トワイライト・フォア・クローバー・ジェネシス
進戯団 夢命クラシックス
銀座小劇場(東京都)
2009/03/12 (木) ~ 2009/03/15 (日)公演終了
満足度★★★★
パズルのような構成が鮮やか
はるか昔の姫とお付きの者のリアルな夢を見る女性、人や物の余命を読む能力を持った青年、亡き母と同じ心臓疾患で手術を恐れる少女とその兄、千年にもわたってある女性の魂を守ろうとし続ける謎の男、などバラバラに提示されたピースたちが次第に関連づいてストーリーをカタチ作ってゆき、終盤で「昴」の正体が明らかになる時に最後の一片がピタリとハマって全体が1つにまとまるパズルのような構成が鮮やか。
また、千年の歳月を経て届く1つの想いがロマンティックだし、それを取り巻く人々のいくつかの想いが優しくてイイ。
SPY
劇団Spookies
きゅりあん(品川区立総合区民会館)(東京都)
2009/03/12 (木) ~ 2009/03/15 (日)公演終了
満足度★★★★
余は満足ぢゃ
時は幕末、新撰組にも尊皇攘夷側にもそれぞれ密偵がいて…という香港映画の「某三部作」を想起させるストーリー、まるっきりのフィクションではなく虚実取り交ぜて描いているので歴史の新たな側面を見ている、あるいはパラレルワールドの歴史を見ているようで面白い。
ただ、先述の三部作か、あるいはそのハリウッド・リメイク版を観ていたらより面白かったかもしれないと思うとちょっと残念?(笑)
また、程良く笑いもまぶしてあるし、途中で小出しにしつつ終盤で炸裂する殺陣は迫力があるし、観応え十分の130分、余は満足ぢゃ。
そうそう、殺陣で刀の音などのS.E.を使わないのもイイやね。むしろその方がより迫力を感じさせるような気がする。
ラストの新撰組隊士たちの黙祷は、同時に志に殉じた幕末の若者たちに対する出演者・スタッフのものでもあるのがまたイイ。
彩られたモノ・クローン
劇団名古屋さん。
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2009/03/10 (火) ~ 2009/03/17 (火)公演終了
満足度★★★
眼からウロコが落ちる
遺伝子操作やクローン技術がもう少し進んだホンのちょっとだけ未来のおハナシ。タイトルや公表されているあらすじから想像した真相が当たらずとも遠からずの内容は意外性皆無で「なんだ、やっぱり…」ではあったものの、抽象的に「倫理」で片づけられているクローン人間の問題を具体的に提示して眼からウロコが落ちる、みたいな?
ただ、遺伝子操作によって作られた「××が発光するネズミ」に噛まれた人間も××が光るようになるというギャグはいかがなものか?ウイルス感染じゃあるまいし。そんなに簡単に、しかも異種間で特質が受け継がれるようなら遺伝子操作なんていらねーじゃん。(光るネズミや光る××の見せ方は愉快だったけれども)
また、本人への臓器移植用にクローンを、というアイデアは従前からあった(クローンものでは定番?)が、あの結末はつまりまったく健康なクローンを「つぶして」その臓器を使ったワケで、それもいかがなものか?(とはいえ、考えてみるとこのアイデア自体が健康なクローンを「つぶして」使うことを前提としているワケで…じゃあ、これも眼からウロコか)
ところでああいうラストってことは、舞台となった研究室は知覧にでもあったんでしょうかね? で、彼は宮川三郎少尉の末裔だったとか?(爆)
いやまぁ、初舞台の岩田さゆりを観るのが主眼だったので、芝居全体については片目くらいつぶるけれどサ…(爆)
よーいドン!!死神くん
ポップンマッシュルームチキン野郎
劇場MOMO(東京都)
2009/03/06 (金) ~ 2009/03/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
リピートしちゃったし
ストーリーの基本部分は一昔前の2時間ドラマあるいは昭和中期の松竹映画のような(そのルーツは近松あたりまで遡る?)ベタな人情ものに他ならないのに、それにドリフのコントのようなギャグやメタフィクション的な部分、それに演劇論までまぶして全く違った印象のものに仕上げていて、生地と柄そのものは良いけれど和服じゃあなぁ…な古着を、和のテイストを残しつつポップなデザインのニューファッションに仕立て直した感じ。
なお、11にE列8番で再見。
風街
北九州芸術劇場
あうるすぽっと(東京都)
2009/03/06 (金) ~ 2009/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★
マイルドで小綺麗な桟敷童子(笑)
一言で言えば「マイルドで小綺麗な(あるいはアク抜きをした?(笑))桟敷童子」、客席の横の壁まで装飾されているようなことはなく舞台上だけにとどまっている装置からも予見できたように、一般的な芝居を装いながらも根底に流れるのは東憲司の得意とする「庶民の強さ」。
井上ひさし(の昭和庶民伝)とはまた違ったアプローチながら悲喜こもごもの庶民生活を描き、心の底に秘めた強さやバイタリティを見せてしめくくるのはこの人の真骨頂。(オープニングで主題歌を全員が歌うのも得意なパターン?)
※ 小奇麗に感じたのは桟敷童子の芝居よりも現代に近い60年代を思わせる頃が背景ということもあるか
また、ラストシーンの青空の美しさにはホロリ。
それにしても、中心となる2人の少年役がともに女子大生だったとはオドロキ。小柄だしヘアスタイルやメイクのためもあって、てっきり「子役を使うとは珍しい、でも演技巧いな~」などと思っていたのに…(笑)
特に学役の方はその表情なども桟敷っぽくて、いずれ桟敷童子の舞台でも観ることになるかも?などと思う。
『すべての風景の中にあなたがいます』『光の帝国』
演劇集団キャラメルボックス
新宿FACE(東京都)
2009/03/05 (木) ~ 2009/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★
『光の帝国』
原作が短編だけに脚色によって膨らませた部分アリ。読後9年の曖昧な記憶のおかげであまり抵抗はなく(若干の違和感程度)、クライマックスである「故人が遺したもの」のくだりに弱点を突かれた(←キャラメルテイスト満載)ので、総合評価としてはこちらの方が好み
『すべての風景の中にあなたがいます』『光の帝国』
演劇集団キャラメルボックス
新宿FACE(東京都)
2009/03/05 (木) ~ 2009/03/29 (日)公演終了
満足度★★★
『すべての風景の中にあなたがいます』
梶尾真治のロマンティック系作品として典型的なタイムスリップもの。
主人公1人を中心に描いた原作をどう舞台化するのかと思っていた上に、いざ装置を目にしたら「山の中が大半なのに何で?」状態で「もしかしてタイトルと内容を取り違えて記憶していたのか?」とさえ思ったら、なるほどそうきましたか、な工夫あり。
そうすることによって、原作では地の文で語られている主人公の状況などを舞台に「乗せる」のはお見事。
とはいえ「いかにもキャラメル」なギャグが浮き気味…と言うよりはウザく感じる。
12人のそりゃ恐ろしい日本人
劇団チャリT企画
OFF OFFシアター(東京都)
2009/03/03 (火) ~ 2009/03/08 (日)公演終了
満足度★★★
シリアスなテーマをシュールやブラックな笑いで
裁判員制度の導入によって起こりうるシリアスなテーマをシュールやブラックな笑いで包みこみ、さながら「その食材とその味付け(あるいはその2つの食材)って合わないのでは?」と恐る恐る食べてみたら意外にも美味かった、みたいな…(笑)
がしかし、やはり別々に食べた方がそれぞれの旨みが引き立つのでは?な気もしないではない、的な?(←緩和しすぎか?(爆))
また、それまでのリアルな下宿屋の装置が終盤のある状況によって一変することを簡単に表現するアイデアがナイス。
DOG'S
LIVEDOG
笹塚ファクトリー(東京都)
2009/02/26 (木) ~ 2009/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★
完全ダブルキャストの面白さを満喫
雑種と純血種、飼い犬と野良犬などの気持ちをバックグラウンドにした犬界の覇権争い、基本的にはコミカルながらロマンスあり感動あり、さらに人間のエゴ(安易に捨てたり、外見的な僅かな奇形だけで冷遇したり、はては養鶏場のような悪条件下で仔犬を「生産」させたり)についてチクリと刺す部分もあり、なかなかに見事。
また、2つのチームでストーリーの細部や一部シーンの立ち位置はもちろん、登場「犬」物のキャラまで違う(演者に合わせてキャラをカスタマイズした?)ので完全ダブルキャストの面白さも満喫…どころか同一演出家によるのにここまで印象が異なるのは記憶にないくらいで。(単に忘れているだけだったり?(爆))
マチネ(J):B列11番
ソワレ(B):C列6番
恋人としては無理(JAPAN TOUR)
柿喰う客
STスポット(神奈川県)
2009/03/05 (木) ~ 2009/03/09 (月)公演終了
満足度★★★★
ストイックに変身
前年4月の凱旋公演では会場の長辺側が演技エリアだったのに対して今回は短辺側が舞台という構造上の違いからステージ両サイドにも壁があることとキャラクターを識別するためのアイテム類が舞台になく後方の壁の陰に隠れていること(このスタイルは横浜公演のみとのこと)が開演前に気付いた違い。
始まってみると「識別アイテム」がピンクで統一されていたり、前回いなかったところの唯一「黒くない」(笑)単一キャストの「ツアーコンダクター」がいたりもして、それらの違いによってかなり趣を異にする。3方を囲む壁が白一色なこともあって、ストイックな印象?
さらに、わかりやすくするため&劇団競泳水着に感化された(笑)(アフタートークでの発言より)ために恋愛色を強めたとのことで、内容的にも変化したもののどちらがより良いということではなく、劇団四季の『JCS』のエルサレム、ジャパネスク両バージョンの如くそれぞれに特色があってどちらも面白いモンだから始末が悪い…(笑)
で、本作は柿の劇団としての特質が端的に出ているそうで、「ツアコン」はその「異様さ(笑)」を外からの目で見てより際立たせるための存在とのことだが、終盤ではストーリー全体をより高いところから俯瞰しているように見えたり、使徒たちを導きながらもいつの間にかいなくなってしまう存在のように見えたりして、「もしかするとアノ人の象徴?」「あるいは神の意思?」などといろいろな解釈ができて、深みも加わったか?
また、終盤で使徒たちの殉教も語られるのでやや重くなった感もアリ。
今後も2年ごとくらいに劇団状況を反映させつつ演を重ねる構想もあるそうで、それにも期待。
ギザギザのお月様
劇団EASTONES
駅前劇場(東京都)
2009/02/26 (木) ~ 2009/03/03 (火)公演終了
満足度★★★★★
本格的娯楽時代活劇
長屋で貧乏暮らしをしている職人3人組が千両箱をまんまとせしめる計画を持ちかけられて実行するが、思わぬ展開になり…という物語。
この規模の小屋でここまで本格的な娯楽時代活劇を、しかも「小劇場的な値段」で観ることができようとは。
そもそも昨今の小劇場的時代劇では髷をつけないのみならず、衣装も現代的にアレンジしていることが多く(それが悪いと言っているワケではない:念のため)、こんな風にキチンとした和装に髷をつけた人物が登場しただけで「ここは紀伊國屋ホールか?」などと思ってしまうワケで…(笑)
そこへもってきてストーリーは起承転結がキチンとしていて、笑い、スリル、泣かせドコロもバランス良く配され、殺陣・アクションは安売りせずに「ここぞ」というところで効果的に使う、と基本に忠実というかどっしり安定しているというか、危なげないどころかツッコミどころすらないほどの完成度。
で、「殺陣・アクション」と書いたのは、剣術の達人の刀捌きの美しさや、力量の差をクッキリと見せる殺陣に加えて G-Rockets メンバーの身のこなしが見事なアクションまであるから。
早くも第2回公演が待ち遠しい。
人間園
角角ストロガのフ
王子小劇場(東京都)
2009/02/26 (木) ~ 2009/03/02 (月)公演終了
満足度★★★★
文字通りの「ブラックユーモア」
観たことのないトコロも含めて個性的な劇団・ユニットのメンバーを中心に、主にドラマや映画で活躍する女優まで加えた多彩なキャストで演ずるブラックコメディ、猛毒あるいは一篇の悪夢のようなドス黒い内容なのにどこか可笑しさが漂って重たくならないのは鈴木聖奈の癒しオーラ効果か?(笑)
また、「そっち系」のもう1人、栗原瞳は龍騎の編集部員よりも555のスマートレディ的な魅力をふりまいておりステキ!
あ、いや、もちろん小劇場系の個性派勢揃いな面々も皆さんそれぞれステキでしたが…(笑)
ところで立浪先生が「みんながストレスのない学校生活を送ることができるように」と前置きして「いじめ推奨」と板書するところなど笑うトコロでは? ってか、文字通りの「ブラックユーモア」なのだからもっと笑い声があってしかるべきでは?
また、4つ(+α-β)の異なった箇所をうまく組み合わせた装置と、その構造・配置ゆえ時として空間を超越する演出(コワれた後、職員室に突如現れる密花先生とか、レイプシーンを撮影する犬塚とか)が面白い。
これもまた、「アクセルを踏みながらブレーキも踏んでいる」というか、相反する要素(毒と笑い)が混在している独特の世界。
あと、当日パンフに掲載された舞台での基本的な位置&似顔絵付きの出演者紹介は有難い。またこの似顔絵がよく特徴をとらえていて見事。
爆走!大爆笑!
MK-Box
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2009/02/25 (水) ~ 2009/03/01 (日)公演終了
満足度★★★
記憶の虫干し状態
06年11月の『人生大爆走』の改訂版で、近付いた卒業まで問題を起こさないようにとワケありの社長から私立探偵に預けられたガングロ令嬢(?)が依頼人のトラブルを「みんなまとめてメンドーみたヨ」な物語、上演時間が初演時(約100分)の3割増の130分というのはこの小屋ではちょっとキツいか?
とはいえ、程よく昔に観たので、よく覚えている部分、観ながら「あぁそうだった」と思い出せた部分、全く記憶にない部分(改訂によって加わった部分であって欲しいが)などいろんなパートがあって記憶の虫干し状態。(爆)
で、栗コーダーカルテットによる「ダース・ベイダー・マーチ」「ハイウェイ・スター」などはよ~く覚えており、個人的なツボ。
あと、クライマックスの「爆走」シーンでのムーヴィングライトの使い方もほぼ初演のまんまで、これも上手い。
アイズ[aiz]
One on One
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2009/02/26 (木) ~ 2009/03/02 (月)公演終了
満足度★★★★
記憶ネタって最近のトレンド?
劇団初の再演もの(初演は未見)で、角膜の移植によって記憶も受け継がれる説が実証された近未来の物語。
「ブラックジャック」中の挿話「春一番」で角膜のドナーが最後に見たものがレシピエントにも見えるとか「キイナ 不可能犯罪捜査官」の第1話で移植された心臓によって記憶が継承されるとかのネタを目にしていたので基本設定については全く抵抗がなかったものの、角膜移植による拒否症状によって死に至る(ことがある)という部分はちょっと引っかからないでもない。
心臓移植による拒否症状なら心臓そのもののトラブルだし、蜂の毒によるアナフィラキシー症状なら「毒」によるショックだし、ということで納得できるのだが、たかが(?)犬の角膜移植、せいぜい失明レベルなんじゃないの?とか思ってしまって…。人間のカラダって、そこまで繊細なのか?
とはいえ、結局2巡くらいする「鈴のついたペンダント」の行方や「依頼人」の正体や目的も含めてストーリー本体はシッカリしているし、それを「いかにもミュージカル」な重唱を含む楽曲や「盲導犬の記憶」担当者を筆頭とした優れたダンスで彩って、いつもながらお見事。
ホント、大手のミュージカルに引けをとっていないのでは?
それにしても、前日のマチネも記憶を共有したりするハナシだったし、記憶ネタって最近のトレンドなのか?
さらに、落語「犬の眼」なども思い出す。いや、ちゃんと共通点があるのよ、これが。
あと、タイトルはダブルミーニング(「eyes」&「合図」)だったのね。
ワンダーランド2400 ★グリーンフェスタ2009「Box in Box THEATER賞」受賞作品★
マグズサムズ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2009/02/25 (水) ~ 2009/03/02 (月)公演終了
満足度★★★
「新・大衆演劇」みたいな?
個人経営のネットカフェでの人間模様、ベタというか既視感アリアリというか、意外性は全くと言っていいほどないけれど、オチを知っている古典落語を何度聴いても笑えるのと同様、キャラ設定と演技によって客を笑わせてしまうのはある意味「新・大衆演劇」みたいな?
ピューパルメモリ
DMF
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/02/25 (水) ~ 2009/03/01 (日)公演終了
満足度★★★
休憩なし160分を走り抜ける
前作同様単純な勧善懲悪ではなく、中盤までは誰が正しいのかすら見えにくい展開なので実時間より長く感じても不思議はないのに休憩なし160分という長尺をダレさせずに走り抜けるのはスゴい。
アクションもいろんなバリエーションがあって単調にならないからか?
ただ、至近距離にしては射撃の命中精度が低過ぎる上にたとえ被弾(あるいは斬られたり刺されたり)してもかなり元気(ターミネーターかいっっ!!!)なのはど~よ?(笑)
その一方、「観たい!」コメントでの懸念は幸いにしてハズれ、最終作へつながりはするものの単品としても一応の決着はついており、一安心。
K
K Dash Stage
赤坂ACTシアター(東京都)
2009/02/25 (水) ~ 2009/03/01 (日)公演終了
満足度★★
やはりハコが大きすぎ
殺人事件モノながら起きた事件以降の出来事を主に描く「フーダニット」ではなく、冒頭で事件の概要を伝えた後、遡って以前の状況を描き、最後に殺人場面に至る「ホワイダニット」、その趣旨はよくわかるし、ドラマとして良く出来ていることも認めるが、殺人にいたる人物の内面をジックリ描いて殺人場面に説得力を持たせるにはやはりこのハコは大きすぎ。せっかくの主人公の心情吐露の演技もおそらく客席の隅までは届いておらずもったいない。
そんな中、桑原裕子や水谷あつしなどはさすがに慣れているというか、ポジションを心得て見せるところでは見せて、ある意味オイシイ役どころ?
この出演メンバーでは難しかろうが、できれば笹塚ファクトリーとか、せいぜいシアターサンモールあたりで観たかった。小劇場系のキャストのみで再演してくれないかしら?
夜の来訪者
シス・カンパニー
紀伊國屋ホール(東京都)
2009/02/14 (土) ~ 2009/03/15 (日)公演終了
満足度★★★
通算5回目
75年のドラマ版から悪名高い『インスペクター・コールズ』も含めて通算5回目となるが、終盤で「彼ら」が追い詰められて行くあたりは毎度ながらワクワクし、最後の電話の内容は「キターーーッ!」みたいな。(笑) ただ、内容と若干そぐわない時代設定にしたことには疑問が残る。
人~サラン~
CAP企画
劇場MOMO(東京都)
2009/02/24 (火) ~ 2009/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★
なかなかの出来
在日コリアン女性と日本人男性(2組)の交際に関する問題を軸に家族愛、人間愛や相互理解のためのヒントなども絡ませた上に程良く笑いもまぶしてなかなかの出来。
性同一性障害のケインが元・警官の彼に理解されるあたり以降が特に良く、かつて日本が犯した罪への批判のみならず、コリアン側の受け止め方に対しても批判し、その中から「じゃあ、どうしたらいいの?」まで言及していて考えさせられたりホロリとさせられたり。
ただ、そのケインのパート、終盤で「性同一性障害であっても同じ人間である」=「国籍が違っても同じ人間である」とメイン部分とカブらせるところはイイのだけれど、そこに至るまではほとんどクロスしていず、水と油のような印象がるあるのは惜しい.
さらに、冒頭でケインが「看護士になれたのはあの人のおかげ」と口にしていながら終盤で「それはまた別の話」とはぐらかすのもどうも…
オンリー・ユー
鈴舟
シアターサンモール(東京都)
2009/02/24 (火) ~ 2009/03/01 (日)公演終了
満足度★★
内容的にも「小粒」な感じ
片田舎(だと思う)の小さな郵便局に強盗が押し入り…という犯罪コメディ、鈴置洋孝プロデュース時代から通じて一番コメディ寄りなのはともかく、ハートウォーミング要素が少ないのはやや不満。
それに加えて内海賢二が声だけの出演というのは事前に知っていたけれど、麻生美代子も比較的出番が少なく、90分という上演時間だけでなく内容的にも「小粒」な感じ。
そもそも強盗立てこもり系のコメディではショーマの『バンク・バン・レッスン』など傑作があるワケで…。
とは言え、コンパクトなサイズでそこそこ笑えたから、まぁよしというところか?