クリエイタアズ ハイ
ホチキス
OFF OFFシアター(東京都)
2013/04/17 (水) ~ 2013/04/28 (日)公演終了
満足度★★★★
ようやるわ!(笑)
お得意(?)のナンセンス気味ファンタジー、いつもながらのクオリティに2Dが3Dになるギミックなどもありさすが、と思っていたら終盤でさらに大きなシカケが登場して一気にさらう、的な?(笑)
某劇団並みのスペクタクルや客席上空のアレなど、ようやるわ!
Turn-over
劇団Peek-a-Boo
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2013/04/25 (木) ~ 2013/04/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
ある程度の年齢を重ねないと書けない領域?
生前の行いの善さにより人生の途中からやり直すチャンスを与えられた主人公の「もうひとつの人生」の結果は?というストーリーを通して語る人生論・幸福論。
といっても語り口は柔らかくユーモラスで堅苦しさなど皆無でむしろ優しく楽しい。
誰もが思ったことがあるであろう「もしもあの時…」がたとえ実現していたとしても今より良い人生になっていたとは限らないし、遡ってやり直すことは自分の人生やそれに関わった人々を否定することになるので、今を大切にしなさい、というメッセージが心にしみる。
若干の説教臭さがないとは言いきれない(爆)が、少なくとも観ている間はそんなことは感じさせず、老い先短くなった時の幸福、何を以て幸福と考えるか、何に幸福を感じるか、そして息を引き取る時に良い人生だったと思えることこそ幸せなのではないか、などのテーマがあたたかくてステキ。
ある程度の年齢を重ねないと書けない領域だろうなぁ。
なお、是枝裕和監督の「ワンダフルライフ」(1999年公開)を連想したりも。
猪突タッチアップ≪ご来場ありがとうございました!≫
劇団ズッキュン娘
北池袋 新生館シアター(東京都)
2013/04/25 (木) ~ 2013/04/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
アッパレ!な青春ドラマ
安定の池亀脚本とテンポの良い演出に演技陣も応えての三位一体、アッパレ!
上手の通路と舞台下手のハケ口を使ってのスピード感ある場転は会場の活かし方を心得ているなぁ、とも。
また、オープニング他での試合・練習シーンも狭い中でそれらしく見せており、20歳の国の「花園」と双璧を成す、な感じ。
さらに、通路に増設した席を終演後すぐに撤去したりのスタッフワークも◎。
ブラック・サバンナ
世田谷シルク
アトリエ春風舎(東京都)
2013/04/03 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★
新境地「堀川SF」を堪能
基調は夢の中のような現実離れしたあるいはブッ跳んだ世界ながら「あんなこと」や「そんな事例」(ネタバレBOXへ)を通して溶け込んでいた「あるもの」が浮上してくる、みたいな。
また、オチが小松左京とかそのあたりのSFにありそうでニヤリ。考えようによっては本作を原案にして「2001年…」とか「コンタクト」のような哲学気味のハリウッド映画も作れるのでは?とさえ思う。(あくまで私見)
戦場のピクニック
長堀博物館◎プロデュース
d-倉庫(東京都)
2013/04/23 (火) ~ 2013/04/24 (水)公演終了
満足度★★★★★
長堀アレンジ絶好調
人物を2人削って1人加えた上で創作部分を加え、冒頭の兵士のパートを敵兵と2人に言わせたり「敵になったのはいつからか?生まれた時からか、その後か?」という問答を繰り返したり(大事なことなので◯回言ってみました的)で長堀アレンジ絶好調。
慰問歌手(←創作人物)のラストの反語的でシニカルな台詞も心に刺さり、反戦の意志をより強く押し出したことに感銘を受ける。(←やや大袈裟)
フェルナンド・アラバール「戦場のピクニック」フェスティバル
die pratze
d-倉庫(東京都)
2013/04/23 (火) ~ 2013/05/06 (月)公演終了
満足度★★★★★
gojunko、佐渡島明浩、長堀博物館
【総論】
gojunko はオーソドックス、佐渡島明浩は何と素舞台に2人だけで、そして長堀博物館は人物を増減させて内容も加徐して見せて、最初に編曲しバックも付いた完成品を聞かせ、次いでアカペラ版、最後にRe-Mix ver.で締めた、という感じが面白い。
【各論】
gojunko は所謂一般的な芝居のスタイルで、どこまでが戯曲でどこまでが演出なのか、と思っていたところに佐渡島明浩がト書きまで読むカタチで見せてくれて「あぁなるほど」と。
長堀博物館は別途そちらの公演情報へ…。
ウェルカム・ホーム
天才劇団バカバッカ
テアトルBONBON(東京都)
2013/04/18 (木) ~ 2013/04/29 (月)公演終了
満足度★★
終盤のネガティブさがチグハグ
マスコミ批判の部分やラップの使い方、35人(?)ものキャストの使い方はイイが、終盤の怨み節パートがネガティブ過ぎてそこまでのトーンとチグハグ。
最後にジャンプすべく強く踏み切ったら床を踏み抜いてしまい、ジャンプし損ねるどころか怪我までしちゃった、的な。
ASSH-DX vol.3『危機之介御免』
ACTOR’S TRASH ASSH
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2013/04/10 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★
娯楽作品かくあるべし
実在した人物も交えての娯楽アクション時代劇。
いのうえ歌舞伎以前、アプルやサンシャインで公演していた頃の劇団☆新感線と「同じ祖先ながら別々の進化を遂げた」ような味わい?(東西の違いも含む)
最近観たいくつかの芝居のように作中人物の命を徒に奪うのでなく、ストーリー上の必然的な死であることに好感…いや、それが本来のあり方なんだが。
また、三つ巴状態から次第に1つの悪に対抗するカタチになる流れや笠原紳司の存在感、高木万平の華などを筆頭とした的確なキャスティングも巧く、娯楽作品かくあるべし、な感じ。アッパレ!
あと、由井正雪に「熱狂」のヒトラーたちのイメージが重なったりも…。
My Favorite Phantom
ブルーノプロデュース
吉祥寺シアター(東京都)
2013/04/26 (金) ~ 2013/04/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
「ハムレット」BP-Mix ver.
「ブルーノプロデュース節」満載のリミックス版「ハムレット」?
ドキュメンタリーシリーズの手口(笑)を知っている身として作り方を推察できる部分もあって頬が緩みっ放し。
また、緩急や静動を心得た構成に音楽(それも交響曲とか)的なモノをやはり感じたりもして。「旋律なき音楽」?
沙翁のハムレットを期待して足を運ばれたお客さんもいらっしゃるだろうし賛否両論とは思うが、個人的には絶賛気味。
ブルーノプロデュース版(so called「BP-Mix」?(笑))の「授業」や「戦場のピクニック」を観たくなったりもする。
次回の長堀博物館プロデュースに加えて欲しい団体だわ。(と、おねだりしてみる)
なお、客席通路や後方、さらにバルコニー部分も演技エリアとなるので、H列やI列(←最後列)がオススメ。そしてセンターに限らずむしろ端の方が全体を見渡せるかも?
で、間違っても「ハムレット」を見に行ってはイケナイ(爆)。
ぼーくらは、みんなーいーきている〜
Moratorium Pants(モラパン)
新宿眼科画廊(東京都)
2013/04/21 (日) ~ 2013/05/01 (水)公演終了
満足度★★★★
モラトリアム編
オーソドックスなスタイルで文学的とも言える萩原戯曲をモラパンならではのPOPな美術の中で見せて独特の味わい。
「忠臣蔵ブルース」の床の間と「ヒカリモノ」の照明が特に印象的。
それにしても、演ずる役のための「アレ」とはいえ、オープニングで学生服を着た加賀美さんの違和感と言ったら!(爆) 芝原さんの方がよっぽどサマになっているってくらいで…(笑)
一筆入魂~締切追う者、追われるもの~
劇団熱血天使
ワーサルシアター(東京都)
2013/04/17 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★
新境地への挑戦
明治の文士や編集者などを通して文学とは?何故書くのか?などを軽妙洒脱に描いて新境地に挑戦しているが、連作短編形式のためもあってか1本の作品としては今一つまとまりに欠ける感が無きにしも非ずなのが惜しい。
一方、一旦暗転した後のブル転で椅子・テーブルなどを移動させた後に前の場の出演者が前列、次の場の出演者が後列に並び、再び暗転してから次の場に進むという場転が妙案。
なお、実在の人物を使うこと、場転後に時がある程度過ぎていることなどに井上ひさしの作風も連想。
コイズミ・タエコ
TAKA-BANプロデュース
千本桜ホール(東京都)
2013/04/10 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★
工夫したオチは両刃の剣
とある映画のオーデションで与えられたヒントからエチュードをすることになった劇団…から終盤はサスペンス風味に。
で、既視感のある結末かと思いきや、さらに一捻りして後味を調えたのは良かったが、同時にそれによって芝居のウソを逸脱する疑問(ネタバレBOXへ)も生じてしまったのは惜しい。
目玉屋繁盛記
UNITレンカノ
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2013/04/18 (木) ~ 2013/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★
沙翁の恋愛喜劇風味もある人情コメディ
人情喜劇をベースにレイ・クーニーなどが得意とする勘違い要素や親子の情、オトメ心など様々取り揃えた現代モノ。
若干のバランスの悪さもないではないが総じてシアワセな気分になる。
特に終盤での若い二人の成り行きの微笑ましさと習い事を沢山している娘の母への想いがステキ。
また、全体的にシェイクスピアの恋愛喜劇に通ずる感覚があったのは沙翁作品の翻案を自ら手掛けたりもした木下主宰の経験から滲み出るものか?
【終演!ありがとうございました!】女教師と団地妻
ボクキエダモノ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2013/04/17 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★
昼下がりのサイコホラー?(笑)
ゴールデンタイムのドラマの如きオトナのイジメからいつしか昼ドラ系のドロドロに発展し、やがて…な「面白うてやがて恐ろしき」なオハナシ、キャラのハマり具合も相俟ってこえー!(笑)
そんな中、あの会場で複数の場所をきちんと描き分ける照明もまたグッジョブ!
【全公演終了!】東京ユートリア【ご来場誠にありがとうございました。】
劇団東京ペンギン
王子小劇場(東京都)
2013/04/10 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★
社会派あるいは思想派?
時代を問わず常に言われ続ける「最近の若いモンは…」や大人って何?その境界は?などについてあれこれ考えをめぐらせながら観る。
その意味で社会派あるいは思想派と言えるのではあるまいか?(「オトナ帝国」も想起したけれど(笑))
また、舞台中央の構造物に空けられた「穴」の使い方をはじめとして随所に漂う「クロムらぶ♪」にはニヤリ。
ファーストバージン
Peachboys
シアター711(東京都)
2013/04/11 (木) ~ 2013/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★
オトナの余裕の艶笑系青春コメディ
大のオトナの悪ふざけ、あるいは艶笑気味青春コメディ。濃いキャラ合戦のおバカオンパレードに大いに笑い、青春モノ的なノリには懐かしさを感じる。
考えるに設定年齢に近い役者を使って演ったら、変に生々しかったりしてあの可笑しさは出ないのではあるまいか。オトナの余裕みたいなものも加わって初めてあの味が出る、と言えるのでは?
あと、90年代J-POPの選曲&使い方も良かったなぁ。
Rain Dogs
しゅうくりー夢
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2013/04/11 (木) ~ 2013/04/15 (月)公演終了
満足度★
終盤があまりにも杜撰
往年の私立探偵もの(それもアメリカの)の現代アレンジとしてなかなか良く出来ていながらも、詰めが甘い…どころか急にガサツになるのが非常に残念かつ大いなる疑問。
また、この会場を初めて使うとはいえ、舞台面の低いKASSAIで平土間4列とした(最前列は小型パイプ椅子だが2列目のベンチ席と3・4列目の椅子席の座面は同じ高さ)ために4列目は座り芝居の7割、立ち芝居も舞台後方だと5割、前方でも1-3割が見えないという見切れ席どころか「見切ればかり席」(しかし全席指定で同じ料金)という始末でプロの仕事とは思えず。
次回公演もここを使うそうなので是非改善願いたい。
re:cycle 1【ご来場、誠にありがとうございました!】
ラフメーカー
ギャラリーがらん西荻(東京都)
2013/04/11 (木) ~ 2013/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★
短編のお手本?
1編目ではヒモっぽい男のワルっぷりが非常にワカり易かったり(ベタ、類型的と演劇的記号は紙一重?)、2編目の中盤では時間を大胆に省略して見せたり、と短編ならではの技法を駆使し、自然な会話で引き付けておいて、絶妙なところに落とすのが見事。短編のお手本か?(←褒め過ぎた(笑))
ユメオイビトの航海日誌
怪傑パンダース
ザ・ポケット(東京都)
2013/03/13 (水) ~ 2013/03/17 (日)公演終了
満足度★★★
玉石混淆
かつて精霊と人との交流があった世界、略奪行為を行わずただ理想郷を求めるだけでも海賊と見なされるなどの設定、キャラクター造形(演技を含む)、アクションなどは良いが、脚本が玉石混淆ゆえ「フツーに面白い」にとどまったのが惜しい。(詳細はネタバレBOXへ)
竹蔵さんのおくりもの【多くのお客様にご観劇頂きました。ご来場誠にありがとうございました!】
劇団ぺブル(ペブル・グラベル)
ワーサルシアター(東京都)
2013/03/28 (木) ~ 2013/04/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
いわば「小劇場界の良心」?
基本に忠実、オーソドックスな人情系の物語、安定感があって安心して観ていられることに好感。
昔観ていた「落ち着きのあるオトナが書いた芝居」ってこんな感じだったよね、な懐かしさアリ。
主要人物はもちろん、1シーンだけの人物にいたるまで丁寧に描かれているのもイイ。脚本・演出・演技の三位一体と言えるであろう。
また、一番の泣かせどころであるクライマックスの後の暗転を長くする心遣いがニクいばかりでなく、最後に余韻にひたるための長い暗転があったり(チャイコフスキーの「悲愴」の終わり方を連想)場転の暗転時に先に台詞を聞かせるとか、暗転の使い方も巧い。