河童の水際
Jungle Bell Theater
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/07/14 (水) ~ 2010/07/20 (火)公演終了
満足度★★★★
「そう来ますか!?」な発想に脱帽
主人公が「あんなこと」までしてしまう導入部に若干の引っ掛かりも憶えるが、大好きな「急逝した者が遺した者に想いを伝える」パターンのバリエーションとして「そう来ますか!?」な発想には脱帽。
また、河童の正体の意外性(もちろん伏線はシッカリ張ってある)もイイ。
ヤマト版 夏の夜の夢〔公演終了!今後は「天幕旅団」としてリニューアル致します。〕
笑劇ヤマト魂
劇場MOMO(東京都)
2010/07/16 (金) ~ 2010/07/25 (日)公演終了
満足度★★★★
続いて喜劇版
いわば「8ビートのシェイクスピア」。
ダイジェスト感なしに95分余で見せてしまうスピード感が独特。
また、喜劇ゆえに許される(私見)現代のアイテム(しょこたん語まで!)取り入れたくすぐりや冒頭の役者たちの名乗りがキチンと意味を持つラストなどのアイデアも◎。
ヤマト版 夏の夜の夢〔公演終了!今後は「天幕旅団」としてリニューアル致します。〕
笑劇ヤマト魂
劇場MOMO(東京都)
2010/07/16 (金) ~ 2010/07/25 (日)公演終了
満足度★★★★
まずは悲劇
四大悲劇やロミジュリと比べるまでもなくバッドどころかビターですらない(私見)結末な上に笑える部分も少なからずあるのは看板に偽りがないでもない(笑)が、パックの「見習い時代」を描いた前日譚あるいは「裏・夏夜」として観ることができて面白い。
また、人間と妖精の演じ分けを貫頭衣風の衣装(いろいろ違う気がする…(笑))の着脱で表現するアイデアも◎。
なお、原典を知った上で観た方がより面白いと思われるので「初めての人には」は「どちらとも言えない」。
母屁3 ネズミ王国
劇団リサイクル
小劇場 楽園(東京都)
2010/07/13 (火) ~ 2010/07/19 (月)公演終了
満足度★★★★
お化け屋敷感覚?
小劇場「楽園」をアヤしさ満載の穴蔵に仕立てて(ゆえに客は搬入口から入場)ネズミ退治を請け負った二人組の恐怖体験を描き、人物・出来事ともに悪夢のよう。
なおかつ、妙な生々しさもあるために白日夢のようでもあるという…。
居ながらにして味わうお化け屋敷感覚?
ザ・ベストマンションシリーズVol.3F
コメディユニット磯川家
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了
満足度★★★★
「HELP」のみ観劇
ベースは咄嗟のウソの積み重ねによる騒動という笑劇の王道パターンでありながらも細部は思いもよらない方向からタマが飛んで来る、な予想外の笑いが満載で、そのさまはまさに「温故知新」的な?(ちょっと違うか)
いやさすが、笑いの本場・関西発!
赤坂炎上7
劇団福耳
L@N AKASAKA(東京都)
2010/07/16 (金) ~ 2010/07/16 (金)公演終了
満足度★★★★
それぞれの個性を存分に楽しむ
トップのゆげ(30分)はありふれたラブソングではないオリジナリティのある歌詞とシッカリした演奏が魅力。
続く赤堤ビンケ(25分)はヒップホップユニットとしての顔にビックリ。
スナック「アジミ」のチーママ、ナンバーワン、ナンバーツーによるショータイム、な味わい堂々(15分)までは音楽系(?)であったものの、ひげ太夫(20分)はハッピー林の前説ソング(厳密に言えばここまでが音楽系?(笑))も含めてお馴染みの「出し物」(さすがにNG集はないが)、トリの福耳(25分)は芸能時事ネタ(ただし他言無用の激ヤバ(爆))と芝居2本で締める構成も良く、それぞれの個性を存分に楽しむ。
しんしやく・天守物語
舞活道 自由童子
テアトロ ド ソーニョ(東京都)
2010/07/13 (火) ~ 2010/07/18 (日)公演終了
満足度★★★★
ええモン見せてもろたわ〜
耽美的な味わいながら終盤には立ち回りもあり、出だしとラストでは現代とのかすかな接点も示唆する脚色と、高くてかなり八百屋な天守部分&その下層部分を使い分けた演出、それにいくつかのギミックが相俟って娯楽性もたっぷり。
以前のCOLLOL版との対比という意味でも面白く、ええモン見せてもろたわ〜、的な。
Don\'t worry,Be happy.
劇団S.W.A.T!
紀伊國屋ホール(東京都)
2010/07/15 (木) ~ 2010/07/19 (月)公演終了
満足度★★★★
大いに満足
かなりベタな人情コメディで既視感満載ながら、一種のファンタジーでもあり、何より大好きなバックステージものな上に、ラストではホロリともさせられては文句などあろうハズもなく、それどころか大いに満足。
お馴染みの次回公演予告にも大笑い。
昭和85年
TEAM JAPAN SPEC.
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了
満足度★★★★
昭和史の一部を真摯にかつわかりやすく
満州事変から太平洋戦争に至る昭和史を地方財閥家を中心にして経済の視点から真摯にかつわかりやすく描いた大人の芝居、な印象。
ストーリーは若干起伏に欠ける感がないでもないが観応えあり。
また、年だけ変えて同じ日を定点観測的に描く手法に井上ひさしの作風も連想。
ツイッター・ア・ゴーゴー!
マグズサムズ
アイピット目白(東京都)
2010/07/15 (木) ~ 2010/07/19 (月)公演終了
満足度★★★★
実際ハマっている身からも満足
ウェルメイドコメディで幕切れもハートウォーミングな上にキャラ設定・状況設定とも上手く、実際「ツイッターは生活の一部」な身(爆)として「ワカるワカる」だったり身につまされたり非常に身近に感じながら楽しく観る。
若干のツッ込みどころもあれど、それを補って余りある面白さに大変満足。
セマセマ
おにぎりスキッパーズ2
ザ・ポケット(東京都)
2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了
満足度★
賛否両極かも?
ニューウェーブ新喜劇とでも言うべきか? かなり強引でムチャな設定を「芝居のウソ」「お約束」として許容できるかで賛否両極に分かれると思う。
基本的には支持し、ツッ込みどころの多さについても「木を見ず森を見る」観方で容認するも、個々の面白さ(歌と踊りのアソコとか)が全体に行きわたらなかった憾みあり。
ところで、開演後に遅れて来た客(3〜4組いた)をわざわざ前方の席に誘導して過半数の客の集中力をそぐのはいかがなものか?(よって星1つ減点)
ラクダ
範宙遊泳
王子小劇場(東京都)
2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了
満足度★★★★
極彩色でPOPな古典落語
極彩色でPOPな古典落語、それはあたかも柄の良い和服をおサレなストリートファッションに仕立て直したような。
わざわざ江戸時代と断りながら現代のあんなモノやそんなモノを取り入れているのも面白い。
また、時折噺家口調になる台詞回しと熊川ふみの酔った芝居も◎。
ただ、パンフや本編冒頭で概略を語ってはいるが、オリジナルを知らない観客にどこまでワカるか若干の疑問は残る。
原典をご存知ない場合はwikipediaのあらすじに目を通しておいた方がイイかも。
ブルッシー
激団リジョロ
タイニイアリス(東京都)
2010/07/08 (木) ~ 2010/07/12 (月)公演終了
満足度★★★★
土着的なパワーを受け取る
主宰の経験を元にしているだけに中心となるホームレスたちを筆頭に人物それぞれに血の通った生身の人間を感じ、本物の土を敷いた舞台と相俟って非常にリアル。
骨太な作風に泥臭さも加わり、文字通り「土着的な」パワーを受け取る。
また、ATG映画や藤田敏八の若い頃などの日活映画の雰囲気も連想。(終わり方は「ハードな『明日に向かって撃て』」とか?)
神月
projectMISSLING
シアター風姿花伝(東京都)
2010/07/09 (金) ~ 2010/07/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
解散が惜しまれる
比類なき異種信仰相乗りアクションエンタテインメント、娯楽性たっぷりな中に仏教信仰の真髄や日本における信教の自由の起源もサラリと(あくまでさりげなく)織り込み、過去作品とのかすかなリンクまであって見事。
また、衣装・メイクや武具のデザインも◎。
これが解散公演とは本当に残念。関係各位のそれぞれの分野での今後の活躍を祈る。
ルーティーン247パラノイア
シネマ系スパイスコメディAchiTION!
新宿シアターモリエール(東京都)
2010/07/09 (金) ~ 2010/07/11 (日)公演終了
満足度★★★★
妄想を経て辿り着く真相
某推理小説の「こういう推理も成り立つ」的な主人公の妄想を示した後でそれまでの伏線を回収しながら謎を解き、しかし土壇場でどんどん返しがあり「本当の真実」に導いて終わる構造が巧み。
また、OPクレジットのセンスが良く、「そっちかい!」な笑いも満載で125分の上演時間も体感的には100分程度。
「精跡-SEISEKI-」
角角ストロガのフ
サンモールスタジオ(東京都)
2010/07/07 (水) ~ 2010/07/11 (日)公演終了
満足度★★★★
フルスロットルのルミちゃんワールド
ルミちゃんワールド全開で、まさに彼女の脳内風景をまんま出し、みたいな。
最初は一応ワクがあるものの次第にそれが外れて悪夢あるいは幸福な夢の如く脈絡少なに暴走(笑)するさまが快感。
従来と比べて装置がオーソドックスな分、内容のブッ跳び方は倍増、とか?(笑)
また、はらぺこペンギンの白坂主宰を迎えてのアフタートークも本編の謎解明から秘話まで盛り沢山で大いに満足。
8割世界番外公演『欲の整理術』×『ガハハで顎を痛めた日』
8割世界【19日20日、愛媛公演!!】
ART THEATER かもめ座(東京都)
2010/07/07 (水) ~ 2010/07/11 (日)公演終了
満足度★★★★
ユーモラスなのは持ち味?
「欲…」は次第に加速して最高潮に達したところでスパッと終わるキレの良さ(あるいは潔さ)といくらでも深読みできる「支配者」の存在が印象的。
「ガハハ…」は教師の卵たちと2人の女生徒に「イマの教育現場」を感じさせるリアリティがあり、2つの流れが邂逅するラストもイイ。
で、確かにコメディではないものの、ユーモラスで楽しいのはここの持ち味によるものか?
演戯王
X-QUEST
吉祥寺シアター(東京都)
2010/07/07 (水) ~ 2010/07/11 (日)公演終了
満足度★★★★
豪華絢爛っっ!!!
見たことがあったりなかったり、関係がわかったりわからなかったり、久しぶりだったり初めてだったりな20名の客演陣を含む総勢30名が照明とスピーカー以外はない素舞台をところ狭しと駆け巡るさまはまさに豪華絢爛、20周年に相応しい。
2015年の「25人の刺客」(あるのか?)はどんな顔ぶれになるのか今から楽しみ。
マグロを釣るつもりじゃなかった
Theatre劇団子
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/07/07 (水) ~ 2010/07/11 (日)公演終了
満足度★★★★
ズシリとした余韻が残る
泣けるという事前情報の割には泣かずに済んだと思いきや、終わってから余韻がジワジワと。
アノ人のラストの演技によるものだな。
また、盆にまつわる幻想シーンは好みだし、全体的には東京セレソンDXに近い雰囲気か。
しかし、当日パンフの挨拶文で泣かせるのは反則!(笑)
青い鳥の群れ/靴
劇団820製作所
pit北/区域(東京都)
2010/07/07 (水) ~ 2010/07/11 (日)公演終了
満足度★★
ガレキの街の表現は圧巻
なにもそこまで小難しくせんでも…というのが正直なところ。
抽象表現も嫌いではないが、本作の場合は「この解釈でイイのかしらん?」と自信がなくなることしばしば…って、自らの解釈力不足を棚上げしてる?(爆)
一方、終盤でのガレキの街の表現方法は圧巻!