べつのほしにいくまえに
趣向
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
いろんな問題が編み込まれているのだけれど、それをこんがらがることなく、シェイクスピアの世界や横浜の街を借景に描いていく力に惹かれる。見入った。
エアスイミング
カリンカ
小劇場 楽園(東京都)
2024/02/28 (水) ~ 2024/03/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
翻訳劇ではあるのだろうけれど、それを忘れてしまう人物の抱く想いの生々しさがあった。
観ていて訪れる日々のタイトさに加え、観終わって浮かび残る彼女たちの人生への思索がある。一過性ではない俳優たちが紡ぐものの見応えに感心。
新ハムレット
早坂彩 トレモロ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2024/03/22 (金) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
太宰治の原作が青空文庫で読めるとは事前にきいていて、でもw最初だけ齧ったところで観劇。ハムレットは何度か観たことがあるけれど、この作品への予備知識はほぼ持たずでの観劇だった。
いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した
ロロ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2017/03/04 (土) ~ 2017/03/13 (月)公演終了
満足度★★★★
シリーズの四作目、今回同時上演された他のシリーズと物語が同じ空間に綴られていくことを観る側に感じさせるしたたかな仕掛けが随所にあって・・・。
その膨らみと、訪れるものの立体感と、だからこその時間のリアリティと磨かれないリアリティをもったルーズさと、想いの渡され方がありました。
このシリーズ、続きがすごく楽しみです。
遠くから見ていたのに見えない。
モモンガ・コンプレックス
BankART studio NYK 3C gallery(神奈川県)
2017/03/18 (土) ~ 2017/03/19 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/03/19 (日) 15:00
相変わらずの遊び心を力いっぱい演じることにも惹かれる一方で、
後半、作品を作り上げていく過程を描き出していくその姿には
観ていて震えがきました。
美術などにも、豊かにラフな研がれ方を感じる。
見応えがありました。
際の人
文月堂
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2016/10/04 (火) ~ 2016/10/09 (日)公演終了
満足度★★★★
こういう語り口だからこそ描きうる凡庸さ
気負わずに観ることができて、素敵にラフな物語の展開や踏み出しもあって、ドキッとするような色香も差し入れられて・・・。
でも、そうして描き出されるものが、やがてフォーカスを定め、ステレオタイプにならず、しっかりと、実存感をもって、ある意味凡庸な登場人物の生きる感覚を浮かび上がらせることに惹かれる。
こういう、どこかコミカルで、遊び心をもち、ちょっと緩めななかに、キャラクターが抱くものがぶれずにクオリティをもって、削ぎ出されていくのは、実はとてもしたたかだとおもう。
こういう語り口でなければクリアに描きえないであろう凡庸さの肌触りを、あっと驚くリアリティとともに受け取り、素敵に得心させられてしまいました。
カタナデッドオアアライブ
AnK
Neuro Cafe(東京都)
2016/09/10 (土) ~ 2016/09/10 (土)公演終了
満足度★★★★★
前回とは真逆の表現の歩み
昔の講釈のごとく、回を重ねて物語を紡いでいく。初回は痛恨の見逃しだったのですが、2回目を観て、紙芝居のような語り口と壁の向こうの平面的な表現の態に、物語が膨らんでいくことに驚愕。それが、今回はまた異なり、まったくちがく質感で物語が刻まれました。
いやぁ、予想とはかなり異なって、でもそのことも含めて、ほんとおもしろかったです。
SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】
壱劇屋
王子小劇場(東京都)
2016/04/06 (水) ~ 2016/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
関西弁Verも観たかった
動きではなくタッチですっと引き出すような彼らが作る壁のしなやかさに一気に引き込まれ、様々な動きの創意に目を奪われたが、作品自体の一番の勝因は、物語を解いていく歩みのバランスの良さではないかと思う。
関西弁での上演もあったようだが、観に行くことかなわず。言葉が編むさらにふくよかな奥行きの予感があり、至極残念。
是非に東京で定期的に公演を打っていただきたい劇団がまたひとつ増えた。
K.U.N
月刊「根本宗子」
BAR 夢(東京都)
2015/12/29 (火) ~ 2015/12/30 (水)公演終了
満足度★★★★★
ペラペラな重さを表現する作り手の力量
公演の大楽を。実は大楽にイベントがついていることを知らずに予約した罰あたりなのですが、トークを聴くことができたのもよかったです。
まあ、見方によっては非生産的で軽い世界でもあるのですが、キャラクターたちにとっては人生を賭するほどに重大なことであることが、舞台からガッツリと伝わってくる。そこには、作り手と彼女とともに世界を紡ぐことに長けてきた役者達ならではの個性や底力を感じました。
こういう軽重のギャップというかペラペラな重さが牽引するビビッドさはこの作り手しか描きえないものだと思う。
大きなハコでの公演などをみるまでもなく、、このベクトルは作り手の作劇の引出しの一つに過ぎないことは十分に理解しているそのうえで、作り手のこの語り口の先におとずれる世界をぜひに観たいとも思いました。
ただいま
劇団こふく劇場
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/12/19 (土) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
様々な表現のこなれた使い方
様々な表現がさりげなく使われて、でも気取ることなく、登場人物の日常が描かれていくことがとても興味深かった。
その日常がとてもよくこなれていて、だからこそ、人生の非日常が大上段に振りかぶることなく、その歩みの一歩として訪れるような感触もあって。
やんわりと深くとりこまれてしまいました。
海の五線譜
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
新しい血の力
作り手の紡ぐ時間の透明感は今回も健在で、それゆえに浮かび上がる心の揺らぎや因果の係りのようなものにも強く惹き込まれました。
その一方で客演の役者が新たな血を流し込んだような印象も残る舞台でした
ドアを開ければいつも
演劇ユニット「みそじん」
atelier.TORIYOU 東京都中央区築地3-7-2 2F tel:03-3541-6004(東京都)
2015/12/24 (木) ~ 2016/01/12 (火)公演終了
満足度★★★★★
それぞれの家族
シーズンごとに役者を変えながら年間を通してのロングラン公演。梅雨のころ、盛夏の頃に観て、今度は師走の公演。
戯曲も季節に合わせて絶妙にディテールを変えながら、なによりも役者の異なりが、その家族の色に変わっていくことが面白い。
同じフォーマットを供する戯曲に内包された企みが、役者達によって同じ筋立ての異なる豊かさに解かれていくことに強く惹きつけられました
消失
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
ラストシーンにまたもや凌駕される
初演も観ていますが、今回のほうが混沌がなくすっきりと物語が歩んでいく印象がありました。
とはいっても、ラストシーンの印象は強烈、物語をより明確に受け取ることができた分、強く鋭く時間の喪失感に突き刺されたような気がします。
洗濯物展覧会
くによし組
新宿眼科画廊(東京都)
2015/11/27 (金) ~ 2015/12/02 (水)公演終了
満足度★★★★★
観る側が抱く枠をすっと乗り越えてしまう
出演者の方の何人かは他の舞台で拝見したことがあるのですが、団体としては初見。
観る側の展開に観る側の感覚をすっと乗り越えて訪れる感覚があって、それが不思議でありとても魅力的で、食い入るように舞台を見つめました。
なんか、とてつもなく面白かったです。
鵺的第一短編集[全日程終了・ご来場ありがとうございました]
鵺的(ぬえてき)
新宿眼科画廊(東京都)
2015/12/18 (金) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
かみ合わないのに
登場人物たちそれぞれの抱くものや想いがなにひとつ噛み合っていないのに、その閉塞感や行き場のなさの先に、観る側を満たすものがあって心を惹かれました。
表層の事象の面白さ、それを紡ぎ上げる役者の緻密な演技を堪能しつつ、その奥にある繋がりのようなものに惹かれました
橙色の中古車
FUKAIPRODUCE羽衣
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/10/30 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
アラフォー女性の歩みの感触に瞠目
前半は離婚直後のアラフォー女性のはじけ方が恐ろしくビビッド。それが後半、ロードムービーの世界に歩みだすと、作品が彼女自身の歩んだ道と重なっていくことに目を瞠った。
役者の身体と台詞を一元化して観る側に供するその表現力のすごさに改めて感歎。
くろねこちゃんとベージュねこちゃん
DULL-COLORED POP
王子スタジオ1(東京都)
2015/08/26 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
こんどの猫はしなやかな筋肉質
何年か前にアトリエ春風舎で初演を観ています。
そのときには作り手や役者達がいろんな手さぐりをしながら作品の爪をとぎ、観客を招いている、いわば子猫の印象もあったのですが、今回の猫は筋肉質。
難解さはまったくなく、誰もが舞台の世界にすっと導かれるような平易さや上質のウィットもあり、その一方で、場ごとにもれなく様々な彩でのクオリティが作りこまれていきます。
シーンのひとつずつにくっきりとした意図があり、そこに血液を送り込む場の鼓動や歩みがあり、それをひとつずつ支えるストラテジーを感じるミザンスの作り方があって。初演と比べても、エピソードが滲みなく高い解像度をともなって観る側に入り込んでくる。
家族劇でもあるのですが、不要なべたつきがなく、冷徹でもあり、でも存在するコアのぬくもりが滅失しているわけでもなくて、解け出してくるものに息を呑み、その歩みだしのシニカルさと暖かさの織りあがりにも心を捉えられる。
演劇をあまり観ることがない観客から、観劇経験の豊富な観客までを、それぞれに満たす間口がある舞台だなあと思う。
もたれない軽質さに身を委ねているうちに、シーンの記憶やキャラクターが抱くものや、物語の顛末にがっつりと満たされておりました。
「捨てる。」終演しました!
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2015/07/26 (日) ~ 2015/08/05 (水)公演終了
満足度★★★★★
同じ戯曲の一味もふた味も異なる世界
従前に観たものと同じ筋書きに設定が少々変っていて、
それが舞台に新しい面白さをかもし出していくことに感嘆。
見応えがあったし、新しく面白かったです
蜃気楼ト走るハイバネトランチ
ハイバネカナタ
新宿眼科画廊(東京都)
2015/07/24 (金) ~ 2015/07/29 (水)公演終了
満足度★★★★
企てに満ちたラフさとふれ幅
入場してからの、どこか気楽な場の空気、
開演してからも暫くはまとまらないシーンが続く。
でも、それがふれ幅となり、観る側をぐぐっと引き込む引力が生まれる。
チープでラフな部分がそのまま物語のインパクトや密度に翻ることに目を瞠りました。
僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪
天幕旅団
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2015/07/09 (木) ~ 2015/07/13 (月)公演終了
満足度★★★★
ファンタジーを纏った今を想起
細かい部分はいろいろとあるのですが、良く構成されていたし、作品には観る側をその結末まで引っ張り切る力がありました。