満足度★★★★
21世紀版「RUR」か?
機械人間への情操教育、という出だしから21世紀版「RUR」か?と予見した通り、ピノキオの設定(の一部)を借りて語られるストーリーはRURや鉄腕アトムなどを想起させる。
そんな中に画一化教育と言うか、自分が思う1つの理想型に嵌め込むことだけを考え、せっかく芽生えた独自の才能を摘み取ってしまう育て方への警鐘を鳴らし、愛とは?人間とは?などを考えさせたり、人のエゴや嫉妬を示して見せたり、「ナンバーワンでなくオンリーワン」を訴えたりするのが素敵。
とはいえ中盤の鉄琴のあたりから謎の女が「愛」を語るあたりまでに共鳴して大興奮したためにそれ以降の部分が(客観的に観ればよくできているんだが)比較的フツーに感じられてしまったのが惜しいと言おうか何と言おうか…。
言い方を変えれば、そのあたりにテーマがぎっしりと集中してしまい、それをすべて捕らえようとするのはやや忙しい。(笑)
もう少し小出しにして分散させれば…あ、逆に散漫になるのか?
なお、あるシーンで「綾波?」と思ったが、佐野木さんにその意図はなかったそうで。が、そう思われたお客さんは他にもいらしたとのことで、「やっぱり!」みたいな。(笑)