なんかの味 公演情報 ムシラセ「なんかの味」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    たんと楽しませていただきました♪

    ネタバレBOX


    俳優ひとりずつが編む人物の個性に目を瞠る。
    松永玲子演じる香子はうわぁとなり出落ちではとはらはらするほどべたな関西のおばちゃん、でもそれを出落ちに陥らせることなく、その造形だからこそ受け取りうる女性の生きてきた日々や抱くものへと編み上げていく俳優の力に圧倒される。
    やがて彼女の娘と知れる中野亜美演じる璃の表層の硬質さの奥にある血の通い方や温度にも捉えられる。
    橘花梨演じる廸子にはこの女優だからこその瑞々しく委ねうる頑なさがあって。
    有馬自由演じる秋夫の風貌や彼なりにできる精一杯感みたいなものも物語の空気をしなやかに作り出していた。

    冒頭からずっとバンドのことが横たわっていたことも終わってみれば歪であっても家族の話であることへの得心や感慨となって腑に落ちる。振り返れば璃が登場してすぐに写真を撮るシーンなども物語を裏打ちする伏線になっていたなぁと思ったり。舞台上の人物たちの関係が解けた先で、ココアやクリームシチューの牛乳の味に仕掛けられた寓意が母を知らない廸子を紡ぐ俳優の心風景となって浸潤される。口にするそのシチューの「うま」の呟きにうるっとしたことでした。

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    2025/04/09 23:17

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