じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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さけとなみだとおとことおんなと、

さけとなみだとおとことおんなと、

なかないで、毒きのこちゃん

RAFT(東京都)

2018/06/27 (水) ~ 2018/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/07/01 (日) 17:00

価格2,800円

【ボーイ編】
ナンセンスあるいはドタバタ系青春劇の政岡作品、予想通りお得意のメルヘンチックな成島作品と(ガール編と通じて)すべて異なる味わいで来てのラストを飾る鳥皮作品、露骨な説明台詞に「やりやがったな!」とニヤニヤしていたら、これが長いのなんの! しかもそこ以降のいくつかの台詞も長くて「記憶王決定戦か!」みたいな。
こんなのを最後にもってくる鳥皮さんってば、おヒトが悪い……(笑)

さけとなみだとおとことおんなと、

さけとなみだとおとことおんなと、

なかないで、毒きのこちゃん

RAFT(東京都)

2018/06/27 (水) ~ 2018/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/07/01 (日) 14:00

価格2,800円

【ガール編】
日常のひとコマ的な黒川作品から始まり、ある意味メルヘン(?)な岸野作品、そして現実を1~2歩踏み外した鳥皮作品とバラエティに富んだ構成。
岸野作品の「北風と太陽」的な発想と鳥皮作品のクルマの見せ方(どなたかがシンクロ少女の表現を挙げていらして得心がいったが、観ている時は「そんなアングルでも!?」なところに惑星ピスタチオを想起)がキモ?

「  」

「  」

エンニュイ

SCOOL(東京都)

2018/07/04 (水) ~ 2018/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/07/04 (水) 15:00

価格2,500円

オフィスでの会話から始まる会話劇……しかしそれは会話を主体として進む一般的な会話劇ではなく、会話自体が中心(主人公?)となる文字通りの会話劇、いや、会話だけでなくモノローグやラップもあるので「台詞劇」あるいは「言葉劇」とでも言うべきか?

出だしや中盤のコミュニティ(?)場面などは会話が成立しているが、それ以外の部分では同時多発の台詞があったりして台詞の洪水……と言うか言葉の氾濫であり反乱(!)な印象。(ネタバレBOXに続く)

ネタバレBOX

最初は「役者が台詞を発している」のがやがて「台詞が意思をもち役者を使って自ら出てきている」ように思われ(だから「反乱」)、台詞って何?言葉って何?なゲシュタルト崩壊を起こす感じ。
説明に「言葉を失う奇病」とあるが、それは失語症のように言葉が出てこなくなるのではなく、「言葉は発せられるが意味をなさない」という意味において、と受け取った。

また、蛍光灯の使い方を筆頭に照明も独特で面白い。
《東京公演》新宿コントレックスVol.20

《東京公演》新宿コントレックスVol.20

Aga-risk Entertainment

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/06/29 (金) ~ 2018/06/30 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/29 (金) 19:30

価格2,000円

時事ネタと言うか最新(よりにもよって初日未明の)ネタをブッ込む団体が2つもあり、笑の内閣はさすがだしアガリスクはジャンプさんがいかにもな役どころだし、斬新なアイデアの団体はあるし、今回も粒揃いで満足。

ネタバレBOX

1分にも満たないショートコントからそこそこの長さのものまで複数詰合せだった笑の内閣、高度プロフェッショナル制度を「あんなもの」にあてはめてワカり易く説明し、不備な点などは鋭く揶揄した1編、これだけでもモトは取れた感じ。

アガリスクエンターテイメントの「切ない恋」、まさかシンクロ少女と通ずるものがあろうとは!

アイデアと熱演は買うが、それだけで引っ張るにはちょっと長い、な団体は惜しい。観ていて「まだそれ(だけ)で続けるの?」とか思ってしまったくらいで。ストーリー性を重視した結果だろうが、だったら後半で新たなパターンを加えるべきではなかろうか?
青い鳥 完全版

青い鳥 完全版

演劇屋 モメラス

STスポット(神奈川県)

2018/06/20 (水) ~ 2018/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/30 (土) 14:00

上演時間60分という制限に収めた利賀版とテキストはほぼ同じながらオープニング/エンディングなどを附加したとのこと。
メーテルリンクの原作に関して表立った記憶は結末部分だけしかなかったが、観ながらいくつかの「国」を巡ることを思い出す。どうやら青山劇場柿落し公演である劇団四季の「ドリーミング」(のテレビ放映)で知ったようだ。(子供の頃の読み聞かせとかで知っていたのかもしれないけれども)
そして本作は年齢を問わず楽しめるのでは?→それは原作が児童文学/童話だからでは?→そう言えばその原作も寓話として大人でも楽しめる=深読みできるのでは?などと思う。
演劇表現としては四角い枠(だけ)の「窓」に始まりスカーフの巻き方での犬・猫、それに照明効果などで観客の想像力を掻き立てるのが巧み。
次回公演はBUoY 北千住アートセンターだそうで、あそこの使い方に期待♪

THE BIG ESCAPE-大脱獄-

THE BIG ESCAPE-大脱獄-

カカフカカ企画

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/06/27 (水) ~ 2018/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/29 (金) 14:00

価格3,600円

基本はバカバカしく、それに明るくカラッとしたスケベとあれやこれやのパロディ、皮肉も練り込んだ未来譚。
今回は過去作品の再演ゆえか直近に観た2作と較べてパロディ関連が極めてマトモで「常識的な範囲内」だった(錯覚?(笑):あ、だからCoRich舞台芸術!に公演登録したのか!(爆))ものの、やはり作風には一貫性がある感じ。

昭和芸能舎版 フラガール

昭和芸能舎版 フラガール

昭和芸能舎

赤坂RED/THEATER(東京都)

2018/06/26 (火) ~ 2018/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/06/28 (木) 15:00

座席J列12番

価格3,300円

2006年の映画、2008年の舞台版のいわば「セルフカバー」。
ベタなまでの人情譚にその道のプロ並みの一芸披露という昭和芸能舎の十八番パターンにして真骨頂、しかもクオリティは上がる一方という。
具体的には冒頭場面で「あんなだった」ヒロインがそこまで成長したか……とか、稽古場面でメンバー毎にできていたりまだ下手だったりとフラの上達具合がまちまちなのが巧い。(もちろんクライマックスではきちんと合う)
キャストは憎まれ役の反対派を演じたベテラン勢が一筋縄ではいかない頑固者っぽかったのとコーチにいかにも第一線のダンサーでした感があった一方、一部のフラガールは(田舎娘という設定にしては)垢抜けて見え、映画での蒼井優にひけをとらない「芝居のウソ」ぶり。(笑)
クライマックスのフラ場面は、2008年の赤坂ACTシアター版に対して劇場サイズが小さい分、少数精鋭で客席も近いのでごまかしも利かなかろうところ、お見事♪
ちなみに「舞台 フラガール」は2008年7月31日に赤坂ACTシアター1階C列12番で観た記録があるが、S席9000円……(白目)

海と日傘

海と日傘

劇 えうれか

古民家ギャラリーしあん(東京都)

2018/06/22 (金) ~ 2018/06/28 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/26 (火) 14:00

価格2,500円

行間に情感がこめられたというか、沈黙の部分が雄弁というか……な「静かな演劇」。

2012年11月のSPIRAL MOON版を観た時「全てを語らずな奥床しさ」に往年の松竹映画に通ずるものを感じたが、それは演出によるものではなく戯曲の持ち味だったか、と改めて認識。

そして1度観たことがあるため先読みしたり(もしかすると違っていたり美化したりしているかもしれない)記憶と比べたり、さらにここをはじめとして外光が入る公演会場での常として夜公演の「景色」を想像したりしつつ 楽しむ。

いずれまた別の会場・演出で観てみたい。

コーラボトルベイビーズ

コーラボトルベイビーズ

第27班

駅前劇場(東京都)

2018/06/22 (金) ~ 2018/06/27 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/23 (土) 13:30

座席G列11番

価格3,800円

ダメ人間な父親と母親・娘息子の7人家族、ホームパーティーらしき準備をする男女グループ、別府温泉にクルマで向かう男性3人組に同乗する女性、という3つの流れが併行し…… な物語。
話が進むにつれて3つの流れの関係性が浮かび上がってくる(え、その二人は姉妹なの?ということは……的な)構成はいかにも第27班だが、語られる内容はかつてなく(?)ビター。

ネタバレBOX

セイコの語る婚姻継続の理由に怨念めいたものすら感じてどよ~んとする中、終盤のシバタの発言で「まだ好転する可能性はない訳ではない」レベルの微かな望みを残す結末が絶妙
換身

換身

劇団普通

SCOOL(東京都)

2018/01/18 (木) ~ 2018/01/19 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/19 (金) 15:00

価格2,000円

二人の男性の行動に創造性やら発展性やらを見いだせず、ただこなしている……というか、大きな玉を頂上へ運ぶものの転がり落ちてまた運び、を繰り返すシジフォスか石を積み上げては鬼に崩される三途の河原の童子のように何かの業罰で辛い状況を繰り返す「何たら地獄」に落とされたのではないか?という印象を受けたのは、この少し前に温泉ドラゴン「山の声」を観ただけでなく、前日に日本コメディ協会「シェイクスピアの何か」で「最後の夏の夜の夢」も観てしまったことによる変な妄想か?(笑)

ハイハイツ,タワーリングレジデンス~High Heights,Towering Residence~

ハイハイツ,タワーリングレジデンス~High Heights,Towering Residence~

monophonic orchestra

APOCシアター(東京都)

2018/06/21 (木) ~ 2018/06/25 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/21 (木) 15:30

価格2,500円

各フロア1戸の7階建て集合住宅を舞台にした8編で構成されたオムニバス。
ドタバタ気味からしっとり系まで振れ幅が広く、中にはメリハリが弱いものもあるが、ラスト3編(しっとり系→ドタバタ&パロディ→それまでの人物が登場しての総轄)のコンボが好みで「終わり良ければすべて良し」的な?

ネタバレBOX

エレベーターを止める原因となったもの、カーテンコール後に(映画のエンディングクレジット後のワンカットのように)明かすのかと思ったらそのままとは殺生な!(笑)
めぐるひかり

めぐるひかり

BASEプロデュース

BAR BASE(東京都)

2018/06/26 (火) ~ 2018/07/10 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/26 (火) 20:00

価格2,000円

米内山さん作品としては異色?(私見)
ストレートに辛辣なやり取りで始まり雨降って地固まる、みたいな。初演未見につき、当時のエビス駅前バーの使い方や店名などを想像しつつ楽しむ。それぞれに○○する落としどころはいかにも、かも。

ネタバレBOX

しのぶが終盤で忘れていた「まさか」なことを思い出し変化(進歩)するのを筆頭に、各人物がそれぞれに進歩するのはやはり米内山さん流。
あと、しのぶが甘やかさないようにあれこれ禁ずるのは、「独善的な正義の是非」を問う最近のいくつかのものに通ずるような気も。
俺なんだよ戦記

俺なんだよ戦記

劇想からまわりえっちゃん

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2018/06/21 (木) ~ 2018/06/30 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/24 (日) 14:00

価格3,000円

学園ものとしてはありがちなダメなクラスとその教師と……なプロット。
やはり暑苦しく(冷房が強目だったのも頷ける(爆))バカバカしく終盤の一部など無駄にスケールがデカい。(笑)
が、暑苦しさとバカバカしさは昭和の少年ジャンプのノリを思わせ、宇宙規模のズームアウトやいくつかの表現は惑星ピスタチオ(むしろカプセル兵団?)を思わせて楽しいのなんの。
また、効果音とマイムによる卓球の見せ方がイイ。何なら「ピンポン」の舞台化もできるのでは?(笑)

跳 JUMP

跳 JUMP

劇団うるとら2B団

萬劇場(東京都)

2018/06/20 (水) ~ 2018/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/22 (金) 19:30

座席I列7番

価格3,500円

完成した時間航行システムの試運転中に研究チームが幕末に飛ばされてしまい……な和製時間もの。
このテの物語が好きでよく見ている身には先が読めたり「そこは“そっち派”」なのね」だったりで楽しめたし、ラストは「そう来ましたかぁ!」な意外性も。
また、本編にちりばめられたさまざまなアソビや装置のギミック(途中の転換もさることながらラストの見せ方がイイ)、それにスタッフワークなどはベテラン団体の味がにじみ出てお見事。

雲をたぐって天まで飛ばそう。

雲をたぐって天まで飛ばそう。

perrot

王子小劇場(東京都)

2018/06/20 (水) ~ 2018/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/22 (金) 14:00

価格2,300円

【先入観なしにご覧になりたい方にはスルー推奨】
人名・地名などは日本神話っぽいし展開や台詞回しはシェイクスピアっぽい(確かにロミオとジュリエットよりもマクベスだ)し一部はギリシア悲劇っぽくもあってクラシカルで重厚なのに何故か未来の物語のように感じてしまったのはイマジネーションの暴走か?(笑)
それはマイナス×マイナスがプラスになるというより、クロノス・ジョウンターのように、ある方向に行った反動で逆方向に飛ばされる作用なのかも。いずれにしても脳の誤動作的な感覚が面白い。

また、登場する最終兵器にしても具体的な特徴が挙げられて特定は容易だが、どこかジブリ的(炎の7日間をもたらすもの、みたいな)なイメージが広がってしまった。これもやはり暴走?
そう言えばナウシカやラピュタなど、ジブリ作品も時代が過去のような未来のような特定不能の別世界感があるもんなぁ。

さらに、時代が特定不能ということではNODA・MAPもそうで、過去や現在の出来事の寓話化という手法が本作に通ずる気も。言葉遊びや内容のアソビを附加したらNODA・MAP風にもなるのでは?(私見)

ところで本作のような作品は、当日パンフレットに人物相関図(あるいは勢力図?)があるとありがたい。ネタバレとの関係もあろうが、その旨注釈を付ければ見ないという選択も可能だし。

あと、ステージ真ん中上方の装置のギミック、某人気ミュージカルの「大階段」を連想。(笑)

ネタバレBOX

後半で愛する人を選んで国を見捨てる(?)ニニギを「ダークサイドに堕ちた」と思ったのはライトセーバーでの殺陣があった「あの芝居」の影響?(笑)
真夜中ガール

真夜中ガール

劇団癖者

小劇場B1(東京都)

2018/06/20 (水) ~ 2018/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/20 (水) 14:00

価格3,200円

3年ぶり2度目の癖者は以前と比べてかなり進化。
かつて大阪で芝居をしていた3人の仲間がそれぞれに上京して直面するあれこれ。題材が題材だけに「そんな苦労をしているんだなぁ」感がひとしお。終演後、下城主宰に「体験談ですか?」と聞いてしまったくらいありそうなハナシで……(笑)
また、アイドルデュオそれぞれの立場も「さもありなん♪」なネタで、これがラストで活きる(通快?)んだな。
そう言えば、地方から上京した戸惑い・驚き的な序盤は「ひよっこ」「半分、青い。」などの朝ドラを、その後の日常のあれこれは単館レイト上映の映画や深夜ドラマを、夢に関する部分は劇団ズッキュン娘「夢で逢いま笑」を想起。
なお、、「体験談?」との問いの回答は「一部の体験を元にしたフィクション」とのこと。そらそーだ。(笑)

ネタバレBOX

アイドルデュオであっても人気などで優位に立つ方と虐げられる方と力関係があるが、後者がラストで主人公と心情的に通じ合い、優位な方に「アンタには一生ワカらないでしょうね」と言い放つのが痛快と言うかk救われると言うか……。
ナイゲン

ナイゲン

ILLUMINUS

浅草九劇(東京都)

2018/06/12 (火) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/06/15 (金) 19:00

価格4,000円

アガリスク(2012年1回、2013年2回、2015年試演会+本番2回)、feblabo(2016年、2017年各1回)に次いで3団体目で、もちろん味わいの違いはありつつ、「この座組のナイゲン」として見事なまでに成立しており、時には過去の演者を思い起こしたりもしながら堪能。
どさまさりの背後あたりにしようと思いながらもそのあたりが非推奨席(という名の誘導席?)だったために東ブロックの南端にしたが、アガリスクメンバー4人や「おばか屋敷の右腕(謎)」がよく見えて結果オーライ。

また、内容をよく把握しているゆえメインで進行している会話や面々から眼を逸らせて別の会話(のマイム)をしている演技を観たり終盤での「孤高のどさまわり」に注目したりも。これもその心境を推し測れたりして良かった♪

で、「この2時間弱」の間に大きく成長したのは3148と議長だと思う。なので最後のヤマ場での3148の2つの言動と議長のあの台詞が好きなんだろうな、と。

ネタバレBOX

最後のヤマ場、花鳥風月の出し物を皆が創り上げてゆくのを少し離れた椅子に腰掛けて静観していたどさまわり、あれは監査のように「私を説得して!」と思っていたのか「違う違う、そうじゃない、そういうことじゃない!」と抵抗しながらも自分の「敗北」を予期していたのか?……これ、今回どさまわりが女性になったことと、その時にメインの流れでなくどさまわりの反応を観察していたから起きた疑問かも。

退席しようとするアイスクリースマスに「いいんですか?」と声をかける3148がイイんだが、あれは「敵に塩を贈る」的なものかあるいは逆襲的なものか?
いずれにしても酷い仕打ちを受けて90分後くらいなのにええ子や。その後に監査を説得する切り札として意見を求めることと併せて好きな言動なんだな。
沼田宏の場合。

沼田宏の場合。

グワィニャオン

シアター1010稽古場1(ミニシアター)(東京都)

2018/06/15 (金) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/06/15 (金) 15:00

価格3,500円

ある特殊な陪審員たちの会議劇。このテの芝居の原点とも言える「12人の怒れる男」の形式・展開を踏襲しつつも基本はコメディである上に後半であちらにはない新たな(そして個人的に好きなパターンの1つでもある)テーマを盛り込むのがさすが。まさしく「既存のものに新しい価値を附加した」(←この日の夜に観た「ナイゲン」でも出たフレーズだ)と言えよう。
ソラトビヨリによる初演(2007年7月)・再演(2008年8月)を思い出したりして大いに懐かしくもあった。

ネタバレBOX

新たに来た者が天国行きか地獄行きかを閻魔様に代わって12人の陪審員が定めるようになった冥界の話、自殺と判明したら無条件で地獄行きというのがテーマとしてもサスペンスを生み出す要素としても巧い。
自殺であるかどうか現場を(モデルで)再現するところなど、それまでずっと座っての議論だったので動きを入れる、という会議ものの基本をしっかりおさえているし。
ラフカット2018

ラフカット2018

プラチナ・ペーパーズ

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2018/06/06 (水) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/07 (木) 19:00

座席2列12番

価格3,800円

2011年以来、久しぶりに観るラフカットは「ああ、このサイズ感と台詞の響き方……」な懐かしさ♪
前半の2編は30分という半端な(?)尺を使いきれない感なきにしも非ずか? 対して後半2編は流石。

第一話「僕らの力で世界があと何回救えたか」(脚本:高羽彩)
同窓会の会場である体育館を抜け出して共同で使っていた部室に集まったアマチュア無線部OBと演劇部OG……知った上で観ているせいか随所に高羽彩さんっぽさがあるような?

第二話「僕の妻にはタトゥーがある」(脚本:大野敏哉)
スーパー銭湯のサウナ前でのエピソード、女性のタトゥーということで「未開の議場」を思い出したりも。

前半のこの2本がどちらも「これで……終わり……なのかな?」な印象なのは大きな山場的なものがないからか?

第三話「パーはチョキより弱いのか」(脚本:佐藤二朗)
11年前の提供作品の再演とのこと。いくつかの台詞がいかにも佐藤二朗さんっぽいと言うか、脳内で勝手に「あの口調」で再生されてしまう。(笑)
終盤に山場もあり、きちんと安定して終わる感覚。

第四話「フェスでゴミを拾う」(脚本:堤泰之)
地方都市での町興し的な音楽フェスティバル(2回目)実行委員たちの打ち合わせ。初回に「あること」をしたため今回は出場を自粛するバンドがあり……な物語。
「正義の反対はもう一つの正義」というのは有名だが、「正義(正論/正しいとされること)を振りかざすのは絶対的なイイことなの?」「行き過ぎた(あるいは独善的な)正義は時として悪になるのでは?」という疑問をなげかけるものが「映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱」以降ちょくちょく芝居に出てくるが、本作のある人物と「爆盛!カンフーボーイズ」のヒロインの言動の近いこととと言ったら!

フランケンシュタインー現代のプロメテウス

フランケンシュタインー現代のプロメテウス

演劇企画集団THE・ガジラ

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2018/06/07 (木) ~ 2018/06/13 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/06/09 (土) 18:00

価格3,500円

北極海で衰弱しているところを救われた男が語る「生命を創った」科学者の話……。
200年ほど前の夜はかくや、な薄暗さと、炎・反射光・影などを巧く使った明かりがクラシカルな趣きを醸し出してステキ。

途中、ヴィクターが精神科医の診断を受ける場面あたりから大得意な誤読をして(ほぼ誤読と自覚しながら)「ヴィクター・呉・フランケンシュタイン・一郎」の物語で、怪物や科学者は北極海の男の別人格なのではないか?と考えてしまったのは前年の「ドグラ・マグラ」の後遺症か?(笑)(なお、装置における鏡の使い方も踏襲していると思う)

なお、副題部分が原作まんまであることを……と言うよりそんな副題が付いていたことを今回初めて知った。

ネタバレBOX

誤読と言えば終盤で「北極海の男が怪物だという誤読もあるな」と思ったら、それは誤読ではなくアタリだったりも……(笑)

また、「生命を創りだしたフランケンシュタインこそ怪物ではないか?」のような台詞があったが、水木しげる「悪魔くん 千年王国」(←メフィストと妖怪退治をするのではなく、悪魔を呼び出すが役に立たないという原点的な長編)にあった「(役立たずの)悪魔を呼び出す力を持った少年こそが本当の悪魔ではないか?」という使徒ヤモリビトの台詞を思い出してニヤリ。

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