わたしの、領分 公演情報 わたしの、領分」製作委員会「わたしの、領分」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/10/21 (日) 13:00

    座席H列3番

    価格4,300円

    エンタメ芝居の対極にあると言うか娯楽性を排して真摯にテーマを伝える作品にしてファーストシーンからいきなり「刺してくる」ほどのしんどい「体験」。
    結果、こういう題材でも演劇にできるんだ、とか演劇にする意義、しんどさを軽減する工夫などについて考えながら観ていた。(と言うかそういうことを考えて気分を逸らさないと辛さに堪えられなかったのか?)

    (4度目の上演を考慮して具体的なことはネタバレBOXへ)

    ネタバレBOX

    冒頭、Aくんの母親(演・真嶋一歌)の苛立ちがいきなり刺さる。発達障害の子を持つ母親のストレスが直接伝わってくる感覚か?

    育児は妻に任せきりなBくんの父親(演・山田健太郎)についえも今は少しずつ変わっているとはいえおそらくまだ主流だろうし、ましてや子供が自閉症であれば逃げたいだろうと考える……どころか自分がその状況に置かれたら同じ対応になるだろうと想像し、これも「刺さる」。

    その2例以外でも作中人物の心境があれこれ伝わり、「かなりヘヴィー」。
    クライマックスでの心理士・萩野(演・福永マリカ)とAくんの母親のやり取りはその最たるものかも。

    が、そんな内容ながら、装置や照明効果の見事さ/美しさや、客席会場時から舞台上にいて、開演後は時にはAくん、時にはBくんであり、さらには流れた胎児の魂であり、将来生まれる萩野の子供でもあるはるか(演・榎あづさ)の使い方など「演劇表現としての面白さ」によって「しんどさ」を緩和しているのが巧み。

    そして普段、見て見ぬふりをするでもなく避けて通っているでもなく積極的に見ようとはしない境遇・経験を演劇化して多くの観客に知らしめるという意義に感動。

    あと、最終場に先月末に上演されたのびる「今日はこれでいいや」を連想。
    いやまぁ、この2作に限らず、時々使われるパターンではあるのだけれど。

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    2018/10/23 23:41

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