ声が間近に聞くことが出来て耳福。
全方向からの芝居もあり、劇場空間を目一杯使った芝居法だったが、高台セットからの激しいやり取りにいろんな意味でハラハラした。
思春期プラトニック全開、お勉強は出来て、世の出来事もすでに達観しているようなよい子でも保健教育って大事。岡村靖幸の「イケナイコトカイ〜」のフレーズを思い出したが、まぁまぁ若いって素晴らしいやね。
約130分。
すもももももも モモのうち
流山児★事務所
座・高円寺2(東京都)
2017/05/03 (水) ~ 2017/05/06 (土)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/05/05 (金)
バブル期に子育て世代だった人達が、時は流れて現在over60で集うシニアの演劇集団。それも今年で20周年だとか。
公演時期的にあまり見る機会がないが、今年は M.エンデの「モモ」を基にした舞台とあって、中高年キャストによる2,5次元的な寓話的なオリジナルミュージカルというのか。マッピング映像かっこ良かった。
約110分。
髑髏城の七人 Season花
TBS/ヴィレッヂ/劇団☆新感線
IHIステージアラウンド東京(東京都)
2017/03/30 (木) ~ 2017/06/12 (月)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/04/27 (木)
座席26列
快進撃が続く成河さんを久しぶりに舞台で見られる事、同タイトル作の過去上演作はほぼ見ているので展開は知っているものの、こけら落としの劇場、世界で2番目の回転劇場と話題性もあってそれなりに観劇日を楽しみにしてました。
が、観劇当日には上演前に出演者の「体調悪い」ツイートを目にしたり、客席によっては舞台ステージの死角になる座席場所があるとの事前情報を目にした通り、前に座った観客席の人たちの姿勢で、大半の舞台が見えないというフラストレーションを溜めながらの舞台観劇でした。
舞台を観劇してると、まれにこんな事に遭遇はしますが、たまたま観劇運がなかったにしても、そう何回もリピート出来るほどの価格設定でもないため、今回の「花」に関しては、無念さの残る観劇になりました。
ワカドクロの改訂版といった印象を持ったが、前回より捨之介さんが更に爽やか口調で、ところどころ「不〜二子ちゃ〜ん」って言い回しに聞こえるような事もあったけど、殺陣の場面はワカの時より進化して見えた。
個人的に、今回の観劇目当は成河さんだったが、ヒールな役割にも関わらず、その突き抜けた悪漢快楽っぷりはリチャード三世に出てもいいような堂々の存在感で大変良かった。それだけで満足だが、もう小劇場で見る事はないんだろうなと、かすかな寂しさも感じてしまった。
前回からメイン3人体制になり、今回の蘭兵衛と天魔王の関係は違和感なく見られ面白かった。ただ、動きの多い?激しい?場面では、舞台の奥行きが狭いのか、設定場面ごとに動きが制限されながら芝居しているように見えた。でも川の中では奥行くあって広く見えたんだよなー。前方席だったら、そんな違和感もないんだろうか。
回転している感じはわかったけど、それをいじるセリフもなかったなw
中日をまだ過ぎていない時に見たが、各方面お疲れモードだったのかな。
映像は綺麗でカテコ場面を含め、全体的にゲキシネで見た方がより感動したのかもしれない。
今後「鳥」「風」「月」と続くが、端席や最後列席などは一律価格で売り出してはダメ、だと思うがアンケートに書きたくても書けるスペースがなかったんだよねー。
城塞
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2017/04/13 (木) ~ 2017/04/30 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/04/23 (日)
地下生活を送る家長に付き合う身内、名前で読んでるけど父にすれば単なる符号的な名称なのかもしれないが、それに付き合う家族は現代的に例えるなら「介護」の域みたい。戦争と資本主義の皮肉にも思えて見てたが、青年期の安部公房の記憶を基にした井上ひさし氏の「日本人のへそ」を少し感じてしまった。
冒頭の映像と終盤の舞台セットの背景は、特に見入ってしまう場面だった。
辻さん、たかおさん、男優2人と渡りあう山西さんも十分ベテランなのにあの2人と丁々発止していると妙にフレッシュさがあり、また膨大なセリフ遣いに毎度2〜3kgは痩せているのでは、と妙に感銘。
フェードル
パソナグループ
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2017/04/08 (土) ~ 2017/04/30 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/04/22 (土)
立ち見観劇。
昨年、新国立劇場で上演された「あわれ彼女は娼婦」とほぼ同じスタッフが関わっているためか、演出や舞台背景に疑似感ありあり。
個人的に苦手な古典劇、重厚な言葉使いと、神々に惑わされっぱなしの展開にあまり入り込んで見る事できず残念さが募る。舞台というよりラジオドラマか動きのあるリーディング公演を見たような印象だった。
エジソン最後の発明
キューブ
シアタートラム(東京都)
2017/04/02 (日) ~ 2017/04/23 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/04/19 (水)
青木さんの7年ぶりの新作らしい。下町のエンジニア、中小企業の家庭、適度なエロ艶話にクスリとさせられたり、中年男のロマンチさにじんわりさせられる素敵なホームドラマだった。
かつてシアタートップスで劇団上演していた頃のグリンク作品を彷彿させた。
約110分。
わが兄の弟
劇団青年座
紀伊國屋ホール(東京都)
2017/04/07 (金) ~ 2017/04/16 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/04/14 (金)
20才の青年期チェーホフから物語が始まる、彼の家族と苦い青春の話だったが、一幕と三幕の話が印象に残った。
タイトル通り「贋作」のお芝居だけど、実際のチェーホフもこんな感じの人だったのでは、思わせた。誰だって悲劇と喜劇、両方を持ち合わせた人生、と思うような良い塩梅の舞台だった。