尼を待つ
三度目の思春期
ギャラリーしあん(東京都)
2018/12/12 (水) ~ 2018/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/12/12 (水) 19:30
価格2,300円
念願叶って人気の尼僧の年に3回しかない特別説法を聞きに来た3人の女性(うち2人は同伴者アリ)だが、事情により尼僧の戻りが遅れ……な、いわば「尼僧を待ちながら」。
と言っても不条理ではなくむしろ「世にも奇妙な物語」の1エピソードのようなオモムキ。
次第に不思議の度合いが増して行き、隠していた事実と共に種明かしをして、最後にオトすという構成が巧みにして好み。
前作「女ばかり」にしても本作にしても三度目の思春期における柳井作品は他団体でのものとはちょっと違った「アナザーサイド」なのも面白い。
とはいえ本作は十七戦地の某作品(ネタバレBOXに詳述)と根っこは近いけれども。(前段・後段とも私見)
クロノスコープ少女
劇団ミックスドッグス
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2018/12/12 (水) ~ 2018/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/13 (木) 14:30
価格2,700円
【幾世ver.2日目】
「時をかける少女」ならぬ「時を覗く少女」?(笑)
メインキャストの熱演もさることながらサブキャラ陣の良い意味でベタなほどのサブキャラっぷりが特に印象的。そう言えばキャラメルボックスのサブキャラもこんな感じではなかったか、と改めて気付いたりも。
そんな中、従来は好青年など善人キャラだったニュームラマツさんの悪役ぶり(新境地?)にキャラメルなら大内厚雄さんの役どころか?と思い、だったら祖母は坂口理恵さん、母は岡田さつきさんか?と連想し、本作のサンシャイン劇場版なども夢想(笑)。いや、いつかやってよ!(ほぼ真顔)
あと、懐かしきNHK少年ドラマシリーズ(そういう世代なもんで)の薫りがする部分もあってホクホク。
静かな欠片
サカサマナコ
北千住BUoY(東京都)
2018/12/06 (木) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/08 (土) 13:00
価格3,000円
時代を隔てて夕陽が見える同じ場所で交わされる3組の会話を中心としたパフォーマンス。
時に詩的、時に哲学的な会話とどこか幻想的な雰囲気(夕陽が見える=黄昏時=逢魔時という連想によるものか?)が印象的。
なお、オープニングとエンディングにアマヤドリ作品に通ずる(と言っても「ぽい」「似ている」という類ではない)モノも感じた。
へたくそな字たち
TOKYOハンバーグ
座・高円寺1(東京都)
2018/12/05 (水) ~ 2018/12/12 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/05 (水) 19:00
座席A列14番
価格4,000円
山田洋次「学校」小山内美江子「3年B組金八先生」など(部分的に昭和芸能舎の作風も?)に通ずる夜間中学の1年間。
基本に忠実な作劇でベタと言えばベタだが手堅い。また、場ごとの見せ方も工夫されている(例:バレーボールの試合場面)し、場転も効率よく巧み。
「約束は溢れる泡沫のよう、掬えもしないのに。」
劇想からまわりえっちゃん
小劇場 楽園(東京都)
2018/12/05 (水) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/07 (金) 19:00
価格3,000円
【からまわりブルー 妄動】
妖精たちが主体でファンタジックなレッドに対してこちらは生身の人間が中心の文字通りの人間ドラマ。
「王道はそんなに良いことか?」という王道レッドへの「返歌」的なものも含むほろ苦さと「この人がああなるのか(例:段ボール製の肩アーマーを着けた少年がレッドの「あの人」)」な楽しさが共存。
また半紙(?)に単語を書いたものを貼りまくった美術や単語が書いてあるばかりではなく後から文字を貼り付けたりもできる衣装などの「文字情報」も面白い。
王道レッドとの関係性(内容や尺)に少し前の「尊厳の仕草は弔いの朝に」の前半と後半に近いモノも感じたので、15周年か20周年に本作の「レッド+ブルー通し上演」もあるのではないか?(ちょっぴり期待)
「約束は溢れる泡沫のよう、掬えもしないのに。」
劇想からまわりえっちゃん
小劇場 楽園(東京都)
2018/12/05 (水) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/07 (金) 14:00
価格3,000円
【からまわりレッド 王道】
人間界で暗躍(?)する妖精たちに彼らを元の世界に帰そう(と言うより強制送還?しよう)とする組織の手が迫り……なファンタジー。
前説で青沼主宰が「王道あるあるです」と口にした通り「そうそう、こういう時はそうだよね♪」「やっぱりソレかい!(笑)」とどこかで見たような「お約束」的展開満載。(展開に限らず一部衣装も「ベタ」)
しかしそれらは具体的な何かに似ているのではなく「概念的な(?)いつか見たアレ」なのではないか?先人の創作物の安易な模倣ではなく一度自分のものとして消化・吸収してから新たな表現として創り出している(=ある意味「温故知新」)のではないか?……なんてことを考えた。
SHIP
浮世企画
APOCシアター(東京都)
2018/12/04 (火) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/05 (水) 14:30
価格3,500円
浮世企画としては珍しい女性4人だけの1場会話劇。
アラサー女子会的に穏やかに始まりながら、やがてそれぞれの事情・過去などから次第にシリアスに転じて「あ、やっぱり浮世企画!」(笑)
その転ずるさまやふとしたこと(例えば降り出した雨と洗濯物)をキッカケにした回想シーンへの移り方、演者の本役以外への切替えなどそれぞれモーフィングのように滑らかなのが印象的。
5日のアフターイベントは男優2人がゲストゆえ本編中の一部を男性役を男優が演ずるリアルタイプにしたものや男女反転で演ずるもので、「あの場面」の反転が本来よりトゲトゲしく感じたりも。(我が身のことと受け取り易かったからか?(笑))
瞑目のパノラマ
ヒノカサの虜
王子小劇場(東京都)
2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/01 (土) 14:00
価格3,800円
装着すれば感情が半減されそのエネルギーを活用できる装置や記憶を媒体に保持してクローンに移植することで実質的に不死となる技術が開発された未来のダークな寓話。
大きな戦争が終結したとは言えまだその影は色濃く、クローンでの「不死」というのも謂わばショートタームでの輪廻地獄、殺し合う無為さや命の儚さを謳い、技術の発達とその危険性(?)にも触れた濃密な2時間半、ズシリと来た。
また、組み上げた構造物と舞台手前の間に適度に穴を空けて奥がチラリと見える引き戸を並べ、その開け閉めの組み合わせで多彩に見せる装置も「あー、以前はこういうの、時々あったけれど最近はあまりないな」なレトロ感もあって良かった。
遺産
劇団チョコレートケーキ
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2018/11/07 (水) ~ 2018/11/15 (木)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/11/11 (日) 14:00
座席D列19番
前作「ドキュメンタリー」同様に、関係者の述懐により明かされる医療絡みの事件の真相……であるが、前回と較べて時代的にも隔たっており、創作部分の比率が高いかも?
そして、個人的には731部隊が行った「直接的な」行為よりも、自社の利益を優先させて事実を隠蔽するという「間接的な」行為の方がえげつなく感じてしまうのは時の隔たりも加味されるからか?
その意味で「ドキュメンタリー」「遺言」の両作品を観ることができたのは良かった。
本作について言えば、医学者が「解剖しても人種に違いはなく、「優秀な民族」というのは方便」と言うのに説得力があると言うか、今までにはなかった観点からの発言であることにハッとする。
そして、「戦争とはそういうもの(なのでもう起こしてはならない)」という主張も感じた。(それは「あの記憶の記録」にも通ずるものであろう)
ところで床に置いてある「ガラス製のアレ」を「ビーカー」だの「フラスコ」だのとしているものが散見されるが、あれは「試薬びん」ではないだろうか?
虹の都、銀の靴
劇団やぶさか
黄金町 高架下スタジオ Site-D 集会場(神奈川県)
2018/11/30 (金) ~ 2018/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/11/30 (金) 18:30
価格2,800円
オズの魔法使いをベースにしたファンタジー。まずはお馴染みのアイテムに始まり、原典ゆかりの人物が登場して、まさかあの人があの人物だったの!?な展開はさすが(と言うかお手のもの?)。装置も気合いが入っているし。
そう言えばこの会場を入口側を客席、奥を舞台に、という使い方、(3回目の使用にして)初めてでは?
そう言えば「本歌取り」のパターンって、
1)世界観やアイテム(だけ)を使ったもの
2)原典を「もしもあそこでこうしていたら」的に改変する平行世界
3)原典の人物のその後を描いた後日譚
などに分類できるのではないか?などとも考えた。
センチメンタル・ジャーニーズ
guizillen
サンモールスタジオ(東京都)
2018/11/22 (木) ~ 2018/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/11/29 (木) 14:00
価格2,800円
【Aチーム(オリジン版)】
前夜にドカ盛り(比喩)のBを完食した身にとってはメガ盛り的な?(笑)
成立過程から言ってAが「基本」でBが「応用編」であるが、内容的にも「娯楽に特化したB」に対して育児放棄や親の役割に男女の区分はないなど「メッセージ性のあるA」と言えよう。
とはいえ、ツイッターなどで「全く異なる」の声が多いことから予測したほど大きく違ってはいず、喩えて言えば「二卵性双生児」といったところか。
そして、おカマちゃんたちが保護し擁護する対象が異なることによる「翻案」具合を「そこはそう変えたのね」「あれはまんまか」と比較しながら観るのは「七人の侍」と「荒野の7人」的な。
しかしこれ、A→Bの順で見たら印象は違ったのだろうか?
で、いつかCバージョンなどあるのか?(笑)
センチメンタル・ジャーニーズ
guizillen
サンモールスタジオ(東京都)
2018/11/22 (木) ~ 2018/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/11/28 (水) 19:00
価格2,800円
【Bチーム(アドバンス版)】
雨の夜にふとしたことからおカマちゃんが保護した女子高生は妊娠しており……から始まる物語。
プロローグでちょっとホロリとさせられ(時を隔てての再会という状況に弱いのじゃ)続く冒頭場面でのおカマちゃん達の優しさに泣かされ、このままいったらどうなるのか?と不安を抱いた(?)がそれは杞憂に終わり、以降は攻略型バトルアクションゲームっぽい「いかにもguizillen(偏見込み)」な展開。(爆)
端的に印象を語れば、ご飯何kgにルー何kg、海老フライ何本にトンカツ何枚、さらに焼肉何g、から揚げ何個をトッピングした「ドカ盛りカレー」みたいな。(更爆)
がしかしそれはGャルS根級じゃないと食べきれないなどという否定的な意味ではなく、あれもこれもトッピングしていろんな味や食感を楽しんでもらいたいという「店主のサービス精神/心意気」が滲み出ているという良い意味の比喩。
なお、1階入口(と地下への階段の下り口)のスタッフさんが「こちらはサンモールスタジオ、guizillen「センチメンタル・ジャーニーズ」です。○○○(無関係なので伏せる)は、この先シアターサンモールです」と繰返しアナウンスしていたのもファインプレー。(喝采)
さよならはここにいる
こゆび侍
王子小劇場(東京都)
2018/11/07 (水) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/11/07 (水) 19:30
座席D列6番
価格3,500円
書道家の母の跡を継ぎ書道教室を開いている女性のあの時、その時、そして今……。ファンタジックでロマンティックでリリカルで、ちょっと切なくちょっとコミカル、という こゆび侍 の王道にしてさらに熟成された感じ。
住み慣れた町がなくなる、人が亡くなったり遠くに行ってしまったりする、「いつまでも変わらず続くものなんてないんだよ」という「もののあはれ」が漂いつつ、全体的に優しい感覚が支配しているから共感するのか?
なお、3つのパートのうち1つは、ある意味で山田太一「異人たちとの夏」とも通ずる「優霊譚」で、こういうのも好きなパターンなσ(^-^)であった。
【勝手にキャッチコピー】
主人公(物語の中心人物)は1人なのに「トリプルヒロイン」とはこれいかに?
六月の斬る
グワィニャオン
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/11/29 (木) 19:00
座席G列5番
価格4,000円
明治初頭、川上音二郎一座は芝居に迫力を持たせるべく「本物の侍」に指導を受けようと元新撰組隊士を招聘する。が、そんな彼らにも日清戦争の影が忍び寄り……な物語。
終盤はこんな世の中になりかねない、こんな世界にしてはいけないという強いメッセージが込められ、しかもそれが芝居に関わることなので切実と言うか身近と言うか具体的なだけに迫ってくる。
なので終演後、西村主宰への言葉が「突き付けてきましたねぇ」だったほど。
そして井上ひさしの「きらめく星座」に通ずるものを感じたと伝えたところ「読み直しました」とのお答えが。つまりはそういう芝居です。
いやしかし、あくまで日清戦争開戦の頃の演劇界事情であり、昨今の世相に警鐘を鳴らしたり「総理たるものかくあるべき」と現職総理を皮肉ったりする意図はなく、単なるσ(^-^) の深読みか?
世光ちゃん。ぎらぎら♡
Pityman
北千住BUoY(東京都)
2018/11/13 (火) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/11/13 (火) 19:00
価格1,500円
地方の街の再開発をめぐる物語(を展開しておきながら、まさかの……)。
会場の浴場跡(だけ)を劇中の廃業した銭湯として使い、その浴場跡部分が客席よりもわずかに高めなので「劇場っぽさ」も漂う。この会場では既に何本か観ているが、こういう使い方は初めてだったので目からウロコ。
そんな物語は終盤で唐突気味な殺人にまで発展し、まさしく「悪夢のような雰囲気」が漂うが(しかもそこの場造り演出も好き)、「暴走」という感は免れず「何かヘンだな?」と思っていたところで……(ネタバレBOXに続く)
その恋、覚え無し
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2018/11/27 (火) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/11/27 (火) 19:00
価格2,800円
前作「翼の卵」がシェイクスピアでもギリシアでもない純和風(?)の悲劇をこってり描いた「大悲劇」なのに対して「小悲劇」という印象なのは、悲劇を乗り越えてそれでも生きて行く前向きな姿勢が感じられるからか?
神目衆のストイックさと浮世絵を想起させるラストカットの美しさも印象強い。
十二階のカムパネルラ
シアターキューブリック
浅草九劇(東京都)
2018/11/21 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/11/24 (土) 19:00
座席H列12番
価格4,500円
宮沢賢治を描いた映画の撮影中、出演女優の身体が演じる役のモデルである女性に占められ、女優(の精神?)は異空間(?)からその様子を見守ることになってしまい……という好きなパターンの1つである時空交錯系(?)ファンタジー。
さらにオープニングのダンスからキャラ設定、内容、気が付けば装置までかつてワクワクしながら観ていた頃の(←おいコラ表現に気をつけろ(爆))某団体のクリスマスツアー(バレバレだな)を思い起こさせたりもして胸アツ。
また、この秋に観た芝居で「銀河鉄道の夜」モチーフのものは楽園王、はらぺこペンギン!に次いで3本目であったが、次第に原典からの距離が遠くなっていったのがも面白いな、とも。
最悪の場合は
トツゲキ倶楽部
「劇」小劇場(東京都)
2018/11/21 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/11/22 (木) 19:30
価格3,800円
探査機の帰還が迫る中、理事の不正が発覚して……な宇宙開発機構のてんやわんや。
コミカルに始まりながらも世相への皮肉をちりばめながら池井戸潤的なアツさを経てSF!なクライマックスに至るのはトツゲキ倶楽部の真骨頂か。
あと、ラストシーンの「画」もイイ。(一関係長でスピンオフが作れそう(笑))
客入れ・客出しの選曲にもニヤリだが、ラストのあの曲は某団体を思い出してしまう。(笑)
空と東京タワーの隣の隣
マコンドープロデュース
下北沢 スターダスト(東京都)
2018/11/17 (土) ~ 2018/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/11/26 (月) 19:30
価格3,500円
【勝手にキャッチコピー】浸透圧のある台詞がちりばめられたランウェイスタイル演劇
ある女性とその父を軸とした家族史……と言うよりもむしろ「父娘史」的な中編。
心にスッと入ってくる、あるいは発した人物の気持ちが伝わってくる、そんな台詞が心地好く、進むにつれてもんちゃん(父)の人物像がくっきりと浮き彫りになってくるのが巧み。
補足すると「ズッシリ響く」とか「心に刺さる」とかではなく、たとえば水のように軽くサラッと呑めてしまう日本酒のようにすんなりと「心の中に入ってくる」台詞があって、その結果、人物の気持ちなども「自然にワカる」感覚。
また、縦長の演技エリアにランウェイのような光を落とす奥側と背後の壁にカンバスのような光をあてる手前側と二灯だけの明かりで、基本的に演者は奥から手前に歩きながら台詞を発し、脇にハケて奥に戻るというスタイルも躍動感(?)があってイイ。
北の忍者、光を夢見る
ハチビットプラネット
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2018/11/15 (木) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/11/17 (土) 18:00
価格2,500円
国境近くの軍事基地では一部メンバーが幼馴染の部外者と共にFM番組を流しているほどのほほんとしていたが、ある日、隣国の忍者(!)が潜入し……から始まる傑作娯楽サスベンス。
ゆるく始まりながらも次第に緊張感が高まり、気付いた時にはしっかり引き込まれていて、それでいて程よくユーモラスな部分があって息抜きもできるというバランス配分が絶妙。
「どこかの国によく似た文化を持つ架空の国」の国際政治絡みの問題を「あーそれあるある!」や胸アツな展開を交えて描き、一件落着はするがすべての問題が解決した訳ではなく余韻を残して終わるという物語の流れは旗揚げ公演「朝焼けのパレード」を想起させ、8bitPlanetの真骨頂か。
北の忍者が情報収集のために傍受していたラジオ番組によって音楽を好きになった、という部分に超時空要塞マクロスを連想。また、「同じように映画好きな同士がなぜ戦わなくてはならない?」という反戦・厭戦・嫌戦メッセージも良かった。
いやホント、過去作品も含めて台本を販売して頂きたいものです。