じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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ただいまを待って

ただいまを待って

演劇ユニット 少年cycle

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2018/11/02 (金) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/04 (日) 13:30

価格2,500円

事前情報で現在と50年前を描くことを知っていたので上手に黒、下手に白の衣装の人物が立ち、中央奥に白いブラウス・黒いスカートの人物が座っていることで「なるほど、そういう表現ね」と察する。
以降、二つの時代を交互に見せる中に共通の物や設定が出てきたりしてから二者を同時に進行させ一部の台詞が同期するというお馴染みの、そして好きな技法も駆使。
終盤では二つの時代の若者に共通するテーマ(「あなたは何と闘っていますか?」とか)も示し、まさにお手本のようなツクリ。
これ、観劇初心者にも演劇表現の面白さをワカり易く紹介することができるのではないかしら?……って。もう千穐楽を迎えてしまったんだが。
あと、二つの年代に変わらぬ姿で存在する人物(というより「あの建物の精」かも?)が「何十年も同じ姿のまま生きながらえているような(私見)」大畑麻衣子さんなのでワロタ。(かつキャスティングの妙に大いに納得)
それにつけても学生運動が盛んだった頃の若者はなんとオトナだったことか!
(本作に限らず、たとえばオフィス再生「二十歳の原点」などでも痛感したことであるが)

盾と矛とちはる

盾と矛とちはる

制作「山口ちはる」プロデュース

小劇場B1(東京都)

2018/11/03 (土) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/03 (土) 19:30

「私(山口ちはる)」の語りを芯にしたエピソード集的エッセイ演劇。バックステージ物で劇団の姿勢・意気込みを表明するケースのプロデューサー版的なオモムキも。
交代で演じられる「私」役(時には男性も)以外の役者は相手役やモブ、「私」の「影」などを演じる手法も面白い。
しかし終盤の母親との2編はズルい……もとい白眉。ちなみに母親役は固定で衣装も他全員がジャージなのに対して母親っぽい服装、というのも上手い。
さて、山口プロデューサーの自叙伝的演劇シリーズ、第三弾もあるかな?(期待)

みどり色の水泡にキス

みどり色の水泡にキス

オフィス上の空

あうるすぽっと(東京都)

2018/10/17 (水) ~ 2018/10/24 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/22 (月) 19:00

座席D列4番

複数の流れが並走したり、時制が前後したりという従来のトリッキーなパターンと異なり、基本的には中心となる人物の少年期からの成長を時系列に沿って描くことに「おやおや?」と。(笑)
それでも「狂言回し的な2人」と「主人公の人生に何度も現れる女性」がキ上っぽさを漂わせて進み、終盤で「あぁ、やっぱりキ上の空論だ」と腑に落ちるのが面白い。

ネタバレBOX

主人公の生涯に妹やら恋人やら様々な関係で現れる「みどり」という女性、そしてそんな女性と何度も出会う主人公の不思議さに映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」を連想したりも。

また、「生まれ出ることができなかった命・魂」というモチーフがこの前日(と2日後)に観た芝居にも出てくるという小劇場シンクロニシティも。
魔法少女的ゾンビ

魔法少女的ゾンビ

ムシラセ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/11/08 (木) ~ 2018/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/11/08 (木) 20:00

価格3,000円

魔法少女オーディションの二次選考。1万人を超える応募者から書類選考を通過したにしてはその部屋に集められた面々は個性が強すぎるどころかむしろヘンなヤツばかりで……な物語。
コメディタッチな中に自己否定からの自己肯定など描く前向きな感じはムシラセらしからぬ(偏見)……と思ったが、終盤のややダークな部分はやはりムシラセ。(爆)
また、「再演ながらほぼ新作」と当日パンフレットにあるように、演者の個性が活かされていてまるであて書きのよう。配役の妙はたまた脚本(改訂)の妙か?

ネタバレBOX

あと、あのオチは見え見え、どころかほとんど「お約束」級かもなぁ。(笑)
古書パラレル浪漫譚

古書パラレル浪漫譚

はらぺこペンギン!

神保町花月(東京都)

2018/10/17 (水) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/10/18 (木) 15:00

座席H列7番

価格3,300円

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の結末への(白坂さんの)疑問をパラレルワールド/タイムリープで描くとは好きなものの掛け合わせで、もうタマらん!

前回が不思議の国のアリス、今回が銀河鉄道の夜をモチーフに、いずれもSF系のハナシ(前回はロボットもの、今回は平行世界/時間もの)に仕上げているが、次回もこのパターンだとするとモチーフは何だろう?などと考えるのも一興。「オズの魔法使い」あたりかしらん?

ネタバレBOX

大切な人を救うために過去に行くが、最初は失敗、二度目も失敗、あれこれ考えて三度目にようやく助けることができる、というところに梶尾真治の「クロノス・ジョウンターの伝説」も連想。
お菓子をくれても悪戯するぞ

お菓子をくれても悪戯するぞ

制作「山口ちはる」プロデュース

小劇場B1(東京都)

2018/10/31 (水) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/31 (水) 19:00

価格3,300円

おバカなおふざけも当然ありつつ、少年ジャンプのバトル系マンガっぽいノリで、ある意味普遍的かもしれない(そしてガンダム世界でも繰り返して描かれる)テーマまで語るところがいかにも小林光作品。

かつては同じ世界で共存していたのに互いに相容れないとして分裂し相手を恐れて戦う……というのは人類が歴史の上で繰り返していることであり、テーマとして深い。以前の「ビニール袋ソムリエ」とも通ずるコンセプトなのではないか。

ネタバレBOX

「あなたとは戦いたくない/戦う理由がない」ってガンダムシリーズ(に限らずバトル系全般?)の主人公がちょくちょく言うのではないか。(笑)
特にかつては一緒だった相手との対戦などにおいて。
そしてそれは「戦う意味」「敵」とは?から発していて深い。
また、そんな戦いから脱却して「新しい世界を求める」というのも然り。
こどものうた

こどものうた

第27班

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/26 (金) ~ 2018/11/06 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/29 (月) 14:00

価格2,000円

【Bグループ】
「どこまでも行けるのさ~彼らの銀座線編~」、静と動の対比、的な2編の「静」編。
とはいえ結婚の許しを得るため渋谷から浅草に向かう男女の会話劇、なこちらは表面的には静かだが内容的にはダイナミック。
また、2人の演者が浅草に近付くにつれて(とぼかしておかないとね(謎))人格まで変化してゆくように感じられるのも巧い。

「どこまでも行けるのさ~あの子の田園都市線編~」、一方こちらはやはりほぼ乗りっ放しながら乗降もするし最初は一緒だった3人が別行動をとることになったりと動きがあり、謂わば従来路線で2編の対比が鮮やか。

ネタバレBOX

【勝手にキャッチコピー】時をかける銀座線:「どこまでも行けるのさ~彼らの銀座線編~」
「コーヒーが冷めないうちに」

「コーヒーが冷めないうちに」

カワグチプロヂュース

萬劇場(東京都)

2018/10/30 (火) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/11/01 (木) 14:00

座席I列7番

価格3,000円

「そこに座れば時を翔けることができる」な喫茶店の席をめぐる4つのエピソードを連作短編風に綴り、第1話は「例題」、第2話が「基本形」、第3話は第4話の伏線的なものを見せてからの「応用編」、第4話が「別パターン展開」という構成にしたのが何度観ても巧みで感心。

また、映画を観ていて第4話が以前観た舞台版と大きく違い、エンディングで原作として「この嘘がばれないうちに」(小説続編)もクレジットされているので推察したことがアフタートークでの川口さんの発言から確信となったりも。

アフタートークと言えばσ(^-^) が観た1日マチネ、7歳の男の子(!)が「タイトルが先ですか?内容が先ですか?」という好質問をして、それに対して川口さんが「作品を作る時は常にタイトル先行。タイトルが浮かび、装置模型やキャストが決まるにつれて内容もできてくる」と回答したのがハイライト。

あと、終幕時、「あるアイテム」にスポットライトが当たり、照らしている光の円が小さくなっていってフッと消えると、そのアイテムが残像で暗闇の中に浮かぶ……という演劇技法を使った視覚トリックがありるがこれも鮮やか。
これからご覧になる方、最後は「そこ」を凝視しておくことをオススメ!

なお、白いワンピースの女の「正体」について川口さんはいつ頃設定したんだろう?最初の戯曲の時点?小説化の時点?続編小説の構想時点?……というのが今回新たに浮かんだ疑問。(川口さんご本人から回答をいただきました)

ネタバレBOX

ところで第3話の冒頭、未来が母との写真を撮りにやって来るが、彼女にコーヒーを入れたのは誰?(答えは小説にあるそうな)
七本の色鉛筆【劇 えうれか】

七本の色鉛筆【劇 えうれか】

劇 えうれか

SPACE EDGE(東京都)

2018/11/01 (木) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

鑑賞日2018/11/01 (木) 19:00

価格2,800円

漢字(それも旧字体?)3文字の「〇〇座」が古式ゆかしき劇場にて具象的な舞台美術で上演するような(そしてある意味NHKの朝ドラに通ずる感覚の)作品を倉庫を改装した(←推測)会場で対面客席にして絨毯や(演じられる場に応じてその都度配置する)椅子などの質感(?)で雰囲気を醸し出す演出が面白い。

が、いかんせん長過ぎる。
それも当初のアナウンスでは2時間15分としていたものを“当日案内メール(しかも開演わずか3時間前だ)で”2時間40分(実際の上演時間は2時間45分)と修正するのはいかがなものか?

一旦上演予定時間が告知されたら、それに従ってその後の行動予定を決める観客もいる訳で、たとえばマチソワの1本目に選んでおいて告知された上演時間ならソワレの公演に間に合うのでそちらも予約済みだったりした場合、その30分のためにソワレ開演に間に合わないこともあり、そうするとその観客のみならずソワレの団体にも迷惑が及ぶことになる。そういうことを想像できないのか?どういう神経なの???
30分も上演時間が延びることを当日まで隠すことによる「観客のメリット」はあるのだろうか? 「主催団体のメリット」もあるのだろうか?
当初発表の上演時間に収まらないと思ったらなぜその時点で訂正しないのか?

観劇当日に突然「上演時間が30分ほど延びました」なんて爆弾を投げてくる不誠実な団体は、今後コワくて行けない。

こどものうた

こどものうた

第27班

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/26 (金) ~ 2018/11/06 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/28 (日) 20:00

価格2,000円

【Fグループ】
「あの空に恋とかしながら6分間」
「わくわくJKライフ」かと思いきや(爆)謂わば「好き」についての(哲学的?)考察。未来的設定(実は平行世界の今)がそれをさらに際立たせている?
また、演劇的手法でちょっとしたトリックを仕掛けているのも好み。

登場人物もそれぞれ個性が描き分けられながらいずれも実際にいそうに見えたのは脚本の功績か演技の功績か?(←いやその両方、という反語的な用法)

ゆで卵がいくつかの隠喩のような気がするけれど、さて何だろう?
ところでアナタはゆで卵を作る時、水からですか?沸騰してからですか?(謎)
(ちなみにツイッターでアンケートをとったら27件の回答があり、水からが7割、沸騰してからが3割)

ネタバレBOX

同じクラス内に2つのグループがあるのかと思ったら実は1年違いの2つの学年で、同じ役者が双方に出ているが姉妹だったりするのが「騙される快感」。
また「18歳になったら性別を選択できる」というので未来の話かと思ったら「おかずクラブのオカリナ」が台詞に出てきて「パラレルワールドの今だったか!」だったりも。
こどものうた

こどものうた

第27班

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/26 (金) ~ 2018/11/06 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/28 (日) 17:00

価格2,000円

【Aグループ】
“愛”を主題とした2編。
「こどものうた」は変化球的に入って愛とは何ぞや?を問う感じ?
二組の関連を推測しながら観るのも一興。

「30歳の制服デート」は笑わせた後に泣かせるど真ん中の直球。
Dグループ「マリー・アントワしかしネット」の男2人に共感したのとは真逆に健がなぜアレをそんなに拒むのか理解不能なσ(^-^) は少数派か?
一方、南はいじらしいというか可愛いというか……
考えようによっては照れくさがる(?)男の方がコドモなのかもなぁ。(苦笑)

こどものうた

こどものうた

第27班

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/26 (金) ~ 2018/11/06 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/26 (金) 20:00

価格2,000円

【Dグループ】
「マリー・アントワネット」、現実のバーで上演されたエビス駅前バープロデュースの初演(2016年5~6月)が「リアルタイプ」、劇場の広さなどを活かした演出のこちらは「劇場版」といったところか。

で、下手入口付近のブース(「ホテルミラクル」ではシャワールームになるアソコ)をバーのカウンターに仕立てていたが、最後列下手端からはマスター(「笑ゥせぇるすまん」の魔の巣のマスター似?)のリアクションも見え、楽しさ倍増。特等席では?

また、終演後に初演の配役を確認して納得したが、こちらの配役も的確、お見事!

こどものうた

こどものうた

第27班

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/10/26 (金) ~ 2018/11/06 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/26 (金) 17:00

価格2,000円

【Cグループ】
「平成舞姫 2018ver.」
初演も観ていたので「そうだったそうだった」と思う一方、デフォルメされてコミカルさが増したような感覚も。その分、ラストの味わいが反動によってさらに強まったかも?

「川原君で学ぶinstagram入門」
シリーズ第一弾の確定申告は「実用講座」な趣きだったが今回は題材が題材だけにEテレの趣味講座風味で、これまた愉しい♪

背に描いたシアワセ

背に描いたシアワセ

やみ・あがりシアター

APOCシアター(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/30 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/25 (木) 19:30

価格3,000円

冒頭、バ○が付きそうなほどベタな新婚カップルの朝が描かれ、序盤のカラーテレビに関する会話にパナカラー(松下の商標)、キドカラー(日立の商標)、20インチ、26インチ(今にしては画面が小さい)などの単語が出て(その後も国鉄、2ドア冷蔵庫、電子ジャーなどが出る)これまたベタな嫁いびりの姑(市川歩さん:好演)が登場して「なるほど、昭和のホームコメディね」と納得して観ていたが、終盤でいきなり現代のアイテムや用語がが出てきて違和感。
ここでボンヤリ見ていたアタマが回転し始め、そう言えばそこまでもいくつかあったかすかな違和感から真相を推察、マチネのタテヨコ企画「美しい村」同様、台詞で明かされる直前に正解にたどり着く。
これ、一度観て真相を知った上でリピートすると、あれこれ気付く部分がありそう……ってか、しっかり伏線がはってあるから、そしてそれらを半ば無意識的に観ていたので初見でも終盤で真相か明かされる前に勘づくことができたのだろう。

で、観終わってから「これを映像化するならどうするか?」を時々考えているが妙案が浮かばない。やはり「あの表現」は演劇ならではなのではないかしらん?

美しい村

美しい村

タテヨコ企画

小劇場B1(東京都)

2018/10/24 (水) ~ 2018/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/25 (木) 15:00

価格3,200円

昭和30年、奥多摩の村落で起きた毒物混入による無差別殺人事件をめぐる物語。諸設定といい内容といい、いかにも柳井作品っぽく(前々回の「戦争、買います」と較べるのでなおさら)ファンとして頬が弛みっ放し。

で、最終場、ある人物のちょっとした台詞から(その後の台詞で語られる前に)真相を察知したが、同時にそれを隠す(?)ために観客の先入観を使い巧妙にダマしていることに気付いて「騙された快感」再び。(前日のフロアトポロジー「クラゲの夢」とタイプは異なるが)

あと、装置の梁(?)の端の「中略」的な焼け焦げたような処理がカッコイイ。

ネタバレBOX

村に来て1年の筈の養護教員が突然「村の祭りも昔と変わった」的なことを口にした時に「真犯人はコイツだったか!」と察し、また、動機が子供の頃の窃盗事件だと語った時に先にその話が出た時点で窃盗犯を漠然と男の子だと思い込んでいたことに気付き「たばかったな!」みたいな。(笑)

また、クライマックスで毒物が実は赤いと判明しで大逆転する時には「12人の怒れる男」の終盤の「メガネの件」の時のような感覚を味わった。
みんなのへや・改

みんなのへや・改

Aga-risk Entertainment

CHARA DE asagaya(東京都)

2018/10/17 (水) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/10/20 (土) 18:00

価格3,000円

女性ストーカーが相手の部屋に侵入し、という出だしのあたりは比較的ゆったりしているが、人物が増えるに従ってギアを上げてゆくようにテンポアップして気が付けば全速力で疾走している感覚が心地よい。
また、とっさについた嘘が後の混乱を招くとか、それぞれ勘違いしての会話が奇跡的に成り立つとか、二組の会話が同時進行して時々台詞がシンクロするとか定番とはいえ巧いやね。
あと、床にテープで間取を描くことで「その空間」を表現するのは以前「大空襲イブ」でも見たけれど、今回はそれにプラスアルファがあって「その空間」がより鮮やかに表現されたのもイイ。

「メグ The Monster」/「あっちの部屋では」

「メグ The Monster」/「あっちの部屋では」

アナログスイッチ

旧平櫛田中邸アトリエ(東京都)

2018/10/16 (火) ~ 2018/10/25 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/23 (火) 19:00

【メグ The Monster】
音楽の使い方や設定、台詞の端々などに名嘉友美さんっぽさが見え隠れしつつもシンクロ少女では上演しないであろうタイプに仕上がっているのが面白い。
そして、この会場を活かした作劇はもちろん、2人のヒロインの関係性を最初は(姉妹と)誤解させるような台詞が仕込まれていたりするのも巧み。
なお、ダブルヒロインを(関係に関する台詞が出る前に)漠然とどこか似ているように感じたのは気のせいか?(笑)

手の平

手の平

かわいいコンビニ店員 飯田さん

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2018/10/19 (金) ~ 2018/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/10/20 (土) 14:00

価格3,200円

再開発で立ち退き要請のある旧家屋に住む家族を中心とした物語。
題材が題材だけに田舎の実家(←基本的に東京生まれ東京育ちゆえσ(^-^)にはない)にいるような安心感(?)が漂うような感覚で、シリアスな部分もありつつ微笑ましい部分もあって心地よい。
また、一件落着の後のエピローグ的なラストの二段構えのシカケが見もの。
「解体される生まれ育った実家」という共通点がある2月のアナログスイッチ「みんなの捨てる家。」と見比べるのも一興?

わたしの、領分

わたしの、領分

「わたしの、領分」製作委員会

大泉学園ゆめりあホール(東京都)

2018/10/18 (木) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/10/21 (日) 13:00

座席H列3番

価格4,300円

エンタメ芝居の対極にあると言うか娯楽性を排して真摯にテーマを伝える作品にしてファーストシーンからいきなり「刺してくる」ほどのしんどい「体験」。
結果、こういう題材でも演劇にできるんだ、とか演劇にする意義、しんどさを軽減する工夫などについて考えながら観ていた。(と言うかそういうことを考えて気分を逸らさないと辛さに堪えられなかったのか?)

(4度目の上演を考慮して具体的なことはネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

冒頭、Aくんの母親(演・真嶋一歌)の苛立ちがいきなり刺さる。発達障害の子を持つ母親のストレスが直接伝わってくる感覚か?

育児は妻に任せきりなBくんの父親(演・山田健太郎)についえも今は少しずつ変わっているとはいえおそらくまだ主流だろうし、ましてや子供が自閉症であれば逃げたいだろうと考える……どころか自分がその状況に置かれたら同じ対応になるだろうと想像し、これも「刺さる」。

その2例以外でも作中人物の心境があれこれ伝わり、「かなりヘヴィー」。
クライマックスでの心理士・萩野(演・福永マリカ)とAくんの母親のやり取りはその最たるものかも。

が、そんな内容ながら、装置や照明効果の見事さ/美しさや、客席会場時から舞台上にいて、開演後は時にはAくん、時にはBくんであり、さらには流れた胎児の魂であり、将来生まれる萩野の子供でもあるはるか(演・榎あづさ)の使い方など「演劇表現としての面白さ」によって「しんどさ」を緩和しているのが巧み。

そして普段、見て見ぬふりをするでもなく避けて通っているでもなく積極的に見ようとはしない境遇・経験を演劇化して多くの観客に知らしめるという意義に感動。

あと、最終場に先月末に上演されたのびる「今日はこれでいいや」を連想。
いやまぁ、この2作に限らず、時々使われるパターンではあるのだけれど。
アンチカンポー・オペレーション

アンチカンポー・オペレーション

フジオモラル

王子小劇場(東京都)

2018/10/17 (水) ~ 2018/10/21 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/10/19 (金) 19:30

冒頭から「モラル節」が高らかに鳴り響き、以降の2時間弱は食べ物で喩えれば脂っこくて胃もたれしそうなほどに「モラルイズム(?)」丸出し・満載で、さながら藤尾勘太郎「犬と串」卒業公演の様相。
そう感じたのは作品内容だけでなく、あんな人やそんな人も!?な多彩な出演陣がそれぞれに犬と串所属の如く馴染んだ「奇蹟の座組」(「新・犬と串」?(笑))による部分もあろう。

なお終盤で、舞い散る赤い紙吹雪がストロボライトによって静止するというのは理屈ではワカっていても、実際に目にするととっても不思議というか魔法でそこだけ時間が止まったというか、独特の感動があった。

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