『十二夜』
RoMT.
WAKABACHO WHARF 若葉町ウォーフ(神奈川県)
2019/01/26 (土) ~ 2019/02/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/02/01 (金)
語呂合わせなどの言葉遊びが多々あり、それでいて爵位を持つ人とそのお付きの人々らしい品のある言葉遣いが印象的で「巧い翻訳だなぁ」と思い、終演後に確認したところ、2015年に春風舎で上演した時と同じ訳(河合祥一郎)であった。さらに当時の自分のツイートを見直したらやはり同様のことに触れていて、単に記憶から抜け落ちていたのだったという……(爆)
もちろんそれだけでなく、瞳がハートになっている「恋する乙女」のマンガ表現を演技で具現化したようなオリヴィア(演・小瀧万梨子)や作品内を(ってか開演前や休憩中も)飄々と動き回るフェステ(演・菊池佳南)を筆頭とした演者たちにより4年前より更に愉しさが増した感じで非常に楽しかった。
ちなみに2015年版の上演時間は155分(休憩有無の記録無し)だが長さを感じなかったのはよく覚えており、今回の170分(実測値にして休憩15分を含む)もやはり体感時間は2時間程度。
あ、マルヴォーリオが幽閉された場所を上方のオペブースなどがある「2階部分」(?)で表現したのも良かった。
モルディブの星 モルディブの月
劇団東京イボンヌ
cafe&bar 木星劇場(東京都)
2019/01/29 (火) ~ 2019/02/05 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/01/30 (水) 19:30
価格3,800円
【月・初日】
マチネの「星」のヒロインは結婚後が「感情が死にかけている(が、時々爆発する)=鬱的」な印象だったのに対してこちらは「終始イラついていてトゲトゲしい」みたいな。
また、序盤に「間違い探し」的な小さな違いがあり、福島さんと話してみたらマチソワ間で修正した由。この修正によってワカり易くなり、ツッ込みどころも解消されたと思う。
【余談】
音楽は台詞で名前も出てくるラヴェルを中心にデイヴ・グルーシン(「黄昏」だよ♪)、ジョージ・ウィンストン(そして最後はバッハ?)のピアノ曲にアレはポリス?
「マ・メール・ロワ」というのはマザーグースがモチーフのビアノ曲集で、タイトルもほぼ直訳。(綴りは古式)
モルディブの星 モルディブの月
劇団東京イボンヌ
cafe&bar 木星劇場(東京都)
2019/01/29 (火) ~ 2019/02/05 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/01/30 (水) 14:00
価格3,800円
【星・2日目】
内容がクラシック音楽とさほど密接ではないのはこの団体を初めて観た第2回公演「ブレス」(2008年11月)に近いか。
そして連続ドラマに喩えればプロローグのモルディブの場面は月9っぽかったが、ヒロインが結婚して5年経ち夫との関係に悩む本編は水10のような感覚?(私見)
ある憎まれキャラの行動原理が澤村伊智原作・中島哲也監督「来る」の妻夫木聡が演じた役と通ずる気がしたり、そんな理由で結婚するとそういう末路かと思ったりも。
また、イイ人二人とヤなヤツの人物造形がリアルで「いそー!」みたいな。
ちなみにヤなヤツを演じた方はカーテンコールで全く別キャラだったので一安心。(笑)
小道具は使わずすべてマイムで表現されるが、バーのマスター堀が拭いているグラスやヒロイン布美の夫・田中が冷蔵庫から出して呑む缶ビールなどを筆頭に、あたかもそれらが見えるようだったのもお見事。
授業
アンフィニの会
サラヴァ東京(東京都)
2019/01/25 (金) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/01/26 (土) 20:00
価格3,000円
開演前、舞台上の2脚の椅子の一方には女性ものの麦わら帽子(?)が掛けられており、机の上にはポシェットが。
そして開演すると木を叩くような音(この時点ではドアを叩く音かと思った)に続いて玄関ベルの音がし、女中がその帽子とポシェットを片付けてから女生徒を導き入れる……。(以下、結末に触れるので念のためにネタバレBOXへ)
最後の晩餐
劇団天動虫
サラヴァ東京(東京都)
2019/01/29 (火) ~ 2019/03/03 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/01/29 (火) 19:30
ツアー(?)初日、サラヴァ東京での「喧嘩仲裁屋」(25分)と15分強の休憩を挟んでの「最後の晩餐」(90分)を観劇。
「喧嘩仲裁屋」
10年近く(?)演を重ねているという十八番の短編。仲裁される2人はいろんなキャストが演じたそうだが仲裁屋だけは変わらずジョニーさんとのこと。
あの軽妙洒脱な味わいは余人を以て代え難いのか?いや、いつか「新・仲裁屋」も観てみたい。
「最後の晩餐」
人気マンガ家に担当編集者が告げた事から始まる騒動。
メインの3人が「いかにも天動虫キャラ」だったり、ゲストが演じる役が「それは、もしや?」だったりで面白いが、常にコトは起こるものの大きなヤマがないような気がしたりしなかったり。
『死が二人を分かつまで愛し続けると誓います』 『二度目の蝶々は遠回りして帰る』
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2019/01/17 (木) ~ 2019/01/29 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/01/28 (月) 19:00
価格4,000円
【二度目の蝶々は遠回りして帰る・楽前日】
母を亡くした日本の少年のその後の半生とバンコクの青年が見る幻覚の関係は?な物語。
交互上演のもう一方である「死が二人を分かつまで愛し続けると誓います」と対を成す内容な気がする。
「死が二人を……」は「その時」が来ても現代版の「御来迎」があるなら怖くない、「二度目の蝶々は……」は大切な人を喪っても姿を変えてそばにいるので必要以上に哀しむことはない、みたいな。
そうしてこの2つの考え方は宗教(特に仏教?)にあるものではないか=「死が二人を……」は逝く者、「二度目の蝶々は……」は遺された者のそれぞれの心のケアではないかと。
不安を抱く人々の気持ちを和らげるのはかつては宗教だったが、今は演劇もその役目の一端を担っているのではないか?などと思った。
『死が二人を分かつまで愛し続けると誓います』 『二度目の蝶々は遠回りして帰る』
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2019/01/17 (木) ~ 2019/01/29 (火)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/01/28 (月) 14:00
価格4,000円
【死が二人を分かつまで愛し続けると誓います・千穐楽】
コメフェスでの初演ならびにテレビ放映版も観ているが、記憶が薄れかけていたこともあってか、「水増し感」はおろか「ここが追加部分か」などと気付くこともなく初めからこのサイズであったかのような印象。
そしてドタバタやナンセンスな笑いもふんだんにありつつあのラストで粋な掌編を観たように錯覚させる(爆)のが巧い。
あんなお迎えがあれば死も怖くないか、などと思い、前日千穐楽を迎えたアマヤドリ「天国への登り方」と一脈通ずるか?とも感じた。なお、従来の #PMC野郎 の衣装……いや仮装(爆)って本来は小さいもの(家電製品とか)を人間サイズに拡大するパターンなところ、今回の「築地市場の霊」のミニチュアは逆発想。具現化した美術さんもお見事!
『天国への登り方』
アマヤドリ
あうるすぽっと(東京都)
2019/01/24 (木) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/01/26 (土) 14:00
座席F列18番
【楽前日マチネ】
初日は下手前方で観たがこの回は上手前方を選択した結果、見え方が全く違う場面があって愕然。
蜂ヶ谷と里砂と「送り出す」場面が2度あり、彼女らは舞台の上手手前から下手奥に向かって伸びる「白い帯」上の「通路(?)」を通ってハケる。
この場面、下手からだと目の前を横切る形なので「客観的」に観ることになるのだが、上手からだと自分の見ている側から奥に去って行く形になり、それは「送る者」の目線であり「主観的」に観ざるを得ないという……。
観る角度によって見え方が違うことは少なからずあったが、ここまで心情的に異なるのは初めてで、本当に驚いた。
『天国への登り方』
アマヤドリ
あうるすぽっと(東京都)
2019/01/24 (木) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/01/24 (木) 19:30
座席D列5番
【初日】
終活の次にある(かもしれない)もの・近い将来現実問題になる(かもしれない)こと、というテーマにしても、その見せ方・語り口にしてもアマヤドリど真ん中。
また、年齢が年齢だけにぼんやりと考えたり考えなかったりだった「その時」についてのガイド(ヒント?)を貰った感覚もアリ。
人生の幕の引き方について「こういうのもあるのではないか?」と提示し、「こんな風に考えてはどうか?」と提案して「だから死は怖くないしそのためにはどうすれば良いか?」と考えさせる……ってアマヤドリという宗教?広田淳一という教祖?(笑)
……ということで、予約していた千穐楽に加えてスケジュールを空けていた26日マチネを帰ってから予約。
「幸福の黄色い放課後」
オフィス上の空
萬劇場(東京都)
2019/01/23 (水) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/01/23 (水) 19:00
座席I列4番
【3-B・初日】
キ上の空論での初演・再演を観て内容は「だいたい」覚えていたが「そうだったっけ?」な部分やもしかすると今回初めて気付いた(またはすっかり忘れていた)部分があるし、何より國吉さんによる新演出で「そうきましたか!」だし、存分に楽しんだ。
楽日に観る別キャストの【3-A】も楽しみ♪←当日パンフレットの配役を見て納得したり意外に思ったりしたのだった。
「幸福の黄色い放課後」/「幸福の黄色い10日後」
キ上の空論
サンモールスタジオ(東京都)
2017/03/23 (木) ~ 2017/04/02 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/03/25 (土) 19:00
価格3,300円
【10日後】
マイルドな「放課後」に対してハードな「10日後」、ドラマっぽい「放課後」に対して映画っぽい「10日後」、と対照的。
こちらも見せ方と言うか構成と言うかに工夫があって……(ネタバレBOXへ) また、S.E.について思ったこともネタバレBOXへ。
「幸福の黄色い放課後」/「幸福の黄色い10日後」
キ上の空論
サンモールスタジオ(東京都)
2017/03/23 (木) ~ 2017/04/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/03/25 (土) 14:30
価格3,300円
【放課後】
再演時に初演時の「観てきた!」をアップしたが、新演出版の上演を踏まえて再演版の「観てきた!」をアップするという「歴史は繰り返す」ぶり……(爆)
構造にシカケのあるものというのは最初にはあれこれ考えながら観て途中で「そういうことか!」と合点がゆくのだが、その落とし所を知った上で観る2回目以降は「そこにないもの」が見えたりして別の楽しみ方ができるのではないか。
往年の番組「中学生日記」の当世高校生版、あるいは中原俊監督の「櫻の園」(1990年の方)を観た時の「今の高校生はこんななんだ」というのに通ずる印象も受けた。(他は初演版の「観てきた!」をご参照ください)
女生徒 ~さよなら、モラトリアム~
ネリム
OFF OFFシアター(東京都)
2019/01/21 (月) ~ 2019/01/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/01/21 (月) 14:00
価格3,500円
オープニング映像冒頭のクレジットに「原案・太宰治」とあった通り本歌取り・換骨奪胎で「女生徒2019」または「21世紀の女生徒」なオモムキは烏丸棗オリジナルと言っても過言ではなさそうだが、1行で説明すればちゃんと原典と同じ話、みたいな?(笑)
太宰の頃にはなかったアレやソレでイマは生きにくいのではないか?な問いかけはまさに烏丸作品(私見)か?但しダークさは控え目、ビターは増量、的な。
過去に観た鳥公園・しむじゃっくのものは原典に忠実だったが、こういうアプローチも面白い。
なお、カーテンコールの一言よりも多い挨拶によれば本作が初舞台だったり初主演だったりした方もいらしたそうだが、その挨拶こそ初々しさがあったものの本編中はそんなことを微塵も感じさせなかったのもお見事。
ちなみにそんな中に「カーテンコールの練習」なる言葉が出てきてつい先日観た江古田のガールズ「遺作」を思い出したりも……(笑)
さよなら光くん、さよなら影さん
制作「山口ちはる」プロデュース
小劇場 楽園(東京都)
2019/01/18 (金) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/01/18 (金) 19:30
価格3,300円
「銀河鉄道の夜」のジョバンニの如く学校でからかいの対象にされている少年・光のファンタジックな冒険譚、かつて「真夏のカーニバル」を倉本さんらしからぬと評したが、あれを遥かに凌駕する「らしからなさ」(笑)
児童文学あるいはそれを原作とした少年少女向けドラマのような味わいと言えようか。
散見される唐突で荒唐無稽・支離滅裂なブッ跳んだ展開は「やっちまったなぁ~」級だが、そこにツッ込むのは野暮というもの?
それを容認できるかどうかが評価の分れ目ではなかろうか。
考えようによっては子供の頃の「ごっこ遊び」に通ずるノリではないか?と容認する側のσ(^-^)だが120分超は長いと感じた。この内容だったら90分から100分程度が限度ではないか?
ショウジョジゴク
日本のラジオ
新宿眼科画廊(東京都)
2019/01/18 (金) ~ 2019/01/22 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/01/18 (金) 15:00
価格1,700円
奇しくも昨年暮れの新宿公社「少女地獄」と競作となったが、原作が3編の短編から成る作品だけに、その3編の組み合わせ方・構成で仕上がりは全く別物。
屋代さんの言によれば新宿公社版は比較的原作に近かったそうで、あちらが基本形、こちらが応用編、みたいな?(だからタイトルがカタカナ表記なのか?と推察したりも)
原作は未読だが、言われてみれば確かに「あの流れをそういう状況の中で展開させますか」があったり、「少女地獄」以外の作品のネタをちょくちょく混ぜ込んだり(きっと知らない作品のものもあったんだろうなぁ)で、新宿公社版がちょうど良い予習になった感じ。
つぎとまります・匣
劇団肋骨蜜柑同好会
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/01/17 (木) ~ 2019/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/01/17 (木) 20:00
座席D列14番
価格3,200円
【松チーム・初日】
執筆に行き詰まりバスで逃避を図った男が下車した停留所のすぐそばには流しそうめんをしている女がいて……な会話劇。「逃避と居場所、そして層構造・入れ子構造に関する考察」といったところか?(何かこの1ヶ月ほどって層構造・入れ子構造ものが多くないか?シンクロニシティ? 好きだから歓迎だけれども)
「待っているの」なんてフレーズが出てきたり、電柱はなくても昔の木製電柱に付いていたような電球の外灯があったり、不条理劇のオマージュ?(笑)
男を翻弄する女の論法の中にイヨネスコ「授業」の教授のそれと通ずるものがあったような気もする。
それにメタフィクションだし入れ子構造だしって、σ(^-^)にとってのお子様ランチ芝居じゃねーか!(爆)
しきしま探偵事務所
シアターまあ
テアトルBONBON(東京都)
2019/01/15 (火) ~ 2019/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/01/17 (木) 14:00
座席I列7番
価格4,000円
下町の雑居ビルにある探偵事務所を舞台とした物語……と言うよりは日常エピソード集、的な。
一応、美女が人探しを依頼しに来る、というプロットもあるが、それとて事件性がないどころか物語全体の中心となる訳でもなく1エピソード的な扱い。
そして短いエピソードが終わる毎に暗転するのは近年珍しく、あたかも連作4コマ漫画の単行本、みたいな印象か?(笑)
そんな表現によるものだけでなく、例えば昭和のテレビドラマを視ているようにどこか懐かしく、考えてみたらご近所さんたちが些細なことでわちゃわちゃするのは往年のNHKの「お笑い三人組」に通ずるノリではないかとも思ったり。
あと、「街の男」のいかにも演劇的な表現が、それに対するツッ込みも含めて愉快。
なお、かつてand me...をよく観ておりオフィスパラノイアも観ている身にとって「異色の顔合わせ」でもあった。(笑)
俺ずっと光ってるボーイ、健之助
桃尻犬
OFF OFFシアター(東京都)
2019/01/16 (水) ~ 2019/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/01/16 (水) 19:30
価格3,000円
主人公・健之助とそのカノジョ、彼が働いているスーパーを経営する家族やその友人たちが織り成す物語。
終盤、ピンチに陥った店長を妻(佐賀モトキ・好演)が支える場面あたりから夫婦とは、家族とは、なイイ話になって「ど、どうした!?」と思わせておいての「怒濤のクライマックス」(やっぱり!)にヤラれた。(笑)
その近辺でイイ台詞を何気なく無造作に言わせるのもカッコイイ。
「イイ話パート」のラスト付近で「おや、もしかしてタイトルはここにかけていて、そういう意味なの?すげぇ巧いじゃん!」などと深読みさせておいてのアレだもんなぁ、たばかったな!(笑)
鳥の市 2018
なかないで、毒きのこちゃん
OFF OFFシアター(東京都)
2018/12/27 (木) ~ 2018/12/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/12/28 (金) 12:30
公演2日目、EとFの初日をAの2ステージ目で6プログラムコンプリート。
Eは鳥皮作品の真骨頂(私見)な2本。
「すーぱーうーまんちゃんさん」は開場時から始まっていると言って過言ではなく、たどたどしい前説も本編の伏線と言えよう。
かつて新宿眼科画廊で観て「シカケ」を知っていたので2人の演者だけでなく、時々客席にも視線を向けてお客さんたちの反応も観察。そういった意味で本作は演劇版の「4分33秒」と言えるのではないか?
今回の中で最も初期の作品「ループ サイド ループ」、もちろんσ(^-^)は初見だが、早い段階で意図に気付き「その手があったか!」と感服。
「ちょっと止めまーす」の度に深まる入れ子構造、どう落とすのか?と思ったラストも鮮やか。
Fは古着屋三部作の中では唯一泣ける「夢みるあの子はまだおうちでロンリーガール」とここまでの4本の一人芝居の中では一番オーソドックスな「さよならはじめましてちゃん」、B~Fの5プログラムの中で一番「一般的(?)」かも?
Aの一人芝居「おせきはん、たく。」も鳥皮一人芝居のど真ん中な感じで楽しく、「会場あて書き作品」の劇場版たる「そば屋のあつこちゃん。」「ビックリハウスのこと、あの子のこと、その他もろもろ」はにぎやかかつハッピーエンドで、6本を観る順としてこれがラストなのはベスト(私見)、そして2018年の観劇納めとして最適な「お祭り演目」であったと満足。
鳥の市 2018
なかないで、毒きのこちゃん
OFF OFFシアター(東京都)
2018/12/27 (木) ~ 2018/12/30 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/27 (木) 16:30
公演初日にB~Dの3プログラムを続けて。
Bの「悪口サミッドナイト・イン・高円寺」とEの「わるぐち全集」(ともに初演を観ている)は古着屋、Dの「世田谷区在住。町田みよことその恋人と」(初演は未見)はバー、と初演は設定そのままの場所で上演された(というより公演会場に合わせて書き下ろされた)45分ほどの中編の「劇場版」で臨場感よりも見易さに重きを置く、的な。
その中でも特に印象的だったのは平成vs昭和な「わるぐち全集」で、森田ガンツ・井口千穂お二方の昭和組の破壊力ったら!(笑)
あと、序盤で谷川俊太郎「ことばあそびうた」の一節が出てくるが、そういえばあれ、最近では教科書に載っているんだっけ?
20分ほどの一人芝居「そしてまたキミのユメをみる。」(B)は毒きのこちゃんの王道、「芝ちゃん浜ちゃんたかなしくん。」(C)はタイトルから想像できるように落語仕立て(パジャマに掻巻(?)で枕が終わったあたりで羽織の如く掻巻を脱ぐのがまたイイ)、「私の青空」(D)は異色?とそれぞれタイプが異なる多彩だが、それぞれに演者の力量を感じた。